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Symfoware Server V11.1.0 RDB運用ガイド
FUJITSU Software

11.2.6 インクリメンタルリカバリによるリカバリ

ユーザデータベース用のRDBディレクトリファイルを含むリカバリを行う場合、データベースをすべて参照してリカバリするため、大変時間を必要とします。業務を再開するのに必要なDSIを把握している場合は、ユーザデータベース用のRDBディレクトリファイルのリカバリ時間を短縮することができます。RDBディレクトリファイルのリカバリ時間の短縮方法は、rdbrcvdicコマンドのddlオプションとrdbrcvコマンドのDIRモードによって行います。

rdbrcvdicコマンドでddlオプションを指定すると、RDBディレクトリファイルのデータベース資源のアクセス情報のリカバリは行いません。rdbrcvコマンドのDIRモードでDSI名を指定すると、そのDSIに関するRDBディレクトリファイルのデータベース資源のアクセス情報のみをリカバリします。このことにより、目的業務の再開までの時間を短縮することができます。残りのDSIに関するRDBディレクトリファイルのデータベース資源のアクセス情報は、目的業務と並行してリカバリすることができます。

参照

rdbrcvコマンドおよびrdbrcvdicコマンドの指定方法の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。

rdbrcvdicコマンドのddlオプションとrdbrcvコマンドのDIRモードを使用して、リカバリ時間の短縮化を行う場合の例を以下に示します。

リカバリ操作の手順

DIR_FILE1: ユーザデータベース用のRDBディレクトリファイル

DIR_FILE2: RDBディクショナリ用のRDBディレクトリファイル

(1) Symfoware/RDBを起動します。                           ――― rdbstartコマンド 
(2) データベースを定義します。                            ――― rdbddlexコマンド 
(3) RDBディクショナリの退避データを取得します。           ――― rdbdmpdicコマンド
(4) 目的業務を実行します。 

              ★ 障害発生 

(5) Symfoware/RDBを停止します。                           ――― rdbstopコマンド 
(6) 媒体障害の場合は、障害ボリュームを取り換えます。      ――― CE作業 
(7) ボリュームを取り換えた場合は、ボリュームの構成情報をリカバリします。
                                                          ――― partedコマンド
(8) RDBディクショナリおよびRDBディレクトリファイルを      ――― rdbrcvdicコマンド 
  リカバリします。ただし、RDBディレクトリファイルのデータ        (FWモードの
   ベース資源のアクセス情報はリカバリしません。                   ddlオプション) 
(9) Symfoware/RDBを起動します。                           ――― rdbstartコマンド 
(10) 異常時に備えてRDBディクショナリの退避データを        ――― rdbdmpdicコマンド
   取得します。
(11) 目的業務で使用するDSIのアクセス情報をリカバリします。――― rdbrcvコマンド
                                                                 (DIRモード)
(12) 目的業務を実行します。
(13) 目的業務で使用しないDSIのアクセス情報をリカバリし    ――― rdbrcvコマンド 
   ます。                                                        (DIRモード)
リカバリ操作例
$ rdbstart

$ rdbddlex -d 在庫管理DB /rdb/ddl.dat

$ rdbdmpdic -f dicback@/backup/rdb -y -e

目的業務の実行

rdb: ERROR:qdg03121u: RDBIIディクショナリにおいて 入出力障害が発生しました
      (システム名=rdbsys1)

$ rdbstop

CE作業  …  媒体障害の場合は、障害ボリュームの交換およびボリューム構成情報のリカバリ

$ rdbrcvdic -F -f dicback@/backup/rdb -du 1M -w /home/rdb1/work -ddl 

rdb: INFO:qdg02654i: rdbrcvdicコマンドの処理を開始します  (システム名=rdbsys1)
rdb: INFO:qdg12694i: DSI‘在庫管理DB.在庫表DSI1’の定義情報のみをリカバリしアクセス禁止状態にしました  (システム名=rdbsys1)
       ・
       ・
rdb: INFO:qdg02655i: rdbrcvdicコマンドの処理が正常終了しました  (システム名=rdbsys1)

$ rdbstart

$ rdbdmpdic -f dicback@/backup/rdb -y -e

$ rdbrcv -D -i 在庫管理DB.在庫表DSI1

rdb: INFO: qdg02654i: rdbrcvコマンドの処理を開始します  (システム名=rdbsys1)
rdb: INFO: qdg02581i: DSI‘在庫管理DB.在庫表DSI1’を復元しました

rdb: INFO: qdg02655i: rdbrcvコマンドの処理が正常終了しました  (システム名=rdbsys1)

目的業務の再実行


$ rdbrcv -D -t /home/rdb1/rcv.list
       ・
       ・

/home/rdb1/rcv.listの内容を以下に示します。

在庫管理DB.在庫表DSI2
在庫管理DB.在庫表DSI3