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Symfoware Server V11.1.0 RDB運用ガイド
FUJITSU Software

11.5.2 Symfoware/RDB停止中のリカバリ

テンポラリログファイルの入出力障害が発生した場合のリカバリ方法は、以下の形態により異なります。

11.5.2.1 Symfoware/RDBを正常停止した場合の操作

テンポラリログファイルの閉塞状態から、Symfoware/RDBを正常停止した場合は、rdblogコマンドにより、テンポラリログファイルの再作成または作成を行ってください。

参照

rdblogコマンドの指定方法の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。

Symfoware/RDB停止中にテンポラリログファイルをリカバリする場合のリカバリ操作の手順とリカバリ操作例を以下に示します。

リカバリ操作の手順

(1)業務中にテンポラリログファイルのアクセスエラーが発生した場合、システム
  メッセージを出力して、テンポラリログファイルを閉塞します。 
    スケーラブルログ運用を行っている場合は、システムメッセージにより、リカバリすべき
  テンポラリログファイルのロググループを特定します。 
(2) トランザクションの状態(Tran)の“TINH”が無くなる ――― rdbcninfコマンド 
  まで待ちます。 
(3) Symfoware/RDBを停止します。                        ――― rdbstopコマンド 
(4) 障害ボリュームを取り換えます。                     ――― CE作業 
(5) ボリュームの構成情報をリカバリします。             ――― partedコマンド
      ログ管理ファイルとテンポラリログファイルを同一のボリュームに
                                                配置している場合      → (6)へ 
      ログ管理ファイルとテンポラリログファイルを同一のボリュームに
            配置していない かつ アーカイブログ運用を行っていない場合  → (9)へ
      ログ管理ファイルとテンポラリログファイルを同一のボリュームに
            配置していない かつ アーカイブログ運用を行っている場合    → (10)へ 
(6) ログ管理ファイルを作成します。                     ――― rdblogコマンド 
      スケーラブルログ運用を行っていない場合または
                           システムロググループの場合         (Iオプション) 
      ユーザロググループの場合                                (Iオプションかつ
                                                               rオプションかつ
                                                               gオプション) 
      アーカイブログ運用を行っている場合      → (7)へ 
      アーカイブログ運用を行っていない場合    → (10)へ 
(7) アーカイブログファイルを再登録します。             ――― rdblogコマンド 
                                                              (Aオプションかつ
                                                               aオプション) 
(8) アーカイブログファイルが正常に登録されたことを確認 ――― rdblogコマンド 
  します。 
      スケーラブルログ運用を行っていない場合                  (Vオプションかつ
                                                               aオプション) 
      スケーラブルログ運用を行っている場合                    (Vオプションかつ
                                                               aオプションかつ
                                                               gオプション) 
      ログ管理ファイルを作成していない場合     → (9)へ
      ログ管理ファイルを作成した場合           → (10)へ
(9) テンポラリログファイルを強制的に削除します。       ――― rdblogコマンド
                                                              (Dオプションかつ
                                                               tオプションかつ
                                                               eオプション)
(10) テンポラリログファイルを再作成(アーカイブログ運用 ――― rdblogコマンド 
   を行っている場合)または作成(アーカイブログ運用を
   行っていない場合)します。
      スケーラブルログ運用を行っていない場合                  (Gオプションかつ
                                                               tオプション
                                                               [かつrオプション]) 
      スケーラブルログ運用を行っている場合                    (Gオプションかつ
                                                               tオプションかつ
                                                               [rオプションかつ]
                                                                gオプション) 
(11) テンポラリログファイルが正常に再作成されたことを  ――― rdblogコマンド 
   確認します。 
       スケーラブルログ運用を行っていない場合                 (Vオプションかつ
                                                               tオプション) 
       スケーラブルログ運用を行っている場合                   (Vオプションかつ
                                                               tオプションかつ
                                                               gオプション)
(12) Symfoware/RDBを起動します。                       ――― rdbstartコマンド 
(13) ロールバック不可閉塞となった資源をリカバリします。
   “11.7.1 ロールバック不可からのリカバリ”を実行してください。 
リカバリ操作例

