ここでは、Linuxマネージャーのインストールについて説明します。
ここでは、インストールする前に、準備と確認が必要な事項について説明します。
ここでは、ソフトウェアの準備と確認について説明します。
本製品をインストールする前に準備と確認が必要な項目について説明します。
管理サーバが正しく動作するためには、ホスト名(FQDN)の設定が必要です。256文字以内のホスト名をhostsファイルに記述してください。hostsファイルには、管理サーバのIPアドレスに対して、ホスト名(FQDN)、コンピュータ名の順番で設定してください。
/etc/hosts |
注意
hostsファイル設定時には以下に注意してください。
"127.0.0.1"にホスト名(FQDN)およびコンピュータ名を設定しないでください。
例
IPアドレスが"10.10.10.10"、ホスト名(FQDN)が"remote1.example.com"、コンピュータ名が"remote1"である管理サーバを設定した場合
10.10.10.10 remote1.example.com remote1 |
管理クライアントについても、管理サーバにホスト名(FQDN)でアクセスできるようにhostsファイル、またはDNSサーバによる名前解決の設定を行ってください。
システム時刻の確認
管理サーバと管理対象サーバのシステム時刻は、同じ時刻に設定してください。
排他ソフトウェアの確認
本製品をインストールする前に、対象システムに「設計ガイド VE」の「2.4.2.5 排他ソフトウェア」に記載されているソフトウェア、および本製品のマネージャーがインストールされていないか確認してください。
以下の手順で、排他ソフトウェアがインストールされていないか確認します。
「設計ガイド VE」の「2.4.2.5 排他ソフトウェア」に記載されているソフトウェア、および本製品のマネージャーを示す情報が表示されていないか確認します。
以下のコマンドを実行して、本製品のマネージャーがインストールされているか確認してください。
# rpm -q FJSVrcvmr <RETURN> |
排他ソフトウェアの名前が表示された場合、各ソフトウェアのマニュアルに記載されているアンインストール手順に従って、事前にアンインストールしてください。
本製品の旧バージョンのマネージャーがインストールされている場合、アップグレードできます。「E.2 マネージャー」を参照してください。
本製品の同じバージョンのマネージャーがインストールされていて、再インストールする場合、「11.1 マネージャーのアンインストール」を参照してアンインストールしたあと、インストールしてください。
注意
排他ソフトウェアをアンインストールする場合、ほかのシステム運用管理者がそのソフトウェアをインストールしていることがあるため、削除しても問題ないことを事前に確認してください。
Red Hat Enterprise Linux 5以降の標準の設定では、DVD-ROMを自動マウントする際に、DVD-ROM上のプログラムを実行できないように設定されています。自動マウントの設定を解除して、手動でマウントするか、DVD-ROMの内容をハードディスク上にコピーしてからインストールを開始してください。
DVD-ROMの内容をコピーした場合、本書の手順の中で"DVD-ROMマウントポイント"になっている箇所を、コピーしたディレクトリに読み替えてください。
必須ソフトウェアの準備と確認
本製品をインストールする前に、システムに「設計ガイド VE」の「2.4.2.4 必須ソフトウェア」に記載されているServerView Operations Managerなどのソフトウェアがインストールされているか確認してください。インストールされていない場合、事前にインストールしてください。
マネージャーのクラスタ運用を行う場合、「付録D マネージャーのクラスタ運用設定・削除」と「D.2.1 事前準備」を参照し、事前の準備と確認を行ってください。
Microsoft LAN Managerモジュール
本製品をインストールする前に、Microsoft LAN Managerモジュールを以下のFTPサイトから入手してください。
なお、Microsoft LAN ManagerモジュールはCPUアーキテクチャー(x86, x64)に関係なく利用できます。
URL: ftp://ftp.microsoft.com/bussys/clients/msclient/dsk3-1.exe |
入手したモジュールを、CPUアーキテクチャー(x86)のWindows上で、事前にExpandコマンドにより展開しておく必要があります。展開方法については、以下の例を参照してください。
例
c:\tempにdsk3-1.exeを配置した場合
>cd /d c:\temp <RETURN> |
フォルダー名やファイル名はWindowsの8.3形式(注)にしてください。
なお、展開したMicrosoft LAN Managerモジュールはマネージャーのインストール後は必要ありません。
注) ファイル名部分が最大で8文字、拡張子部分が最大で3文字とする規則です。
展開が完了した以下のモジュールを、インストールするシステムの/tmpに配置してください。
PROTMAN.DOS
PROTMAN.EXE
NETBIND.COM
ServerView Deployment Managerをインストールしてある環境に本製品をインストールする場合、Microsoft LAN Managerモジュールを入手する必要はありません。
