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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.3 運用ガイド
ETERNUS

4.2.2 運用設計

Symfowareのバックアップ運用は、以下の手順で設計します。

  1. 4.2.2.1 Symfowareデータベースのバックアップ運用設計

  2. 4.2.2.2 バックアップ運用を行うサーバの決定

  3. 4.2.2.3 バックアップ対象の決定

  4. 4.2.2.4 バックアップポリシーの決定

  5. 4.2.2.5 バックアップボリュームの準備

  6. 4.2.2.6 バックアップ管理簿/リカバリ制御ファイルの配置ディレクトリの設計

  7. 4.2.2.7 リカバリ制御ファイルと作業ファイルの準備

注意

AdvancedCopy Managerで、Symfowareのデータベーススペース単位またはロググループ単位のデータベーススペースをバックアップ/リカバリーする環境を作成するには、データベースの管理者が、業務の用途に合わせてSymfowareの動作環境を事前に作成する必要があります。

4.2.2.1 Symfowareデータベースのバックアップ運用設計

Symfoware Serverのマニュアルを参考に設計してください。ただし、データベーススペースの配置は、以下の制限事項を守って設計してください。

ローデバイス上のデータベーススペース

ローデバイス上にデータベーススペースを配置する場合、AdvancedCopy Manager のコピー単位(ボリューム単位)と、データベーススペース領域は一致するため、特に考慮する点はありません。

ローデバイス上にデータベーススペースを作成する方法は、『Symfoware Server RDB運用ガイド(データベース定義編)』を参照してください。

ローデバイス上にデータベーススペースを配置する構成だけをサポートします。ファイルシステム上にデータベーススペースを配置する構成はサポートされません。

注意

AdvancedCopy Managerでバックアップする場合、RDBシステム名およびロググループ名に2バイト以上のコード(ひらがな、漢字など)を使用できません。

4.2.2.2 バックアップ運用を行うサーバの決定

バックアップ運用を行うサーバを決定します。

バックアップ運用を行うサーバには、次のものがあります。

注意

すべての管理対象サーバには、AdvancedCopy Managerが使用する内部コード系(運用管理サーバへAdvancedCopy Managerをインストールする際に指定するコード系)のロケールがインストールされている必要があります。

4.2.2.3 バックアップ対象の決定

バックアップ対象とするSymfowareのデータベーススペースが割り当てられたパーティションを決定します。

AdvancedCopy Managerでは、バックアップ対象となるSymfowareのデータベーススペースが割り当てられたパーティションを“業務ボリューム”と呼びます。

注意

  • ロググループ単位でバックアップする場合、ロググループに含まれるすべてのデータベーススペースが配置されているパーティションを、業務ボリュームとして登録しておく必要があります。1つでも登録から漏れると、AdvancedCopy Managerは登録から漏れたデータベーススペースをバックアップできず、データベースのリカバリー時に表間のリレーションの整合性が保てなくなります。

  • システムが格納されているパーティション、AdvancedCopy Managerがインストールされているパーティションは、バックアップ対象としないでください。

  • LVM(Logical Volume Manager)の論理ボリュームおよびボリュームグループは、バックアップ対象としないでください。

4.2.2.4 バックアップポリシーの決定

業務ボリュームまたはロググループに対して設定するバックアップポリシーを決定します。バックアップポリシーには以下の項目があります。

ロググループに対して設定した場合、そのロググループに含まれるすべての業務ボリュームに対してバックアップポリシーが設定されます。

保存世代数

保存世代数は、バックアップしたデータを何世代残しておくかを意味します。

スナップショット型高速バックアップは、最初に、最古の世代を世代管理より解放します。そのため、バックアップ起動中にシステムダウンなどの障害が発生した場合は、最古の世代が削除された状態で、バックアップしたデータが必要世代数分存在しない可能性があります。直ちにバックアップを再実行して、必要世代数分のバックアップデータを作成することをお勧めします。

スナップショット型高速バックアップで、保存世代数を1として運用する場合は、バックアップデータをテープなどに退避する運用を併用することをお勧めします。

同期型高速バックアップは、最古の世代を世代管理から解放するのは、最新世代のバックアップを完了してからです。そのため、(保存世代数+1)本のバックアップボリュームが必要です。

間隔日数

バックアップ未実施の警告を表示する基準日数を意味します。

最後にバックアップした日より間隔日数を超えた場合に、業務一覧画面上や「10.2.2.11 swstexecstat(実行状態表示コマンド)」で遅れが出ていることを表示します。