ここでは、以下の場合を想定しています。

  • ログ管理ファイルとテンポラリログファイルを同一のボリュームに配置していない

  • アーカイブログ運用を行っている

  • ユーザロググループ

スケーラブルログ運用を行っていない場合およびシステムロググループの場合は、rdblogコマンドのgオプション(ロググループ名の指定)を省略して実行してください。

rdb: ERROR: qdg12111u: テンポラリログファイルに 入出力障害が発生しました 
     ファイル名='/dev_symfoware/raw22' errno=5 (システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ'grp1'において事象'qdg12111u'が発生しました
     (システム名=rdbsys1) 

rdb: ERROR: qdg13303e: テンポラリログファイルを閉塞しました(システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ'grp1'において事象'qdg13303e'が発生しました 
     (システム名=rdbsys1) 

$ rdbcninf -s 

$ rdbstop 

CE作業 … 障害ボリュームの交換およびボリューム構成情報のリカバリ

$ rdblog -G -t -r -g grp1 -c 10M /dev_symfoware/raw29 -in -in 30M 30M 20

$ rdblog -V -t -g grp1 

$ rdbstart 

注意

Symfoware/RDBの停止は、テンポラリログファイルの閉塞以前より開始していたトランザクションの終了を待ってから行ってください。トランザクションの終了は、rdbcninfコマンドで確認することができます。それらのトランザクションは、トランザクションの状態(Tran)の“TINH”が解除されるまで、以下のようになりますので、注意してください。

  • ロールバックされると、トランザクションで更新していた資源(DSI)は、ロールバック不可能による閉塞が行われます。

  • 実行中にダウンすると、トランザクションで更新していた資源(DSI)は、ダウンリカバリ不可能による閉塞が行われます。

11.5.2.2 Symfoware/RDBを強制停止した場合の操作(アーカイブログ運用)

テンポラリログファイルの閉塞状態から、Symfoware/RDBを強制停止した場合でアーカイブログ運用を行っている場合は、rdbadjrcvコマンドにより、データベースのリカバリを行ってください。

参照

rdbadjrcvコマンドの指定方法の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。

Symfoware/RDB停止中にテンポラリログファイルをリカバリする場合のリカバリ操作の手順とリカバリ操作例を以下に示します。

なお、RDBディクショナリ、またはRDBディレクトリファイルが破壊されている場合は、rdbadjrcvコマンドは実行できないため、(10)の手順を迂回して実施してください。rdbadjrcvコマンドでRDBディクショナリのリカバリが失敗した場合は、rdbrcvdicコマンドでRDBディクショナリ、RDBディレクトリファイルを復旧後、rdbadjrcvコマンドを実行してください。

