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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.0.0 導入ガイド

E.3.4 セットアップ

サーバ仮想化ソフトウェアとしてHyper-Vを利用する場合、以下の手順でセットアップを行います。

  1. リソースの登録

    1. VM管理製品の登録

      VM管理製品を登録すると、セットアップの事前準備で事前に作成したCSVが仮想ストレージリソースとして本製品に自動的に登録されます。

      L-Serverの生存監視設定をする場合、本製品に登録するVM管理製品のログインアカウントには、すべてのVMホストのAdministratorsグループに所属するドメインユーザーを指定する必要があります。

      VM管理製品の登録は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「2.2 VM管理製品の登録」を参照してください。

    2. 管理対象サーバの登録

      1. シャーシの登録

        「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「2.4.1 シャーシの登録」を参照してください。

      2. 管理対象サーバの登録(シャーシ内)

        「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「2.4.2 ブレードサーバの登録」を参照してください。

      3. LANスイッチブレードの登録

        「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「2.4.3 LANスイッチブレードの登録」を参照してください。

    3. ネットワークの事前設定(ネットワークの手動設定の場合)

      以下の場合、事前に設定が必要です。
      詳細は、「事前に作成された仮想ネットワークとの接続」の「事前準備」を参照してください。

      • ブレードサーバでL-Serverのネットワークを冗長化しない場合

      • ブレードサーバ以外のサーバ

    4. ネットワークリソース

      ネットワークリソースは、ネットワークリソース作成時にネットワークプールを指定して登録します。

      ネットワークリソースを事前に作成することで、L-Server作成時にNICとネットワークリソースを接続したときに、ネットワークリソースの定義に合わせた設定が自動的に行われます。

      ネットワークリソースの自動設定の詳細は、「ネットワークの自動設定」を参照してください。

  2. リソースのリソースプールへの登録

    1. VMホストリソースの登録

      1. RORコンソールのオーケストレーションツリーで対象のVMプールを右クリックし、表示されたメニューで[リソース登録]を選択します。

        [リソースの登録]ダイアログが表示されます。

      2. 登録するVMホストを選択します。

      3. <OK>ボタンをクリックします。

    2. 仮想ストレージリソースの登録

      1. RORコンソールのオーケストレーションツリーで対象のストレージプールを右クリックし、表示されたメニューで[リソース登録]を選択します。

        [リソースの登録]ダイアログが表示されます。

      2. 登録する仮想ストレージリソースを選択します。

      3. <OK>ボタンをクリックします。

    3. ネットワークリソースの登録

      L-Server作成時にNICとネットワークリソースを接続すると、自動的にVMゲストのNICにVLAN IDを設定し、仮想ネットワークに接続します。
      詳細は、「ネットワークの自動設定」を参照してください。

      1. RORコンソールのオーケストレーションツリーで対象のネットワークプールを右クリックし、表示されたメニューで[リソース作成]を選択します。

        [ネットワークリソースの作成]ダイアログが表示されます。

      2. ネットワークリソース作成に必要な項目を入力します。
        詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「7.3 ネットワークリソース」を参照してください。

  3. L-Serverテンプレートの作成

    1. L-Serverテンプレートのエクスポート

      「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「8.2.1 エクスポート」を参照してください。

    2. L-Serverテンプレートの編集

      「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「8.2.2 編集」を参照してください。

    3. L-Serverテンプレートのインポート

      「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「8.2.3 インポート」を参照してください。


ネットワークの自動設定

Hyper-V環境でのネットワークの設定は、ハードウェア(ブレードサーバやラックマウント型サーバなど)やL-Serverのネットワークを冗長するかで異なります。

ブレードサーバのネットワークの自動設定

L-Server作成時にNICとネットワークリソースを接続すると、L-Serverが動作するVMホストに対して、以下の設定が自動的に行われます。

さらに、VM管理製品のクラスタ機能を利用している環境では、VMゲストのマイグレーションや、HA機能を用いた運用を可能にするため、クラスタを構成するすべてのVMホストに対して、LANスイッチブレード、仮想ネットワークが自動で設定されます。

ネットワークリソースの外部接続ポートに対して、タグVLANを自動設定しなかった場合、その外部接続ポートのVLAN設定は、RORコンソールで行います。サーバリソースツリーでLANスイッチを右クリックし、表示されたメニューで[設定変更]-[ネットワーク情報]を選択してください。

詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「2.4.4 LANスイッチブレードのVLAN設定」を参照してください。

注意

L-Serverを作成したあと、クラスタにVMホストを追加した場合、本製品によるネットワークの自動設定は行われません。

追加したVMホストのLANスイッチブレードと仮想ネットワークに対して、クラスタを構成する既存のVMホストと同じ設定をしてください。

ブレードサーバの場合の仮想ネットワーク定義ファイル

  • ブレードサーバのネットワークを自動設定する場合

    仮想ネットワーク定義ファイルを作成する必要はありません。

  • 仮想ネットワーク定義ファイルが存在し、仮想ネットワークとVLAN IDの対応が定義されていない場合

    仮想ネットワークを自動的に設定します。

  • 仮想ネットワーク定義ファイルにより、仮想ネットワークとVLAN IDの対応が定義されている場合

    そのVLAN IDに対応した仮想ネットワークは、事前に手動で設定されている必要があります。

    詳細は、「ネットワークの手動設定」を参照してください。


本製品でネットワーク設定の自動化をサポートするデフォルトのブレードサーバ構成

本製品でネットワーク設定の自動化をサポートするデフォルトのブレードサーバ構成(サーバブレード、ネットワークリソースの外部接続ポート指定、LANスイッチブレード、物理ネットワークアダプター番号の対応関係)を、以下の表に示します。サーバNIC定義がない場合、ネットワークの自動設定では、この表に従って選択された物理ネットワークアダプターを使用して、仮想ネットワークが作成されます。

表E.13 ネットワーク自動設定のデフォルトのブレードサーバ構成(PRIMERGY BX900 S1シャーシの場合)