SNMPトラップデーモンの設定
本製品が正しく動作するために、net-snmpパッケージのインストールと共に、/etc/snmp/snmptrapd.confファイルに以下の設定を追記してください。ファイルが存在しない場合、ファイルを作成したあと、以下の設定を追記してください。
disableAuthorization yes |
なお、snmptrapdを自動起動するよう設定する必要があります。
DHCPサーバの導入
管理サーバと異なるサブネットに属する管理対象サーバを管理する場合、Linux標準のDHCPサーバを導入する必要があります。
利用する機能によっては、ルータの設定が必要です。詳細は、「設計ガイド VE」の「7.6 ネットワーク環境の設定」を参照してください。
管理サーバと異なるサブネットに属する管理対象サーバを登録する場合、事前に管理LANサブネットの登録が必要です。
詳細は、「操作ガイド VE」の「7.8 管理LANサブネットの登録」を参照してください。
以下の手順で、DHCPサーバを導入します。
dhcpパッケージをインストールします。
以下のコマンドを実行し、DHCPサーバのサービス(dhcpd)の起動設定を変更します。
# chkconfig dhcpd off <RETURN> |
以下のコマンドを実行し、DHCPサーバのサービス(dhcpd)を停止します。
# /etc/init.d/dhcpd stop <RETURN> |
ETERNUS SF Storage Cruiser
ESCを利用する場合、事前にファイバーチャネルスイッチの設定を行ってください。
必須パッチの確認
本製品をインストールする前に、システムに「設計ガイド VE」の「2.4.2.2 必須パッチ」のマネージャーの必須パッチが適用されているか確認してください。
必須パッチが適用されていない場合、事前に必須パッチを適用してください。
必須パッケージの確認
本製品をインストールする前に、システムに「設計ガイド VE」の「2.4.2.3 必須パッケージ」のマネージャーの必須パッケージ【Linuxマネージャー】が適用されているか確認してください。
必須パッケージがインストールされていない場合、事前に必須パッケージをインストールしてください。
ユーザーアカウントの確認
本製品は自動で以下のユーザーアカウントを作成します。
以下のOSユーザーアカウントを利用しているアプリケーションが存在する場合は、アプリケーションに影響がないことを確認したあと、OSユーザーアカウントを削除してください。
rcxdb(データベース接続用)
シングルサインオンの準備と確認(利用する場合)
シングルサインオン連携を利用する場合、本製品をインストールする前に、証明書の準備と、ディレクトリサービスへの管理者ユーザー(特権ユーザー)の登録が必要です。
詳細は、「設計ガイド VE」の「第10章 シングルサインオンの導入と決定」を参照してください。
システムパラメーターのチューニング(管理サーバ)【Linuxマネージャー】
インストール前に、管理サーバのシステムパラメーターのチューニングする必要があります。チューニングが必要なシステムパラメーターとその値については、以下の表を参照してください。
ポイント
パラメーターの"種別"により、以下のように設定してください。
種別が最大の場合
すでに設定されている値(初期値または以前の設定値)が表の値以上の場合は変更不要です。表の値より小さい場合は、表の値に変更してください。
種別が加算の場合
すでに設定されている値(初期値または以前の設定値)に表の値を加算してください。加算する前にシステム上限値を確認し、加算した値がシステム上限値を超える場合は、システム上限値を設定してください。
詳細については、Linuxのマニュアルなどを参照してください。
共有メモリ
パラメーター | 説明 | 値 | 種別 |
---|---|---|---|
shmmax | 共有メモリの最大セグメントサイズ | 55155880 | 最大 |
shmall | 使用可能な共有メモリの総数 | 13466 | 最大 |
shmmni | 共有メモリセグメントの最大数 | 1 | 加算 |
セマフォ
セマフォの設定値は、各パラメーター値を以下の形式で指定します。
kernel.sem = para1 para2 para3 para4
パラメーター | 説明 | 値 | 種別 |
---|---|---|---|
para1 | セマフォ識別子あたりの最大セマフォ数 | 17 | 最大 |
para2 | システム全体のセマフォ数 | 1071 | 加算 |
para3 | セマフォコールあたりの最大演算子数 | 32 | 最大 |
para4 | システム全体のセマフォ演算子数 | 63 | 加算 |
〔チューニング作業手順〕
以下の手順でチューニング作業を実施します。
以下のコマンドを使用して、現在システムに設定されている該当するパラメーターの設定値を確認します。
# /sbin/sysctl -a
例
# /sbin/sysctl -a ・・・ (省略) ・・・ kernel.sem = 250 32000 32 128 kernel.msgmnb = 65536 kernel.msgmni = 16 kernel.msgmax = 65536 kernel.shmmni = 4096 kernel.shmall = 4294967296 kernel.shmmax = 68719476736 ・・・ (省略) ・・・
上記の表を参照し、現在の設定値と比較をして、パラメーターごとに最大、加算の種別を考慮して、適切な設定値を算出します。