リカバリ操作の手順

(1) 業務中にテンポラリログファイルのアクセスエラーが発生した場合、システム
  メッセージを出力して、テンポラリログファイルを閉塞します。 
    スケーラブルログ運用を行っている場合は、システムメッセージにより、リカバリすべき
  テンポラリログファイルのロググループを特定します。 
(2) Symfoware/RDBを強制停止します。                    ――― rdbstopコマンド 
                                                              (eオプション) 
(3) 障害ボリュームを取り換えます。                     ――― CE作業 
(4) ボリュームの構成情報をリカバリします。             ――― partedコマンド
      ログ管理ファイルとテンポラリログファイルを同一のボリュームに
                                                配置している場合    → (5)へ 
      ログ管理ファイルとテンポラリログファイルを同一のボリュームに
                                                配置していない場合  → (8)へ 
(5) ログ管理ファイルを作成します。                     ――― rdblogコマンド 
      スケーラブルログ運用を行っていない場合または
                            システムロググループの場合        (Iオプション)
      ユーザロググループの場合                                (Iオプションかつ
                                                               rオプションかつ
                                                               gオプション)
(6) アーカイブログファイルを再登録します。             ――― rdblogコマンド 
                                                              (Aオプションかつ
                                                               aオプション) 
(7) アーカイブログファイルが正常に登録されたことを確認 ――― rdblogコマンド 
  します。 
      スケーラブルログ運用を行っていない場合                  (Vオプションかつ
                                                               aオプション) 
      スケーラブルログ運用を行っている場合                    (Vオプションかつ
                                                               aオプションかつ
                                                               gオプション) 
(8) テンポラリログファイルを再作成します。             ――― rdblogコマンド 
      スケーラブルログ運用を行っていない場合                  (Gオプションかつ
                                                               tオプションかつ
                                                               rオプション) 
      スケーラブルログ運用を行っている場合                    (Gオプションかつ
                                                               tオプションかつ
                                                               rオプションかつ
                                                               gオプション)
(9) テンポラリログファイルが正常に再作成されたことを   ――― rdblogコマンド 
   確認します。 
       スケーラブルログ運用を行っていない場合                 (Vオプションかつ
                                                               tオプション)
       スケーラブルログ運用を行っている場合                   (Vオプションかつ
                                                               tオプションかつ
                                                               gオプション)
       RDBディクショナリ、または、RDBディレクトリファイルも
       破壊されている場合                       → (11)へ
(10) アーカイブログファイルを使用したデータベースの復  ――― rdbadjrcvコマンド 
   旧を行います。 
       ユーザロググループの場合                               (gオプション) 
       rdbadjrcvコマンドによって、RDBディクショナリが
                                    リカバリできなかった場合                → (11)へ
       ユーザロググループの場合または、rdbadjrcvコマンドによって、 
                                     RDBディクショナリがリカバリできた場合  → (14)へ 
(11) RDBディクショナリをリカバリします。               ――― rdbrcvdicコマンド 
                                                              (FWモード) 
       スケーラブルディレクトリ運用を行っていない場合    → (10)へ 
       スケーラブルディレクトリ運用を行っている場合      → (12)へ 
(12) すべてのユーザロググループ用のRDBディレクトリ     ――― rdbscldirコマンド 
   ファイルを再登録します。                                   (Aオプションかつ
                                                               gオプション) 
(13) ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルが   ――― rdbscldirコマンド 
   正常に登録されたことを確認します。                         (Vオプション) 
       状態(Status)が“inhibit”の場合は、“11.2.5.2 Symfoware/RDB停止中のリカバリ”
       の(7)と(8)を実行してください。                    → (10)へ
(14) Symfoware/RDBを起動します。                       ――― rdbstartコマンド 
(15) rdbadjrcvコマンドでリカバリできなかった資源を     ――― rdbinhコマンド 
   “アクセス禁止”にします。 
(16) rdbadjrcvコマンドでリカバリできなかった資源に     ――― rdbrcvコマンド 
   対してリカバリ処理を行います。                             (FWモード) 
(17) rdbadjrcvコマンドでリカバリできなかった資源の     ――― rdbdmpコマンド 
   退避データを取得します。 
(18) RDBディクショナリのリカバリを行った場合は、       ――― rdbdmpdicコマンド 
   RDBディクショナリの退避データも取得します。 
リカバリ操作例

リカバリ操作は、以下の運用形態により異なります。

  • スケーラブルログ運用を行っていない場合

  • システムロググループの場合

  • ユーザロググループの場合

  • スケーラブルディレクトリ運用のシステムロググループの場合

  • スケーラブルディレクトリ運用のユーザロググループの場合

ここでは、以下の場合を想定しています。

  • ログ管理ファイル、テンポラリログファイルを同一のボリュームに配置していない

  • rdbadjrcvコマンドでRDBディクショナリがリカバリできない

  • rdbadjrcvコマンドでリカバリできない資源(データベース)が存在する

スケーラブルログ運用を行っていない場合およびシステムロググループの場合

以下の例では、システムロググループの場合を想定しています。

rdblogコマンドのgオプション(ロググループ名指定)は省略しています。

rdb: ERROR: qdg12111u: テンポラリログファイルに 入出力障害が発生しました 
     ファイル名='/dev_symfoware/raw1' errno=5 (システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ'system'において事象'qdg12111u'が発生しました 
     (システム名=rdbsys1) 

rdb: ERROR: qdg13303e: テンポラリログファイルを閉塞しました(システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ'system'において事象'qdg13303e'が発生しました 
     (システム名=rdbsys1) 

$ rdbstop -e 

rdb: ERROR: qdg02842u: シグナル9を受信したため RDBIIシステム空間が異常終了しました
     (システム名=rdbsys1) 

CE作業 … 障害ボリュームの交換およびボリューム構成情報のリカバリ

$ rdblog -G -t -r -c 10M /dev_symfoware/raw9 -in -in 30M 30M 20

$ rdblog -V -t 

$ rdbadjrcv -w /home/rdb1/work 

rdb: ERROR:qdg13038u: アジャストリカバリが不可能なためRDBディクショナリをアクセス
     禁止状態にしました(システム名=rdbsys1) 

$ rdbrcvdic -F -f dicback@/backup/rdb  -du 1M -w /tmp 

$ rdbadjrcv -w /home/rdb1/work 

rdb: ERROR:qdg13037e: アジャストリカバリが不可能なため データベースをアクセス禁止
     状態にしました DB名='在庫管理DB' DSI名='在庫表DSI1' (システム名
     =rdbsys1) 

$ rdbstart 

$ rdbinh -i 在庫管理DB.在庫表DSI1 

$ rdbrcv -F -i 在庫管理DB.在庫表DSI1 -f stock@/backup/rdb 
         -w /home/rdb1/work

$ rdbdmp -i 在庫管理DB.在庫表DSI1 -f stock1@/backup/rdb -e -y 

$ rdbdmpdic -f dicback@/backup/rdb -y -e 
ユーザロググループの場合およびスケーラブルディレクトリ運用のユーザロググループの場合
rdb: ERROR: qdg12111u テンポラリログファイルに 入出力障害が発生しました 
     ファイル名='/dev_symfoware/raw22' errno=5 (システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i ロググループ'grp1'において事象'qdg12111u'が発生しました 
     (システム名=rdbsys1) 

rdb: ERROR: qdg13303e テンポラリログファイルを閉塞しました(システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i ロググループ'grp1'において事象'qdg13303e'が発生しました 
     (システム名=rdbsys1) 

$ rdbstop -e 

rdb: ERROR: qdg02842u シグナル9を受信したため RDBIIシステム空間が異常終了しました
     (システム名=rdbsys1) 

CE作業 … 障害ボリュームの交換およびボリューム構成情報のリカバリ

$ rdblog -G -t -r -g grp1 -c 10M /dev_symfoware/raw29 -in -in 30M 30M 20

$ rdblog -V -t -g grp1 

$ rdbadjrcv -g grp1 -w /home/rdb1/work 

rdb: ERROR:qdg13037e: アジャストリカバリが不可能なため データベースをアクセス禁止
      状態にしました DB名='在庫管理DB' DSI名='在庫表DSI1' (システム名
      =rdbsys1) 

$ rdbstart 

$ rdbinh -i 在庫管理DB.在庫表DSI1 

$ rdbrcv -F -i 在庫管理DB.在庫表DSI1 -f stock@/backup/rdb 
         -w /home/rdb1/work

$ rdbdmp -i 在庫管理DB.在庫表DSI1 -f stock1@/backup/rdb -e -y  
スケーラブルディレクトリ運用のシステムロググループの場合

システムロググループの場合、rdblogコマンドのgオプション(ロググループ名の指定)を、省略することができます。以下の例では、ロググループ名を省略しています。

rdb: ERROR: qdg12111u: テンポラリログファイルに 入出力障害が発生しました 
     ファイル名='/dev_symfoware/raw1' errno=5 (システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ'system'において事象'qdg12111u'が発生しました 
     (システム名=rdbsys1) 

rdb: ERROR: qdg13303e: テンポラリログファイルを閉塞しました(システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ'system'において事象'qdg13303e'が発生しました 
     (システム名=rdbsys1) 

$ rdbstop -e 

rdb: ERROR: qdg02842u: シグナル9を受信したため RDBIIシステム空間が異常終了しました
     (システム名=rdbsys1) 

