ブラウザ上でのアプレット実行をサポートするためのツールとしては、Oracle社のJava Plug-inがあります。
Java Plug-inを使用する上での注意事項
同一のブラウザのプロセス内で、Java Plug-inとJBKプラグインを一緒に使用することはできません。この2つを一緒に使用しようとすると、Java Plug-inあるいはJBKプラグインが誤動作を起こす可能性があります。どちらかのみを使用するようにしてください。
Oracle社のJava Plug-inとJBKプラグインの違い
JBKプラグインが提供する機能は、基本的にはJava Plug-inが提供する機能と同じですが、以下の点で異なります。
追加のポリシーファイルの指定が可能
Java SEでは、セキュリティ設定用に新たにポリシーファイルと呼ばれる設定ファイルが導入されました。JBKプラグインでは、プラグイン使用時に追加のポリシーファイルを設定することができます。このため、JBKプラグインのポリシーファイルを使用することにより、使用するJava SEを切り替えた場合やJava SEを再インストールした場合にも、デフォルトのポリシーファイルに設定を記述し直すことなく常に同じ設定が使用できるようになります。
セキュリティレベルの設定方法は、“2.3.3 セキュリティレベルの設定”を参照してください。
Java VMの先行起動が可能
ブラウザ上でアプレットを実行する場合には、初回実行時にJava VMの起動が必要です。一般的には、Java VMの起動には数秒~数十秒かかり、この間ブラウザがユーザの操作を全く受け付けなくなることもあります。
JBKプラグインを用いると、HTMLファイルの記述方法により、アプレットを実行せずにJava VMだけを起動する、ということが可能になります。Java VMの起動はバックグラウンドで行われますので、この場合、Java VMの起動中にブラウザがユーザの操作を受け付けなくなる、ということはありません。これにより、次のような使用方法が可能になります。
アプレットを実行するHTMLファイルとは別に、Java VMのみを起動するHTMLファイルを作成します。このHTMLファイルでは、アプレットの実行前に行える処理(アプリケーションのタイトルページの表示、お知らせの表示あるいは、ユーザからの何らかの入力要求など)を同時に行うようにします。
ブラウザを起動し、a.で作成したHTMLファイルを始めに読み込ませます。ブラウザの画面上では、このHTMLファイルに記述されているアプレット実行前の処理が実行されます。この間に、JBKプラグインはバックグラウンドでJava VMを起動します。したがって、Java VMの起動がブラウザの画面上の処理を妨げることはありません。
アプレット実行前の処理が終了したら、次にアプレットを実行するHTMLファイルを呼び出します。JBKプラグインによるJava VMの起動が完了している場合には、すぐにアプレットのダウンロードが開始されます。ユーザがJava VMの起動完了を待つ必要はありません。
Java VMの先行起動の方法は、“2.3.9 Java VMの先行起動”を参照してください。
アプレットのアクティブ/非アクティブ状態の通知
ブラウザ上でアプレットを実行する場合には、1つのブラウザウィンドウ上に複数のアプレットを置いて実行することができます。このため、ブラウザウィンドウのアクティブ状態と各アプレットのアクティブ状態は必ずしも一致しません。
JBKプラグインでは、アプレットのアクティブ状態を独自に定め、そのアクティブ状態が切り替わるタイミングをアプレットに通知する機能を提供しています。複数のアプレットからなるシステムで、アプレットごとに動作環境を切り替えたい場合などに、この通知を使用すると便利です。
また、ダイアログなどのポップアップウィンドウを表示して、そのウィンドウを閉じたときにアプレットをアクティブ化させることなどにも利用できます。
アプレットのアクティブ状態の通知の詳細は、“2.3.10 アプレットのアクティブ/非アクティブ状態の通知”を参照してください。
アプレットへの終了問い合わせ
JBKプラグインは、ユーザがブラウザのウィンドウを閉じようとしたときに、そのウィンドウ上で実行しているアプレットに対して終了の問合せを行う機能を提供しています。この機能を使用するアプレットは、JBKプラグインからの終了問合せに対して、終了の許可/不許可を返答することができます。
アプレットへの終了問い合わせの方法は、“2.3.11 アプレットへの終了問合せ”を参照してください。
設定ファイルの切り替え
設定ファイルを複数用意し、JBKプラグイン用のHTMLファイルで呼び分けることにより、異なる設定のJBKプラグインを同一クライアント上で動作させることが可能です。
これにより、2つのブラウザにそれぞれ異なるJREを指定した設定ファイルを読み込ませ、異なるバージョンのVMを使用してアプレットを実行するという使い方も可能となります。
設定ファイルの切り替えの方法は、“2.3.12 設定ファイルの切り替え”を参照してください。
これらの機能が必要とされる場合には、JBKプラグインの使用をお勧めします。
参照
Java Plug-inの詳細は、以下を参照してください。
Oracle社の“JAVA PLUG-IN TECHNOLOGY”(http://www.oracle.com/technetwork/java/index-jsp-141438.html) |