/etc/sysctl.confを編集します。以下の例のように編集します。
例
kernel.sem = 250 33071 32 191 kernel.shmmni = 4097
/etc/sysctl.confへ編集内容が反映されていることを、以下のコマンドで確認します。
# /bin/cat /etc/sysctl.conf
以下のどちらかの方法で、4.の設定を有効にします。
システムをリブートして設定を反映
# /sbin/shutdown -r now
/sbin/sysctl -p を使用して設定を反映
# /sbin/sysctl -p /etc/sysctl.conf (注)
注) このコマンドを使用した場合は、リブートの必要がありません。
以下のコマンドを使用して、設定したパラメーターが反映されていることを確認します。
# /sbin/sysctl -a
例
# /sbin/sysctl -a ・・・ (省略) ・・・ kernel.sem = 250 33071 32 191 kernel.msgmnb = 65536 kernel.msgmni = 16 kernel.msgmax = 65536 kernel.shmmni = 4097 kernel.shmall = 4294967296 kernel.shmmax = 68719476736 ・・・ (省略) ・・・
本製品をインストールする前に、インストール時に必要な情報の収集やシステムの状態の確認を行い、インストーラ画面で指定する情報を決定してください。事前準備が必要な情報を以下に示します。
インストールフォルダー
本製品のインストールフォルダーを決定します。
ただし、リムーバブルディスク上のフォルダーは指定できません。
インストールフォルダー配下にファイルやフォルダーがないか確認してください。
インストール先のドライブに必要な空き容量があるか確認してください。
本製品で必要なディスク容量については、「設計ガイド VE」の「2.4.2.6 静的ディスク容量」と「2.4.2.7 動的ディスク容量」を参照してください。
イメージファイル格納フォルダー
イメージファイルの格納先はインストールフォルダー配下です。
格納先フォルダーを配置するドライブに必要な空き容量があるか確認してください。
必要なディスク容量については、「設計ガイド VE」の「2.4.2.7 動的ディスク容量」を参照してください。
イメージファイル格納フォルダーの変更方法については、「リファレンスガイド (コマンド編) VE」の「5.8 rcxadm imagemgr」を参照してください。
ポート番号
ポート番号については、「2.1.2.5 使用ポートの確認」を参照してください。
シングルサインオンで利用するディレクトリサービスの接続情報
ServerView Operations Managerとシングルサインオン連携する場合、利用するディレクトリサービスの設定を確認します。
ServerView Operations Managerに同梱されているOpenDSの場合は、以下のマニュアルを参照してください。
ServerView Operations Managerのマニュアル「ServerView Suite ServerView でのユーザ管理」の「LDAP ディレクトリサービスを使用する ServerView ユーザ管理」
ServerView Operations Manager V6.1以降では、ディレクトリサービスとしてOpenDJが同梱されています。
以降の文中で"OpenDS"と表記されている箇所は、適宜"OpenDJ"と読み替えてください。
インストール時のパラメーター
インストール時のパラメーターについて説明します。
項番 | 画面 | 入力項目 | 説明 |
---|---|---|---|
1 | 特権ユーザーの作成 | ユーザーアカウント名 | 本製品に特権ユーザーとしてログインするためのユーザーアカウント名です。
|
パスワード | 特権ユーザーのパスワードです。 シングルサインオンを使用しない場合に指定します。 半角英数字と記号で構成された16文字以内の文字列を指定してください。 | ||
パスワード再入力 | |||
2 | 管理LANの選択 | 管理LANとして使用するネットワーク | 管理LANとして使用するネットワークです。リストから選択できます。 |
3 | 認証方式の選択 | 認証方式 | 以下のどちらかを選択します。
|
注意
インストール先ディレクトリは、以下で固定されているため変更できません。
/opt
/etc/opt
/var/opt
/root/InstallShield
以下の手順で構築条件の確認を行います。
システムにOSの管理者(root)でログインします。
構築条件を確認する管理サーバをマルチユーザーモードで起動し、システムにrootでログインしてください。
本製品の1枚目のDVD-ROMをセットします。
以下のコマンドを実行してDVD-ROMをマウントします。自動マウントデーモン(autofs)によりDVD-ROMの起動マウントを行うと、マウントオプションに"noexec"が設定されているため、インストーラの起動に失敗します。
# mount -t iso9660 -r /dev/hdc DVD-ROMマウントポイント <RETURN> |
エージェントのインストールコマンド(RcSetup.shコマンド)を実行します。
