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ETERNUS SF Express 15.2/ Storage Cruiser 15.2/ AdvancedCopy Manager 15.2 バージョンアップガイド
ETERNUS

8.2.2 クラスタ運用の場合のバージョンアップインストール

クラスタ運用をしている場合のバージョンアップインストール手順について説明します。

注意

本手順により、15.0Bから本バージョンレベルへバージョンアップ後、クラスタアンセットアップを実行しても、旧版のstgclsetで始まるコマンドにより作成されたクラスタリソースおよびスクリプトは削除されません。

8.2.2.1 バージョンアップインストール前の作業

Solaris/Linux版AdvancedCopyマネージャーのバージョンアップインストールを実施する前に、行っておくべき作業について説明します。

  1. 必須パッケージのインストール
    バージョンアップインストールを実施する環境により、プライマリノード、セカンダリノードに必須パッケージのインストールが必要です。

    以下に、環境とパッケージを示します。インストールするパッケージの版数は記載されている版数以降にしてください。

    なお、以下に示す環境以外でバージョンアップインストールを実施する場合、本手順は不要です。

    • Red Hat Enterprise Linux 5 (for Intel64)で旧バージョンレベルの32bit版のAdvancedCopy Managerがインストールされている場合

      libXrender-0.9.1-3.1.i386.rpm
    • Red Hat Enterprise Linux 6 (for Intel64)の場合

      libXrender-0.9.5-1.el6.i686.rpm

    注意

    libXrenderをインストールする際、ほかのパッケージを要求される場合があります。なお、OSが64ビット環境の場合も、32ビットのパッケージ(パッケージ名の最後がi386.rpmまたはi686.rpmであるパッケージ)をインストールしてください。

    インストールに必要なパッケージはOSのインストールメディアに含まれています。

  2. セカンダリノードで、クラスタアプリケーション(業務)の停止を確認します。

    セカンダリノードで、ETERNUS SF Managerが属するクラスタアプリケーション(業務)が停止していることを確認します。
    停止していない場合は、クラスタアプリケーション(業務)を停止します。

    クラスタアプリケーション(業務)を停止する手順は、使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照してください。

  3. プライマリノードで、クラスタアプリケーション(業務)を停止します。

    プライマリノードで、ETERNUS SF Managerが属するクラスタアプリケーション(業務)を停止します。
    ただし、ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクはマウントした状態にします。

    クラスタアプリケーション(業務)を停止する手順は、使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照してください。

  4. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、以下の手順を実施します。

    1. 対象業務のセカンダリノードで、管理対象サーバ業務が停止していることを確認します。

      管理対象サーバ業務が停止していない場合は、セカンダリノードで管理対象サーバ業務を停止します。
      クラスタアプリケーション(業務)を停止する手順は、使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照してください。

      管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のセカンダリノードで本手順を実施します。

    2. 対象業務のプライマリノードで、管理対象サーバ業務を停止します。

      使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照して、管理対象サーバ業務を停止します。
      ただし、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクはマウントした状態にします。
      管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで本手順を実施します。

  5. すべてのノードのローカル業務を停止します。

    AdvancedCopy Managerマネージャーのローカル業務用通信デーモンを停止します。

    デーモンの停止方法は、運用管理サーバのOSに対応する、本バージョンレベルの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「通信デーモンの起動と停止」を参照してください。

  6. 環境およびデータをバックアップします。

    • プライマリノードとセカンダリノードで、システムをバックアップします。

    • プライマリノードで、ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクをバックアップします。

    • クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、それぞれの対象業務のプライマリノードで、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクをバックアップします。

    ポイント

    バージョンアップインストール中に異常が発生すると、インストール前の状態に戻すこと(ロールバック)ができません。

    このため、バージョンアップインストールの前には以下をバックアップすることを推奨します。

    • SolarisシステムまたはLinuxシステム

    • ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスク

    • 管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク

    バージョンアップインストール中に異常が発生し、元の状態に戻す場合は、バックアップからシステムを復元(リストア)してください。

  7. プライマリノードで、AdvancedCopy ManagerのRDBデーモンが起動していることを確認します。
    RDBデーモンが起動していない場合は、各OSに対応する、本バージョンレベルの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「RDBデーモンの起動と停止」を参照して、RDBデーモンを起動します。

