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Interstage Application Server/Interstage Web Server Express Java EE運用ガイド
FUJITSU Software

4.8.2 WebサーバとIJServerクラスタの連携

ここではWebサーバコネクタの運用方法について、WebサーバとIJServerクラスタを同じマシン(同一筐体)で運用する場合と、別マシン(別筐体)で運用する場合のそれぞれについて説明します。

ポイント

WebサーバとIJServerクラスタの連携を行う場合、運用形態に合わせて「Webコンテナへアクセスする運用形態」の設定が必要な場合があります。特に以下の運用形態の場合に必要となります。

  • WebサーバとIJServerクラスタを別のマシンで運用する場合

  • Webサーバを経由する  かつ  負荷分散装置などでWebコンテナに対して故障監視を行う場合

詳細の設定については、「6.8.3 HTTPサービスの定義項目」の「Webコンテナへアクセスする運用形態」を参照してください。

4.8.2.1 WebサーバとIJServerクラスタを同じマシンで運用する場合

WebサーバとIJServerクラスタを同じマシンで運用する場合は、以下の手順で環境設定します。
WebサーバとIJServerクラスタの連携設定の詳細は、asadminコマンドの「サブコマンド-カテゴリ: Webサーバコネクタ」を参照してください。

  1. Webサーバの作成
    Interstage管理コンソールまたはihscreateコマンドでWebサーバを作成します。

  2. IJServerクラスタの作成
    Interstage Java EE管理コンソール、またはasadminコマンドのcreate-clusterサブコマンド、create-instanceサブコマンドでIJServerクラスタおよびサーバーインスタンスを作成します。

  3. IJServerクラスタへのアプリケーションの配備
    Interstage Java EE管理コンソール、またはasadminコマンドのdeployサブコマンドでアプリケーションを配備します。

  4. IJServerクラスタの起動
    Interstage Java EE管理コンソール、またはasadminコマンドのstart-clusterサブコマンドでIJServerクラスタを起動します。

  5. Webサーバの起動
    Interstage管理コンソールまたはihsstartコマンドでWebサーバを起動します。

  6. アプリケーションの実行
    Webブラウザなどからアプリケーションを実行します。

ポイント

  • WebサーバとIJServerクラスタは、以下の場合に自動的に連携するよう設定されます。

    • IJServerクラスタを作成時にサーバーインスタンスを1つ以上作成した場合で、同じマシン内に1つだけWebサーバが存在する場合

    • サーバーインスタンスが作成されていないIJServerクラスタに対してサーバーインスタンスを作成した時に、同じマシン内に1つだけWebサーバが存在する場合

  • WebサーバとIJServerクラスタは、以下の場合に自動的に連携が解除されます。

    • IJServerクラスタ削除時

    • IJServerクラスタからすべてのサーバーインスタンスを削除した時

注意

  • Interstage管理コンソールまたはisj2eeadminコマンドで「Webサーバとワークユニットを同一のマシンで運用する」の設定を「運用しない」に設定した場合、IJServerクラスタへの接続先情報がInterstage管理コンソールのWebサーバコネクタ環境設定画面に表示されますが、これらの設定をInterstage管理コンソールまたはisj2eeadminコマンドから更新、削除することはできません。

  • Interstage管理コンソールまたはisj2eeadminコマンドでIJServerクラスタへの接続先情報を作成しないでください。作成した場合は、IJServerクラスタの環境設定とWebサーバコネクタの環境設定の不整合が発生し、アプリケーションの動作異常を引き起こす場合があります。
    この場合はInterstage管理コンソールまたはisj2eeadminコマンドで作成したIJServerクラスタへの接続先情報を削除して、Interstage Java EE管理コンソールまたはasadminコマンドを使用して連携するWebサーバを設定してください。

  • 同じコンテキストルートのWebアプリケーションを配備したい場合は、Webサーバとの連携の設定を外してから環境を作成する必要があります(運用形態はWebサーバを経由する運用になります)。詳細な手順は以下を参照してください。

    4.9.3 同一マシン上の複数IJServerクラスタで同一アプリケーションの負荷分散を行う方法

4.8.2.2 WebサーバとIJServerクラスタを別のマシンで運用する場合

WebサーバとIJServerクラスタを別のマシンで運用する場合は、以下の手順で環境設定します。

ポイント

  • WebサーバとIJServerクラスタでは、同一バージョンのInterstageを使用してください。

  • WebサーバとIJServerクラスタを別のサーバマシンに分離して運用する場合には、最初に以下を設定する必要があります。この設定をしないと、Webサーバコネクタを操作することができません。

    • IJServerクラスタ用マシンとWebサーバ用マシンそれぞれのInterstage管理コンソールで、[システム] > [環境設定]タブ > [Servletサービス詳細設定] > [Webサーバとワークユニットを同一のマシンで運用する]で[運用しない]を選択します。
      なお、isj2eeadminコマンドを使用して設定することもできます。詳細は、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。

