Linkexpress クラスタシステム導入説明書 |
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第4章 MC/ServiceGuardシステムにおける設定と運用 | > 4.1 HP-UX上の設定と運用 |
ここでは、MC/ServiceGuardクラスタへLinkexpressを導入する手順について説明します。
1:1アクティブ/待機の場合、以下の手順で作業を行います。
MC/ServiceGuardクラスタで動作するための資源の確保を行います。"4.1.3.1 事前準備"を参照してください。
Linkexpressのインストールおよび起動確認を行います。"4.1.3.2 Linkexpressのインストール"を参照してください。
Linkexpressの環境設定を行います。"4.1.3.3 Linkexpressの環境設定"を参照してください。
Linkexpressのインストールおよび起動確認を行います。"4.1.3.2 Linkexpressのインストール"を参照してください。
Linkexpressの環境設定を行います。"4.1.3.3 Linkexpressの環境設定"を参照してください。
SAMまたはMC/ServiceGuardコマンドを使ってパッケージ構成を設定します。"4.1.3.4 パッケージ構成の設定"を参照してください。
パッケージ制御スクリプトをカスタマイズし、Linkexpressのサブプロシジャを登録します。"4.1.3.5 パッケージ制御スクリプトの"、"4.1.3.6 サブプロシジャの登録"を参照してください。
ノード間で共有する必要のあるLinkexpressの資源を共有データ・ディスクへ移動します。"4.1.3.7 Linkexpressの資源を共有データ・ディスクへ移動"を参照してください。
登録したパッケージが起動することを確認します。「MC/ServiceGuardの管理」を参照してください。
MC/ServiceGuardクラスタからLinkexpressをアンインストールする方法は"4.1.3.8 Linkexpressのアンインストール"を参照してください。
MC/ServiceGuardクラスタにLinkexpressをインストールする前に、MC/ServiceGuardクラスタの動作環境として以下の資源を確保してください。詳細は「MC/ServiceGuardの管理」を参照してください。
パッケージのインストールおよび各種定義作業を行い、LinkexpressがMC/ServiceGuardクラスタの設定をしていない通常のシステム構成で起動できるか確認します。パッケージのインストールについてはソフトウェア説明書を参照してください。
Linkexpressの起動に失敗した場合は、システムパラメタの設定が適切でない可能性があります。ソフトウェア説明書を参照して、システムパラメタの設定を確認してください。
Linkexpressの起動を確認します。
lxstrsys |
なお、Linkexpressの起動完了を通知するメッセージの後に以下のメッセージが1〜3個出力される場合があります。メッセージで表示された通信パスを使用する予定がない場合は問題ありません。
FL20010:ネットワーク定義にLinkexpressの応用プログラム名が定義されていません |
Linkexpressの起動を確認した後は、停止処理を行ってください。
lxstpsys |
LinkexpressをMC/ServiceGuardクラスタで運用する場合、hostsファイルに設定した再配置可能IPアドレスの情報をLinkexpressの環境定義に反映する必要があります。また、ネットワーク定義にはMC/ServiceGuardクラスタで運用するための、固有の設定を追加する必要があります。
以下に示す定義の変更点を反映し、定義の登録を行ってください。
再配置可能IPアドレスの影響範囲とネットワーク定義に追加するオペランドの設定を1:1アクティブ/待機モデルの例で示します。以下の例では、MC/ServiceGuardクラスタ側で使用する再配置可能IPアドレスaaa.bb.cc.dddに対してnodeAというホスト名を対応づけています。
hostsファイル、およびLinkexpressの各種定義に対するMC/ServiceGuard固有の設定は以下のとおりです。
再配置可能IPアドレスと、対応するホスト名を追加してください。ここで設定するホスト名を自システムの情報として、動作環境定義とネットワーク定義に反映してください。
運用ノードと同様に再配置可能IPアドレスと、対応するホスト名を追加してください。また、アクティブ・ノードの接続相手システムのIPアドレスとホスト名も追加します。
接続相手システムのhostsファイルには、MC/ServiceGuardクラスタのアクティブ・ノードに追加した再配置可能IPアドレスと、対応するホスト名を設定してください。また、hostsファイルに設定したホスト名は相手システムの情報としてネットワーク定義とサーバグループ定義に反映します。
なお、hostsファイルの書き換えは、MC/ServiceGuardクラスタに接続するLinkexpressクライアントに対しても、行う必要があります。
動作環境定義の自サーバ名(SERVER-NAMEキーワード)には、hostsファイルに設定した再配置可能IPアドレスに対応するホスト名を指定してください。環境定義ユーティリティでは、自サーバに関するサーバ単位の環境定義(自サーバ名)として示されます。
comdef定義命令に以下のオペランドを追加してください。オペランドの詳細については、ネットワーク定義の説明を参照してください。
