VMwareの仮想マシンを本製品のL-Serverとして作成、管理するには、セットアップのための事前準備が必要です。
VMware環境の事前準備については、VMwareのマニュアルを参照してください。
サーバの事前準備
「4.1.1.1 サーバ環境の事前準備」の作業に加えて、以下の作業が必要です。
VIOMの設定
I/O仮想化を利用する場合、VIOMの設定が必要です。
VMware ESXのインストールとセットアップ
物理サーバにインストールする場合、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
L-ServerにVMホストを導入する場合、「付録F 物理L-Serverに対するVMホストの導入」を参照してください。
VMware vCenter Serverのインストールとセットアップ
VMホストとL-Serverの管理に必要です。
また、L-Serverのクローニングイメージを採取するために、VMware vCenter Serverに対してMicrosoft Sysprepツールのインストールが必要です。Microsoft Sysprepツールのインストールについては、ヴイエムウェア社の「vSphere 基本システム管理」の、Microsoft Sysprepのインストールの記述を参照してください。
以下のURLから該当するバージョンのドキュメントを参照してください。
vSphere 基本システム管理
URL: http://www.vmware.com/jp/support/pubs/vs_pubs.html (2012年2月時点) |
VMware クラスタの構成
L-Serverのサーバ間の移動(マイグレーション)を行う場合、移動元のVMホストと移動先のVMホストは、同じクラスタに登録してください。
L-Serverを冗長化しない場合、VMware HAまたはVMware DRSを有効にする必要はありません。
VMware HAの設計と設定
L-Serverを冗長化する場合、VMware HAを事前に設定します。
VMware DPM、VMware DRS、VMware FT、VMware Storage VMotionの設計と設定
VMware DPM、VMware DRS、VMware FT、VMware Storage VMotionを利用する場合、事前にVMware vCenter Serverから設定します。
VMware DRSまたはVMware DPMの設定を"手動"にした場合、L-ServerとVMゲストの起動に失敗することがあります。詳細は、「VMware DRS、VMware DPMを利用する場合」を参照してください。
VMware DRS、VMware DPMを利用する場合
L-Serverの起動時に、VMware DRSによるL-ServerのVMホスト間の移動や、VMware DPMからVMホストの電源をONにする場合、事前に以下の設定が必要です。
VMware DRSとVMware DPMの設定
VMwareのマニュアルを参照して、VMware DRSの設定を"一部自動化"または"完全自動化"、VMware DPMの設定を"オフ"または"自動"に設定してください。
VMware DRSまたはVMware DPMの設定を"手動"、かつ以下のVMware DRS、DPM用電源制御設定を有効にした場合、L-Serverの起動に失敗することがあります。その場合、VM管理製品から、L-Serverを起動してください。
VMware DRS、DPM用電源制御設定
「E.2.4 インストール後の設定」の「サーバ仮想化ソフトウェア定義ファイル」を参照し、VMware DRS、DPM用電源制御設定に、"true"を指定してください。
詳細は、VMwareのマニュアルを参照してください。
参考
クラスタを越えた移動(マイグレーション)を行う場合、VMwareではリソースプールを越えた移動(マイグレーション)になります。本製品では、VMwareのリソースプールは管理していないため、移動(マイグレーション)は同一のクラスタ(同一のリソースプール)内となります。なお、VMwareのリソースプールについては、ヴイエムウェア社の「vSphere リソース管理ガイド」を参照してください。
以下のWebサイトから該当するバージョンのドキュメントを参照してください。
URL: http://www.vmware.com/jp/support/pubs/vs_pubs.html (2012年2月時点) |
Auto Deployを使用してVMホストを構築する場合
Auto Deployサーバのセットアップ
Auto Deployサーバをセットアップします。
詳細は、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
DHCPサーバの構築
管理サーバ以外にサーバを用意し、Auto Deploy機能で使用するDHCPサーバをセットアップします。
Auto DeployなどのDHCPプロトコルを利用したネットワークブートサービス使用して構築するVMホストだけに、DHCPサーバがIPアドレスを割り当てるように設定します。
