画面制御機能は、画面遷移を伴うアプリケーションあるいはアプレットにおいて大量画面を管理し、画面の読込み、表示、削除操作を行う機能です。この画面制御機能は大量画面を扱うアプリケーションあるいはアプレットにおいて以下の利点を持ちます。
画面遷移性能の向上
ブラウザで複数のHTMLファイルを読み込んで画面を切り替えて表示する方法では、ブラウザがHTML構文を解析するため画面遷移に時間がかかる。これに対して、アプレット内で画面制御機能を利用して画面遷移を行う方が高速である。
画面オブジェクト生成のタイミングを、各画面ごとに指定可能
これにより、よく利用する画面は初期化時あるいはバックグラウンドで生成し、利用頻度の少ない画面は表示するときに生成するといった指定が可能になり、アプリケーションあるいはアプレットの起動性能のチューニングが可能になる。
画面オブジェクトの破棄タイミングを、各画面ごとに指定可能
これにより、メモリ資源を考えたアプリケーションあるいはアプレットの構築が可能になる。
同一インタフェースを実装した入力部品を、画面(または複数ページ)で一括管理。
これにより、入力部品の種類を意識せずに名前や番号を指定してアクセス可能になり、簡潔で保守性がよいコーディングが組める。
また、1画面に複数のページがある場合でも、ページの区切りを意識しないコーディングが可能になる。
ここでいう画面とは、画面遷移パネルインタフェース(JFCEntryLogicInterface)を実装した以下のクラスから派生したクラスのことで、画面オブジェクトとは画面クラスのインスタンスのことです。
JFCEntryPanel
JFLEntryPanel
JFLEntryScrollablePanel
JFCEntryInterfacePanel
JFLEntryInterfacePanel
JFLEntryInterfaceScrollablePanel
JFCMultiPagePanel
JFLMultiPagePanel
JFLMultiPageScrollablePanel
画面制御機能を提供するクラス
以下のクラスとインタフェースが画面制御機能を提供します(各クラス間の関係は“図4.1 画面制御機能 で提供されるクラスの関係”を参照)。
クラス名 | 機能概要 |
---|---|
JFCCardInterface | 画面制御パネルを一意的に扱うためのインタフェースです。 |
JFCCardPanel | 複数画面の管理、画面遷移機能を持つ画面制御機能の中心となるパネルです。 |
JFCPanelLoader | 1つの画面を生成し、管理する機能を持つ画面用ローダの抽象クラスです。 |
JFCEntryPanelLoader | JFCPanelLoaderの派生クラスで、JFCPanelLoaderが持つ機能に加え、画面のクラス名を指定して画面を生成する機能を持ちます。 |
JFCEntryLogicInterface | JFCEntryPanelLoaderが管理する画面のインタフェースを定義するものです。 |
JFCScrollablePanel | スクロールバー操作によるスクロール機能と、メソッド呼出しによるスクロール機能を持ち、水平/垂直あるいはその両方のスクロールが可能なパネルです。 |
JFCEntryPanel | 画面遷移パネルの基底クラスです。 |
JFCEntryInterfacePanel | JFCEntryComponentインタフェースを実装した入力項目をこのパネルに貼り付けて、一意的なインタフェースで操作する機能を持ちます。 |
JFCMultiPagePanel | JFCEntryComponentインタフェースを実装した入力項目を持つ複数のページ(Containerの派生クラス)をこのパネルに貼り付けて、複数のページにまたがって入力項目を一括して管理する機能を持ちます。 |
JFCEntryComponent | 入力項目管理パネルが管理する入力項目を定義するインタフェースです。 |
JFCEntryInterface | 入力項目管理パネルを定義するインタフェースで、入力項目を管理するパネルはこのインタフェースを実装する必要があります。 |
注意
マイクロソフト社製のJava VMでは動作しない機能を画面制御機能では利用しているため、Internet Explorerで画面制御機能を利用したアプレットを動作させる場合はJava Plug-in、またはJBKプラグインを利用してください。