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PRIMECLUSTER  導入運用手引書 4.2

16.1.3 サーバクラスタ

PRIMECLUSTERと連携して、NetWorkerサーバのスタンバイ運用化を実現します。またPRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerが提供するNetWorker専用のプロセス監視機構(ディテクタ)が、NetWorkerの異常を自動的に検出し、自動的に修復することにより、NetWorkerを使用したバックアップ運用システムの可用性をさらに高めます。

NetWorkerサーバのクラスタ化により、テープ装置の共有、NetWorker管理データベース(どのような対象を何時バックアップしたか等の情報とNetWorkerの設定)の共有化によるバックアップの可用性を高めます。もし、バックアップ時に異常が発生しクラスタシステムのフェイルオーバが発生した場合でも、そのまま待機系でのバックアップの継続が可能です。

また、クライアントクラスタ形態と同様の論理ノードでのバックアップも可能とします。

注意

NetWorkerサーバは、NetWorkerストレージノード、NetWorkerクライアントでもあります。このため、サーバクラスタは、ストレージノードクラスタおよびクライアントクラスタ機能を含んでいます。

16.1.3.1 バックアップの引継ぎ

PRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerが提供するNetWorker専用のRMS(Reliant Monitor Services)構成スクリプトと、NetWorkerのサーバを監視するプロセス監視機構がPRIMECLUSTERと連携することで、バックアップの引継ぎを行います。

Onlineノードでのバックアップ業務の続行が不可能になった場合、自動的にOnlineノードからStandbyノードへの切替えを行い、Standbyノード(新Onlineノード)においてNetWorkerサーバを自動的に起動することにより、バックアップを再開します。

新Onlineノードでは、NetWorkerの定義を変更することなく、バックアップ業務を再開でき、また旧Onlineノードでバックアップしたデータを利用して、新Onlineノードからリカバリすることも可能です。

16.1.3.2 NetWorker異常の自動検出・自動修復

PRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerが提供するRMS構成スクリプトとNetWorkerサーバプロセス監視機構(ディテクタ)によって、NetWorker異常の自動検出・自動修復を行います。

NetWorker異常の自動検出・自動修復により、バックアップアプリケーションの停止時間の短縮を図ることができます。

■ RMS構成スクリプト

RMS(Reliant Monitor Services) 構成スクリプトはPRIMECLUSTERの提供するサービスの1つであるRMSによって起動され、NetWorkerの起動/停止を行います。またNetWorker運用に異常が生じた際は、AutoRecover機能によって再びRMS構成スクリプトが起動され、NetWorker運用の復旧作業を行います。

RMS構成スクリプトは、NetWorkerを起動する際、NetWorkerの管理データベースインデックスのチェックを行います。その際にインデックスに障害が生じた場合は自動的に修復を行います。

■ NetWorkerプロセス監視機構

NetWorkerは、PRIMECLUSTERのNetWorkerプロセス監視機構によってプロセス監視されています。プロセス監視機構はNetWorkerの異常を検出した場合、RMSに異常を通知します。RMSはプロセス監視機構からの通知によってNetWorkerの再起動処理を行うか、Online状態であったノードをFaulted状態にさせます。プロセス監視機構は、エラー通知後もNetWorkerの監視を続け、RMS構成スクリプトによってNetWorkerが再起動された場合は、再度NetWorkerの監視を行うことになります。

以下に、各異常と修復の詳細を説明します。

◆ NetWorkerの異常修復

プロセス監視機構がNetWorkerを常時監視し、異常を検出した場合には、RMSに異常を通知します。AutoRecover属性が有効の場合は、異常通知をうけとったRMSは、NetWorker起動スクリプトを起動します。

参照

AutoRecover属性を有効にするかどうかはPRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

◆ NetWorker管理データベースのインデックス修復

RMS構成スクリプトは、NetWorkerのコマンドを利用してインデックスをチェックし、NetWorker管理データベースのインデックスの修復が必要と判断した場合、NetWorkerのコマンドを利用して、対象クライアントのインデックスを修復します。RMS構成スクリプトはNetWorkerのコマンドがインデックスの異常を通知した場合に、インデックスの修復が必要と判断します。

インデックス異常が発生する原因として、バックアップ動作中にNetWorkerに異常が発生した場合や、バックアップ動作中に運用ノードが電源断等の理由により、フェイルオーバした場合などが考えられます。

インデックス修復は、修復を行う/行わない(リカバリモード)の選択が可能です。

参照

リカバリモードの設定方法については“PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker 導入運用手引書”を参照してください。

インデックス異常を手動で修復する場合の手順は、“PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker 導入運用手引書”を参照してください。