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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.2 運用ガイド
ETERNUS

8.2.1 概要

8.2.1.1 Exchangeデータベースのバックアップ

富士通ストレージシステム ETERNUSのアドバンスト・コピー機能をVSSと連携させることにより、Exchangeデータベースの高速オンラインバックアップを実現します。

Exchange Server 2010データベースまたはExchange Server 2013データベースをバックアップする場合、ウィザードを使用して簡単にバックアップの設定ができます。詳細は、「8.4 バックアップウィザード(for Exchange Server)によるバックアップ」を参照してください。

Exchangeデータベースのバックアップデータには、Exchangeデータベースを構成する以下のファイルのバックアップが含まれます。

オンラインバックアップ

VSSと連携して、Exchangeデータベースのオンラインバックアップを行います。

アドバンスト・コピー(OPC、QuickOPC)によるバックアップ

アドバンスト・コピー(OPC、QuickOPC)により、Exchangeサーバに負担をかけずに瞬時にバックアップを作成します。

※本機能ではETERNUS VSS Hardware Provider 2.0.xを使用し、他社のプロバイダおよびAdvancedCopy Manager のWindows Server 2003向けパッケージに同梱されているETERNUS用ハードウェアプロバイダは使用しません。

バックアップサーバへのバックアップ

VSSのシャドウコピーのトランスポート(輸送)機能を使用することにより、バックアップサーバに接続されたディスク上にバックアップ(シャドウコピー)を作成します。これにより、Exchangeサーバに負荷をかけることなくテープへのバックアップを行うことができます。

図8.30 Exchangeデータベースのバックアップの処理イメージ

表8.9 Exchangeサーバとバックアップサーバの機能

サーバ

コンポーネント

説明

Exchangeサーバ

Exchangeライタ

Exchangeライタ。

ACMリクエスタ

AdvancedCopy Managerが提供するExchange用リクエスタ。Exchangeのバックアップ/リストア機能を提供します。

ETERNUS VSSHP

ETERNUS VSS Hardware Provider。アドバンスト・コピー機能によるシャドウコピー作成機能を提供します。

バックアップサーバ

ESEUTIL

Exchangeデータベースの整合性検証・修復ユーティリティ。

バックアップデータの整合性確認のため、ACMリクエスタによって使用されます。

ACMリクエスタ

AdvancedCopy Managerが提供するExchange用リクエスタ。Exchangeサーバ上のACMリクエスタからの指示によりシャドウコピーの管理(状態確認、削除)を行います。

ETERNUS VSSHP

ETERNUS VSS Hardware Provider。アドバンスト・コピー機能によるシャドウコピー作成機能を提供します。

8.2.1.2 Exchangeデータベースのリストア

富士通ストレージシステム ETERNUSのアドバンスト・コピー機能をVSSと連携させることにより、Exchangeデータベースのオンラインバックアップデータからのリストアを実現します。

図8.31 Exchangeデータベースのリストアの処理イメージ

VSSではリストア処理のファイルコピーではプロバイダは使用せず、リクエスタが必要なファイルをリストアします。

リクエスタは既存機能(「12.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)」)を使用してリストアを行います。

オンラインバックアップデータからのリストア

VSSと連携することによりオンラインバックアップデータからのリストアを行います。

注意

Exchange Serverでは元のパスとは異なる場所へリストアする機能がサポートされていますが、この機能はAdvancedCopy Managerではサポートされません。すなわち、AdvancedCopy Managerで選択可能なリストア先は元のディスクだけです。

OPCによる高速リストア

リストアにおいてもアドバンスト・コピー(OPC)を使用することによって、Exchangeサーバに負担をかけることなく、迅速な業務再開を実現します。

8.2.1.2.1 Point-in-timeリストア

Point-in-timeリストアでは、Exchange データベースとログファイルのリストアを行い、データベースをバックアップ時点の状態に復旧します。バックアップ後に作成されたデータはリストアされません。

8.2.1.2.2 ロールフォワードリストア

ロールフォワードリストアでは、前回のバックアップデータと現在残っているトランザクションログを使用することにより、データベースを最新時点まで復旧します。この方式は、データベースは破損しているがログファイルは正常である場合に使用できます。データベースとログファイルが両方破損している場合は、使用できません。