オペランドの値としてhostsファイルに設定した、再配置可能IPアドレスに対応するホスト名を指定してください。環境定義ユーティリティでは、自サーバの設定情報(引継ぎホスト名)として示されます。
オペランドの値としてyesを指定してください。環境定義ユーティリティでは、自サーバの設定情報(データ保証の有無)として示されます。
path定義命令に以下のオペランドを指定してください。
Linkexpress V4.0L10相当以前の場合は、必ずrecvtimeオペランドを指定してください。推奨値は"3"です。Linkexpress V5.0L10相当以降の場合、recvtimeオペランドを省略すると"3"が採用されるため、recvtimeオペランドの指定は必須ではありません。なお、環境定義ユーティリティでは、通信パスの設定情報(相手側応答監視時間)として示されます。
node定義命令にMC/ServiceGuardクラスタ側の情報として以下のオペランドを指定してください。
オペランドの値としてhostsファイルに設定した再配置可能IPアドレスに対応するホスト名を指定してください。環境定義ユーティリティでは、相手システムの設定情報(相手システム名)として示されます。
接続相手システムにMC/ServiceGuardクラスタ側の情報を設定する場合には、相手システム名の箇所にhostsファイルに設定した再配置可能IPアドレスに対応するホスト名を設定してください。
環境定義ユーティリティでは、自サーバに関するサーバ単位の環境定義(自サーバ名)として示されます。
MC/ServiceGuardクラスタで動作するためパッケージ構成を、SAMまたはMC/ServiceGuardコマンドを使って設定します。パッケージ構成については、「MC/ServiceGuardの管理」を参照してください。
パッケージ構成のパラメタについて、Linkexpressを1:1アクティブ・待機モデルで運用する場合の設定例を説明します。
SAMでパッケージ構成を設定する場合の設定例は、以下の表を参照してください。
項番 |
パラメータ |
設定値 |
説明 |
1 |
Package Name |
lnkexp |
クラスタ内で重複しない名前を付けます。ここでは、"lnkexp"としています。 |
2 |
Package Failover Policy |
Configured Node |
フェールオーバをNode Nameで指定される順に行うための設定です。 |
3 |
Package Failback Policy |
Manual |
フェールバックを手動で行うための設定です。業務が起動されている状態でフェールバックを行うと、業務は異常中断または異常完了となります。これを避けるためには、起動されている業務の完了後、手動でフェールバックしてください。 |
4 |
Node Name |
[アクティブ・ノード名] |
アクティブ・ノード、待機ノードの順に設定します。 |
5 |
Control Script Pathname |
/etc/cmcluster/lnkexp/control.sh |
パッケージ制御スクリプトのパス名を設定します。ここでは、/etc/cmcluster/lnkexp配下にcontrol.shというファイル名でパッケージ制御スクリプトを設定しています。パッケージ制御スクリプトについては、"4.1.3.5 パッケージ制御スクリプトの"を参照してください。 |
6 |
Run Script Timeout and Halt Script Timeout |
0 |
スクリプトのタイムアウト時間を設定します。ここでは、タイムアウトなしとしています。 |
7 |
Subnet |
[IPサブネット] |
パッケージで監視するIPサブネットを設定してください。 |
8 |
Automatic Switching |
Enabled |
障害が発生したときに、引き継ぎノードでLinkexpressを自動的に起動するための設定です。 |
9 |
Local Switching |
Enabled |
LANカードに障害が発生したときに、待機LANカードへ切替える設定です。 |
10 |
Package Fail Fast Enabled |
Disabled |
設定をEnableにすると、障害発生事にTOCが実行されます。 |
MC/ServiceGuardコマンドでパッケージ構成を設定する場合の例を次に説明します。なお、MC/ServiceGuardコマンドについては、「MC/ServiceGuardの管理」を参照してください。
Linkexpressのパッケージ構成を格納するディレクトリを作成します。以下の例ではディレクトリ名を"lnkexp"としています。
mkdir /etc/cmcluster/lnkexp |
パッケージ構成テンプレートを生成します。以下の例ではテンプレートのファイル名を"lnkexp.cnf"としています。
cmmkpkg -p /etc/cmcluster/lnkexp/lnkexp.conf |
生成されたテンプレートをvi等のエディタで編集します。パラメタの設定例について、パッケージ構成ファイルから抜粋したものを以下に示します。設定している値については、表"SAMのパラメータと設定値の例"と同じ内容です。
PACKAGE_NAME lnkexp |
パッケージ制御スクリプトには、Linkexpressの運用に関する切替え処理を行うためのプロシジャ(lnkexp.sh)を記述します。プロシジャ(lnkexp.sh)は、次に示すディレクトリに格納されています。
/opt/FHPlnkexp/bin/lnkexp.sh |