サーバブレード

外部接続ポートの指定
(LANスイッチブレードの搭載位置)

使用するLANスイッチブレード

物理ネットワークアダプター番号 (*4)

BX920 S1
BX920 S2
BX922 S2

CB1およびCB2または外部接続ポート指定なし

PG-SW111
PG-SW112

3,4

PG-SW109 (*1)
PG-SW201

1,2

CB3およびCB4

PG-SW111
PG-SW112
PG-SW109
PG-SW201

5,6

CB5およびCB6

PG-SW109

9,10

CB7およびCB8

PG-SW111
PG-SW112

11,12

PG-SW201

9,10

BX924 S2

CB1およびCB2または外部接続ポート指定なし

PG-SW111
PG-SW112
PG-SW109
PG-SW201

1,2

CB3およびCB4

PG-SW111
PG-SW112
PG-SW109
PG-SW201

3,4

CB5およびCB6

PG-SW109

7,8

CB7およびCB8

PG-SW111
PG-SW112

9,10

PG-SW201

7,8

BX960 S1

CB1およびCB2または外部接続ポート指定なし

PG-SW111
PG-SW112
PG-SW109
PG-SW201

11,12

CB3およびCB4 (*2)

PG-SW111
PG-SW112
PG-SW109
PG-SW201

3,4

CB5およびCB6 (*3)

PG-SW109

7,8

CB7およびCB8 (*3)

PG-SW111
PG-SW112

9,10

PG-SW201

7,8

*1: PG-SW109をCB1およびCB2に搭載する場合、PG-SW109のダウンリンクポートの通信速度を1Gbpsに設定してください。設定方法については、該当するハードウェアマニュアルを参照してください。
*2: LAN拡張カードは、拡張スロット1に搭載します。
*3: LAN拡張カードは、拡張スロット2に搭載します。
*4: それぞれの物理ネットワークアダプターを使った冗長化構成で、事前に設定された仮想インターフェース上に、仮想ネットワークを自動設定します。仮想インターフェースは、以下のどれかの製品を使って、管理対象サーバ上に事前設定してください。

表E.14 ネットワーク自動設定のデフォルトのブレードサーバ構成(PRIMERGY BX400 S1シャーシの場合)

サーバブレード

外部接続ポートの指定
(LANスイッチブレードの搭載位置)

使用するLANスイッチブレード

物理ネットワークアダプター番号(*3)

BX920 S2
BX922 S2

CB1およびCB2(*1)または外部接続ポート指定なし

PG-SW111
PG-SW112

3,7

PG-SW109 (*2)
PG-SW201

2,6

CB3およびCB4

PG-SW111
PG-SW112
PG-SW109
PG-SW201

9,10

BX924 S2

CB1およびCB2(*1)または外部接続ポート指定なし

PG-SW111
PG-SW112
PG-SW109
PG-SW201

2,4

CB3およびCB4

PG-SW111
PG-SW112
PG-SW109
PG-SW201

7,8

*1: CB1およびCB2には、同一機種のLANスイッチブレードを搭載してください。
*2: PG-SW109をCB1およびCB2に搭載する場合、PG-SW109のダウンリンクポートの通信速度を1Gbpsに設定してください。設定方法については、該当するハードウェアマニュアルを参照してください。
*3: それぞれの物理ネットワークアダプターを使った冗長化構成で、事前に設定された仮想インターフェース上に、仮想ネットワークを自動設定します。仮想インターフェースは、以下のどれかの製品を使って、管理対象サーバ上に事前設定してください。

表E.15 ネットワーク自動設定のデフォルトのブレードサーバ構成(PRIMERGY BX600 S3シャーシの場合)

サーバブレード

外部接続ポートの指定
(LANスイッチブレードの搭載位置)

使用するLANスイッチブレード

物理ネットワークアダプター番号(*1)

BX600シリーズ

NET1およびNET2または外部接続ポート指定なし

PG-SW107

3,4

NET3およびNET4

PG-SW104

7,8

*1: それぞれの物理ネットワークアダプターを使った冗長化構成で、事前に設定された仮想インターフェース上に、仮想ネットワークを自動設定します。仮想インターフェースは、以下のどれかの製品を使って、管理対象サーバ上に事前設定してください。

上記の表の物理ネットワークアダプター番号は、LANスイッチブレードの詳細画面で確認できます。

管理対象サーバのMACアドレス(IPアドレス)情報は、サーバリソースの[リソース詳細]タブの"ハードウェア保守"で確認できます。

このMACアドレスの情報を元に、管理対象サーバ上で事前にIntel PROSetまたはPRIMECLUSTER GLSの設定を行ってください。

LANスイッチブレードがIBPモードの場合、上記の表の"外部接続ポート指定なし"の場合と同じ物理ネットワークアダプターを使って、冗長化構成で事前設定された仮想インターフェース上に、仮想ネットワークが作成されます。

なお、以下の操作を行うことで、任意の物理NICを使用してネットワークの自動設定が行えます。

  1. サーバNIC定義を作成し、本製品に反映します。

    1. サーバNIC定義の作成

      ひな型ファイルを編集し、サーバNIC定義を作成します。

    2. サーバNIC定義の反映

      サーバNIC定義ファイルに指定した物理NICの構成を、rcxadm nicdefctl commitコマンドを実行し、本製品に反映します。

    3. 反映したサーバNIC定義の確認

      本製品に反映したサーバNIC定義を、rcxadm nicdefctl showコマンドを実行し、確認します。

  2. ネットワークリソースを定義したXMLファイルを作成し、ネットワークリソースを作成します。

    1. ネットワークリソースを定義したXMLファイルの作成

      サーバNIC定義のPhysicalLANSegment nameに指定した物理LANセグメント名を、ネットワークリソースを定義したXMLファイルのPhysicalLANSegmentに指定します。