注意

クラスタ環境のRDBデーモンを監視対象にしている場合、一時的に監視を解除してバージョンアップインストールを実施してください。

8.2.2.2 バージョンアップインストール手順(プライマリノード)

プライマリノードのバージョンアップインストール手順は、以下のとおりです。

  1. 作業を行うサーバにログインして、rootになります。

  2. 本バージョンレベルのDVD-ROM「ETERNUS SF SC/ACM メディアパック (Solaris版) マネージャープログラム (2/2)」、「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (Linux 32bit版) マネージャープログラム (2/2)」、または「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (Linux 64bit版) マネージャープログラム (2/2)」を、DVD-ROMドライブに挿入します。

    DVD-ROMの構成および格納物は、本バージョンレベルの『ETERNUS SF 導入ガイド』の「DVD-ROMの構成」を参照してください。

  3. DVD-ROMをマウントします。自動マウントされる場合は、本作業は不要です。
    例:

    # mount /mnt/dvd
  4. DVD-ROM内のインストールシェルが格納されているディレクトリに移動します。
    例:

    # cd /mnt/dvd/Manager_unix
  5. インストールシェルを実行します。

    以下のインストールシェルを実行します。

    # ./esfinstall.sh
  6. 使用許諾契約情報が表示されます。表示例を以下に示します。
    表示されている内容を確認して、問題がない場合は"y"を入力し、Enterキーを押します。

    +--------------------------------------------------------------+
    |                   ETERNUS SF V15.2                           |
    |                                                              |
    | All Rights Reserved, Copyright (C) FUJITSU LIMITED 2012      |
    +--------------------------------------------------------------+
    
    
    Notes
    
    Thank you for purchasing media which contains Fujitsu software program (hereafter referred
     to as "Media"). Fujitsu provides the Media to you subject to agreement to "Conditions of
    Use" below.
    This document will not be reissued and please keep it in a secure place.
    
    
    Conditions of Use
    
    1. Using programs
    In order to use the software program contained in the Media (hereafter referred to as "Sof
    tware"), in addition to the Media itself, you shall purchase a license which grants you a
    right to use the Software.
    
    2. Backup
    (1) You may duplicate a Media for backup purpose.
    (2) When you duplicate the Media for backup purpose in accordance with Section 2. (1), you
     must copy the copyright notice that appears on the original Media on the duplication ther
    eof.
    (3) The duplication of the Media shall be treated as the Media under this Condition of Use
    .
    3. Transfer to a third party
    You may not transfer, loan, sublicense the Media to third parties, or provide it as collat
    eral to a third party.
    
    4. Warranty range
    Fujitsu warrants that the Media will be free from defects in materials and manufacture und
    er normal use for a period of 90 days from the date of delivery to you. Your sole and excl
    usive remedy and the entire liability of Fujitsu under this Condition of Use will be, at F
    ujitsu's option,replacement of the Media or refund of the money paid by you for the Media.
    
    
    
    Do you accept the terms of the above License Agreement? (default: n) [y,n]:
  7. バージョンアップインストールを問い合わせる以下のメッセージが出力されます。
    インストールを続行する場合は“y”、中断する場合は“q”を入力して、Enterキーを押します。

    Do you want to upgrade? [y,q]:
  8. インストールが正常に完了すると、以下のメッセージが出力されます。

    INFO: ETERNUS SF was installed successfully.
  9. DVD-ROM内以外のディレクトリに移動します。
    例:

    # cd
  10. DVD-ROMをアンマウントします。
    例:

    # umount /mnt/dvd
  11. バージョンアップインストールに使用したDVD-ROMを装置から取り出します。

ポイント

バージョンアップインストールが異常終了した場合は、『ソフトウェア説明書』の「15.xからのバージョンアップにおける異常発生時の対処方法(Solaris版、Linux版)」を参照し、正常な状態に復旧してください。

8.2.2.3 バージョンアップインストール後の作業(プライマリノード)

プライマリノードのバージョンアップインストール後に、以下の作業を行います。

  1. AdvancedCopy ManagerのRDBデーモンを停止します。
    各OSに対応する、本バージョンレベルの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「RDBデーモンの起動と停止」を参照して、RDBデーモンを停止します。

    注意

    8.2.2.1 バージョンアップインストール前の作業」でRDBデーモンの監視設定を一時的に解除した場合、監視を再開した状態にしてください。

  2. ETERNUS SF Manager 15.0Bがインストールされていた環境の場合は、以下の作業を実施します。

    AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル(.install.sys)を編集します。

    AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル : /opt/FJSVccm/micc/sys/.install.sys

    ファイル内のstxs_etcdir情報を、置換後の文字列に変更します。

    置換前のstxs_etcdir情報

    置換後のstxs_etcdir情報

    stxs_etcdir=バージョンアップ前ディレクトリ

    stxs_etcdir=バージョンアップ後のディレクトリ(注)

    : 「バージョンアップ後のディレクトリ」には、以下のファイルに設定されたstxs_etcdirの値を指定します。

    /opt/FJSVccm/noncluster/micc/sys/.install.sys

    注意

    • /opt/FJSVccm/micc/sys/.install.sysファイルのstxs_etcdir行以外は、変更しないでください。

    • /opt/FJSVccm/noncluster/micc/sys/.install.sysファイルは、参照だけ行い、編集はしないでください。

  3. ETERNUS SF Managerの環境設定ファイルを編集します。

    以下のファイルを編集します。

    • <ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/clsetup.ini

    • <ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/swstg.ini

    それぞれのファイル内のVersion情報を、置換後の文字列に変更します。

    15.0Bから15.2にバージョンアップする場合

    置換前のVersion情報

    置換後のVersion情報

    Version=V15.0

    Version=V15.2

    15.1から15.2にバージョンアップする場合

    置換前のVersion情報

    置換後のVersion情報

    Version=V15.1

    Version=V15.2

    注意

    Version行以外は、変更しないでください。

  4. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク上の、AdvancedCopy Managerの環境設定ファイルを編集します。

    対象業務のプライマリノードで以下のファイルを編集します。

    • <管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/clsetup.ini

    • <管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/swstg.ini

    それぞれのファイル内のVersion情報を、置換後の文字列に変更します。

    15.0Bから15.2にバージョンアップする場合

    置換前のVersion情報

    置換後のVersion情報

    Version=V15.0

    Version=V15.2

    15.1から15.2にバージョンアップする場合

    置換前のVersion情報

    置換後のVersion情報

    Version=V15.1

    Version=V15.2

    注意

    Version行以外は、変更しないでください。

  5. ETERNUS SF Manager 15.0Bがインストールされていた環境の場合は、以下の作業を実施します。

    /opt/FJSVswstf/cluster/swcluster.iniのSystem=で始まる行を、以下のように編集します。

    System=GEN

    注意

    System=で始まる行以外は、変更しないでください。

  6. SNMPトラップXML定義ファイルをカスタマイズしていた場合は、Storage Cruiserの新機能を使うために定義ファイルを再カスタマイズします。

    新たにインストールされた、以下の定義ファイルをカスタマイズしてください。

    • 1_3_6_1_4_1_789.xml

    参照

    SNMPトラップXML定義ファイルのカスタマイズについては、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「SNMPトラップXML定義ファイル説明」を参照してください。

8.2.2.4 バージョンアップインストール手順(セカンダリノード)

セカンダリノードでバージョンアップインストールをします。

バージョンアップの手順はプライマリノードと同じです。「8.2.2.2 バージョンアップインストール手順(プライマリノード)」を参照してください。

8.2.2.5 バージョンアップインストール後の作業(セカンダリノード)

