Linkexpress クラスタシステム導入説明書
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第5章 Microsoft Cluster Serverシステムにおける設定と運用> 5.1 Windows上の設定と運用

5.1.3 作業手順

ここではMSCSクラスタへLinkexpressを導入する手順について説明します。

■新規インストール(1:1運用待機)

1:1運用待機の場合、以下の手順で作業を行います。

  1. 事前準備

    MSCSクラスタで動作させるための資源の確保を行います。"5.1.3.1 事前準備"を参照してください。

  2. Linkexpressのインストール(運用ノード)

    Linkexpressのインストールを行います。"5.1.3.2 Linkexpressのインストール"を参照してください。

  3. Linkexpressの環境設定(運用ノード)

    Linkexpressの環境設定を行います。"5.1.3.3 Linkexpressの環境設定"を参照してください。

  4. Linkexpressのインストール(待機ノード)

    Linkexpressのインストールを行います。"5.1.3.2 Linkexpressのインストール"を参照してください。

  5. Linkexpressの環境設定(待機ノード)

    Linkexpressの環境設定を行います。"5.1.3.3 Linkexpressの環境設定"を参照してください。

  6. Microsoft Cluster Serverへの登録

    Microsoft Cluster ServerにLinkexpressを登録します。"5.1.3.4 Microsoft Cluster Serverへの登録"を参照してください。

  7. Linkexpressのサービス起動確認

    MSCSクラスタに登録したLinkexpressのサービスが起動することを確認します。"5.1.3.5 Linkexpressのサービス起動確認"を参照してください。

■アンインストール

MSCSクラスタからLinkexpressをアンインストールする方法は"5.1.3.6 Linkexpressのアンインストール"を参照してください。

5.1.3.1 事前準備

MSCSクラスタにLinkexpressをインストールする前に、MSCSクラスタの動作環境として以下の資源を確保してください。詳細はMicrosoft Cluster Serverのマニュアルを参照してください。

備考.
LinkexpressはDNSに対応していません。IPアドレスはhostsファイルに記述してください。その場合のホスト名は、MSCSクラスタのネットワーク名のリソースで設定する名前と同一となります。

5.1.3.2 Linkexpressのインストール

MSCSクラスタへのLinkexpressのインストールでは、通常のインストールと差異があります。以下の手順に従ってインストールしてください。

運用待機におけるインストール方法

インストール手順

5.1.3.3 Linkexpressの環境設定

LinkexpressをMSCSクラスタで運用する場合、独自の環境設定が必要です。以下に示す定義の変更点を反映し、定義の登録を行ってください。
なお、簡易導入機能(Linkexpress V5.0L10相当でサポート)による簡易導入モードの場合、ネットワーク定義、およびサーバグループ定義の作成は不要です。

■定義の相互関について

再配置可能IPアドレスの影響範囲とネットワーク定義に追加するオペランドの設定を1:1運用待機の例で示します。以下の例ではMSCSクラスタ側で使用するIPアドレスaaa.bb.cc.dddに対してnodeAというネットワーク名を対応づけています。

運用ノード

待機ノード

接続相手システム

■各種定義の設定について

hostsファイル、およびLinkexpressの各種定義に対するMSCS固有の設定は以下のとおりです。

◆hostsファイの設定

運用ノード

リソース・グループで設定したIPアドレスと、対応するネットワーク名を指定してください。ここで設定するネットワーク名を自システムの情報として、動作環境定義とネットワーク定義に反映してください。

待機ノード

運用ノードと同様にリソース・グループで設定したIPアドレスと、対応するネットワーク名を追加してください。また、運用ノードの接続相手システムのIPアドレスとネットワーク名も追加します。

接続相手システム

接続相手システムのhostsファイルにはMSCSクラスタの運用ノードに追加したIPアドレスと、対応するネットワーク名を設定してください。また、hostsファイルに設定したネットワーク名は相手システムの情報としてネットワーク定義とサーバグループ定義に反映します。

なお、hostsファイルの書き換えはMSCSクラスタに接続するLinkexpressクライアントに対しても、行う必要があります。

◆動作環境定の設定

運用ノード

動作環境定義の自サーバ名(SERVER-NAMEキーワード)には、hostsファイルに設定したIPアドレスに対応するネットワーク名を指定してください。環境定義ユーティリティでは、自サーバに関するサーバ単位の環境定義(自サーバ名)として示されます。

◆ネットワーク定の設定

運用ノード

comdef定義命令に以下のオペランドを追加してください。オペランドの詳細については、ネットワーク定義の説明を参照してください。

path定義命令に以下のオペランドを指定してください。

接続相手システム

node定義命令にMSCSクラスタ側の情報として以下のオペランドを指定してください。

◆サーバグループ定の設定

接続相手システム

接続相手システムにMSCSクラスタ側の情報を設定する場合には、相手システム名の箇所にhostsファイルに設定したIPアドレスに対応するネットワーク名を設定してください。

