ページの先頭行へ戻る
Symfoware Server V11.1.0 RDB運用ガイド
FUJITSU Software

7.5.1 DSIの容量監視

データベースの運用を行っていく過程では、データの追加や削除を繰り返すことによって、データベース内に空き領域が生じる場合があります。これは、性能劣化や、領域不足の原因になります。そこで、DSIに割当てられた領域の使用率を表示することにより、データベースの再配置やデータベースの容量拡張を行う契機を予測し、適切な処置を行う必要があります。DSIに割当てられた領域の使用率は、rdbudsiコマンドにより表示します。

参照

rdbudsiコマンドの指定方法の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。

rdbudsiコマンドの表示形式

rdbudsiコマンドの表示例を以下に示します。

1

SEQUENTIAL構造の場合

$ rdbudsi -i 在庫管理DB.在庫表DSI -f

DSI(在庫管理DB.在庫表DSI) , TYPE(SEQUENTIAL), 
                                  DATA(968, 19% , 20% ,250 , 80%)
                                       (1)  (2)   (3)  (4)   (5)
(1) 割付け対象に格納されている行数
(2) 割付けページ数に対してデータが格納されているページの割合(単位は%)
(3) 割付けページ数に対して使用中のページの割合(単位は%)
(4) 割付けページ数
(5) 使用中ページに対してデータが格納されている領域の割合(単位は%)
    (fオプションを指定した場合のみ表示されます。)
2

OBJECT構造の場合

$ rdbudsi -i 在庫管理DB.在庫表DSI -f

DSI(在庫管理DB.在庫表DSI) , TYPE(OBJECT), 
                                  DATA(10 , 34% , 34% ,9600 , 80%) 
                                      (1)   (2)   (3)  (4)   (5)
(1) 割付け対象に格納されている行数
(2) 割付けページ数に対してデータが格納されているページの割合(単位は%)
(3) 割付けページ数に対して使用中のページの割合(単位は%)
(4) 割付けページ数
(5) 使用中ページに対してデータが格納されている領域の割合(単位は%)
    (fオプションを指定した場合のみ表示されます。)
3

RANDOM構造の場合

$ rdbudsi -i 在庫管理DB.在庫表DSI -f

DSI(在庫管理DB.在庫表DSI) , TYPE(RANDOM), 
    PRIME(432, 90% ,100% , 70 , 80%),OVERFLOW(1968, 19% , 20% ,250 , 80%)
          (1)  (2)  (3)  (4)  (5)           (1)  (2)   (3)  (4)  (5)
(1) 割付け対象に格納されている行数
(2) 割付けページ数に対してデータが格納されているページの割合(単位は%)
(3) 割付けページ数に対して使用中のページの割合(単位は%) (注)
(4) 割付けページ数
(5) 使用中ページに対してデータが格納されている領域の割合(単位は%)
    (fオプションを指定した場合のみ表示されます。)
注) プライム部については、常に100%として出力されます。
4

BTREE構造の場合

$ rdbudsi -i 在庫管理DB.在庫表IXDSI -f

DSI(在庫管理DB.在庫表IXDSI) , TYPE(BTREE), 
    BASE( 0 , 0% , 0% ,128 , 0%),INDEX(-- , 0% , 0% , 64 , 0%) 
         (1)  (2)  (3) (4)  (5)             (2)   (3)  (4) (5) 
(1) 割付け対象に格納されている行数
(2) 割付けページ数に対してデータが格納されているページの割合(単位は%)
(3) 割付けページ数に対して使用中のページの割合(単位は%)
(4) 割付けページ数
(5) 使用中ページに対してデータが格納されている領域の割合(単位は%)
    (fオプションを指定した場合のみ表示されます。)

データベースの再配置と容量拡張の目安

rdbudsiコマンドで表示される、データが格納されているページの割合(出力形式[2])と使用中ページの割合([3])から、データベースの再配置を行うかデータベースの容量拡張を行うかの判断をします。

また、使用中ページに対してデータが格納されている領域の割合(出力形式[5])を出力することによって、格納構造に左右されない判断が可能となります。

ここでは、判断を行う時の目安を示します。なお、使用中のページとは、以前に一度でもデータが格納されたことがあるページを表します。ページ内の行がすべて削除されている場合でも、使用中ページとして表示します。

データベースの再配置およびデータベースの容量拡張の操作については、“7.9 再編成”を参照してください。

DSO定義でORDER(0)が指定されたSEQUENTIAL構造の場合

使用中ページの割合([3])が大きい場合は、再配置または容量拡張を行います。

  • データが格納されているページの割合([2])が小さい場合は、再配置を行います。

  • データが格納されているページの割合([2])が大きい場合は、容量拡張を行います。

DSO定義でORDER(1)が指定されたSEQUENTIAL構造の場合

データが格納されているページの割合([2])が大きい場合は、容量拡張を行います。

DSO定義でPRECEDENCE(1)が指定されたSEQUENTIAL構造の場合には、 “使用中のページに対してデータが格納されている領域の割合を出力した場合”にしたがって判断してください。

OBJECT構造のデータ部の場合

データが格納されているページの割合([2])が大きい場合は、容量拡張を行います。

RANDOM構造のプライム部の場合

データが格納されているページの割合([2])が大きくなった場合、オーバフロー部を使用するので、特に再配置や容量拡張を行う必要はありません。

処理速度の向上を期待するのであれば、プライム部の容量拡張を行った後、再配置処理を行ってください。

RANDOM構造のオーバフロー部の場合

使用中ページの割合([3])が大きい場合は、再配置または容量拡張を行います。

  • データが格納されているページの割合([2])が小さい場合は、再配置を行います。

  • データが格納されているページの割合([2])が大きい場合は、容量拡張を行います。

再配置指定なし、および縮退指定なしのBTREE構造の場合

使用中ページの割合([3])が大きい場合は、再配置または容量拡張を行います。

  • データが格納されているページの割合([2])が小さい場合は、再配置を行います。

  • データが格納されているページの割合([2])が大きい場合は、容量拡張を行います。

再配置指定あり、または縮退指定ありのBTREE構造の場合

データが格納されているページの割合([2])が大きい場合は、容量拡張を行います。

使用中のページに対してデータが格納されている領域の割合を出力した場合

使用中ページの割合([3])が大きい場合は、再配置または容量拡張を行います。

  • 使用中ページに対してデータが格納されている領域の割合([5])が小さい場合は、再配置を行います。

  • 使用中ページに対してデータが格納されている領域の割合([5])が大きい場合は、容量拡張を行います。

業務中のDSI容量監視

24時間連続運用など日々のデータベース運用中にrdbudsiコマンドを使用してDSIに割当てられた領域の使用率を表示する場合は、以下の点に注意してください。

rdbudsiコマンドでは、DSIに割当てられた領域の使用率を調べるために、業務アプリケーションと同一のディスクに対してアクセスを行います。そのため、業務アプリケーションのレスポンスに影響を与えてしまいます。なるべく実行中の業務アプリケーションが少ない時間を見計らって、rdbudsiコマンドを実行してください。

参考

rdbudsiコマンドは、業務中に実行する場合の問題点に対応して、以下の機能を提供しています。

インターバル値の指定:

rdbudsiコマンドのdオプションでインターバル値を指定することにより、rdbudsiコマンドのディスクに対するアクセスの優先度を下げることができます。これにより、業務アプリケーションのレスポンスへの影響を軽減できます。ただし、dオプション指定時は、dオプション未指定時と比較して、rdbudsi実行時間が増加します。

rdbudsiコマンドのdオプションについては、“コマンドリファレンス”を参照してください。