PRIMECLUSTERシステムを導入した後に、業務LANおよび管理LANのIPアドレスが変更となった場合のIPアドレスを変更する方法について説明します。なお、IPアドレスを変更する際は、ホスト名の変更は行わないでください。
◆操作手順
いずれかのクラスタノードで以下のコマンドを実行し、RMSの運用を停止します。
# hvshut -a
各クラスタノードで以下のコマンドを実行し、シャットダウン機構を停止します。
# sdtool -e
業務LANおよび管理LANの変更に伴い、シャットダウン機構で使用するIPアドレスを変更する場合、各クラスタノードで/etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfgファイルに変更が必要か判断します。rcsd.cfgファイルの“admIP”に/etc/inet/hostsに登録されているホスト名が定義されている場合、変更は不要です。“admIP”にIPアドレスが定義されている場合、変更が必要です。“admIP”の定義を変更してください。
rcsd.cfgファイルの詳細は、rcsd.cfg(4M)のマニュアルページを参照してください。
業務LANおよび管理LANの変更に伴い、リモートコンソール接続装置またはXSCFのIPアドレスを変更する場合、各ノードの/etc/inet/hosts ファイルを修正します
業務LANおよび管理LANの変更に伴い、リモートコンソール接続装置またはXSCFのIPアドレスを変更する場合、いずれかのクラスタノードで以下のコマンドを実行し、シャットダウン機構で使用するリモートコンソール接続装置またはXSCFのIPアドレスに変更が必要か判断します。コマンドの“IP-address”の出力に/etc/inet/hostsに登録されているホスト名が表示されている場合、変更は不要です。
“IP-address”にIPアドレスが表示されている場合、変更が必要です。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clrccusetup -l
例) 以下の例の場合、変更が必要です。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clrccusetup -l
device-name cluster-host-name IP-address host-name user-name
----------------------------------------------------------------------------
xscf narcissus 10.10.10.11 - user01
xscf sweetpea 10.10.10.12 - user02
手順 5. において、変更が必要と判断した場合、各クラスタノードで以下のコマンドを実行し、リモートコンソール接続装置またはXSCFのIPアドレスを変更します。
IP-addressには、リモートコンソール接続装置またはXSCFのIPアドレスまたはホスト名を指定します。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clrccusetup -m -i IP-address
例) 以下は、リモートコンソール接続装置またはXSCFのIPアドレスを 10.10.10.21に変更する例です。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clrccusetup -m -i 10.10.10.21
全てのノードで以下のコマンドを実行し、システムをシングルユーザモードで起動します。
# /usr/sbin/shutdown -y -g0 -i0
: ok> boot -s
全てのノードで以下のコマンドを実行しファイルシステムをマウントします。
# /usr/sbin/mountall -l
/etc/inet/hosts ファイルを編集して、各ノードのIPアドレスの変更を行います。
各ノードにおいて、Web-Based Admin Viewで使用する業務LANのIPアドレスの変更を行います。
参照
詳細は“PRIMECLUSTER Web-Based Admin View 操作手引書”の“7.1 ネットワークアドレスの変更”、“7.3 管理サーバの変更”、および“7.5 管理サーバにおけるネットワークの分離”を参照してください。
引継ぎIPアドレスの変更が必要な場合には、各ノードの/etc/inet/hostsファイルに対し、引継ぎIPアドレスで使用するIPアドレスを修正します。
userApplication Configuration Wizardを使ってIpaddressリソースを作成している場合には、各クラスタノードの/opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvenv.localファイルを以下のように編集し、再起動時、RMSが自動で起動しないように設定します。
# vi /opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvenv.local <Return>
export HV_RCSTART=0
