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Symfoware Server V11.1.0 RDB運用ガイド
FUJITSU Software

2.6 スケーラブルディレクトリ

スケーラブルログ環境の場合、そのロググループを使用するデータベースを管理するRDBディレクトリファイルを、ユーザロググループごとに作成することができます。このとき作成するRDBディレクトリファイルを、ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルと呼び、ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルを作成している環境を、スケーラブルディレクトリ環境と呼びます。スケーラブルディレクトリ環境での運用を、スケーラブルディレクトリ運用と呼びます。

ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルを作成することにより、ロググループ単位の業務の独立性を高めることが可能になります。

スケーラブルディレクトリ運用には、以下のメリットがあります。

ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルは、rdbcrdicコマンドによるRDBディクショナリおよびRDBディレクトリファイルの作成後に、rdbscldirコマンドのgオプションにロググループ名を指定して作成します。

スケーラブルログ環境におけるRDBディレクトリファイル構成

スケーラブルログ環境でのRDBディレクトリファイルは、以下の2つの構成から選択することができます。

  1. RDBディクショナリ用のRDBディレクトリファイルとユーザデータベース用のRDBディレクトリファイルで構成

  2. RDBディクショナリ用のRDBディレクトリファイル、ユーザデータベース用のRDBディレクトリファイルおよびユーザロググループ単位のRDBディレクトリファイルで構成

それぞれのRDBディレクトリファイルが保持する情報を以下に示します。

1.の構成の場合

RDBディレクトリファイルの構成

保持する情報 (リカバリ範囲)

破壊時の影響範囲

データベース定義情報

アクセス情報

ファイル管理情報

RDBディクショナリ用のRDBディレクトリファイル

RDBディクショナリ

RDBディクショナリ

―――

EEE:フォールバック運用
EE:全業務継続不可
SE:全業務継続不可

ユーザデータベース用のRDBディレクトリファイル

全ユーザデータベース

全ユーザデータベース

―――

EEE:フォールバック運用
EE:全業務継続不可
SE:全業務継続不可


2.の構成の場合

RDBディレクトリファイルの構成

保持する情報 (リカバリ範囲)

破壊時の影響範囲

データベース定義情報

アクセス情報

ファイル管理情報

RDBディクショナリ用のRDBディレクトリファイル

RDBディクショナリ

RDBディクショナリ

―――

EEE:フォールバック運用
EE:全業務継続不可
SE:全業務継続不可

ユーザデータベース用のRDBディレクトリファイル

全ユーザデータベース

システムロググループに属する資源

ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルのパス名

EEE:フォールバック運用
EE:全業務継続不可
SE:全業務継続不可

ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイル

―――

ユーザロググループに属する資源

―――

EEE:特定ロググループのみフォールバック運用

EE:特定ロググループのみ業務継続不可
SE:特定ロググループのみ業務継続不可


ユーザロググループ単位にRDBディレクトリファイルを作成した場合のファイル構成を以下に示します。

DIR_FILE1: ユーザデータベース用のRDBディレクトリファイル

DIR_FILE2: RDBディクショナリ用のRDBディレクトリファイル

DIR_FILE : ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイル

ユーザロググループ単位にRDBディレクトリファイルを作成している場合のリカバリ

ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルをリカバリする場合のリカバリの流れを、以下に示します。

(1) ロググループ(grp1)に属するデータベースの情報

DIR_FILE: ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイル

ユーザデータベース用のRDBディレクトリファイルをリカバリする場合のリカバリの流れを、以下に示します。

(1) ロググループ(grp1)に属するデータベースの情報

(2) システムロググループに属するデータベースの情報

(3) ロググループ(grp1)のファイル管理情報

DIR_FILE1: ユーザデータベース用のRDBディレクトリファイル

DIR_FILE : ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイル