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ETERNUS SF Express 15.2/ Storage Cruiser 15.2/ AdvancedCopy Manager 15.2 バージョンアップガイド
ETERNUS

8.4.2 クラスタ環境の場合のバージョンアップインストール

クラスタ運用をしている場合のバージョンアップインストール手順について説明します。

注意

本手順により、15.0Bから本バージョンレベルへバージョンアップ後、クラスタアンセットアップを実行しても、旧版のstgclsetで始まるコマンドにより作成されたクラスタリソースおよびスクリプトは削除されません。

8.4.2.1 バージョンアップインストール前の作業

AdvancedCopy Managerエージェントのバージョンアップインストールを実施する前に、行っておくべき作業について説明します。

  1. セカンダリノードで、管理対象サーバ業務が停止していることを確認します。

    管理対象サーバ業務が停止していない場合は、セカンダリノードで管理対象サーバ業務を停止します。
    停止方法は、使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照してください。

    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のセカンダリノードで本手順を実施します。

  2. プライマリノードで、管理対象サーバ業務を停止します。

    使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照して、管理対象サーバ業務を停止します。
    ただし、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクはマウントした状態にします。

    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで本手順を実施します。

  3. すべてのノードのローカル業務を停止します。

    以下のコマンドを実行します。

    # /opt/swstorage/bin/stopacm
  4. 環境およびデータをバックアップします。

    • プライマリノードとセカンダリノードで、システムをバックアップします。

    • プライマリノードで、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクをバックアップします。

    • 管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクをバックアップします。

    ポイント

    バージョンアップインストール中に異常が発生すると、インストール前の状態に戻すこと(ロールバック)ができません。

    このため、バージョンアップインストールの前には以下をバックアップすることを推奨します。

    • システム

    • 管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク

    バージョンアップインストール中に異常が発生し、元の状態に戻す場合は、バックアップからシステムを復元(リストア)してください。

8.4.2.2 バージョンアップインストール手順(プライマリノード)

プライマリノードで動作するAdvancedCopy Managerエージェントのバージョンアップインストール手順は、以下のとおりです。

  1. 作業を行うサーバに、root(スーパーユーザー)でログインします。

  2. 本バージョンレベルのDVD-ROM「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック エージェントプログラム & マニュアル」をDVD-ROMドライブに挿入します。

  3. DVD-ROMをマウントします。

    • Solaris環境の場合のマウント例

      # mount -F hsfs -o ro /dev/dsk/c0t4d0s0 <DVD-ROMマウントポイント>

      DVD-ROMドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVD-ROMドライブのデバイス名を「/dev/dsk/c0t4d0s0」としています。

    • RHEL5/RHEL6環境の場合のマウント例

      # mount /dev/cdrom <DVD-ROMマウントポイント>

      DVD-ROMドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVD-ROMドライブのデバイス名を「/dev/cdrom」としています。

  4. AdvancedCopy Managerエージェントをインストールします。

    以下のコマンドを実行して、AdvancedCopy Managerエージェントをインストールします。
    環境別ディレクトリは「表8.2 Solaris環境、RHEL5/RHEL6環境のディレクトリ」を参照してください。

    # cd <環境別ディレクトリ>
    # ./swsetup
    表8.2 Solaris環境、RHEL5/RHEL6環境のディレクトリ

    環境

    ディレクトリ

    Solaris

    <DVD-ROMマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/Solaris

    Red Hat Enterprise Linux 5 (for x86)

    <DVD-ROMマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel5_x86

    Red Hat Enterprise Linux 5 (for Intel64)で
    Symfoware連携機能を利用する場合

    Red Hat Enterprise Linux 5 (for Intel64)で
    Symfoware連携機能を利用しない場合

    <DVD-ROMマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel5_x64

    Red Hat Enterprise Linux 6 (for x86)
    Red Hat Enterprise Linux 6 (for Intel64)

    <DVD-ROMマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel6_x86

  5. インストール情報が表示されます。

    swsetup: Installer is preparing for installation...
    
    +-----------------------------------------------------------+
    |              ETERNUS SF AdvancedCopy Manager              |
    |                           15.2                            |
    |                  Copyright FUJITSU LIMITED 2012           |
    +-----------------------------------------------------------+
    
    
    Welcome to Setup.
    This program will install "AdvancedCopy Manager" on your system.
    