      このとき、Networkタグに、auto="true"を指定します。

    2. ネットワークリソースの作成

      手順a.で作成したXMLファイルを指定して、rcxadm network createコマンドを実行します。

参照

  • サーバNIC定義の詳細は、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「2.11 サーバNIC定義」を参照してください。

  • rcxadm nicdefctlコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.7.16 rcxadm nicdefctl」を参照してください。

  • ネットワークリソースの定義については、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「2.5 ネットワークリソース」を参照してください。

  • rcxadm networkコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.3.5 rcxadm network」を参照してください。

注意

  • 以下の条件を満たすVMホストがある場合、そのシャーシではネットワーク設定の自動化はサポートしません。

    • 外部接続ポートを指定したネットワークリソースを使用する

    • ネットワーク設定の自動化をサポートするVMホストの構成パターンで使用するNICを、異なる構成で使用する仮想ネットワークが存在する

  • 以下の条件を満たすVMホストがある場合、ネットワーク設定の自動化はサポートしません。

    • 外部接続ポートを指定しないネットワークリソースを使用する

    • ネットワーク設定の自動化をサポートするVMホストの構成パターンで使用するNICを、異なる構成で使用する仮想ネットワークが存在する

PRIMERGY BX900 S1シャーシで、以下の構成例に対するデフォルトのブレードサーバ構成を図に示します。

表E.16 構成例1

サーバブレード

BX920 S2

外部接続ポートの指定

CB1およびCB2

使用するLANスイッチブレード

PG-SW112

仮想インターフェース

PRIMECLUSTER GLS

表E.17 構成例2

サーバブレード

BX920 S2

外部接続ポートの指定

"外部接続ポート指定なし"と"CB3およびCB4"の混在

使用するLANスイッチブレード

PG-SW109

仮想インターフェース

PRIMECLUSTER GLS

図E.14 構成例1のブレードサーバ構成図

図E.15 構成例2のブレードサーバ構成図


ネットワークの手動設定

以下の場合、ネットワークの手動設定を行います。

事前に手動で仮想ネットワークを設定する場合、かつHyper-V以外のサーバ仮想化ソフトウェアを同一のマネージャーで利用している場合、ほかのサーバ仮想化ソフトウェア上の、仮想スイッチ、仮想ネットワークおよび仮想ブリッジで使用している名前と異なる名前を設定してください。


ネットワーク設定の自動化をサポートするVMホストの構成パターンとは異なる物理ネットワークアダプターの番号を使用する場合のネットワーク設定

上記の構成パターンとは異なる物理ネットワークアダプターの番号を使用する場合、以下の手順でネットワークを設定します。

  1. クラスタを構成するすべてのVMホストで、同じ名前(大文字/小文字も含む)の仮想ネットワークを作成します。

    これにより、VMホスト間でVMゲストを移動できます。System Center 2012 Virtual Machine ManagerをVM管理製品として利用している場合、VMゲストの接続先の仮想ネットワークの種類は"外部"だけ使用できます。
    作成方法については、SCVMMのヘルプを参照してください。

  2. 同じ名前の仮想ネットワーク間が、タグVLANを利用して相互に通信できるようにLANスイッチを設定します。

    RORコンソールのサーバリソースツリーで対象のLANスイッチを右クリックし、表示されたメニューで[設定変更]-[ネットワーク情報]を選択します。

    [VLANの設定]ダイアログが表示されます。

  3. VLANを設定します。

  4. 以下の定義ファイルに、仮想ネットワークとVLAN IDの対応を定義します。

    インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data\vnetwork_hyperv.rcxprop

    定義ファイルの書式については、「仮想ネットワーク定義ファイルの書式」を参照してください。

  5. ネットワークリソースの作成

    • GUIの場合

      1. 手順2.~4.で指定したVLAN IDを持つ[ネットワークリソースの作成]ダイアログで、"設定済みの仮想スイッチを利用"チェックボックスにチェックを入れ、ネットワークリソースを作成します。

    • コマンドの場合

      1. ネットワークリソースを定義したXMLファイルを作成します。

        手順2.~4.で指定したVLAN IDをXMLファイルに定義します。

        このとき、Networkタグに、auto="false"を指定します。

      2. ネットワークリソースの作成は、手順a.で作成したXMLファイルを指定して、rcxadm network createコマンドを実行します。

        ネットワークリソースが作成されます。

参照

  • LANスイッチブレードの外部接続ポートのVLAN設定については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「2.4.4 LANスイッチブレードのVLAN設定」を参照してください。

  • ネットワークリソースを定義したXMLファイルの作成、およびNetworkタグについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「2.5 ネットワークリソース」を参照してください。

  • rcxadm networkコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.3.5 rcxadm network」を参照してください。

図E.16 ネットワーク構成図


事前に作成された仮想ネットワークとの接続

ブレードサーバでL-Serverのネットワークを冗長化しない場合、およびブレードサーバ以外の環境では、事前に作成されている仮想ネットワークに対して、VMゲストのNICにIPアドレスとVLAN IDを設定し、仮想ネットワークと接続する機能だけ提供します。仮想ネットワークは、事前に手動で設定してください。

また、事前に以下の設定が必要です。

事前準備

  1. 仮想ネットワークの作成

    クラスタを構成するすべてのVMホストで、同じ名前(大文字小文字も含む)の仮想ネットワークを作成します。
    これにより、VMゲストをVMホスト間で移動できます。System Center 2012 Virtual Machine ManagerをVM管理製品として利用している場合、VMゲストの接続先の仮想ネットワークの種類は"外部"だけ使用できます。
    作成方法については、SCVMMのヘルプを参照してください。

  2. 仮想ネットワークの通信の設定

    同じ名前の仮想ネットワーク間が、タグVLANを利用して相互に通信できるようにLANスイッチを設定します。

    1. RORコンソールのサーバリソースツリーで対象のLANスイッチを右クリックし、表示されたメニューで[設定変更]-[ネットワーク情報]を選択します。

      [VLANの設定]ダイアログが表示されます。

    2. VLANを設定します。

  3. 仮想ネットワークとVLAN IDの対応を定義

    本製品の以下の定義ファイルに、仮想ネットワークとVLAN IDの対応を定義します。

    インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data\vnetwork_hyperv.rcxprop

