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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.3 運用ガイド
ETERNUS

6.8.2 物理ディスク単位のレプリケーション運用

ボリュームグループの構成がボリュームグループ単位の運用条件を満たしていない場合は、物理ディスク単位で操作することでレプリケーション運用できます。

物理ディスク単位で運用する場合は、ボリュームグループとしての整合性を保つ必要があるため、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで同期をとって操作する必要があります。

ポイント

同期を取る必要のある物理ボリュームは、Webコンソールおよび「8.3.9 stgxfwcmdispdev(デバイス情報表示コマンド)」で確認できます。

注意

クラスタ構成で運用する場合、クラスタを構成するすべてのサーバにおいて、ボリュームグループを構成する物理ディスクのデバイス名(/dev/(r)hdisk#)が同じであり、デバイス名が指すETERNUS ディスクアレイのディスクも同じである必要があります。

図6.53 物理ディスク単位に運用する構成の例

6.8.2.1 運用設計

複製元ボリュームがボリュームグループの場合、複製作成後に複製先ボリュームを使用するには、複製先ボリュームが、複製元ボリュームと同一の論理ボリューム構成かつ同一の物理ディスクサイズのボリュームグループである必要があります

図6.54 複製元ボリュームと複製先ボリューム

6.8.2.2 事前準備

6.8.2.2.1 複製元ボリューム/複製先ボリュームの設定

複製元ボリューム/複製先ボリュームを設定する際は、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクを設定します。

[例]

# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/hdisk10 /dev/hdisk20
swsrpsetvol completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/hdisk11 /dev/hdisk21
swsrpsetvol completed
#

6.8.2.3 物理ディスク単位のレプリケーションの実行

ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作します。

必要な前後処理は、レプリケーションの操作を行う前後にボリュームグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際は、前後処理が動作しないようにします。

[スナップショット型レプリケーションの例]

(複写元/複写先に対する前処理を行う)

# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/hdisk10 /dev/hdisk20
FROM=/dev/hdisk10@SV1, TO=/dev/hdisk20@SV1 swsrpmake completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21
FROM=/dev/hdisk11@SV1, TO=/dev/hdisk21@SV1 swsrpmake completed
#

(複写元/複写先に対する後処理を行う)

[同期型レプリケーションの例]

(複写先に対する前処理を行う)

# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -t /dev/hdisk10 /dev/hdisk20
FROM=/dev/hdisk10@SV1, TO=/dev/hdisk20@SV1 swsrpstartsync completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -t /dev/hdisk11 /dev/hdisk21
FROM=/dev/hdisk11@SV1, TO=/dev/hdisk21@SV1 swsrpstartsync completed

(等価性維持状態後)

(複写元に対する前処理を行う)

# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/hdisk10 /dev/hdisk20
FROM=/dev/dsk/c1t0d10@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d20@SV1 swsrpmake completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/hdisk11 /dev/hdisk21
FROM=/dev/hdisk11@SV1, TO=/dev/hdisk21@SV1 swsrpmake completed
#

(複写元/複写先に対する後処理を行う)

レプリケーションの前後で実施する前後処理は、以下のとおりです。

表6.6 レプリケーションの前後処理

種別

前処理

後処理

複写元

  1. ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止し、データの整合性を確保します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合、ボリュームグループ内のすべてのファイルシステムをアンマウントします。

ファイルシステムが含まれる場合、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。

複写先

  1. ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合、ボリュームグループ内のすべてのファイルシステムをアンマウントします。

  3. ボリュームグループを非活性状態にします。

  1. ボリュームグループを再構成します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。

ボリュームグループの非活性化

ボリュームグループを非活性化するには、varyoffvgコマンドを実行します。

# /usr/sbin/varyoffvg vg02
#

ボリュームグループの再構成

ボリュームグループを再構成する手順は、以下のとおりです。

  1. chdevコマンドを使用して、一時的に複写先ボリュームをLVMから削除します。

    # /usr/sbin/chdev -l hdisk20 -a pv=clear
    # /usr/sbin/chdev -l hdisk21 -a pv=clear
  2. exportvgコマンドを使用して、複写先ボリュームをエクスポートします。

    # /usr/sbin/exportvg vg02
  3. 論理ボリューム名の対応ファイルを作成します。

    lvol11:lvol21
    loglv11:loglv21
    lvol12:lvol22
    loglv12:loglv22
  4. recreatevgコマンドを使用して、複写先ボリュームのLVM管理情報を書き換えます。

    # /usr/sbin/recreatevg -l <論理ボリューム名の対応ファイル> -L /fs -y vg02 hdisk20 hdisk21
  5. chfsコマンドを使用して、マウントポイントを変更します。

    # /usr/sbin/chfs -m /mnt21 /fs/mnt11
    # /usr/sbin/chfs -m /mnt22 /fs/mnt12