詳細は、使用するDHCPサーバのマニュアルを参照してください。
TFTPサーバの構築
管理サーバ以外にサーバを用意し、Auto Deploy機能で使用するTFTPサーバをセットアップします。
詳細は、使用するTFTPサーバのマニュアルを参照してください。
VMホストのセットアップ
物理L-Serverに対してVMホストをセットアップします。
「付録F 物理L-Serverに対するVMホストの導入」を参照して、VMホストをセットアップしてください。
ポイント
各L-Server作成時には、ダンプ領域用ディスクを用意してください。
ディスク1本はほかのL-Serverとは共有しないディスクを指定して用意してください。
このディスクにはVMware ESXiのダンプ領域を作成してください。
Auto Deployを使用する1台目のL-Serverに対して、VMゲストを格納するディスクは、必要な容量と本数だけほかのL-Serverと共有するディスクを用意してください。
2台以上L-Serverがある場合、1台目のL-Serverに接続したVMゲストを格納するディスクを指定して用意してください。
このディスクにはVMFSの領域を作成して、データストアに利用してください。
Auto Deployを使用してVMホストを構築する場合、I/O仮想化にVIOMを使用してください。
注意
HBA address renameは、PXEブートを必要とするため、同じPXEブートを使用するAuto Deployと併用できません。
ストレージの事前準備
以下を確認してください。
VMware ESXに割り当てるボリュームが作成済みである
ゾーニング、アフィニティが設定済みである
VMware ESXがVMFS(データストア)を認識した状態に設定済みである
ネットワークの事前準備
以下を確認してください。
管理LANと業務LANの構成が設計済みである
管理LANのネットワーク環境が設定済みである
管理LANに接続する仮想スイッチが設計、設定済みである
IBPを利用する場合
仮想L-Serverの場合、VIOMに関係なく業務LANと管理LANで使用するIBPのアップリンクセットを1つずつ作成したあと、VMホストに接続してください。
アップリンクセットの名前とネットワークリソースの名前を同じにする必要はありません。
ポイント
VMwareの仮想スイッチについては、本製品が自動設定するため、設定は必要ありません。
L-Serverのサーバ間の移動(マイグレーション)を利用する場合、各VMホストで、VMotion用にVMkernelポートグループを構成してください。
VMkernelポートグループの構成については、ヴイエムウェア社の「vSphere 基本システム管理」の記述を参照してください。
以下のWebサイトから該当するバージョンのドキュメントを参照してください。
vSphere 基本システム管理
URL: http://www.vmware.com/jp/support/pubs/vs_pubs.html (2012年2月時点) |
分散仮想スイッチ(VMware vDS)を利用する場合
本製品では、事前に手動で設定した分散仮想スイッチ(VMware vDS)のポートグループに、VM ゲストのNICとポートグループを接続できます。
VMware vDSを利用する場合、事前に以下の設定が必要です。
分散仮想スイッチのポートグループの作成
VMwareのマニュアルを参照して、手動で作成してください。
分散仮想スイッチのポートグループとVLAN IDの対応を定義
以下の分散仮想ネットワーク定義ファイルを作成して、ポートグループとVLAN IDを関連付けます。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
vnetwork_vmware.rcxprop
分散仮想ネットワーク定義ファイルは、1行ごとに以下の書式で記述してください。
"分散仮想スイッチのポートグループ名"=VLAN ID[,VLAN ID...] |
VLAN IDには、1~4094の整数が指定できます。連続した数値を指定する場合、"1-4094"のようにハイフン("-")を使用してください。
例
"Network A"=10 |
イコール("=")やカンマ(",")の前後の空白は、無視されます。
分散仮想スイッチのポートグループ名は、大文字小文字の違いを含めて正しく記述してください。
文字コードは、UTF-8にしてください。
同じ分散仮想スイッチのポートグループ名の行が複数あった場合、すべての行の指定が有効になります。
異なる分散仮想スイッチのポートグループ名の行に同じVLAN IDが含まれていた場合、先に記述された行のVLAN IDだけが有効になります。
分散仮想スイッチ使用設定ファイルの配置
分散仮想スイッチ使用設定ファイルを配置します。以下のフォルダーを作成し、空のファイルを配置してください。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\vm