    定義ファイルの書式については、「仮想ネットワーク定義ファイルの書式」を参照してください。

  4. ネットワークリソースの作成

    • GUIの場合

      手順2.~3.で指定したVLAN IDを持つ[ネットワークリソースの作成]ダイアログで、"設定済みの仮想スイッチを利用"チェックボックスにチェックを入れ、ネットワークリソースを作成します。

    • コマンドの場合

      1. ネットワークリソースを定義したXMLファイルを作成します。

        手順2.~3.で指定したVLAN IDをXMLファイルに定義します。
        このとき、Networkタグに、auto="false"を指定します。

      2. ネットワークリソースの作成は、手順a.で作成したXMLファイルを指定して、rcxadm network createコマンドを実行します。

        ネットワークリソースが作成されます。

参照

  • LANスイッチブレードの外部接続ポートのVLAN設定については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「2.4.4 LANスイッチブレードのVLAN設定」を参照してください。

  • rcxadm networkコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.3.5 rcxadm network」を参照してください。


VMゲストの仮想NIC自動設定

VMゲストの仮想NICにVLANを設定し、仮想ネットワークと接続します。

また、イメージを指定した場合、IPアドレスが自動で設定されます。IPアドレスの自動設定については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「10.3.1 [基本情報]タブ」の「ネットワーク(NIC)」を参照してください。

ラックマウント型サーバまたはタワー型サーバで、ネットワークリソースを用いた仮想NICの設定と仮想ネットワークとの接続の構成例は以下のとおりです。

図E.17 ラックマウント型サーバまたはタワー型サーバで、ネットワークリソースを用いた仮想NICの設定と仮想ネットワークとの接続


仮想ネットワーク定義ファイルの書式

仮想ネットワーク定義ファイルは、1行ごとに以下のように記述してください。

"仮想ネットワーク名"=VLAN ID[,VLAN ID...]

VLAN IDには、1~4094が指定できます。連続した数値を指定する場合、"1-4094"のようにハイフン("-")を用いて記述してください。

"Network A"=10
"Network B"=21,22,23
"Network C"=100-200,300-400,500

イコール("=")やカンマ(",")の前後に空白があっても無視されます。

仮想ネットワーク名は、大文字小文字の違いを含めて正しく記述してください。
ファイルは、文字コードをUTF-8にして保存してください。

同じ仮想ネットワーク名の行が複数あった場合、すべての行の指定が有効になります。

異なる仮想ネットワーク名の行に同じVLAN IDが含まれていた場合、ファイルの先頭に近い行が有効になり、それ以降の行は無視されます。

"Network D"=11
"Network D"=12 (*1)
"Network E"=11,15 (*2)

*1: "Network D"=11,12と記述した場合と同じになります。
*2: 11は無視されます。

L-Serverの作成時に、NICに接続したネットワークリソースのVLAN IDに対応する定義が見つからなかった場合、エラーになります。


MACアドレスプールに関する設定

System Center 2012 Virtual Machine Managerと連携してNICを接続したL-Serverを作成する場合はNICに割り当てるMACアドレスを払い出すためにSystem Center 2012 Virtual Machine ManagerのMACアドレスプールを使用します。

System Center 2012 Virtual Machine ManagerでMACアドレスプールを既定の状態から変更していない場合、またはHyper-V環境用のMACアドレスプールが1つだけ存在する場合は、そのMACアドレスプールを使用します。

System Center 2012 Virtual Machine ManagerにHyper-V環境用のMACアドレスプールが存在しない場合は、MACアドレスを払い出すMACアドレスプールをSystem Center 2012 Virtual Machine Managerから作成します。

System Center 2012 Virtual Machine ManagerにMACアドレスプールが複数存在する場合は、以下の手順で、使用するMACアドレスプールを定義します。

  1. 本製品でテナントを利用する場合の設定

    System Center 2012 Virtual Machine Managerに複数のホストグループを作成している場合は、以下の手順で、ホストグループとテナントの構成を合わせます。

    1. 本製品でホストグループの数だけテナントを作成します。

    2. 各ホストグループに配置されたVMホストを、対応するテナントのローカルプールに登録します。

  2. L-Server作成時に使用するMACアドレスプールを定義

    本製品のMACアドレスプール定義ファイルに、L-Server作成時に使用するMACアドレスプールを定義します。

    また、1.で作成した各テナントごとに使用するMACアドレスプールを分ける場合は、MACアドレスプール定義ファイルに、各テナントで使用するMACアドレスプールを定義します。

    なお、System Center 2012 Virtual Machine Managerに複数のホストグループを作成している場合は、各テナント用の定義を作成し、ホストグループに割り当てられたMACアドレスプールを指定します。

    MACアドレスプール定義ファイルの書式については「MACアドレスプール定義ファイルの書式」を参照してください。


MACアドレスプール定義ファイルの書式

定義ファイルの格納先

【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data

定義ファイル名

定義ファイル名には、テナントごととシステム共通で利用できる定義を分けて使用できます。

テナントごとの定義ファイルとシステム共通の定義ファイルが両方存在した場合、テナントごとの定義ファイルに記載されている定義が優先されます。

  • テナントごと

    scvmm_mac_pool_テナント名.rcxprop

  • システム共通

    scvmm_mac_pool.rcxprop

文字コード

UTF-8

改行コード

CR/LF

定義設定ファイルの形式

キー = 値

表E.18 定義ファイルの指定項目

項目

説明

キー

  • 登録されているSCVMMが一つの場合

    all

  • 複数のSCVMMが登録されている場合

    scvmm[SCVMMの登録名]