パッケージ制御スクリプトの設定例を以下に示します。なお、パッケージ制御スクリプトについては、「MC/ServiceGuardの管理」を参照してください。
SAMでパッケージ制御スクリプトをカスタマイズする場合、"CUSTOMER DEFINED FUNCTIONS"セクションにLinkexpressのプロシジャ(太字部分)を追加してください。
# START OF CUSTOMER DEFINED FUNCTIONS |
MC/ServiceGuardコマンドでパッケージ制御スクリプトを設定する場合の例を、次に説明します。
パッケージ制御スクリプトのファイル名を"control.sh"として、テンプレートを生成します。
cmmkpkg -s /etc/cmcluster/lnkexp/control.sh |
生成されたテンプレートをエディタで編集します。"SAMで設定する場合の例"と同様に、"CUSTOMER DEFINED FUNCTIONS"セクションにLinkexpressのプロシジャ(太字部分)を追加してください。
# START OF CUSTOMER DEFINED FUNCTIONS |
Linkexpressでは、再配置可能IPアドレスを利用することで、相手システムはアクティブ・ノードと待機ノードを意識することなくファイル転送を行うことができます。パッケージ制御スクリプトの"IP Addresses and SUBNETs"には、Linkexpressが使用する再配置可能IPアドレスとサブネットを設定してくさい。
フェールオーバによってLinkexpressが業務再開されたあと、業務やDBサービスの再開を自動的に行うためには、サブプロシジャの登録を行います。サブプロシジャには、以下の2種類があります。
項番 |
サブプロシジャ名 |
処理内容 |
サブプロシジャの格納先ディレクトリ |
1 |
業務の再開(work.sh) |
業務キャンセル・開始、または、リカバリモードで業務再開 |
/opt/FHPlnkexp/MANAGER |
2 |
DBサービスの再開(dbsv.sh) |
DBサービスをリセット |
/opt/FHPlnkexp/MANAGER |
サブプロシジャのサンプルは以下のディレクトリに格納されています。
/opt/FHPlnkexp/SAMPLE/CLUSTER |
業務の再開(work.sh)とDBサービスの再開(dbsv.sh)サブプロシジャの登録は、アクティブ・ノードで行います。ノード切替え時に業務再開させる業務がある場合に作成、登録してください。
サブプロシジャの登録は、サブプロシジャのサンプルを格納先ディレクトリに複写することにより行われます。以下の手順で行ってください。
◆業務の再開(work.sh)とDBサービスの再開(dbsv.sh)サブプロシジャのサンプルを格納先ディレクトリに複写します。
◆複写したサブプロシジャを、vi等のエディタを利用して自システムの運用に合わせてカスタマイズします。
サブプロシジャの登録操作の手順を以下に示します。
(1. サブプロシジャのサンプルを、格納先ディレクトリに複写します。) |
業務定義やDBサービスを新しく作成した場合の、サブプロシジャの編集方法について説明します。
work.shは、ノードダウンなどによって中断された業務を、切替え後に、自動的に再実行するためのシェルスクリプトです。切替え時の再実行では、業務再開コマンドをrecoveryモードで記述します。recoveryモードについては、lxrrnwrkコマンドの説明を参照してください。中断された業務を再実行する記述例を以下に示します。
中断された業務をすべて再実行する場合
# WORK RECOVERY SECTION |
注) 業務は中断されたイベントから再開できるよう設計する必要があります。
特定の業務(GYOUMU01,GYOUMU02)を先頭イベントから再実行する場合
# WORK RECOVERY SECTION |
注) 特定の業務と中断された業務を再実行する場合は、中断された業務再実行よりも先に特定業務の再実行を行う必要があります。
DBサービスを実行している最中にノードダウン等が発生すると、DBサービスの状態に不整合が生じ、切替え後にDBサービスを継続できない場合があります。dbsv.shはDBサービスの状態を復旧するためのシェルスクリプトです。DBサービスを復旧する記述例を以下に示します。
# DB SERVICE RECOVERY SECTION |
ノード間で共有する必要のあるLinkexpressの管理情報を共有データ・ディスク上に移動します。共有データ・ディスクにアクセスするために、事前に以下の作業を行ってください。
共有データ・ディスクにアクセス可能な状態にしてから、アクティブ・ノード、待機ノードのそれぞれで、次に示す操作手順を実行してください。なお、操作の際は、スーパーユーザーの権限で実行してください。
cmhaltpkg lnkexp |
注)太字部"lnkexp"は、パッケージ構成のPackage Nameに設定したパッケージ名を指定します。
/opt/FHPlnkexp/bin/lxclsetup -m 共有データ・ディスクのマウントポイント -S |
MC/ServiceGuardクラスタではLinkexpressのアンインストール時に、通常のアンインストールの前に以下のシェルスクリプトを実行する必要があります。
/opt/FHPlnkexp/bin/lxclsetup |
以下のオプションで実行してください。
lxclsetup -r |
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