RHEL-KVMの仮想マシンを本製品のL-Serverとして作成および管理するには、セットアップのための事前準備が必要です。
RHEL-KVM環境の事前準備については、以下に示すRHEL-KVMのマニュアルを参照してください。
Red Hat Enterprise Linux 6 Virtualization Administration Guide
URL: http://docs.redhat.com/docs/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/Virtualization_Administration_Guide/index.html (2012年2月時点) |
Red Hat Enterprise Linux 6 Virtualization Getting Started Guide
URL: http://docs.redhat.com/docs/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/Virtualization_Getting_Started_Guide/index.html (2012年2月時点) |
Red Hat Enterprise Linux 6 Virtualization Host Configuration and Guest Installation Guide
URL: http://docs.redhat.com/docs/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/Virtualization_Host_Configuration_and_Guest_Installation_Guide/index.html (2012年2月時点) |
サーバの事前準備
「4.1.1.1 サーバ環境の事前準備」の作業に加えて、以下の作業が必要です。
ホストOSのインストールと設定
ホストOS内の/etc/sysconfig/libvirt-guestsの設定
/etc/sysconfig/libvirt-guestsはハイパーバイザ停止時のゲストOSの自動停止設定を行うための定義ファイルです。ゲストOSを起動した状態でハイパーバイザを停止または再起動した場合、ハイパーバイザは起動しているすべての仮想マシンをサスペンド状態にしたうえで停止または再起動します。このため、ハイパーバイザの起動または再起動後に、仮想マシンはサスペンド状態から復帰し、サスペンドした時点からの業務が再開されます。このサスペンド時点からの業務が再開されることで、DBトランザクションで矛盾が発生するなどの問題が生じる可能性があります。このような問題を避けるために、仮想マシンを起動した状態でハイパーバイザの停止または再起動をした場合に、同時にゲストOSも停止する設定を行う必要があります。
VMホストの/etc/sysconfig/libvirt-guestsを以下のように編集してください。
#ON_BOOT=startの行のコメントアウトを解除し、ON_BOOT=ignoreにしてください。
#ON_SHUTDOWN=suspendの行のコメントアウトを解除し、ON_SHUTDOWN=shutdownとしてください。
#SHUTDOWN_TIMEOUT=0の行のコメントアウトを解除し、SHUTDOWN_TIMEOUT=300としてください。VMゲストに対して、VMホストからshutdownコマンドを送信してから電源offにするまでの時間を設定します。単位は秒になります。
Red Hatが提供するDMマルチパス機能を使用する場合の設定
/etc/multipath.confにおいて、以下のように設定してください。
user_friendly_names属性を"yes"にする。
alias属性に何も指定しない。
そのほかの設定はデフォルトのままにする。
詳細については、以下のRedHatのドキュメントを参照してください。
URL: https://access.redhat.com/knowledge/docs/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/DM_Multipath/index.html |
ストレージの事前準備
以下を確認してください。
管理OSに割り当てるボリューム(LUN)が作成済みである
LUNは仮想L-Serverのディスクに対応します。必要なディスクの数だけLUNを作成してください。LUNのサイズはディスクより大きいサイズにしてください。
クローニングイメージに割り当てるボリューム(LUN)が作成済みである
クローニングイメージはLUNに格納します。作成するクローニングイメージ数に応じたLUNを作成してください。LUNのサイズはクローニングイメージより大きいサイズにしてください。
ゾーニング、アフィニティが設定済みである
仮想L-Serverに対応するVMゲストをマイグレーションする場合、ゾーニングとアフィニティを設定し、LUNを共有ディスクにしてください。
ネットワークの事前準備
以下を確認してください。
管理LANと業務LANの構成が設計済みである
管理LANのネットワーク環境が設定済みである
ネットワークリソースに割り当てるVLAN IDが設計済みである
仮想ブリッジが事前に設定済みである
仮想ネットワークインターフェース(VNIF)用のMACアドレス範囲が決定している
また、以下の設定を行ってください。
仮想ブリッジを利用可能にするため、OSのNetworkManagerサービスを無効にします。
管理対象サーバでNetworkManagerサービスを有効にし、networkサービスを有効にします。
以下のコマンドを実行します。
# service NetworkManager stop <RETURN> |
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-NIC名ファイルを編集し、NM_CONTROLLED="no"に変更します。
例
編集前
DEVICE="eth0" |
編集後
DEVICE="eth0" |
管理対象サーバを再起動します。
以下のコマンドを実行します。
# shutdown -r now <RETURN> |
管理対象サーバでVLANを利用できるように設定を行います。
テキストエディタを使用して、管理対象サーバの/etc/sysconfig/networkファイル編集し、"VLAN=yes"を追加します。
例
編集前
NETWORKING=yes |
編集後
NETWORKING=yes |
管理対象サーバを再起動します。
以下のコマンドを実行します。
# shutdown -r now <RETURN> |
ネットワークの自動設定で、GLSを利用する場合、GLSの設定を行います。
詳細は、PRIMECLUSTER Global Link Servicesのマニュアルを参照してください。
仮想ブリッジの作成
事前に手動で仮想ブリッジを作成します。
IBPを利用する場合
仮想L-Serverの場合、VIOMに関係なく業務LANと管理LANで使用するIBPのアップリンクセットを1つずつ作成したあと、VMホストに接続してください。
アップリンクセットの名前とネットワークリソースの名前を同じにする必要はありません。
仮想ブリッジの作成
L-Serverがネットワークに接続するために、管理OS上で仮想ブリッジが必要です。
仮想ブリッジの設定は、RHEL-KVMのマニュアル、および「E.6.4 セットアップ」の「ネットワークの手動設定」を参照してください。