System Center 2012 Virtual Machine Managerで作成したMACアドレスプールの名前を指定します。

指定するMACアドレス名に空白が含まれる場合は、MACアドレスプール名の前後をダブルクォーテーション( " )で囲みます。

なお、MACアドレスプールに使用できる文字種についてはSCVMMのマニュアルを参照してください。

  • 登録されているSCVMMが一つの場合、または複数のSVMMが登録されており、各SCVMMで使用するMACアドレスプール名が同じ場合

    all = "MAC pool A"

  • 複数のSCVMMが登録されており、各SCVMMで使用するMACアドレスプール名が異なる場合

    scvmm[scvmm1] = "MAC pool A"
    scvmm[scvmm2] = "MAC pool B"

注意

  • 使用するVM管理製品がSystem Center Virtual Machine Manager 2008 R2の場合は定義ファイルが存在しても、無視されます。

  • Windowsのメモ帳を使用してUTF-8のテキストを編集し保存すると、ファイルの先頭3バイトにByte Order Mark(BOM)が格納されるため、ファイルの1行目に記載した情報が正しく解析されません。メモ帳を使用する場合、2行目から情報を記述してください。

  • 行の先頭、末尾、および、イコール("=")の前後に1つ以上の空白、タブを記述することができます。

  • 行の先頭に"#"を記述した場合は、行の末尾までがコメントとみなされます。

  • 上記の形式に従って記述されていない行の内容は無視されます。

  • キーに使用する"all"、"scvmm[SCVMMの登録名]"の"scvmm"は小文字のみ有効とします。大文字のキーがある場合は無視されます。

  • 同一のキーが存在する場合は、最後の行に記載した定義が有効になります。

  • "all"キーと"scvmm[SCVMMの登録名]"キーが混在する場合は、"scvmm[SCVMMの登録名]"の定義が優先されます。

  • 本製品のマネージャーを再起動しなくても定義ファイルの設定が反映されます。


L-Server作成

以下の手順で、L-Serverを作成します。

注意

作成したL-Serverがオーケストレーションツリーに表示されなくなる場合

作成したL-Serverに対応するVMに対してSCVMMの以下の機能を使用すると、それ以降L-Serverとして認識されずオーケストレーションツリーに表示されなくなり、L-Serverに対する処理が行えなくなります。

  • ライブラリへ保管、ライブラリからの展開

  • 新しいテンプレート

  • 本製品の管理外のクラスタノードへの移行

また"複製"を行うと複製されたVMは、L-Serverとして認識されません。

イメージを指定してL-Serverを作成すると、OSの[地域と言語のオプション]の設定が英語になる場合

SCVMMの障害(KB978336)により、Hyper-V環境でイメージを指定してL-Serverを作成すると、作成されたL-ServerのOSの[地域と言語のオプション]の設定が英語になります。

この問題を回避し、任意の言語設定で、イメージを指定してL-Serverを作成する方法については、「任意の言語の[地域と言語のオプション]設定で、イメージを指定したL-Serverの作成」を参照してください。

SCVMMの障害(KB978336)については、Microsoft社の以下のURLを参照してください。

Microsoft社のKB978336解説ページ

URL: http://support.microsoft.com/kb/978336/ (2012年2月時点)

参考

L-Server作成時に付随して作成され情報

  • L-Serverとして作成されるVMゲストは、以下の構成になります。

    ディスクとDVD
    1本目のディスク(システムボリューム)

    IDEデバイスのプライマリーチャネル(0)に接続

    2本目以降のディスク

    データディスクとしてSCSIアダプターに接続(*1)

    DVDドライブ

    IDEデバイスのセカンダリチャネル(0)に接続

    *1: 統合サービスが提供されていないゲストOSでは利用できません。IDEアダプターに接続された起動ディスクだけ利用できます。

    仮想ネットワークアダプタ

    Hyper-VがサポートしているゲストOSでは、統合ネットワークアダプターを利用します。それ以外の場合、エミュレートされたネットワークアダプターが追加されます。

    Hyper-VがサポートするゲストOSは、以下のMicrosoft社のWebサイトを参照してください。

    Microsoft社のWebサイト

    URL: http://www.microsoft.com/japan/windowsserver2008/technologies/hyperv-guest-os.mspx (2012年2月時点)

    CPU種類

    "1.00GHz Pentium III Xeon"または"3.60 GHz Xeon (2 MB L2 cache)" (SCVMMの初期値)が指定されます。この情報はSCVMMの内部で使用されるもので、実際のCPU性能ではありません。

    また、ゲストOS内のコンピュータの情報などに表示される情報とは異なります。

  • クローニングイメージは、システムボリュームだけを採取/配付します。

    SCVMMで作成したテンプレートを本製品のイメージプールに登録する場合、システムボリューム(IDEデバイスのプライマリーチャネル(0)に接続されたディスク)が存在するVMゲストから作成したテンプレートを利用してください。

    その他の構成の場合、本製品で配付するとシステムボリュームがないVMゲストになります。


手動OSインストール

SCVMMの管理画面からDVDの接続設定を行ったあと、OSを手動でインストールしてください。

Microsoft社がHyper-V上でサポートするゲストOSを利用するには、ゲストOSに仮想ゲストサービスのインストールが必要です。

仮想ゲストサービスのインストールについては、SCVMMのヘルプを参照してください。


クローニングイメージの採取

以下の手順で、クローニングイメージを採取します。
OSのインストール後に、対象のL-Serverを停止してください。

  1. オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで[クローニング]-[採取]を選択します。

  2. <OK>ボタンをクリックします。

クローニングイメージは同じ名前で世代管理できます。

VM管理製品でクローニングイメージを作成している場合、そのまま利用できます。

注意

  • L-Server作成時にWindowsのイメージを指定した場合、イメージ配付時に、Microsoft社の提供するSysprepを利用して、サーバ固有の情報が再設定されます。また、Sysprepを実行すると、ユーザー情報やOSの設定情報が初期化されます。
    Sysprepについては、Microsoft社から提供されている情報を参照してください。

