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Interstage Interaction Manager V10 Ajaxフレームワーク UI部品リファレンス
Interstage

2.1.9 DateInput

DateInputは、日付を入力および編集する部品です。

ポイント

検証を実行するValidationHelper、入力制限を行うLimiterなどの機能付加部品を利用することができます。

示例

本部品では、Ctrlキー + z が使用できます。詳細は、「5.1.7 テキスト入力部品でのCtrlキー+zによるやり直し」を参照してください。

述形式

<div rcf:type="DateInput" ... ></div>

または

<span rcf:type="DateInput" ... ></span>

注意

子要素は指定できません。詳細は、「5.1.4 子要素を持たない部品に子要素を記述した場合の動作」を参照してください。

ポイント

本部品は以下のように表示されます。

  • <div>タグの場合:前後に改行コードが挿入されます。

  • <span>タグの場合:前後に改行コードは挿入されません。

ロパティ

表の項目の意味は、「Text」の「プロパティ」を参照してください。

名前

データ型

説明

省略

省略値

属性指定

更新

部分更新

date

Date

日時データを指定します。
APIやバインディングによりdateプロパティが更新された場合は、入力値(valueプロパティの値)も更新されます。

null

値、バインド

不可

utc

Boolean

世界標準時間(UTC)として扱うかどうかを指定します。

  • true:世界標準時間(UTC)

  • false:ローカル時間

converterプロパティが設定された場合、この設定は無効となります。
また、表示中に本プロパティを変更することはできません。
5.1.9 Dateオブジェクトとタイムゾーン」を参照してください。

false

不可

不可

converter

format関数とparse関数を持つObject

以下の関数を持つオブジェクトを指定します。

  • JavaScriptのDateオブジェクトを文字列に変換(format関数)

  • 入力テキストをJavaScriptのDateオブジェクトに変換(parse関数)

format関数またはparse関数を持たないオブジェクトを指定した場合は、エラーになります。詳細は、「converterプロパティの指定方法」を参照してください。
デフォルトの表示と変換は、以下のとおりです。
表示:「yyyy/MM/dd」形式
変換:Dateオブジェクト

日時は、デフォルトでは、ローカル時間として扱います。utcプロパティがtrueに設定された場合は、世界標準時間(UTC)として扱います。
Dateオブジェクトがnullの場合は、空文字列に変換します。また、入力データが空文字列の場合は、nullに変換します。

デフォルトの変換を実行するObject

不可

不可

refocus

Boolean

入力フィールドからフォーカスが外れて、Dateオブジェクトへの変換に失敗した場合、フォーカスを再度DateInputに戻すかどうかを指定します。

  • true:フォーカスを戻す

  • false:フォーカスを戻さない

Internet Explorerでだけ指定可能です。
Internet Explorer 以外のブラウザの場合は、指定しても無視されます。

false

不可

TextInputのプロパティも指定できます。ここで説明を省略しているプロパティの詳細は、「2.1.2 TextInput」の「プロパティ」を参照してください。
部品共通のプロパティも指定できます。詳細は、「2.8.1 画面部品共通プロパティ」を参照してください。

注意

  • titleプロパティに長い文字列を指定すると、自動的に改行または省略されることがあります。
    また、発生位置はブラウザにより異なります。

    なお、空文字列を指定した場合は、表示されません。

  • 入力テキストがJavaScriptのDateオブジェクトに変換されるのは、入力フィールドからフォーカスが外れ、前の値から変更された場合だけです。入力中にdateプロパティの値を参照すると、前回の入力テキストが変換された結果になることがあります。

valueプロパティとdateプロパティの違い

valueプロパティとdateプロパティは、どちらもテキストを入力できるプロパティです。両者の違いについて、以下に示します。

  • 画面表示時
    入力フィールドの初期値は、dateプロパティで指定します。dateプロパティが指定されていない、またはnullの場合、入力フィールドの初期値は空になります。
    valueプロパティは、dateプロパティを文字列にした値に初期化されます。

  • 入力時
    入力フィールドに値を入力しているとき、valueプロパティはその値と同期します。dateプロパティは、入力中のデータとは同期せずに、そのままの値が保持されます。

  • 入力確定時(フォーカスが外れたとき)
    dateプロパティはDateオブジェクトに変換した値に更新されます。
    変換に失敗した場合は、dateプロパティはnullとなります。

