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PRIMECLUSTER  導入運用手引書 4.3

3.1.3 クラスタ高速切替機能の設定

PRIMEQUESTでクラスタシステムを構成するノードの1つに異常が発生した場合、PRIMECLUSTERシャットダウン機構は以下の2つの方法によってその異常を検出します。詳細については“PRIMECLUSTER コンセプトガイド”の“3.3.1.8 PRIMECLUSTER SF”を参照してください。

(1) MMBを通じてのノードの状態変化(非同期監視)

(2) クラスタノード間のハートビート(NSM:ノード状態モニタ)の失敗 (定周期監視)

(1)の非同期監視はノードの異常を即時に検出することができ、(2)の定周期監視で検出するよりもフェイルオーバーが高速となります。

上図に示すように、パニック発生時にクラスタ制御はMMBによりパニック通知を受けます。これにより、ハートビート異常よりも早くノードのパニックを検出します。

参照

PRIMEQUESTでは、ダンプ環境を設定することにより、パニック時にクラッシュダンプを採取することができます。
PRIMEQUESTのダンプ機能、設定方法、および、確認方法については、以下のマニュアルを参照してください。

  • PRIMEQUEST 500/400シリーズ 導入マニュアル

  • PRIMEQUEST 500/400シリーズ 運用マニュアル

  • PRIMEQUEST 500/400シリーズ リファレンスマニュアル:メッセージ/ログ

(1)の非同期監視を利用するためには、MMBを制御するソフトウェアのインストールやドライバの適切な設定が必要です。本節では高速切替を実現するために必要なMMBを制御するソフトウェアのインストールやドライバの設定を説明します。

  1. HBA閉塞機能とPSAのインストール

    MMBを通じてのノードの状態変化はHBA閉塞機能とPSAによりシャットダウン機構に通知されます。シャットダウン機構の設定を行う前にHBA閉塞機能とPSAのインストールを行ってください。インストール方法については、本体装置添付の“添付ドライバ説明書”および“導入マニュアル”を参照してください。

  2. PSAおよびMMBの設定

    MMBを通じてのノードの状態変化を正しくシャットダウン機構に通知させるためには、PSAおよびMMBの設定が必要です。シャットダウン機構の設定を行う前にPSAの設定を行ってください。設定方法については、本体装置添付の“導入マニュアル”を参照してください。

    また、PRIMECLUSTERがMMBと連携するために、RMCPのユーザを作成する必要があります。PRIMECLUSTERを構成する全てのPRIMEQUEST上にRMCPでMMBを制御するためのユーザを必ず作成してください。RMCPでMMBを制御するためのユーザを作成するには、MMB Web-UIにログインし、“Network Configuration”メニューの“Remote Server Management”画面から作成します。その際、以下のようなユーザを作成してください。

    • [Privilege]は「Admin」とする

    • [Status]は「Enabled」とする

    RMCPでMMBを制御するためのユーザの作成方法について詳しくは、本体装置添付の“リファレンスマニュアル: GUI/コマンド”を参照してください。

    ここで作成したユーザ名と設定したパスワードはシャットダウン機構の設定の際に使用します。メモしてください。

    注意

    MMBには以下の2種類のユーザが存在します。

    MMB全体を制御するためのユーザ

    RMCPでMMBを制御するためのユーザ

    ここで作成するユーザはRMCPでMMBを制御するためのユーザです。誤らないようにしてください。

  3. HBA閉塞機能の設定

    注意

    共用ディスクを使用する場合は、本設定を必ず行ってください。

    パニックが発生した場合に共用ディスクに接続しているHBAを閉塞させ、共用ディスクへのI/O処理を打ち切ります。こうすることで、共用ディスク内のデータの整合性を保ちつつ、高速に切り替えることができます。

    全ノードで、共用ディスクのデバイスパス(GDSを使用している場合はGDSのデバイスパス)をHBA閉塞機能用コマンドに指定し、HBAの機能停止を行う対象として共用ディスクを追加してください。本設定は、GDSを使用している場合はGDSの設定完了後に行ってください。設定方法については、本体装置添付の“添付ドライバ説明書”を参照してください。

  4. I/O完了待ち時間の設定

    パニックなどのノードダウンが発生しフェイルオーバーする場合、共用ディスクへのI/Oの整合性を保つため、ノードダウンが発生してから新運用ノードが運用を開始するまでに、一定のI/O完了待ち時間が必要な共用ディスク装置があります。

    I/O完了待ち時間の初期値として0秒を設定していますが、I/O完了待ち時間が必要な共用ディスク装置を使用している場合、この値を適切な値に設定してください。

    参考

    ETERNUS ディスクアレイの場合、I/O完了待ち時間は不要ですので、本設定を行う必要はありません。

    本設定はCFの設定完了後に行ってください。設定方法については、“5.1.2.3.2 I/O完了待ち時間の設定”を参照してください。

    注意

    I/O完了待ち時間を設定した場合、パニックなどのノードダウン時の切替え時間がその時間分増加します。