  • 処理実行中にマネージャーの停止や再起動を行った場合、マネージャーの起動後に、実行中の処理が再実行されます。
    再実行中の処理が完了するまでは、実行対象のリソースを操作しないようにしてください。

  • イメージのOSがWindows Server 2008など、アクティベーションの方式にMAKライセンス認証を使用している場合、Sysprepの実行回数は累積で3回までに制限されます。Sysprepはイメージ指定のL-Server作成時、またはクローニングイメージ採取時に実行されるため、クローニングイメージの採取とイメージ指定のL-Server作成を4回以上行えません。そのためクローニングイメージを配付したL-Serverからクローニングイメージを採取せず、専用のマスタサーバからを採取することをお勧めします。なお、SCVMMでテンプレート作成を行った場合にもSysprepは実行され累積回数に含まれます。

  • Windows 2000 ServerとWindows 2000 Advanced Serverがインストールされているクローニングイメージを指定してのL-Server作成は、サポートされていません。

  • VM管理製品としてSystem Center 2012 Virtual Machine Managerを利用している場合、本製品では高可用属性のクローニングイメージだけ利用できます。

ポイント

イメージは、SCVMMのライブラリに格納されます。

採取したイメージを格納できる、空き容量を持つライブラリを指定してください。

[クローニングイメージの採取]ダイアログで、イメージ格納先に"自動選択"を指定した場合、SCVMMに登録されているライブラリから任意に選択されますが、SCVMMではライブラリの空き容量の管理をしていないので、イメージ採取に失敗する可能性があります。

本製品のイメージ採取は、SCVMMのテンプレートを利用しています。

L-Serverのイメージ採取を行うと本製品のイメージ名に世代番号が付加された名前でテンプレートが作成されます。また、ユーザー作成のテンプレートをイメージとして取込みを指示した場合、そのテンプレートはイメージとして取り扱われます。

L-Serverのイメージ採取を行うには、L-Server作成先のディスクに、対象になるL-Serverと同じ大きさ(システムボリュームとすべてのデータディスク、スナップショットおよび構成定義ファイル)の作業領域が必要です。この作業領域は、イメージ採取が完了すると解放されます。

イメージ採取では、システムボリューム以外のデータディスクはイメージ採取時に削除されます。

本製品では、IDEデバイスのプライマリーチャネル(0)のバーチャルハードディスクをシステムボリュームとして扱います。

IDEのセカンダリチャネル(0)以外のDVDドライブは削除されます。イメージにDVDドライブがない場合でもL-Server作成時にIDEのセカンダリチャネル(0)にDVDドライブが追加されます。また、それ以外のDVDドライブがイメージに存在していても削除されます。

イメージ採取は、スナップショットが存在すると行えません。スナップショットを削除してから実行してください。またSCVMMの管理コンソールからチェックポイントを作成したり、Hyper-Vマネージャーからスナップショットを作成したりするとイメージ採取は失敗します。

ユーザーがSCVMMを利用して作成したSCVMMのテンプレートを本製品のイメージとして取り込んだ場合、以下のように取り扱います。

イメージ格納先のアクセス制御設定ファイルについて

事前に、イメージ格納先のアクセス制御設定ファイルに使用できないライブラリ共有パス名を指定することで、ユーザーグループごとにクローニングイメージの格納先を制限できます。

設定ファイルの格納先

【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data

設定ファイル名

設定ファイル名には、ユーザーグループごととシステム共通の設定を分けて使用できます。両方のファイルが存在する場合、両方の制限が有効になります。

  • ユーザーグループごと

    library_share_ユーザーグループ名_deny.conf

  • システム共通

    library_share_deny.conf

設定ファイルの形式

設定ファイルは、1行ごとにライブラリ共有パス名を記述します。

ライブラリ共有パス名

設定ファイルの例を以下に示します。

\\rcxvmm1.rcxvmmshv.local\MSSCVMMLibrary
\\rcxvmm2.rcxvmmshv.local\lib


クローニングイメージ削除

以下の手順で、クローニングイメージを削除します。

  1. オーケストレーションツリーで対象のイメージプールを選択します。

    [リソース一覧]タブが表示されます。

  2. 削除するクローニングイメージを右クリックし、表示されたメニューで[削除]を選択します。

  3. <OK>ボタンをクリックします。

    クローニングイメージが削除されます。

本製品以外から構成が変更された場合など、SCVMMでのテンプレート作成要件が満たされない場合、イメージ採取処理は失敗する可能性があります。

クローニングイメージの削除を行った場合、SCVMMのライブラリ内にある対応するテンプレートは削除されます。

このテンプレート削除処理では、SCVMM管理コンソールからのテンプレート削除処理と同様に、テンプレート定義ファイルだけをSCVMMのライブラリから削除するため、関連ファイル(.vhd、.vfdなど)は削除されずライブラリに残ります。

関連ファイルが不要の場合、SCVMMから個別に削除してください。

参考

以下の設定ファイルを事前に作成しておくことで、クローニングイメージ削除時にほかのテンプレートと依存関係がない関連ファイルを同時に削除できます。

設定ファイルの格納先

【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\vm

設定ファイル名

delete_image_all_files_scvmm

設定ファイルの形式

設定ファイルに内容を記述する必要はありません。

SCVMM管理コンソールからの関連ファイルの削除と同様に、関連ファイルだけSCVMMのライブラリから削除するため、関連ファイルが格納されていたフォルダーについては削除されません。


任意の言語の[地域と言語のオプション]設定で、イメージを指定したL-Serverの作成

以下の手順で、KB978336の障害を回避してL-Serverを作成します。
このとき作成できるL-Serverは、IPアドレス設定を行うNICが接続されたL-Serverです。

  1. KB978336の障害を回避するための定義ファイルを作成します。

    KB978336の障害を回避するためのイメージを格納するイメージプール名、および[地域と言語のオプション]ダイアログに設定する言語を以下の定義ファイルに記述します。

