多くの場合、組織には利用者登録、サービスの申し込み、料金定義に関して特定の手続きがあります。例えば、承認などの手続きです。こういった手続きは、モデル化され、プロセス制御システムで自動化されています。
サービス利用部門やサービス提供部門の特定の処理を、外部のプロセス管理システムの制御の下で実行することができます。管理ポータルやサービスポータルで特定の処置が開始されたときに呼び出されるように、トリガーを設定することができます。このトリガーは外部プロセス制御システムにおいて対応するプロセスを開始します。そのプロセスの開始に承認が必要な場合、外部システムから承認を受け取るまで処理は待機中になります。承認が不要な場合、Systemwalker Service Catalog Managerはその処理が実行されたことを外部システムに通知します。
プロセス管理で処理を制御するための前提として、通知サービスが存在し、セットアップされている必要があります。このサービスにより、プラットフォームとプロセス管理システム間のインターフェースが形成されます。
利用者はSystemwalker Service Catalog Manager管理ポータルからすべての待機中処理を参照することができ、キャンセルしたり、削除したりすることができます。
プロセス制御処理
プロセス制御システムを統合すれば、以下のような処理をプロセス制御の対象にできます。これらは、外部のプロセス管理システムの承認を受けるまで実行されないようにすることができます。
すべての組織において、以下のトリガーが設定可能です。
名前の変更など、購入済サービスの修正(購入済サービスの変更)
請求処理の完了や、特定の請求期間に対応する請求データの計算(請求処理の終了)
購入済サービスの追加(サービスの購入)
購入済サービスに対するユーザを割り当てと除外(購入済サービスへのユーザの割り当て)
購入済サービスのアップグレードやダウングレード(購入済サービスのアップグレード/ダウングレード)
購入済サービスの終了(購入済サービスの解約)
ユーザの登録(ユーザの登録)
サービス提供部門の場合、以下の追加のトリガーが設定可能です。
サービス利用部門の登録(サービス利用部門の登録)
サービス利用部門に提供する支払種別の変更(サービス利用部門の支払種別の管理)
サービスポータルに登録済みのサービスの有効化(サービスの有効化)
サービスポータルに登録済みのサービスの無効化(サービスの無効化)
組織のユーザによる、サービス提供部門が提供したサービスの購入((任意のユーザによる)サービスの購入)
サービス利用部門のユーザによる、サービス提供部門が提供した購入済サービスの変更((任意のユーザによる)購入済サービスの変更)
サービス利用部門のユーザによる、サービス提供部門が提供した購入済サービスの解約((任意のユーザによる)サービスの解約)
外部のプロセス制御システムへの接続
外部システムと接続し、Systemwalker Service Catalog Managerのトリガープロセス機能を使用して処理を通知するためには、以下の手順が必要です。
通知サービスの実装
特定の動作についての通知を受ける外部システムは、com.fujitsu.bss.notification.intf.NotificationServiceインターフェースに対応するWebサービスを実装する必要があります。このインターフェースと必要なデータオブジェクトはSystemwalker Service Catalog Managerのインテグレーションパッケージで提供されています。
動作環境に通知サービスを配備します。配備は、プロセス管理システムが稼働しているシステム上に行っても、他のシステム上に行っても構いません。
関連するトリガーをSystemwalker Service Catalog Managerに設定します。これには、Systemwalker Service Catalog Managerの組織の管理者であることが必要です。
トリガーを定義する際には、通知サービスのWSDLファイルのURLを設定する必要があります。たとえば、https://myServer:8280/NotificationService?wsdlなどです。
Systemwalker Service Catalog Managerdでトリガーを定義、管理する方法の詳細については、Systemwalker Service Catalog Managerのオンラインヘルプを参照してください。
通知サービスを配備してSystemwalker Service Catalog Managerにトリガーを設定すると、トリガーが構成されているすべての処理は通知の対象になります。外部システムからの応答が必要な処理には、triggerProcessKeyが送信されます。処理の承認または却下には、このキーが必要です。
トリガーが設定された処理は待ち行列に入り、非同期に実行されます。利用者が開始したトランザクションから呼び出されることはありません。
承認または却下の際、外部システムはTriggerService Webサービスの提供するメソッドの一つを呼び出す必要があります(“第2章 プラットフォームサービス”を参照)。そして、その応答をSystemwalker Service Catalog Managerに返します。その結果、一時停止していた処理が継続またはキャンセルされます。動作を却下した場合は、その理由を渡すこともできます。