    
    Agent setup...
  6. バージョンアップインストールを問い合わせる以下のメッセージが出力されます。
    インストールを続行する場合は“y”、中断する場合は“q”を入力して、Enterキーを押します。

    An old version is installed in this system.
    Do you want to upgrade? [y,q]:
  7. 手順6で“y”を入力した場合は、バージョンアップインストールが開始されます。
    バージョンアップインストールに成功すると、以下のメッセージが表示されます。

    swsetup: AdvancedCopy Manager was installed successfully.
  8. 以下のコマンドを実行した後、インストールに使用したDVD-ROM媒体を装置から取り出します。

    # cd /
    # umount <DVD-ROMマウントポイント>

ポイント

バージョンアップインストールが異常終了した場合は、『ソフトウェア説明書』の「15.xからのバージョンアップにおける異常発生時の対処方法(Solaris版、Linux版)」を参照し、正常な状態に復旧してください。

8.4.2.3 バージョンアップインストール後の作業(プライマリノード)

プライマリノードのバージョンアップインストール後に、以下の作業を行います。

  1. プライマリノードで動作するAdvancedCopy Managerエージェントのバージョンアップインストール後に、以下の作業を行います。

    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで本手順を実施します。

    管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク上の、管理対象サーバ業務の環境設定ファイルを編集します。
    以下のファイルを編集します。

    • <管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/clsetup.ini

    • <管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/swstg.ini

    それぞれのファイル内のVersion情報を、置換後の文字列に変更します。

    15.0Bから15.2にバージョンアップする場合

    置換前のVersion情報

    置換後のVersion情報

    Version=V15.0

    Version=V15.2

    15.1から15.2にバージョンアップする場合

    置換前のVersion情報

    置換後のVersion情報

    Version=V15.1

    Version=V15.2

    注意

    Version行以外は、変更しないでください。

  2. ETERNUS SF Manager 15.0Bがインストールされていた環境の場合は、以下の作業を実施します。

    /opt/FJSVswstf/cluster/swcluster.iniのSystem=で始まる行を、以下のように編集します。

    System=GEN

    注意

    System=で始まる行以外は、変更しないでください。

8.4.2.4 バージョンアップインストール手順(セカンダリノード)

セカンダリノードでバージョンアップインストールをします。

バージョンアップの手順はプライマリノードと同じです。「8.4.2.2 バージョンアップインストール手順(プライマリノード)」を参照してください。

ポイント

本セカンダリノードが別の管理対象サーバ業務のプライマリノードを兼ねている場合は、プライマリノードとしてバージョンアップインストールを行っているため、本手順は不要です。

8.4.2.5 バージョンアップインストール後の作業(セカンダリノード)

ETERNUS SF Manager 15.0Bがインストールされていた環境の場合は、以下の作業を実施します。

/opt/FJSVswstf/cluster/swcluster.iniのSystem=で始まる行を、以下のように編集します。

System=GEN

注意

System=で始まる行以外は、変更しないでください。

8.4.2.6 管理対象サーバ業務の起動

バージョンアップインストール後に、以下の作業を行います。

  1. プライマリノードで、管理対象サーバ業務を開始します。

    使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照して、管理対象サーバ業務を開始します。

    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務に対して本手順を実施します。

  2. すべてのノードのローカル業務を起動します。

    以下のコマンドを実行します。

    # /opt/swstorage/bin/startacm
  3. 管理対象サーバ業務のサーバ情報を変更します。

    データの整合性を確保するために、stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)を使用してサーバ情報を変更します。
    -nオプションに管理対象サーバ名を指定して、stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)を実行します。
    本コマンドは、運用管理サーバで実行します。
    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務に対して本手順を実施します。

    なお、ローカル業務を運用しているノードがある場合は、対象のノードで本手順を実施してください。

    注意

    サーバ情報の変更は、コマンド実行用に新しく画面を起動し、その画面で実施してください。

    参照

    コマンドの詳細は、運用管理サーバのOSに対応する、本バージョンレベルの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)」を参照してください。