CE作業 … 障害ボリュームの交換およびボリューム構成情報のリカバリ

$ rdblog -G -t -r -c 10M /dev_symfoware/raw9 -in -in 30M 30M 20

$ rdblog -V -t 

$ rdbadjrcv -w /home/rdb1/work 

rdb: ERROR:qdg13038u: アジャストリカバリが不可能なためRDBディクショナリをアクセス
     禁止状態にしました(システム名=rdbsys1) 

$ rdbrcvdic -F -f dicback@/backup/rdb  -du 1M -w /tmp

$ rdbscldir -A -g grp1 /home1/DIR_FILE
$ rdbscldir -A -g grp2 /home2/DIR_FILE 

$ rdbscldir -V 

RDBII rdbscldir DATE:2007/04/22 TIME:14/51/52

LogGroup  status  DBspace   Size(Used rate)  Directory file path 
system    normal  Exist      1024K( 14%)     /home/rdbdir/DIR_FILE1 
grp1      normal  Exist      1024K( 23%)     /home1/DIR_FILE 
grp2      normal  Exist      1024K( 23%)     /home2/DIR_FILE 

$ rdbadjrcv -w /home/rdb1/work 

rdb: ERROR:qdg13037e: アジャストリカバリが不可能なため データベースをアクセス禁止
     状態にしました DB名='在庫管理DB' DSI名='在庫表DSI1' (システム名=rdbsys1)

$ rdbstart 

$ rdbinh -i 在庫管理DB.在庫表DSI1 

$ rdbrcv -F -i 在庫管理DB.在庫表DSI1 -f stock@/backup/rdb 
         -w /home/rdb1/work

$ rdbdmp -i 在庫管理DB.在庫表DSI1 -f stock1@/backup/rdb -e -y 

$ rdbdmpdic -f dicback@/backup/rdb -y -e

注意

  • rdbadjrcvコマンドによりデータベースのリカバリを行う場合、トランザクションの整合性を保証するため、テンポラリログファイルのAIログ域サイズ以上のアーカイブログ量が必要になります。このため、指定したアーカイブログファイル内のアーカイブログ量によっては、コマンドが異常終了する場合があります。この場合には、さらに以前の退避アーカイブログファイルを併せて指定してコマンドを再実行してください。

  • テンポラリログファイルの入出力障害が発生する少し前にコミットした更新がロールバックになっている可能性があります。データリカバリ後、どこまでの更新が完了しているか確認し、必要に応じて再更新などを行ってください。

  • スケーラブルログ運用を行っていてアーカイブログ退避データを指定する場合は、リカバリ対象のDSIが属するロググループのアーカイブログ退避データを指定する必要があります。

11.5.2.3 Symfoware/RDBを強制停止した場合の操作(アーカイブログ運用なし)

テンポラリログファイルの閉塞状態から、Symfoware/RDBを強制停止した場合でアーカイブログ運用を行っていない場合は、rdbrcvコマンドにより、データベースのリカバリを行ってください。

