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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.3 運用ガイド
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C.2.1 ファイルシステムの前後処理

ファイルシステムの前後処理とは、ファイルシステムのアンマウント/マウント処理です。複製元ボリュームに対する前後処理は、複製元データを保証するためのものです。複製先ボリュームに対する前後処理は、同期処理実行中やスナップショットコピー時に他プロセスがアクセスできないようにするためのものです。ボリュームがマウントされていない場合は、前後処理が実施されません。

複写元/複写先ボリュームがLogical Unit(ディスク)の場合、Logical Unit(ディスク)に含まれるパーティションに対する前後処理は行われません。そのため、複製作成前にLogical Unit(ディスク)に含まれるパーティションをアンマウントし、複製作成後に、アンマウントしたパーティションをマウントする必要があります。なお、複写先ボリュームがLogical Unit(ディスク)の場合は、複写実施後に複写先のLogical Unit(ディスク)に含まれるパーティションをマウント可能とするために、複写先の後処理で、ディスクの管理情報(パーティションテーブルなど)が更新されたことをOSに通知します。

ファイルシステムの前後処理の実施状況は、以下のとおりです。
この表は、前後処理が実行されるは、コマンドごとに異なり、コマンド実行時のコピー状態でも異なることを示しています。

表C.1 ファイルシステムの前後処理

コマンド名

コピー状態

対象

前処理

後処理

10.4.2.1 swsrpstartsync(複製開始コマンド)

未コピー状態、
または
複製確立状態

複写元

×

×

複写先

○--(1)

×

10.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)
(同期型レプリケーションの場合)

等価性維持状態

複写元

複写先

×

○--(2)

10.4.2.4 swsrpcancel(複製解除コマンド)

等価性維持状態

複写元

複写先

×

○--(2)

複製確立状態

複写元

×

×

複写先

×

×

コピー中

複写元

×

×

複写先

×

×

10.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)
(スナップショット型レプリケーションの場合)

未コピー状態

複写元

複写先

○: 実施する
×: 実施しない

(1)で行った前処理に対する後処理は(2)で行われます。(2)の後処理では、(1)の前処理でアンマウントしたマウントポイントに再マウントを行います。

ファイルシステムの前後処理は、カスタマイズ可能なようにシェルスクリプトになっています。レプリケーション管理のコマンドを実行した場合、前後処理は上の表に従います。また、サーバ間レプリケーションにおいて、接続されていないボリュームの場合、TCP/IPによるリモート実行で前後処理シェルスクリプトが実行されます。

以下に、前後処理の動作イメージを示します。

図C.1 同期型レプリケーションの処理方法

前後処理で標準の前後処理以外に必要な処理がある場合は、それぞれのシェルスクリプトをカスタマイズしてください。

シェルスクリプトをカスタマイズする場合は、以下のエラーコード規約に従ってください。

表C.2 エラーコード規約

エラーコード

用途

0~99

使用不可(AdvancedCopy Managerが予約)

100~255

使用可能

注意

データベースの前後処理は、AdvancedCopy Managerでは機能を提供しません。AdvancedCopy Managerのコマンドを実行する前後で、独自に前後処理を実施してください。