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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.2 運用ガイド
ETERNUS

8.1.1 概要

8.1.1.1 Exchangeデータベースのバックアップ

富士通ストレージシステム ETERNUSのアドバンスト・コピー機能をVSSと連携させて、Exchangeデータベースの高速オンラインバックアップを実現します。

Exchangeデータベースのバックアップデータには、Exchangeデータベースを構成する以下のファイルのバックアップが含まれます。

オンラインバックアップ

VSSと連携して、Exchangeデータベースをオンラインバックアップします。

アドバンスト・コピー(OPC/EC、REC、QuickOPC)によるバックアップ

アドバンスト・コピー(OPC/EC、REC、QuickOPC)により、Exchangeサーバに負担をかけずに瞬時にバックアップを作成します。

※本機能ではETERNUS用ハードウェアプロバイダだけを使用し、他社のプロバイダは使用しません。

注意

  • 本機能では、RECを以下の動作モードで実行します。

    • 転送モード=同期

    • Splitモード=Automatic Split

    • Recoveryモード=Automatic Recovery

  • Exchange Server 2007の場合、EC/RECによるバックアップはサポートされません。

バックアップサーバへのバックアップ

VSSのシャドウコピーのトランスポート(輸送)機能を使用して、バックアップサーバに接続されたディスク上にバックアップ(シャドウコピー)を作成します。このため、Exchangeサーバに負荷をかけずに、テープへバックアップできます。

図8.1 Exchangeデータベースのバックアップの処理イメージ

表8.2 Exchangeサーバとバックアップサーバの機能

サーバ

コンポーネント

説明

Exchangeサーバ

Exchangeライタ

Exchangeライタです。

ACMリクエスタ

AdvancedCopy Managerが提供するExchange用リクエスタです。
Exchangeのバックアップ/リストア機能を提供します。

ETERNUSプロバイダ

ETERNUS用ハードウェアプロバイダです。
アドバンスト・コピー機能(OPC/EC、REC、QuickOPC)によるシャドウコピー作成機能を提供します。

バックアップサーバ

ESEUTIL

Exchangeデータベースの整合性検証・修復ユーティリティです。
バックアップデータの整合性確認のため、ACMリクエスタによって使用されます。

ACMリクエスタ

AdvancedCopy Managerが提供するExchange用リクエスタです。
Exchangeサーバ上のACMリクエスタからの指示で、シャドウコピーを管理(状態確認、削除)します。

ETERNUSプロバイダ

ETERNUS用ハードウェアプロバイダです。
コピー先ディスク(LUN)を管理します。

8.1.1.2 Exchangeデータベースのリストア

富士通ストレージシステム ETERNUSのアドバンスト・コピー機能をVSSと連携させて、Exchangeデータベースのオンラインバックアップデータからのリストアを実現します。

オンラインバックアップデータからのリストア

VSSと連携して、オンラインバックアップデータからのリストアを行います。

注意

Exchange Server 2007では元のパスとは異なる場所へリストアする機能がサポートされていますが、この機能はAdvancedCopy Managerではサポートされません。すなわち、AdvancedCopy Managerで選択可能なリストア先は元のディスクだけです。

OPC/EC/RECによる高速リストア

リストアにおいてもアドバンスト・コピー(OPC/EC/REC)を使用することで、Exchangeサーバに負担をかけずに、迅速な業務再開を実現します。

※VSSでは、リストア処理のファイルコピーではプロバイダは使用せず、リクエスタが必要なファイルをリストアします。

リクエスタは、既存機能(「12.4.2.1 swsrpstartsync(複製開始コマンド)」、「12.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)」)を使用してリストアを行います。

図8.3 スナップショット型リストア(OPCによるリストア)

図8.4 同期型リストア(EC/RECによるリストア)

8.1.1.2.1 Point-in-timeリストア

Point-in-timeリストアでは、Exchange データベースとログファイルをリストアし、データベースをバックアップ時点の状態に復旧します。バックアップ後に作成されたデータはリストアされません。

8.1.1.2.2 ロールフォワードリストア

ロールフォワードリストアでは、前回のバックアップデータと現在残っているトランザクションログを使用することで、データベースを最新時点まで復旧します。この方式は、データベースは破損しているがログファイルは正常である場合に使用できます。データベースとログファイルが両方破損している場合は、使用できません。