図2.3 valueプロパティとdateプロパティ

注) 変換に失敗した場合は、valueプロパティとdateプロパティは同期しません。以下のようになります。

  • valueプロパティ:入力文字列

  • dateプロパティ:null

valueプロパティ(入力テキスト)とdateプロパティが同期しているかどうかは、isSyncメソッドで確認できます。詳細は、「JavaScript API」を参照してください。

初期化時の処理順番

画面の初期化時に、dateプロパティの値が表示されるときの処理順序を以下に示します。

  1. converterプロパティに基づいて、dateプロパティの値が文字列に変換され、valueプロパティに設定されます。

  2. 文字列が大文字に変換されます。(uppercaseプロパティがtrueの場合)

  3. フォーマッタ処理が実行されます。(labelProviderプロパティが指定されている場合)

入力確定時の処理の流れ

入力確定時の処理順序を以下に示します。

  1. 文字列が大文字に変換されます。(uppercaseプロパティがtrueの場合)

  2. converterプロパティで指定したフォーマッタに従って、文字列からDateオブジェクトに変換されます。

    成功した場合: dateプロパティに変換された値が設定され、dateparsesuccessイベント送出
    失敗した場合: dateプロパティにnullが設定され、dateparseerrorイベント送出
    変換に失敗した場合の処理について以下に示します。

    • onDateParseErrorイベントリスナで、エラー処理を記述することができます。
      例えば、アラートを表示する場合、以下のように記述します。

      <span rcf:type="DateInput" ... rcf:onDateParseError="alert('入力が間違っています')"></span>
    • Internet Explorerの場合
      Internet Explorerでrefocusプロパティにtrueが設定されていると、dateparseerrorが発生した場合、そのDateInputにフォーカスを戻すことができます。

    なお、dateparsesuccessまたはdateparseerrorイベントが発生する前に、dateプロパティに値が設定されるため、以前の値から変更した場合は、datechangeイベントが先に発生します。

converterプロパティの指定方法

converterプロパティは、Dateオブジェクトと文字列の変換を行うオブジェクトを指定します。これにより入力テキストとDateオブジェクトの変換方法を変更することができます。

文字列からDateオブジェクトへの変換およびDateオブジェクトから文字列の変換は、可逆である必要があります。
指定するオブジェクトは、文字列に変換するformat、および入力テキストからDateを生成するparseを実装したオブジェクトである必要があります。

converterプロパティで指定されたformat関数とparse関数は、以下のように呼び出されます。

図2.4 format関数とparse関数の呼出し

入力テキスト「xxxx年xx月xx日」とJavaScriptのDateオブジェクトを変換する場合の記述例を、以下に示します。
【処理概要】

  1. converterプロパティに、format関数とparse関数を持つオブジェクトを指定します。例では「df1」を指定します。

  2. format関数は、引数としてDateオブジェクトを受け取り、戻り値として文字列を返します。

  3. parse関数は、引数として入力文字列を受け取り、戻り値としてDateオブジェクトを返します。

    <script type="text/javascript">
    //<![CDATA[
      var df1 = {
        format: function(date) {
          if (date == null) return "";
          return date.getFullYear() + "年" 
                                    + (date.getMonth()+1) + "月"
                                    + date.getDate() + "日";
                            },
        parse: function(value) {
          var reg1 = new RegExp("^\\s*([0-9]{4,})年([0-9]{1,2})月([0-9]{1,2})日\\s*$");
          var v = value.match(reg1);
          if (v) {
             var year = parseInt(v[1]);
             var month = parseInt(v[2])-1;
             var day = parseInt(v[3]);
    
             //TODO: year, month, dayの値のチェック
    
             return new Date(year, month, day);
          }
          throw "Invalid value";
        }
      };
    //]]>
    </script>
    
      ...
    
    <div rcf:id="dateInput1" rcf:type="DateInput" rcf:converter="df1"></div>
labelProviderプロパティによるフォーマッタの指定

labelProviderプロパティは、フォーカスが当たっていないときに入力フィールドに表示する文字列を変更する場合に指定します。以下に例を示します。

<script type="text/javascript">
//<![CDATA[
  var lp1 = {
    getLabel: function(value, date, sync) {
        if (!sync) {
          return "正しい値を入力してください";
        }
        return value;
    }
  };
//]]>
</script>

  ...

