データベースの定義が完了したら、データベースを創成する前に、RDBディクショナリおよびRDBディレクトリファイルの異常時のリカバリに備えて、RDBディクショナリのバックアップを行っておく必要があります。
退避データ取得時には、以下の条件を満足していなければなりません。
rdbdmpdicコマンドを使用するため、Symfoware/RDBが起動状態でなければなりません。
RDBディクショナリが正常状態でなければなりません。rdbinfコマンドでアクセス禁止状態でないことを確認してください。
データをバックアップするのに十分な媒体が用意されていなければなりません。そのためには、退避データの容量を把握しておくことが必要です。rdbinfコマンドのSize欄により、退避データの容量を把握してください。
退避データは、指定された外部媒体に出力されます。このとき、アーカイブログ運用を行っている場合は、退避データの取得点を表すためのリカバリポイントが、アーカイブログファイルに設定されます。処理メッセージは、標準出力されます。
rdbdmpdicコマンドを使用して、RDBディクショナリをバックアップする場合の入出力構成を以下に示します。
$ rdbdmpdic -f dicback@/backup/rdb -e -y rdb: INFO: qdg02654i:rdbdmpdicコマンドの処理を開始します (システム名=rdbsys1) rdb: INFO: qdg02655i:rdbdmpdicコマンドの処理が正常終了しました (システム名=rdbsys1)
注意
RDBディクショナリの作成および再作成を行った場合は、必ずRDBディクショナリのバックアップを取得してください。rdbcrdicコマンド以前に取得したRDBディクショナリの退避データを使用してのリカバリは保証していません。
アーカイブログ運用を行っていない場合にRDBディクショナリの退避データを取得する場合は、rdbdmpdicコマンドの前後で、更新抑止の設定と解除を行ってください。また、rdbdmpdicコマンド実行時には、Nオプションを指定してください。この方法で取得した退避データでは、rdbrcvdicコマンドのFWモードによって、最新状態にまでリカバリすることはできません。
格納データを暗号化している場合、RDBディクショナリの退避データを取得した時に使用していたマスタ暗号化キーが、RDBディクショナリのリカバリ時に必要です。マスタ暗号化キーファイルとRDBディクショナリの退避データは、関連づけて管理してください。
rdbdmpdicコマンドのeオプションは、退避先がすでに存在した場合に処理を実行するかの確認を行います。
rdbdmpdicコマンドのyオプションは、退避先が磁気テープの場合、入力要求のメッセージを出力せずに、セットされている磁気テープを処理対象として処理を行います。そのため、yオプションを使用する場合には、コマンド実行前に、正しい磁気テープがセットされているか確認してください。
rdbdmpdicコマンドのyオプションとeオプションを同時に指定した場合、退避先がファイルのとき、書込みの確認要求は行わず無条件に退避ファイルを作成します。そのため、yオプションを使用する場合には、コマンド実行前に、退避先が正しいか確認してください。
rdbdmpdicコマンドの実行中に切り替えたアーカイブログファイルは、rdbdmpdicコマンド実行中には、rdblogコマンドによって破棄またはバックアップすることはできません。
参考
RDBディクショナリ更新中にrdbdmpdicコマンドを実行した場合、以下の注意事項があります。
コマンド開始時に、RDBディクショナリに対する更新が実行中の場合、実際のバックアップ処理はRDBディクショナリに対する更新が完了してから開始します。
RDBディクショナリに対する更新がコマンド開始以降に実行した場合、RDBディクショナリに対する更新は実際のバックアップ処理と並行して実行します。
実際のバックアップ処理が終了した時にRDBディクショナリに対する更新が実行中の場合、コマンドはRDBディクショナリに対する更新の完了を待って復帰します。
RDBディクショナリのリカバリは、rdbrcvdicコマンドを使用します。
RDBディクショナリのリカバリ操作の手順とリカバリ操作例については、“11.2 RDBディクショナリおよびRDBディレクトリファイルのリカバリ”を参照してください。