ここでは、テナントフォルダーの作成について説明します。
テナントフォルダーの作成は、インフラ管理者(infra_admin)または管理者(administrator)で行ってください。
RORコンソールのメニューからテナントを登録する場合、本製品からディレクトリサービスにユーザーを登録しない設定にしてください。
ディレクトリサービスにユーザーを登録するかどうかは、ディレクトリサービス操作定義ファイルで設定します。
ディレクトリサービス操作定義ファイルの詳細は、「運用ガイド CE」の「6.6.1 テナント管理・アカウント管理の設定」を参照してください。
Basicモードで内部認証を利用する場合、この操作は不要です。
ディレクトリサービスにユーザー情報が登録されているか確認します。登録されていない場合、ユーザー情報を登録してください。
Basicモードで内部認証を利用する場合、この操作は不要です。
オーケストレーションツリーで、ルートフォルダーを右クリックし、表示されたメニューで[作成]-[テナント]を選択します。
[テナントの作成]ダイアログが表示されます。
[テナント情報]タブで以下の情報を設定します。
テナントフォルダーの名前を入力します。
先頭半角英数字(大文字/小文字)で、半角英数字(大文字/小文字)、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された32文字以内の文字列を入力します。
テナントフォルダーに登録するユーザーグループ名を入力します。
指定されたユーザーグループが作成されます。
先頭半角英数字(大文字/小文字)で、半角英数字(大文字/小文字)、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された32文字以内の文字列を入力します。
ユーザーグループのアクセス範囲とロールは、作成するテナントのtenant_adminに設定されます。
- ディレクトリサービスによる認証、またはシングルサインオンを利用する場合
ディレクトリサービスに登録されているユーザーIDと同じ文字列を指定します。
- 内部認証を利用する場合
先頭文字を英数字とし、英数字、アンダースコア("_")、ハイフン("-")およびピリオド(".")で構成された32文字以内の文字列を入力します。大文字と小文字は区別されます。
Basicモードで、内部認証を利用するときだけ表示されます。
ユーザーIDに対応するパスワードを入力します。
半角英数字(大文字/小文字)と記号で構成された16文字以内の文字列を入力します。
Basicモードで、内部認証を利用するときだけ表示されます。
パスワードを再入力します。
テナントフォルダーのラベルを入力します。
日本語(半角カナを含む)、半角文字に関係なく32文字以内の文字列を入力します。
コメントを入力します。
日本語(半角カナを含む)、半角文字に関係なく256文字以内の文字列を入力します。
[プール設定]タブで以下の情報を設定します。
ローカルプールを利用する場合、テナントフォルダー配下にローカルプールを作成します。
<追加>ボタンをクリックすると、[ローカルプールの追加]ダイアログが表示されます。
以下の項目を入力してください。
名前
種別
優先度
グローバルプールを利用する場合、テナントフォルダーにグローバルプールを登録します。
<追加>ボタンをクリックすると、[グローバルプールの追加]ダイアログが表示されます。
"プール種別"で追加したいグローバルプールのプール種別を選択し、一覧からグローバルプールを選択してください。
<OK>ボタンをクリックします。
作成されたテナントフォルダーがツリーに表示されます。
コマンドでは、rcxadm tenant createを実行します。
rcxadm tenant createコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.3.13 rcxadm tenant」を参照してください。
ポイント
テナントフォルダーを作成するとリソースプール、リソースフォルダー、ユーザー、ユーザーグループは一括して作成されますが、リソースの登録は行われません。「第7章 リソースのリソースプールへの登録」を参照してリソースを登録してください。
注意
ユーザーグループとユーザーには、すでに存在するユーザーを指定できません。
テナント配下のフォルダーを選択したとき、テナントは作成できません。
テナント作成時に作成されるユーザーグループのロールの省略値変更
テナント作成時に作成されるユーザーグループのロールの初期値は、tenant_adminです。
ロールの初期値をadministratorにする場合、以下の空の定義ファイルを作成します。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
tenant_owner_admin.rcxprop
テナントフォルダー作成初期定義ファイル
RORコンソールを利用してテナントフォルダーを作成するときの初期値を変更できます。
テナントフォルダー作成時の初期値を変更するには、テナントフォルダー作成初期定義ファイルを修正します。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
tenant_config.xml
<?xml version='1.0' encoding='utf-8'?> <Tenant> <Pools> <Pool name="リソースプール名" type="リソースプール種別"> <Priority>優先順位</Priority> </Pool> </Pools> <GlobalPoolLinks> <GlobalPoolLink>グローバルプール名</GlobalPoolLink> </GlobalPoolLinks> </Tenant> |
要素名 | 説明 | 取り得る値、または例 |
---|---|---|
リソースプール名 | テナントフォルダーに作成するリソースプールの名前 | テナントフォルダー内に作成するリソースプール名を指定してください。 リソースプール名は、先頭半角英数字で、半角英数字、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された32文字以内の文字列にしてください。 その他の値が設定された場合、テナントの作成画面で<OK>ボタンをクリックするとエラーになります。 |
リソースプール種別 | リソースプールの種別 | テナントフォルダー内に作成されるリソースプール種別を指定してください。以下の種別を指定できます。
その他の値が設定された場合、テナントの作成画面では"undefined"が表示され、<OK>ボタンをクリックするとエラーになります。 |
優先順位 | リソースプールの優先順位 | リソースプールの優先順位を指定します。 優先順位は1~10の数値で指定してください。 それ以外の値が設定されるとテナントの作成画面で<OK>ボタンをクリックするとエラーになります。 |
グローバルプール名 | グローバルプールの名前 | テナントフォルダーで利用するグローバルプールの名前を、以下のように階層指定で記載します。 /リソースフォルダー名/グローバルプール名 以下の場合、テナントの作成画面にグローバルプール名は表示されません。
|
定義ファイルの例を以下に示します。
<?xml version='1.0' encoding='utf-8'?> <Tenant> <Pools> <Pool name="TenantVMHostPool" type="vm"> <Priority>5</Priority> </Pool> <Pool name="TenantServerPool" type="server"> <Priority>5</Priority> </Pool> <Pool name="TenantStoragePool" type="storage"> <Priority>5</Priority> </Pool> <Pool name="TenantNetworkPool" type="network"> <Priority>5</Priority> </Pool> <Pool name="TenantAddressPool" type="address"> <Priority>5</Priority> </Pool> <Pool name="TenantImagePool" type="image"> <Priority>5</Priority> </Pool> </Pools> <GlobalPoolLinks> <GlobalPoolLink>/VMHostPool</GlobalPoolLink> <GlobalPoolLink>/ServerPool</GlobalPoolLink> <GlobalPoolLink>/StoragePool</GlobalPoolLink> <GlobalPoolLink>/NetworkPool</GlobalPoolLink> <GlobalPoolLink>/AddressPool</GlobalPoolLink> <GlobalPoolLink>/ImagePool</GlobalPoolLink> </GlobalPoolLinks> </Tenant> |
運用形態に応じて適切なリソースプールだけ定義した、サンプル定義ファイルを用意しています。
テナントの運用に適したサンプル定義ファイルを、定義ファイルの格納先にコピーしてください。
インストール先
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\files\tenant_config_samples
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/files/tenant_config_samples
サンプル定義ファイル
仮想L-Server/物理L-Server混在運用テナント
lserver_multi/tenant_config.xml
物理L-Server運用テナント
lserver_physical/tenant_config.xml
仮想L-Server運用テナント
lserver_vm/tenant_config.xml
リソースプールを利用しないテナント
pool_nothing/tenant_config.xml