間隔日数を設定しても、自動的にバックアップされません。

4.2.2.5 バックアップボリュームの準備

バックアップボリュームを準備します。

AdvancedCopy Managerでは、業務ボリュームのバックアップ先パーティションを“バックアップボリューム”と呼びます。バックアップボリュームは、ETERNUS ディスクアレイに配置する必要があります。

バックアップボリュームのサイズは、バイト単位まで業務ボリュームのサイズと同じである必要があります。また、バックアップボリュームの数は、バックアップの運用によって、以下のように異なります。

表4.10 バックアップ運用に必要なバックアップボリューム数

運用形態

必要バックアップボリューム数

スナップショット型高速バックアップ

保存世代数 本

同期型高速バックアップ

(保存世代数+1)本

複数の業務ボリュームにバックアップポリシーが設定されている状態で、新たに登録された業務ボリュームにバックアップポリシーを登録する場合、以下の本数のバックアップボリュームが必要です。

表4.11 バックアップ運用に必要なバックアップボリューム数(バックアップポリシーが設定されている場合)

運用形態

必要バックアップボリューム数

スナップショット型高速バックアップ

(登録されているバックアップポリシーの保存世代数の総和+新たに設定するバックアップポリシーの保存世代数)本

同期型高速バックアップ

(登録されているバックアップポリシーの保存世代数の総和+登録されている業務ボリューム数+新たに設定するバックアップポリシーの保存世代数+1)本

ロググループを指定してバックアップポリシーを設定する場合、以下の本数のバックアップボリュームが必要です。

表4.12 バックアップ運用に必要なバックアップボリューム数(ロググループを指定する場合)

運用形態

必要バックアップボリューム数

スナップショット型高速バックアップ

(ロググループに含まれる業務ボリュームの数)×(設定するバックアップポリシーの保存世代数)本

同期型高速バックアップ

(ロググループに含まれる業務ボリュームの数)×(設定するバックアップポリシーの保存世代数+1)本

注意

  • システムが格納されているパーティション、AdvancedCopy Managerがインストールされているパーティションは、バックアップボリュームとしないでください。

  • LVM(Logical Volume Manager)の論理ボリュームおよびボリュームグループは、バックアップボリュームとしないでください。

  • ロードシェア運用においてはロググループが使用するバックアップボリュームを明確に分けるため、デバイスマップファイルを必ず使用して運用してください。デバイスマップファイルの詳細は「4.2.4.8 デバイスマップファイルの準備」を参照してください。

4.2.2.6 バックアップ管理簿/リカバリ制御ファイルの配置ディレクトリの設計

Symfowareを使用した、ロードシェア運用では、ロググループ単位で退避されたバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルを管理対象サーバ(Storageサーバ)内のディレクトリに配置して使用するため、その配置ディレクトリを事前に設計(決定)しておく必要があります。

図4.6 ロググループに対するバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルの関連図

図4.7 配置ディレクトリを「/acm/(ロググループ名)」とした場合の例

ポイント

ロードシェア運用のノード縮退時に備えて、障害が発生したノードのバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルを格納するために、全管理対象サーバ(Storageサーバ)内に同じ構成で、ディレクトリを作成します。

注意

バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルの配置先ディレクトリのディレクトリ名の長さは17バイト以内にしてください。
また、ディレクトリ名に各国語文字を含まないようにしてください。ディレクトリ名は英数字だけとしてください。

4.2.2.7 リカバリ制御ファイルと作業ファイルの準備

Symfowareのロードシェア運用時のバックアップ運用では、リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリと作業用ディレクトリとして以下のディレクトリを常に使用します。

表4.13 ディレクトリ構成

ディレクトリ種別

ディレクトリ

リカバリ制御ファイル
出力先ディレクトリ

(バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルの配置先ディレクトリ)/FJSVswsts/R

作業ディレクトリ

(バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルの配置先ディレクトリ)/FJSVswsts/W

リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリ

リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリは、バックアップ時に作成されるリカバリ制御ファイルの格納先です。

リカバリ制御ファイルに必要な容量は、1業務ボリュームを1世代分バックアップすると約1MBになります。

N個の業務ボリュームをM世代保存する場合に必要な容量は、次のようになります。

表4.14 リカバリ制御ファイルに必要な容量

運用形態

必要な容量(単位 MB)

スナップショット型高速バックアップ

N×M

同期型高速バックアップ

N×(M+1)

作業ディレクトリ

作業ディレクトリは、リストア時にデータベースのリカバリー作業を行うための作業ディレクトリです。