GLSの初期設定については、“PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(伝送路二重化機能編)”の“第5章 クラスタシステム上での運用”、または“PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 (マルチパス機能編)”の“第7章 クラスタシステム上での運用”を参照してください。
ここでは、以下の例をもとに、GLS(伝送路二重化機能)の「NIC切替方式(IPv4)のシングルシステムによるNIC共有なしの設定例」の設定手順について説明します。
注意
PRIMECLUSTERの “引継ぎネットワーク”とGLSの“IPアドレス引継ぎ”を同一のクラスタシステム内で共存させることは可能ですが、同一のインタフェースには設定しないでください。同一のインタフェースに設定した場合、引継ぎIPアドレスを使用した通信はできなくなります。
たとえば、PRIMECLUSTERの“引継ぎネットワーク”の設定において、使用するインタフェースとして hme1を選択した場合、GLSの環境設定では hme1 は設定しないでください(hanetconfig createコマンドの'-t'オプションで hme1 は指定しないでください)。
各項目に設定する値は“A.7.2 GLS設定ワークシート”に対応します。
◆操作手順
●運用ノード[HOST-primecl01]の場合
システムの設定を行います。
/etc/inet/hostsファイルに、使用するIPアドレスおよびホスト名を定義します。
10.34.214.185 takeoverIP # 仮想IP 10.34.214.181 primecl01 # primecl01の物理IP 10.34.214.182 primecl02 # primecl02の物理IP 10.34.214.188 swhub1 # primary監視先HUBのIP 10.34.214.189 swhub2 # secondary監視先HUBのIP
/etc/hostname.hme0ファイルに上記で定義したホスト名を記載します。
/etc/hostname.hme0の内容
primecl01
リブートします。
以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。リブート後は、hme0が活性化されていることを確認してください。
# /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0
仮想インタフェースを設定します。
下線部にはノードの物理IPアドレスを指定します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m d -i 10.34.214.185 -e 10.34.214.181 -t hme0,hme3
上記実行後、正しく設定されたことを確認します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print
HUB監視機能を設定します。
下線部には監視対象となるHUBのIPアドレスを指定します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n sha0 -p 10.34.214.188,10.34.214.189 -b off
上記実行後、正しく設定されたことを確認します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll print
待機パトロール機能を設定します。
下線部にはMACアドレスを02:xx:xx:xx:xx:xxの形式で指定します。両ノードの値が重ならないように指定します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha1 -m p -a 02:00:00:00:00:00 -t sha0
上記実行後、正しく設定されたことを確認します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print
引継ぎIPアドレス(引継ぎ仮想インタフェース)を作成します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc create -n sha0
上記実行後、正しく設定されたことを確認します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc print
●待機ノード[HOST-primecl02]の場合
システムの設定を行います。
/etc/inet/hostsファイルに、使用するIPアドレスおよびホスト名を定義します。
定義内容はprimecl01と同じです。
/etc/hostname.hme0ファイルに上記で定義したホスト名を記載します。
/etc/hostname.hme0の内容
primecl02
リブートします。
以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。リブート後は、hme0が活性化されていることを確認してください。
# /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0
仮想インタフェースを設定します。
下線部にはノードの物理IPアドレスを指定します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m d -i 10.34.214.185 -e 10.34.214.182 -t hme0,hme3
上記実行後、正しく設定されたことを確認します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print
HUB監視機能を設定します。
下線部には監視対象となるHUBのIPアドレスを指定します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n sha0 -p 10.34.214.188,10.34.214.189 -b off
上記実行後、正しく設定されたことを確認します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll print
待機パトロール機能を設定します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha1 -m p -a 02:00:00:00:00:01 -t sha0
上記実行後、正しく設定されたことを確認します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print
引継ぎIPアドレス(引継ぎ仮想インタフェース)を作成します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc create -n sha0
上記実行後、正しく設定されたことを確認します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc print
◆設定後の処理について
運用ノード、待機ノードの設定がそれぞれ完了したら、Glsリソースを作成し、クラスタアプリケーションへ登録します。
詳細については、“6.6.1.4 Glsリソースの作成”および、“6.6.2 クラスタアプリケーションの作成”を参照してください。
参照
GLS(伝送路二重化機能)のその他の運用形態については、“PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(伝送路二重化機能編)”の“付録B 環境設定例”を参照してください。