参照

rdbrcvコマンドの指定方法の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。

Symfoware/RDB停止中にテンポラリログファイルをリカバリする場合のリカバリ操作の手順とリカバリ操作例を以下に示します。

リカバリ操作の手順

DIR_FILE1: ユーザデータベース用のRDBディレクトリファイル

DIR_FILE2: RDBディクショナリ用のRDBディレクトリファイル

(1) 業務中にテンポラリログファイルのアクセスエラーが発生した場合、システム
  メッセージを出力して、テンポラリログファイルを閉塞します。 
    スケーラブルログ運用を行っている場合は、システムメッセージにより、リカバリすべき
  テンポラリログファイルのロググループを特定します。 
(2) Symfoware/RDBを強制停止します。                     ――― rdbstopコマンド 
                                                               (eオプション) 
      ログ管理ファイルとテンポラリログファイルを同一のボリュームに
                                                配置している場合      → (4)へ 
      ログ管理ファイルとテンポラリログファイルを同一のボリュームに
                                                配置していない場合    → (3)へ 
(3) テンポラリログファイルを強制的に削除します。        ――― rdblogコマンド 
      スケーラブルログ運用を行っていない場合                   (Dオプションかつ
                                                                tオプションかつ
                                                                eオプション) 
      スケーラブルログ運用を行っている場合                     (Dオプションかつ
                                                                tオプションかつ
                                                                gオプションかつ
                                                                eオプション) 
(4) 障害ボリュームを取り換えます。                      ――― CE作業 
(5) ボリュームの構成情報をリカバリします。              ――― partedコマンド
      ログ管理ファイルとテンポラリログファイルを同一のボリュームに
                                                配置している場合      → (6)へ 
      ログ管理ファイルとテンポラリログファイルを同一のボリュームに
                                                配置していない場合    → (7)へ 
(6) ログ管理ファイルを作成します。                      ――― rdblogコマンド 
      スケーラブルログ運用を行っていない場合または
                            システムロググループの場合         (Iオプション) 
      ユーザロググループの場合                                 (Iオプションかつ
                                                                rオプションかつ
                                                                gオプション) 
(7) テンポラリログファイルを作成します。                ――― rdblogコマンド 
      スケーラブルログ運用を行っていない場合                   (Gオプションかつ
                                                                tオプション) 
      スケーラブルログ運用を行っている場合                     (Gオプションかつ
                                                                tオプションかつ
                                                                gオプション) 
(8) RDBディレクトリファイルの整合性をとります。         ――― rdbrcvdicコマンド 
      下記以外の場合                                           (LOADモード) 
      スケーラブルディレクトリ運用のユーザロググループの場合   (LOADモードかつ
                                                                gオプション) 
          スケーラブルディレクトリ運用のシステムロググループの場合  → (9)へ 
          スケーラブルディレクトリ運用のユーザロググループの場合    → (10)へ 
          上記以外の場合                                            → (11)へ 
(9) すべてのユーザロググループ用のRDBディレクトリファ   ――― rdbscldirコマンド 
  イルを再登録します。                                         (Aオプションかつ
                                                                gオプション) 
(10) ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルが    ――― rdbscldir コマンド
   正常に登録されたことを確認します。                          (Vオプション) 
       状態(Status)が“inhibit”の場合は、
       “11.2.5.2 Symfoware/RDB停止中のリカバリ”の(7)と(8)を実行してください。 
(11) Symfoware/RDBを起動します。                        ――― rdbstartコマンド 
(12) 業務中にアクセスしていた資源を“アクセス禁止”     ――― rdbinhコマンド 
   にします。 
(13) 業務中にアクセスしていた資源に対してリカバリ       ――― rdbrcvコマンド 
   処理を実施します。                                          (LOADモード) 
リカバリ操作例

リカバリ操作は、以下の運用形態により異なります。

  • スケーラブルログ運用を行っていない場合

  • システムロググループの場合

  • ユーザロググループの場合

  • スケーラブルディレクトリ運用のシステムロググループの場合

  • スケーラブルディレクトリ運用のユーザロググループの場合

ここでは、以下の場合を想定しています。

  • ログ管理ファイル、テンポラリログファイルを同一のボリュームに配置していない

スケーラブルログ運用を行っていない場合、システムロググループの場合およびユーザロググループの場合

以下の例では、ユーザロググループの場合を想定しています。

スケーラブルログ運用を行っていない場合およびシステムロググループの場合は、rdblogコマンドのgオプション(ロググループ名の指定)を省略して実行してください。

rdb: ERROR: qdg12111u: テンポラリログファイルに 入出力障害が発生しました 
     ファイル名='/dev_symfoware/raw22' errno=5 (システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ'grp1'において事象'qdg12111u'が発生しました 
     (システム名=rdbsys1) 

rdb: ERROR: qdg13303e: テンポラリログファイルを閉塞しました(システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ'grp1'において事象'qdg13303e'が発生しました 
     (システム名=rdbsys1) 

$ rdbstop -e 

rdb: ERROR: qdg02842u: シグナル9を受信したため RDBIIシステム空間が異常終了しました 
     (システム名=rdbsys1) 