    定義ファイルの格納先

    【Windows】
    インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data

    定義ファイル名

    kb978336_scvmm.rcxprop

    定義ファイルの書式

    定義ファイルは、1行ごとに以下のように記述します。

    イメージプール名 = 言語指定文字列

    言語指定文字列には、以下のWebサイトに記載されている言語パックの"カルチャ"を指定してください。

    利用できる言語パック

    URL: http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc722435(WS.10).aspx (2012年2月時点)

    KB978336の障害を回避して日本語を設定する場合、"ja-JP"を指定します。

    "/test/ImagePool1"と"/test/ImagePool2"のイメージプールに格納されたイメージを指定して日本語表記のL-Server作成を行う場合の、定義ファイルの例は以下のとおりです。

    /test/ImagePool1=ja-JP
    /test/ImagePool2=ja-JP

    イコール("=")の前後に空白があっても無視されます。

    イメージプール名は、フルパスで指定します。

    使用できる文字列は半角英数字(大文字/小文字)、アンダースコア("_")、スラッシュ("/")およびハイフン("-")です。

    ファイルは、文字コードをUTF-8にして保存してください。

    同じイメージプール名の行が複数あった場合、最後の行の指定が有効になります。

    定義ファイルで指定した言語指定文字列は、応答ファイル内の以下の設定にも適用されます。

    • InputLocale

    • SystemLocale

    • UILanguage

      これらの設定に対して個別に異なる言語を指定できません。

  2. L-Serverを作成します。

    「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「10.1 L-Serverテンプレートを利用したL-Serverの作成」または「10.3 個々のパラメーターを指定した仮想L-Serverの作成」を参照して、L-Serverを作成してください。

参考

以下のL-Serverを作成する場合、以下の手順1.~5.を行ってください。

  • NICがないL-Server

  • DHCPを利用してIPアドレスを割り当てたL-Server

  1. Microsoft社のKB978336解説ページを参照し、Sysprep用応答ファイルを作成します。

  2. SCVMM管理者コンソールからVMのテンプレート化を行います。

    詳細は、SCVMMのヘルプを参照してください。

  3. 作成したテンプレートを本製品のイメージプールに登録します。

    詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「7.7.1 仮想イメージリソース」を参照してください。

  4. 4SCVMM管理者コンソールから、本製品のイメージに対してSCVMMテンプレートのプロパティを開いて、手順1.で作成した応答ファイルを設定します。

  5. L-Serverを作成します。

    「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「10.1 L-Serverテンプレートを利用したL-Serverの作成」または「10.3 個々のパラメーターを指定した仮想L-Serverの作成」を参照して、L-Serverを作成してください。

    このとき、イメージとして利用したいクローニングイメージに、手順3.で登録したイメージを指定してください。

[OS]タブ設定

L-Server作成時にOSに設定パラメーターを入力します。[基本情報]タブでイメージを指定した場合だけ有効です。

初回起動時に設定処理が動作します。イメージ名を指定しない場合、すべて入力する必要はありません。

表E.19 設定項目一覧

指定項目

Windows

項目の説明

入力の必要性

省略時の値

ホスト名・コンピュータ名

L-Server名

ホスト名またはコンピュータ名を入力します。
1~15文字の、先頭半角英数字と半角英数字、ハイフン("-")を入力します。数字だけの指定はできません。
なお、L-Server名にアンダースコア("_")およびピリオド(".")を使用している場合、ホスト名またはコンピュータ名に使用できない文字のため、ハイフン("-")に置き換えられます。
基本情報が未指定の場合も、上記と同様に、L-Server名を変換して設定されます。

ドメイン名

WORKGROUP (*1)

ワークグループ名を入力します。ドメインに参加する設定は行えません。
先頭文字は半角英字で、1~255文字の半角英数字、ハイフン("-")、ピリオド(".")で入力します。

DNS検索パス

不要

-

DNSの検索に利用する1~32767文字のドメイン名のリストを入力します。ドメイン名と同じ文字を指定できます。
複数指定する場合、区切り文字に空白を指定します。

フルネーム

WORKNAME (*1)

1~50文字のWindowsのフルネームを入力します。
初期値は、OSプロパティ定義ファイルに定義された値が入力されます。
OS種別がWindows Server 2008、Windows Server 2008 R2、Windows 7およびWindows Vistaでは、フルネームはゲストOSに設定されません。

組織名

WORKORGANIZATION (*1)

Windowsのシステムのプロパティに表示される組織名を1~50文字で入力します。
OS種別がWindows Server 2008、Windows Server 2008 R2、Windows 7およびWindows Vistaでは、組織名はゲストOSに設定されません。

製品キー

必須

- (*1)

省略できません。有効な製品キーを必ず指定してください。

ライセンスモード

不要

-

ライセンスモードを指定しても、ゲストOSに設定されません。

最大接続数

不要

-

最大接続数を指定しても、ゲストOSに設定されません。

管理者パスワード

- (*1)

L-Server作成時に指定したイメージの、ローカル管理者アカウントのパスワードと同じ値を入力します。
新しいパスワードを指定した場合、ローカル管理者アカウントのパスワードが上書きされます。
1~128文字の半角英数記号で入力します。

ハードウェア時計設定

不要

-

以下のどちらかを指定します。

  • UTC

  • ローカル(LOCAL)

タイムゾーン

マネージャーのOSと同じタイムゾーン

OSのタイムゾーンを指定します。

*1: OSプロパティ定義ファイルに値が指定されている場合、OSプロパティ定義ファイルの値が設定されます。

参考

OSプロパティ定義ファイル

事前にOSプロパティ定義ファイルに初期値を指定することで、L-Server作成時の[OS]タブの情報などの初期値が生成されます。OSプロパティ定義ファイルの文字コードはUTF-8にしてください。

定義ファイルの格納先

【Windows】
インストールフォルダ\Manager\etc\customize_data

【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data

定義ファイル名

定義ファイル名は、ユーザーグループごととシステム共通で利用できる定義を分けて使用できます。ユーザーグループごとの定義ファイルとシステム共通の定義ファイルのキーが重複した場合、ユーザーグループごとの定義ファイルに記載されている値が優先されます。

