スタンバイ運用、および Oracle9i RAC スケーラブル運用では、PRIMECLUSTER Wizard for Oracle による Oracle の制御は以下のように行われます。
Oracle の起動
Oracle の起動は、シェルスクリプトにて行われます。 起動手順はおおよそ以下のようになります。
su - <Oracle ユーザ>
sqlplus /nolog
connect / as sysdba
startup nomount または startup mount
alter database mount (4 で startup nomount を行ったとき)
alter database open
初期化パラメタファイル/サーバパラメタファイルの配置
PRIMECLUSTER Wizard for Oracle による Oracle の起動では、初期化パラメタファイルを指定していません。そのためデフォルトの配置先の初期化パラメタファイルが使用されます。以下のデフォルトのパスに初期化パラメタファイルを配置(またはシンボリックリンク)してください。
$ORACLE_HOME/dbs/init$ORACLE_SID.ora
サーバパラメタファイルについては、動的に変更される資源のため、共用ディスク装置に配置する必要があります。サーバパラメタファイルを使用する場合は、2.5章の例に従って、サーバパラメタファイルのパスを初期化パラメタファイルに記述してください。
初期化パラメタファイルの設定は、運用・待機ノードで同一の設定とすることを推奨します。
リカバリ処理
PRIMECLUSTER Wizard for Oracle は、Oracle インスタンスのリカバリを行い Oracle を起動する場合があります。
V$BACKUP 表内に ACTIVE な表領域がある場合
V$RECOVER_FILE 表内に、リカバリが必要なファイルがある場合
なお、Oracle9i RAC の運用時には、上記リカバリは行いません。
Oracle の停止
Oracle の停止は、シェルスクリプトにて行われます。 停止手順はおおよそ以下のようになります。
su - <Oracle ユーザ>
sqlplus /nolog
connect / as sysdba
shutdown <immediate/abort>
Oracle が停止していない場合、shutdown abort
Oracle の停止方法
PRIMECLUSTER Wizard for Oracle による Oracle の停止方法は、オペレータによる手動停止や手動切替え(正常な停止)の場合、immediate モード(デフォルト)で行います。異常発生によるフェイルオーバなどの場合、abort モード(デフォルト)で停止します。 immediate モードで停止を行い、正常に停止できなかった場合には、abort モードで停止します。
Oracle の監視
Oracle の監視は、バイナリプログラムにて行われます。 監視手順はおおよそ以下のようになります。
su - <Oracle ユーザ>
Oracle の SYSTEM ユーザにて Oracle へローカル接続
Oracle のステータスが OPEN であるか確認
SYSTEM ユーザのデフォルト表領域上の監視用テーブルを使って、insert, update, delete, select が正常に実施できるか確認
SYSTEM ユーザのパスワード
PRIMECLUSTER Wizard for Oracle による Oracle の監視は SYSTEM ユーザにて行っています。 2.5 章に従って、SYSTEM ユーザのパスワードを PRIMECLUSTER Wizard for Oracle に設定してください。
監視用テーブル
PRIMECLUSTER Wizard for Oracle は、監視のために監視用テーブルを SYSTEM ユーザのデフォルト表領域上に作成します(初回起動時や、監視時の監視用テーブルが存在しない場合自動作成されます。)。監視用テーブルは数バイトの小さな表であり削除しません。
Warning 状態
以下の異常を検出した場合 Warning を通知します。(Fault ではないためフェイルオーバはせず。)
SYSTEM ユーザのパスワードが間違っており Oracle への接続できない場合
max session エラー、max process エラーなどで Oracle へ接続できない場合
監視のSQL(insert,update など)が一定時間応答しないが、Oracle に接続ができ、ステータスは OPEN である場合