環境定義ユーティリティでは、自サーバに関するサーバ単位の環境定義(自サーバ名)として示されます。

■システム環境変の設定

運用ノード

Linkexpressがリカバリモードで動作するようにシステム環境変数"LXCLSTMODE"に"yes"を設定してください。

待機ノード

Linkexpressがリカバリモードで動作するようにシステム環境変数"LXCLSTMODE"に"yes"を設定してください。

5.1.3.4 Microsoft Cluster Serverへの登

クラスタアドミニストレータを使用して、以下のリソースを構成としたグループを作成します。

Microsoft Cluster Serverの場合

なお、ネットワーク名の依存関係には、IPアドレスを指定してください。

Linkexpressのリソースを汎用サービスとして登録する方法を以下に示します。

  1. Linkexpressのリソースを追加するグループを選択し、[ファイル]−[新規作成]−[リソース]を選択します。
  2. [新しいリソース]画面で、[名前]に任意の名前を指定し、[リソースの種類]から[汎用サービス]を選択します
  3. [実行可能な所有者]画面で、実行可能な所有者を指定します
  4. [依存関係]画面で、物理ディスクとネットワーク名を追加します
  5. [汎用サービスパラメータ]画面で、サービス名に"Linkexpress"を指定します。
    起動パラメータの指定は不要です。
  6. [レジストリレプリケーション]画面で、<完了>ボタンをクリックします。

フェールオーバー クラスタリングの場合

Linkexpressのリソースを汎用サービスとして登録する方法を以下に示します。

  1. Linkexpressのリソースを追加するグループを選択し、[リソースの追加]から[汎用サービス]を選択し、[新しいリソースウィザード]が表示されます。
  2. [サービスの選択]ページで、登録するサービスを選択します。"Linkexpress"を選択します。
  3. [次へ]ボタンをクリックすると、[確認]ページが表示されます。設定内容を確認し、[次へ]ボタンをクリックするとクラスタが作成されます。[概要]ページが表示されたら、クラスタの作成は完了です。[完了]ボタンをクリックし、新しいリソースウィザードを終了します。
  4. 登録したサービスを右クリックしてプロパティを表示し、[全般]画面で、リソース名(任意)を設定します。
  5. 登録したサービスを右クリックしてプロパティを表示し、[依存関係]画面で、物理ディスクとIPアドレスを追加します。

5.1.3.5 Linkexpressのサービス起動確認

クラスタアドミニストレータを使用して、Linkexpressの汎用サービスリソースを含むリソース・グループをオンラインにし、Linkexpressが正常に起動されるかを確認します。

なお、Linkexpressが正常に起動されても、起動完了を通知するメッセージの後に以下のメッセージが1〜3個出力される場合があります。メッセージで表示された通信パスを使用する予定がない場合は問題ありません。

FL20010:ネットワーク定義にLinkexpressの応用プログラム名が定義されていません
- 応用プログラム名(@_LEXPJB)

5.1.3.6 Linkexpressのアンインストー

MSCSクラスタ上にインストールされたLinkexpressおよびHsconvをアンインストールする場合、事前にMSCSクラスタからLinkexpressのリソースを削除する必要があります。その後、物理ディスクリソースをオンラインにし、共有ディスクを使用可能にしてアンインストールを行います。

◆MSCSクラスタからのLinkexpressのリソース削除

クラスタアドミニストレータを使用して、"5.1.3.4 Microsoft Cluster Serverへの登録"で登録したLinkexpressのリソースをMSCSクラスタから削除します。

Microsoft Cluster Serverの場合

登録したLinkexpressのリソースを選択し、[ファイル]−[削除]を選択します。

フェールオーバー クラスタリングの場合

登録したLinkexpressのリソースを選択し、[このサービスまたはアプリケーションをオフラインにする]を選択します。登録したLinkexpressのリソースがオフラインになっていることを確認し、[削除]を選択します。

◆共有ディスクのオンラインおよびアンインストール

運用ノード

クラスタアドミニストレータを使用して、共有ディスクへの書き込みが可能となるよう、物理ディスクリソースをオンラインにしてからアンインストールを行ってください。

待機ノード

クラスタアドミニストレータを使用して、待機ノードからの共有ディスクへの書き込みが可能となるよう、グループの移動により待機ノードに対して物理ディスクリソースをオンラインにしてからアンインストールを行ってください。

5.1.3.7 Linkexpressのプロセス監 

MSCSクラスタでは、Linkexpressの停止を検出するとクラスタの切り替えが発生します。定義変更のためにLinkexpressを停止する場合は、Linkexpressの汎用サービスリソースをオフラインにした後、定義の登録を行ってください。定義登録後はオンラインに戻してください。


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