  • ユーザーグループごと

    os_setting_ユーザーグループ名.rcxprop

  • システム共通

    os_setting.rcxprop

定義ファイルの形式

定義ファイルでは、1行ごとに定義する項目を記述します。各行は、以下の形式で記述します。

キー =

コメントは、先頭文字をシャープ("#")で記述します。

定義ファイルの指定項目

定義ファイルで以下の項目を指定します。

表E.20 指定項目一覧

指定項目

キー

備考

ドメイン名

workgroup_name

(*1)

Windows用

domain_name

(*1)

Linux用

DNS検索パス

dns_search_path

(*1)

-

フルネーム

full_name

(*1)

-

組織名

org_name

(*1)

-

製品キー

product_key

(*1)

-

ライセンスモード

license_mode

以下のどちらかを指定します。

  • "seat"(接続クライアント数)

  • "server"(サーバ単位:同時使用サーバ数)

-

最大接続数

license_users

(*1)

-

管理者パスワード

admin_password

(*1)

-

ハードウェア時計設定

hwclock

以下のどちらかを指定します。

  • UTC

  • LOCAL

-

DNSサーバ
(WindowsでNICごとに設定する場合) (*2)

nicN_dns_addressX

半角数字(0~255)とピリオド(".")で構成されたIPアドレスを指定します。 (*2)

DNSサーバを設定しない場合、ハイフン("-")を指定します。

Nには、NIC番号を指定します。
Xには、プライマリー"1"またはセカンダリ"2"を指定します。

DNSサーバ
(WindowsですべてのNICを同一設定にする場合)

dns_addressX

半角数字(0~255)とピリオド(".")で構成されたIPアドレスを指定します。

Xには、プライマリー"1"またはセカンダリ"2"を指定します。

nicN_dns_addressXの指定が優先されます。

*1: 値については、「表E.19 設定項目一覧」を参照してください。
*2: キーまたは値を省略した場合、WindowsですべてのNICを同一設定にする"dns_addressX"の値を各NICの定義として使用します。

定義ファイルの例を以下に示します。

# Windows
workgroup_name = WORKGROUP
full_name = WORKNAME
org_name = WORKORGANIZATION
product_key = AAAA-BBBB-CCCC-DDDD
license_mode = server
license_users = 5
admin_password = xxxxxxxx
nic1_dns_address1 = 192.168.0.60
nic1_dns_address2 = 192.168.0.61
nic2_dns_address1 =
nic2_dns_address2 =

# Linux
domain_name = localdomain
dns_search_path = test.domain.com
hwclock = LOCAL
dns_address1 = 192.168.0.60
dns_address2 = 192.168.0.61
dns_address3 =

参考

イメージを指定してL-Server作成する場合のVMゲスト管理者アカウントの指定について

イメージを指定してL-Serverを作成する場合、パラメーターとして"管理者パスワード"を入力する必要があります。

入力する"管理者パスワード"は、ビルトイン管理者アカウントのAdministratorに設定されたものになりますが、ローカライズされた一部のWindowsではアカウント名が異なる場合があります。また、Windows 7やWindows VistaなどのクライアントOSの場合、通常のインストールではビルトイン管理者アカウントは無効になり、管理者アカウントはインストール時にユーザーが入力して作成された管理者アカウントになります。

ローカライズ版WindowsやクライアントOSからイメージ採取したクローニングイメージを指定してL-Serverを作成する場合、管理者アカウントとしてAdministratorを有効にしてパスワードを設定するか、"管理者パスワード"が設定されている管理者アカウント名を、以下の記述に従い定義ファイルに記述する必要があります。

なお、定義ファイルを用いる場合、イメージの世代別に管理者IDの設定を定義できません。

定義ファイルの格納先

【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data

定義ファイル名

定義ファイル名は、ユーザーグループごととシステム共通で利用できる定義を分けて使用できます。イメージに対応する管理者名は、ユーザーグループごとの定義ファイルを先頭から検索します。該当する定義がない場合、システム共通の定義ファイルを検索します。

定義ファイルの変更はすぐに反映され、それ以降のL-Server作成から有効になります。

  • ユーザーグループごと

    image_admin_hyperv_ユーザーグループ名.rcxprop

  • システム共通

    image_admin_hyperv.rcxprop

定義ファイルの形式

定義ファイルでは、1行ごとにイメージ名と管理者パスワードを設定するアカウント名を記述します。

イメージ名 = "管理者アカウント名"

管理者アカウント名は、ダブルクォーテーション( " )でくくって表記します。

管理者アカウント名以外に書かれた半角スペースとタブは無視されます。

イメージ名には、それ以降のワイルドカードとして作用する半角アスタリスク("*")が使用できます。半角アスタリスク("*")を指定することで、文字数不定の文字列の代用として使用できます。

イメージからのL-Server作成時には、定義ファイルの先頭行から対応するイメージ名を検索し、指定されている管理者アカウント名のアカウントに入力された"管理者パスワード"を設定します。

定義ファイルは、以下の改行コードと文字コードで作成される必要があります。

  • 改行コード

    CR+LF(0x0d0a)

  • 文字コード

    日本語環境ではShift-JIS、その他の環境ではUTF-8

定義ファイルの例を以下に示します。

  • イメージ名と管理者アカウント名が1対1で指定されています。

    FR_WIN2003_001 = "Administrator"
    EN_WIN7_001 = "root"
    EN_WIN7_002 = "admin"

  • "FR_WIN"で始まるイメージ名に対して"Administrator"を管理者アカウント名として使用します。

    FR_WIN* = "Administrator"

  • すべてのイメージに対して"Administrator"を管理者アカウント名として使用します。イメージ名にワイルドカード文字だけを指定した場合、この行以降の定義は無視されます。

    * = "Administrator"