  • 1つのWebサーバに対して複数のIJServerクラスタを連携させる場合、同一のアプリケーションが配備されているIJServerクラスタを連携させることはできません。別のWebサーバまたはバーチャルホストを選択してください。また、必要に応じて、1つのアプリケーションに対して、ターゲットが1つになるように設定を変更してください。

IJServerクラスタとWebサーバを別のマシンで連携させる場合の例を以下に示します。

  1. Webサーバの作成
    Interstage管理コンソールまたはihscreateコマンドでWebサーバを作成します。

  2. IJServerクラスタおよびサーバーインスタンスの作成
    Interstage Java EE管理コンソール、またはasadminコマンドのcreate-clusterサブコマンド、create-instanceサブコマンドでIJServerクラスタおよびサーバーインスタンスを作成します。

  3. IJServerクラスタへのアプリケーションの配備
    Interstage Java EE管理コンソール、またはasadminコマンドのdeployサブコマンドでアプリケーションを配備します。

  4. Webサーバコネクタの接続先情報の作成
    Webサーバを運用するマシンでInterstage管理コンソールまたはisj2eeadminコマンドでWebサーバコネクタの接続先情報を作成します。
    接続先情報の設定項目には手順2、3.で作成、配備したIJServerクラスタの情報を指定します。

    IJServerクラスタのポート番号は、以下の定義項目から確認します。

    • ${instanceName}.system-property.HTTP_LISTENER_PORT

    • ${clusterName}.system-property.HTTP_LISTENER_PORT

    • 設定名.system-property.HTTP_LISTENER_PORT

    定義項目が設定されていない場合や重複して設定されている場合は、サーバーインスタンス>IJServerクラスタ>設定の優先順位でIJServerクラスタが実際に使用するポート番号が決まります。

  5. Webコンテナへアクセスする運用形態の設定
    Intersrtage Java EE管理コンソール、または、asadminコマンドのsetサブコマンドで、Webコンテナへアクセスする運用形態の設定をします。

    • プロパティ名:requestCheck

    • 設定値:webserver

    詳細は、「6.8.3 HTTPサービスの定義項目」の「Webコンテナへアクセスする運用形態」を参照してください。

  6. IJServerクラスタの起動
    Interstage Java EE管理コンソール、またはasadminコマンドのstart-clusterサブコマンドでIJServerクラスタを起動します。

  7. Webサーバの起動
    Interstage管理コンソールまたはihsstartコマンドでWebサーバを起動します。

  8. アプリケーションの実行
    Webブラウザなどからアプリケーションを実行します。

4.8.2.3 Webサーバコネクタのログ

Webサーバコネクタのログ設定は、Interstage管理コンソールまたはisj2eeadminコマンドで行います。詳細については、Interstage管理コンソールのヘルプおよび「リファレンスマニュアル(コマンド編)」を参照してください。

4.8.2.4 IJServer(J2EE)とIJServerクラスタの共存

IJServer(J2EE)とIJServerクラスタは同じWebサーバに対して連携させることが可能です。
ここでは、IJServer(J2EE)とIJServerクラスタの共存している場合の留意事項を説明します。

IJServer(J2EE)とIJServerクラスタで名前が重複している場合

WebサーバとIJServerクラスタを同じマシンで運用している場合は名前が重複しているIJServerクラスタを同じWebサーバと連携させることはできません。
WebサーバとIJServerクラスタを別のマシンで運用している場合は、Webサーバコネクタの接続先情報を作成する時に、IJServer(J2EE)とIJServerクラスタを別の名前に設定することで、名前が重複しているIJServerクラスタを同じWebサーバと連携させることができます。



  1. マシンAのInterstage管理コンソールで、[Webサーバ] > 「Webサーバ名」 > [Webサーバコネクタ] > [新規作成]タブを選択し、IJServer(J2EE)への接続先情報を作成します。

    項目名

    設定値例

    ワークユニット名

    MyIJServer

    ServletコンテナのIPアドレス:ポート番号

    192.0.2.2:9000

  2. マシンAのInterstage管理コンソールで、[Webサーバ] > 「Webサーバ名」 > [Webサーバコネクタ] > [新規作成]タブを選択し、IJServerクラスタへの接続先情報を作成します。

    項目名

    設定値例

    ワークユニット名

    MyIJServer_2

    ServletコンテナのIPアドレス:ポート番号

    192.0.2.2:9001

isinitコマンドの-fオプション指定時の初期化対象について

isinitコマンドに-fオプションを指定して実行するとWebサーバコネクタの環境設定も初期化されます。この時、IJServer(J2EE)への接続情報とIJServerクラスタへの接続情報の両方が初期化されますがIJServerクラスタは削除されません。
このため、IJServerクラスタが存在していてもIJServerクラスタにリクエストが振り分けられなくなります。

4.8.2.5 システム環境設定「Webサーバとワークユニットを同一のマシンで運用する」の設定変更について

ここでは、システム環境設定の「Webサーバとワークユニットを同一のマシンで運用する」の設定を「運用しない」から「運用する」に設定変更する時の留意事項を説明します。