全てのノードでシステムを再起動します。
# /usr/sbin/shutdown -y -g0 -i6
userApplication Configuration Wizardを使用してIpaddressリソースを設定していた場合、以下の手順を実施し、リソースデータベースの引継ぎIPアドレスを変更します。
リソースデータベースの変更する引継ぎIPアドレスのリソースを特定します。
特定には、クラスタノードの1つのノードにおいて、clgettree(1)コマンドを使用します。引継ぎIPアドレスのリソースは、IPアドレスのリソースクラス名のリソースです。
例) 以下の例の場合、リソースのリソースIDが56と57のリソースが、引継ぎIPアドレスのリソースです。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree
Cluster 1 cluster
Domain 2 RC2
Shared 7 SHD_RC2
SHD_Host 58 config_Ipaddress0_ip1 UNKNOWN
IP_Address 56 hme0:1 UNKNOWN narcissus
IP_Address 57 hme0:1 UNKNOWN sweetpea
Node 3 narcissus ON
Ethernet 21 hme0 UNKNOWN
IP_Address 56 hme0:1 UNKNOWN
Application 31 proc1 UNKNOWN
DISK 19 c0t0d0 UNKNOWN
Node 5 sweetpea ON
Ethernet 22 hme0 UNKNOWN
IP_Address 57 hme0:1 UNKNOWN
Application 32 proc1 UNKNOWN
DISK 20 c0t0d0 UNKNOWN
引継ぎIPアドレスの共用リソースを特定します。
特定には、クラスタノードの1つでclgettree(1)コマンドを使用します。
引継ぎIPアドレスの共用リソースは、SHD_Hostのリソースクラス名のリソースです。
例) 手順1.の例の場合、リソースのリソースIDが58のリソースが、引継ぎIPアドレスの共用リソースです。
引継ぎIPアドレスを変更します。
変更には、clsetrsc(1M)コマンドを使用します。引継ぎIPアドレスは、手順2.で特定した引継ぎIPアドレスの共用リソースの属性に定義されています。
各クラスタノードにおいて、以下の形式でclsetrsc(1M)コマンドを実行し、引継ぎIPアドレスを変更します。
# /etc/opt/FJSVcluster/sys/clsetrsc -A ip_addr=変更後のIPアドレス IPアドレスの共用リソースのリソースID
例) 引継ぎIPアドレスの共用リソース(リソースのリソースID=58)の引継ぎIPアドレスを 10.10.10.10 に変更する場合
# /etc/opt/FJSVcluster/sys/clsetrsc -A ip_addr=10.10.10.10 58
引継ぎIPアドレスが変更されたことを確認します。
確認には、clgetrsc(1)コマンドを使用します。
以下の形式でクラスタノードの1つでclgetrsc(1)コマンドを実行し、引継ぎIPアドレスが変更されたことを確認します。
# /etc/opt/FJSVcluster/sys/clgetrsc -a ip_addr IPアドレスの共用リソースのリソースID
例) 引継ぎIPアドレスの共用リソース(リソースのリソースID=58)の引継ぎIPアドレスを 10.10.10.10 に変更した場合
# /etc/opt/FJSVcluster/sys/clgetrsc -a ip_addr 58
ip_addr 10.10.10.10
手順12.において、/opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvenv.localファイルを編集していた場合、元の設定に戻してください。
注意
すでにMACアドレス引継ぎが設定されているインタフェース、もしくはIPアドレスをWeb-Based Admin Viewで使用することはできません。
引継ぎIPアドレスがGLSにより定義されている場合で、かつ、GLSの環境設定およびGlsリソースの設定において、引継ぎIPアドレスを、ホスト名でなく直接IPアドレスの値で指定している場合には、まず、Glsリソースを削除し、その後、/etc/inet/hosts およびGLSの環境設定を変更し、Glsリソースを再登録してください。
詳細は、“8.8.3 クラスタアプリケーション、リソース削除についての補足”、“6.1.1 GLSの設定”、および“6.6.1.4 Glsリソースの作成”を参照してください。
XSCF への接続が SSH 接続の場合、IP アドレス変更後にシャットダウン機構用のログインユーザアカウントを使用して、クラスタノードから XSCFへ SSH 接続し、SSH 初回接続時のユーザ問い合わせ (RSA 鍵の生成など)が完了していることを確認してください。