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/vm
vds_vc
ネットワーク自動設定の選択対象から除外するポートグループ定義を利用する場合
VMware除外ポートグループ定義ファイルに、ネットワークの自動設定から除外するポートグループ名を設定すると、サービスコンソールやVMkernelネットワークに設定されているVLANと仮想スイッチ上のポートグループに同一のVLANが設定されている場合でも、L-Serverを作成できます。
VMware除外ポートグループ定義を利用する場合、事前に以下の設定が必要です。
管理対象サーバ上に、同じVLAN IDを使用するサービスコンソール(またはVMkernel)と仮想スイッチ上のポートグループを作成します。
VMwareのマニュアルを参照して、手動で作成してください。
VMware除外ポートグループ定義ファイルを作成し、除外するポートグループ名として、手順1.で作成したサービスコンソールの名前を定義します。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
vnetwork_excluded_vmware.rcxprop
VMware除外ポートグループ定義ファイルは、1行ごとに以下の書式で記述してください。
除外するポートグループ名 |
例
Service Console |
行頭に"#"を指定した場合、コメント行とみなされ無視されます。
空行は無視されます。
除外するポートグループ名は、大文字小文字の違いを含めて正しく記述してください。
文字コードは、UTF-8にしてください。
除外するポートグループ名は、1行ごとに先頭から改行コードまでを1つの名前として扱います。
同じ除外するポートグループ名の行が複数あった場合、すべての行の指定が有効になります。
注意
ネットワーク自動設定の選択対象から除外するポートグループ定義を利用する場合、以下の点に注意してください。
サービスコンソールやVMkernelネットワークのVLANは管理LANです。同じVLANを使用する業務LANを許容することになるため、セキュティのリスクが高まります。
このため、セキュリティは必要なく、システム構成上、同じVLANを使用する利用者向けに提供するものであり、セキュリティのリスクを考慮したうえ、インフラ管理者の判断で利用可否を検討してください。
L-Serverの生存監視(ハートビート監視)を行う場合
本製品の生存監視機能は、VMware HAの"仮想マシンの監視"機能を利用しています。そのため、以下を設定してください。
VMware クラスタの構成
L-Serverを運用するVMホストで、VMwareクラスタを構成します。
VMware HAの設定
1.のVMwareクラスタで、VMware HAを有効化します。
業務LANからのコンソール接続を利用する場合
業務LANからのコンソール接続を利用する場合、以下の手順に従って設定してください。詳細な設定方法については、VM管理製品のマニュアルを参照してください。
VM管理製品で、業務LANに接続するための仮想スイッチを作成します。
VM管理製品で、作成した仮想スイッチにService ConsoleまたはVMKernel用のポートグループを作成します。
VMware ESXを利用する場合
Service Console用のポートグループを作成します。
VMware ESXiを利用する場合
VMKernel用のポートグループを作成します。
Service ConsoleまたはVMkernel用のポートグループを作成する際に、VMホストのIPアドレスとVLAN IDを接続先の業務LANに合わせて設定してください。複数のネットワークリソースを業務LAN用に使用する場合、各リソースに対応するService ConsoleまたはVMKernel用のポートグループを作成し、IPアドレス、VLAN IDを適切に設定してください。
本製品で、ネットワークの自動設定から除外するポートグループを設定します。
業務LANに相当するネットワークリソースのVLAN IDと、Service ConsoleまたはVMKernel用のポートグループのVLAN IDが重複することがあります。このため、ネットワークの自動設定から除外するポートグループに、手順2.で作成したService ConsoleまたはVMKernel用のポートグループを定義してください。
詳細は、「ネットワーク自動設定の選択対象から除外するポートグループ定義を利用する場合」を参照してください。
本製品で、割当て対象外のIPアドレスを設定します。
業務LANに相当するネットワークについて、手順2.で業務LAN用に設定したVMホストのIPアドレスを割り当て対象外に設定してください。
詳細は、以下を参照してください。
「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「3.6 ネットワークリソースの仕様変更」
「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「7.3.1 ネットワークリソースを新規に作成」