サーバ仮想化ソフトウェアとしてXenを利用する場合、以下の手順でセットアップを行います。
ストレージ接続定義ファイルの作成
PRIMECLUSTER GDSの共有クラスのスコープに属しているVMホストの管理IPアドレスをカンマで区切り、共有クラスのスコープごとに1行ずつ記載してください。
共有クラスの構成を変更した場合、定義ファイルを修正してください。
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
storage_vmhost.rcxprop
vmhost_ipaddr,vmhost_ipaddr,… |
リソースの登録
ストレージ管理製品の登録
VMホスト上のPRIMECLUSTER GDSをストレージ管理製品として登録します。
PRIMECLUSTER GDSの共有クラスのスコープに属しているVMホストのうち、どれか1つだけ登録します。スコープに属しているすべてのVMホストを、登録する必要はありません。
ストレージ管理製品としてPRIMECLUSTER GDSを登録すると、セットアップの事前準備で事前に作成したGDSのシングルディスクが仮想ストレージリソースとして本製品に自動的に登録されます。
ストレージ管理製品の登録では、rcxadm storagemgrコマンドを実行します。
rcxadm storagemgrコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.7.1 rcxadm storagemgr」を参照してください。
管理対象サーバ(ドメイン0)の登録
管理対象サーバの登録
「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「2.5.1 ラックマウント型サーバとタワー型サーバの登録」を参照してください。
LANスイッチの登録
「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「2.5.2 LANスイッチの登録」を参照してください。
リソースのリソースプールへの登録
VMホストリソース(ドメイン0)の登録
RORコンソールのオーケストレーションツリーで対象のVMプールを右クリックし、表示されたメニューで[リソース登録]を選択します。
[リソースの登録]ダイアログが表示されます。
登録するVMホストを選択します。
<OK>ボタンをクリックします。
仮想ストレージリソースの登録
RORコンソールのオーケストレーションツリーで対象のストレージプールを右クリックし、表示されたメニューで[リソース登録]を選択します。
[リソースの登録]ダイアログが表示されます。
登録する仮想ストレージリソースを選択します。
<OK>ボタンをクリックします。
ネットワークリソースの登録
L-Server作成時にNICとネットワークリソースを接続すると、L-Serverが動作するVMホストに対して、ネットワークリソースの定義に合わせた設定が自動的に行われます。
詳細は、「ネットワークの手動設定」を参照してください。
RORコンソールのオーケストレーションツリーで対象のネットワークプールを右クリックし、表示されたメニューで[リソース作成]を選択します。
[ネットワークリソースの作成]ダイアログが表示されます。
ネットワークリソース作成に必要な項目を入力します。
詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「7.3 ネットワークリソース」を参照してください。
アドレスセットリソース(MACアドレス)の登録
アドレスセットリソース(MACアドレス)を作成し、アドレスプールに登録します。
詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「7.6 アドレスセットリソース」を参照してください。
L-Serverテンプレートの作成
L-Serverテンプレートを利用してL-Serverを作成します。
L-Serverとは、クローニングイメージを採取するためのL-Serverです。
L-Serverテンプレートのエクスポート
「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「8.2.1 エクスポート」を参照してください。
L-Serverテンプレートの編集
L-ServerテンプレートのXML定義については、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「2.2.2 仮想L-Serverテンプレート」を参照して編集してください。
このとき、以下の項目を設定してください。
VM種別は、"RHEL-Xen"を指定してください。
冗長性は、"None"を指定してください。
運用位置は、"Fixed"を指定してください。
L-Serverテンプレートのインポート
「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「8.2.3 インポート」を参照してください。
ネットワークの手動設定
事前に作成されている仮想ブリッジに対して、仮想ブリッジと接続する機能だけ提供します。仮想ブリッジは、事前に手動で設定してください。
仮想ブリッジと接続するためには、仮想ブリッジごとに異なるVLAN IDを使用します。
また、事前に以下の設定が必要です。
仮想ブリッジの作成
クラスタを構成するすべてのVMホストで、同じ名前(大文字小文字も含む)の仮想ブリッジを作成します。
これにより、VMゲストをVMホスト間で移動できます。
事前に手動で仮想ブリッジを設定する場合、かつRHEL5-Xen以外のサーバ仮想化ソフトウェアを同一のマネージャーで利用している場合、ほかのサーバ仮想化ソフトウェア上の、仮想スイッチ、仮想ネットワークおよび仮想ブリッジで使用している名前と異なる名前を設定してください。
仮想ブリッジの通信の設定
サーバリソースツリーでLANスイッチを右クリックし、表示されたメニューで[設定変更]-[ネットワーク情報]を選択してください。
同じ名前の仮想ブリッジ間が、タグVLANを利用して相互に通信できるようにLANスイッチを設定します。
LANスイッチブレードの外部ポートのVLAN設定は、RORコンソールから行えます。
詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「2.4.4 LANスイッチブレードのVLAN設定」を参照してください。
仮想ブリッジとVLAN IDの対応を定義
本製品の仮想ブリッジ定義ファイルに、仮想ブリッジとVLAN IDの対応を定義します。
定義ファイルの書式については、「仮想ブリッジ定義ファイルの書式」を参照してください。
ネットワークリソースの作成
GUIの場合