<div rcf:id="dateInput1" rcf:type="DateInput" rcf:labelProvider="lp1"></div>

フォーマットを行うオブジェクトには、getLabel関数を用意する必要があります。getLabel関数のインターフェースは以下のとおりです。

メソッド

getLabel(value, date, sync)

引数

value
[String]

valueプロパティの値

date
[Date]

dateプロパティの値

sync
[Boolean]

valueとdateの同期状態

戻り値

表示する文字列

DateInput部品のlabelProviderプロパティは、getLabel関数を持つオブジェクトを指定します。上記の例では、lp1を指定します。

lp1のgetLabel関数は、同期している場合は入力値を返し、同期していない場合は「正しい値を入力してください」という文字列を返すようになっています。

このように指定すると、上記の例では、以下のようにDateに変換できない値が入力された場合、「正しい値を入力してください」という文字が表示されるようになります。

注意

converterとlabelProviderの違い
converterは、入力テキストとDateオブジェクトの変換方法を指定することができます。これにより、デフォルトの変換方法を変更することができます。
一方、labelProviderは、フォーカスがない場合に表示する文字列を変更するときに指定します。これにより、実際の入力テキストとフォーカスがない場合の表示を変えることができます。

refocusプロパティに関する注意事項
refocusプロパティは、入力テキストからDateオブジェクトへの変換に失敗したときに、フォーカスをDateInputに戻す機能です。ただし、以下の場合はフォーカスが戻らないことがあります。

  • ブラウザのアドレスバーやツールバーなど、ページ表示域以外にフォーカスを移動した場合
    例えば、アドレスバーをクリックしたり、アドレスバーのドロップダウンリストを表示したりすると、フォーカスがDateInputから外れることがあります。

タイルプロパティ

本部品のスタイルプロパティは、TextInputと同じです。詳細は、「2.1.2 TextInput」の「スタイルプロパティ」を参照してください。ただし、クラス名は「rcf-DateInput」となります。
詳細は、「2.9 スタイルプロパティ」を参照してください。

ベントリスナ

名前

説明

イベントオブジェクト

onDateChange

dateプロパティの値が変更されたときに呼ばれます。

ValueChangeEvent

onDateParseSuccess

入力テキストからDateオブジェクトの変換が成功したときに呼ばれます。

DateParseEvent

onDateParseError

入力テキストからDateオブジェクトの変換に失敗したときに呼ばれます。

TextInputのイベントリスナもあります。詳細は、「2.1.2 TextInput」の「イベントリスナ」を参照してください。
部品共通のイベントリスナもあります。詳細は、「2.8.2 画面部品共通イベントリスナ」を参照してください。

デフォルトの変換におけるDateParseEventのerrorプロパティ

converterプロパティを設定していないデフォルトの変換の場合、変換に失敗した場合に呼ばれるonDateParseErrorで渡されるDateParseEventのerrorプロパティには、以下のメッセージを含んだErrorオブジェクトが設定されます。

メッセージ番号はErrorオブジェクトのrcf.messageIDプロパティ、エラーメッセージはErrorオブジェクトのmessageプロパティから取得できます。メッセージの詳細は、「ユーザーズガイド」を参照してください。

  • RCF12900

  • RCF12901

  • RCF12902

  • RCF12903

なお、converterを指定した場合、DateParseEventのerrorプロパティには、そのconverterのparse関数で発生したエラーが設定されます。

JavaScript API

isSyncメソッド

メソッド

isSync()

引数

なし

戻り値

[Boolean]

true:同期している場合
false:同期していない場合

例外

なし

説明

valueプロパティ(入力テキスト)とdateプロパティの値の同期状態を返します。

parseメソッド

メソッド

parse()

引数

なし

戻り値

[Boolean]

true:プロパティの設定に成功しました。
false:プロパティの設定に失敗しました。

例外

なし

説明

入力テキストをDateオブジェクトに変換し、dateプロパティに設定します。
通常は、入力確定時に実行しているDateオブジェクトへの変換を、このAPIにより実行することができます。
変換に失敗した場合は、dateプロパティにnullが設定されます。
変換結果のイベント(dateparseerror、dateparsesuccess)も発生します。
uppercaseプロパティをtrueに設定している場合、このメソッドを実行すると大文字化の処理が実行され、入力テキストが変更されます。

clearメソッド

メソッド

clear()

引数

なし

戻り値

なし

例外

なし

説明

dateプロパティおよびvalueプロパティを省略値に戻し、入力テキストを空にします。

部品共通のJavaScript APIもあります。部品共通のJavaScript APIは、「2.8.3 画面部品共通JavaScript API」を参照してください。