$ rdblog -D -t -e -g grp1 

CE作業 … 障害ボリュームの交換およびボリューム構成情報のリカバリ

$ rdblog -G -t -g grp1 -c 10M /dev_symfoware/raw29 -in -in 30M 30M 20

$ rdbrcvdic -L -f dicback@/backup/rdb  -du 1M 

$ rdbstart 

$ rdbinh -i 在庫管理DB.在庫表DSI 

$ rdbrcv -L -i 在庫管理DB.在庫表DSI -f stock@/backup/rdb 
         -w /home/rdb1/work
スケーラブルディレクトリ運用のシステムロググループの場合

以下の例では、rdblogコマンドのgオプション(ロググループ名の指定)を、省略しています。

rdb: ERROR: qdg12111u: テンポラリログファイルに 入出力障害が発生しました 
     ファイル名='/dev_symfoware/raw1' errno=5 (システム名=rdbsys1)
rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ'system'において事象'qdg12111u'が発生しました 
     (システム名=rdbsys1) 

rdb: ERROR: qdg13303e: テンポラリログファイルを閉塞しました(システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ'system'において事象'qdg13303e'が発生しました 
     (システム名=rdbsys1) 

$ rdbstop -e 

rdb: ERROR: qdg02842u: シグナル9を受信したため RDBIIシステム空間が異常終了しました 
     (システム名=rdbsys1) 

$ rdblog -D -t -e 

CE作業 … 障害ボリュームの交換およびボリューム構成情報のリカバリ

$ rdblog -G -t -c 10M /dev_symfoware/raw9 -in -in 30M 30M 20 

$ rdbrcvdic -L -f dicback@/backup/rdb  -du 1M 

$ rdbscldir -A -g grp1 /home1/DIR_FILE 
$ rdbscldir -A -g grp2 /home2/DIR_FILE 

$ rdbscldir -V 

RDBII rdbscldir DATE:2007/04/22 TIME:13/30/23

LogGroup  Status  DBspace  Size(Used rate)  Directory file path 
system    normal  Exist      2048k(12%)     /home1/rdbdir/DIR_FILE1 
grp1      normal  Exist      1024k(23%)     /home1/DIR_FILE
grp2      normal  Not Exist  2048k(23%)     /home2/DIR_FILE 

$ rdbstart 

$ rdbinh -i 在庫管理DB.在庫表DSI

$ rdbrcv -L -i 在庫管理DB.在庫表DSI -f stock@/backup/rdb 
         -w /home/rdb1/work 
スケーラブルディレクトリ運用のユーザロググループの場合
rdb: ERROR: qdg12111u: テンポラリログファイルに 入出力障害が発生しました 
     ファイル名='/dev_symfoware/raw22' errno=5 (システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ'grp1'において事象'qdg12111u'が発生しました 
     (システム名=rdbsys1)

rdb: ERROR: qdg13303e: テンポラリログファイルを閉塞しました(システム名=rdbsys1) 
rdb: INFO : qdg13239i: ロググループ'grp1'において事象'qdg13303e'が発生しました 
     (システム名=rdbsys1) 

$ rdbstop -e 

rdb: ERROR: qdg02842u: シグナル9を受信したため RDBIIシステム空間が異常終了しました 
     (システム名=rdbsys1) 

$ rdblog -D -t -e -g grp1 

CE作業 … 障害ボリュームの交換およびボリューム構成情報のリカバリ

$ rdblog -G -t -g grp1 -c 10M /dev_symfoware/raw29 -in -in 30M 30M 20

$ rdbrcvdic -L -g grp1 

$ rdbscldir -V 

RDBII rdbscldir DATE:2007/04/22 TIME:13/55/47

LogGroup  Status  DBspace   Size(Used rate)  Directory file path 
system    normal  Exist       2048k(12%)     /home1/rdbdir/DIR_FILE1 
grp1      normal  Exist       1024k(23%)     /home1/DIR_FILE 
grp2      normal  Not Exist   2048k(23%)     /home2/DIR_FILE

$ rdbstart 

$ rdbinh -i 在庫管理DB.在庫表DSI 

$ rdbrcv -L -i 在庫管理DB.在庫表DSI -f stock@/backup/rdb 
         -w /home/rdb1/work