# cd DVD-ROMマウントポイント <RETURN> |
メニューから"Environment setup conditions check tool"を選択し、構築条件ツールを実行します。
"ポートの状態"の結果で"使用されています。"と表示されたポートについて、/etc/servicesを確認し、本製品が使用する用途で当該ポートが使用されることを確認してください。
本製品が使用するポートの情報については、「設計ガイド VE」の「付録A ポート一覧」を参照してください。
本製品が使用する以外の用途でポートが使用されている場合、使用ポートを変更してください。
使用ポートの変更方法については、「設計ガイド VE」の「付録A ポート一覧」を参照してください。
構築条件の確認が完了すると、確認結果が標準出力されます。
本製品をインストールすると、本製品で使用するポート番号がシステムのservicesファイルに自動的に設定されます。したがって、通常はポート番号を意識する必要はありません。
本製品が使用するポート番号がほかのアプリケーションで使用されている場合、インストーラの起動時にポート番号がすでに使用されていることを示すメッセージが表示され、インストールが中断されます。
その場合、本製品が使用する以下のポート番号のエントリーを、ほかと重複しない番号でservicesファイルに記述し、そのあとインストーラを起動してください。
例
# サービス名 ポート番号/プロトコル名 nfdomain 23455/tcp nfagent 23458/tcp rcxmgr 23460/tcp rcxweb 23461/tcp rcxtask 23462/tcp rcxmongrel1 23463/tcp rcxmongrel2 23464/tcp rcxdb 23465/tcp |
マネージャーのポート番号変更の詳細は、以下を参照してください。
「操作ガイド VE」の「8.2 ポート番号の変更」
カレントディレクトリの設定
ディスク入れ替えができなくなるため、カレントディレクトリをDVD-ROM上に設定しないでください。
シングルユーザーモードの場合の設定
シングルユーザーモードの場合、X Windowsが起動されていないため、以下のどれかが必要です。
仮想コンソールの切替え([Ctrl] + [Alt] + [Fn]キー操作での切替え)
コマンドのBG化
本製品の使用ポートに対するファイアーウォール設定の無効化
ファイアーウォール設定が有効になっているシステムに本製品をインストールする場合、マネージャー、エージェント、およびクライアント間の通信が問題なく行われるように、使用するポート番号のファイアーウォールを無効に設定してください。
本製品と必須ソフトウェアが使用するポート番号については、「設計ガイド VE」の「付録A ポート一覧」を参照してください。
なお、本製品のインストール時に、servicesファイルを編集してポート番号の変更を行った場合、「設計ガイド VE」の「付録A ポート一覧」に記載されている本製品のデフォルトのポート番号を、インストールの際に変更したポート番号に読み替えてください。
インストール
以下の手順で、マネージャーをインストールします。
システムにOSの管理者(root)でログインします。
本製品をインストールする管理サーバをマルチユーザーモードで起動し、システムにrootでログインしてください。
本製品の1枚目のDVD-ROMをセットし、以下のコマンドを実行してDVD-ROMをマウントします。自動マウントデーモン(autofs)により、DVD-ROMの自動マウントを行うと、マウントオプションに"noexec"が設定されているため、インストーラの起動に失敗します。
# mount -t iso9660 -r /dev/hdc DVD-ROMマウントポイント <RETURN> |
マネージャーのインストールコマンド(RcSetup.shコマンド)を実行します。
# DVD-ROMマウントポイント/RcSetup.sh <RETURN> |
"1. Manager(Virtual Edition) installation"を選択してください。
インストーラの対話指示に従って、インストールします。
「2.1.2.3 必要な情報の収集と確認」の「インストール時のパラメーター」で設計および確認したパラメーターを適宜入力します。
注意
インストール失敗時の対処
インストールに失敗した場合、OSの再起動後にインストールを行ったユーザーでログインし、アンインストール手順に従ってアンインストールしてください。
そのあと、出力されたメッセージの意味や対処方法を参考にして失敗した原因を取り除き、再インストールしてください。
インストール時に内部不整合があると、"The problem occurred while installing it"または"It failed in the installation"というメッセージが表示され、インストールに失敗します。その場合、マネージャーをアンインストール後、再インストールしてください。問題が解決しない場合、当社技術員に連絡してください。
関連サービスのアンインストール
同一サブネットにServerView Deployment Managerを配置する場合、関連サービスをアンインストールする必要があります。
関連サービスのアンインストール方法については、「リファレンスガイド (コマンド編) VE」の「5.1 deployment_service_uninstall」を参照してください。