手順2.~手順3.で指定したVLAN IDを持つ[ネットワークリソースの作成]ダイアログで、"設定済みの仮想スイッチを利用"チェックボックスにチェックを入れ、ネットワークリソースを作成します。
コマンドの場合
ネットワークリソースを定義したXMLファイルを作成します。
手順2.~手順3.で指定したVLAN IDをXMLファイルに定義します。
このとき、Networkタグに、auto="false"を指定します。
ネットワークリソースの作成は、手順a.で作成したXMLファイルを指定して、rcxadm network createコマンドを実行します。
ネットワークリソースが作成されます。
rcxadm networkコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.3.5 rcxadm network」を参照してください。
Networkタグについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「2.5 ネットワークリソース」を参照してください。
ネットワークリソースを用いた仮想NICの設定と仮想ブリッジとの接続の構成例は以下のとおりです。
図E.21 ネットワークリソースを用いた仮想NICの設定と仮想ブリッジの接続
仮想ブリッジ定義ファイルの書式
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
vnetwork_rhelxen.rcxprop
仮想ブリッジ定義ファイルは、1行ごとに以下のように記述してください。
"仮想ブリッジ名"=VLAN ID |
VLAN IDには、1~4094が指定できます。
例
"xenbr0"=10
イコール("=")の前後に空白があっても無視されます。
仮想ブリッジ名は、大文字小文字の違いを含めて正しく記述してください。
ファイルは、文字コードをUTF-8にして保存してください。
同じ仮想ブリッジ名の行が複数あった場合、すべての行の指定が有効になります。
異なる仮想ブリッジ名の行に同じVLAN IDが含まれていた場合、ファイルの先頭に近い行が有効になり、それ以降の行は無視されます。
L-Server作成時に、NICに接続したネットワークリソースのVLAN IDに対応する定義が見つからなかった場合、エラーになります。
L-Server作成
以下の手順で、L-Serverを作成します。
L-Serverテンプレートを利用して、L-Serverを作成します。
L-Serverテンプレートを利用して作成します。
rcxadm lserver createを実行してL-Serverを作成してください。
rcxadm lserver createコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.3.1 rcxadm lserver」を参照してください。
このとき、以下の項目を設定してください。
L-Serverテンプレート名は、事前に作成したL-Serverテンプレートの名前を指定してください。
VMホストは、L-Serverに割り当てるVMホスト(管理OS)を指定してください。
OSインストール
OSの手動インストールは、仮想マシンマネージャーを利用して行います。
手動OSインストールについては、「PRIMEQUEST(1000シリーズ) RHEL5-Xen 仮想マシン機能ユーザーズマニュアル」を参照してください。
クローニングイメージの採取
L-Server作成後にクローニングイメージを採取してください。クローニングイメージの採取はrcxadm image createを実行します。
rcxadm image createを実行するとストレージプールにクローニングイメージが格納されます。
rcxadm image createコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.4.1 rcxadm image」を参照してください。
ポイント
クローニングイメージ採取の際、イメージ格納先の指定を省略すると、採取対象のL-Serverが使用している仮想ストレージと同じストレージプールから、仮想ストレージが自動選択されます。
Systemwalker Software Configuration Managerを利用してL-Serverを作成します。
詳細は、「Systemwalker Software Configuration Manager 運用ガイド」を参照してください。
このとき、イメージには、L-Server作成で採取したクローニングイメージを指定します。
注意
L-Server間でディスクを共有する場合、N台目のL-Server作成は、N-1台目のL-Serverの作成が完了したあとに、行ってください。
L-Serverを作成する際に、データの複写を伴う場合、データの複写元のL-Serverの電源をOFFにしてから行ってください。また、データの複写を伴うL-Serverを作成している間に、データの複写元の電源操作はしないでください。
L-Serverの操作
RHEL5-Xenを利用する場合、RORコンソールを利用したL-Serverの操作はできません。
L-Serverの操作は、rcxadm lserverコマンドを利用してください。
詳細は、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.3.1 rcxadm lserver」を参照してください。
L-Serverの仕様変更
L-Serverの仕様変更は、rcxadm lserver modifyを実行します。
仕様変更できる項目については、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「2.3.2 仮想L-Server向け定義情報(XML)」を参照してください。
仕様変更後の値は、オーケストレーションツリーの[リソース一覧]タブで確認できます。
コマンドでは、rcxadm lserver listおよびrcxadm lserver showコマンドを実行します。
詳細は、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.3.1 rcxadm lserver」を参照してください。
ゲストドメイン動作中のCAP値は、virsh schedinfoコマンドで確認します。
ゲストドメイン停止中のCAP値は、ドメイン構成ファイルで確認します。
詳細は、「PRIMEQUEST(1000シリーズ) RHEL5-Xen 仮想マシン機能ユーザーズマニュアル」の仮想CPUの構成情報に関する記述を参照してください。
なお、CAP値は以下のように計算されます。
CAP値 = ((指定したCPUクロック数GHz * 1000) * CPU数 * 100) / 物理CPUクロック数MHz |