セカンダリノードのバージョンアップインストール後に、以下の作業を行います。

  1. ETERNUS SF Manager 15.0Bがインストールされていた環境の場合は、以下の作業を実施します。

    AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル(.install.sys)を編集します。

    AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル : /opt/FJSVccm/micc/sys/.install.sys

    ファイル内のstxs_etcdir情報を、置換後の文字列に変更します。

    置換前のstxs_etcdir情報

    置換後のstxs_etcdir情報

    stxs_etcdir=バージョンアップ前ディレクトリ

    stxs_etcdir=バージョンアップ後のディレクトリ(注)

    : 「バージョンアップ後のディレクトリ」には、以下のファイルに設定されたstxs_etcdirの値を指定します。

    /opt/FJSVccm/noncluster/micc/sys/.install.sys

    注意

    • /opt/FJSVccm/micc/sys/.install.sysファイルのstxs_etcdir行以外は、変更しないでください。

    • /opt/FJSVccm/noncluster/micc/sys/.install.sysファイルは、参照だけ行い、編集はしないでください。

  2. ETERNUS SF Manager 15.0Bがインストールされていた環境の場合は、以下の作業を実施します。

    /opt/FJSVswstf/cluster/swcluster.iniのSystem=で始まる行を、以下のように編集します。

    System=GEN

    注意

    System=で始まる行以外は、変更しないでください。

8.2.2.6 ETERNUS SF Managerの起動

8.2.2.3 バージョンアップインストール後の作業(プライマリノード)」「8.2.2.5 バージョンアップインストール後の作業(セカンダリノード)」の後に、以下の作業を行います。

  1. プライマリノードで、クラスタアプリケーション(業務)を起動します。

    プライマリノードで、ETERNUS SF Managerが属するクラスタアプリケーション(業務)を起動します。

    クラスタアプリケーション(業務)を起動する手順は、使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照してください。

  2. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、対象業務のプライマリノードで、管理対象サーバ業務を開始します。

    使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照して、管理対象サーバ業務を開始します。

    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務に対して本手順を実施します。

  3. すべてのノードのローカル業務を起動します。

    AdvancedCopy Managerマネージャーのローカル業務用通信デーモンを起動します。

    デーモンの起動方法は、運用管理サーバのOSに対応する、本バージョンレベルの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「通信デーモンの起動と停止」を参照してください。

  4. プライマリノードで、リポジトリ用データベースアクセスユーザーのパスワードを再設定します。

    stguserset(リポジトリアクセスユーザー変更コマンド)を使用して、リポジトリアクセスユーザーのパスワードを再設定してください。

    ポイント

    パスワードを変更していない場合でも、必ず実施してください。

    参照

    パスワードの設定手順は、運用管理サーバのOSに対応する、本バージョンレベルの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「リポジトリアクセスユーザーに指定したユーザーの削除/パスワードの変更」を参照してください。

  5. プライマリノードで、サーバ情報を変更します。

    データの整合性を確保するために、stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)を使用してサーバ情報を変更します。
    -nオプションに運用管理サーバ名を指定して、stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)を実行します。

    注意

    サーバ情報の変更は、コマンド実行用に新しく画面を起動し、その画面で実施してください。

    参照

    コマンドの詳細は、運用管理サーバのOSに対応する、本バージョンレベルの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)」を参照してください。

  6. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、管理対象サーバ業務のサーバ情報を変更します。

    データの整合性を確保するために、stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)を使用してサーバ情報を変更します。
    -nオプションに管理対象サーバ名を指定して、stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)を実行します。

    本操作は、運用管理サーバ業務のプライマリノードで実行してください。
    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務に対して本手順を実施します。

    注意

    サーバ情報の変更は、コマンド実行用に新しく画面を起動し、その画面で実施してください。

    参照

    コマンドの詳細は、運用管理サーバのOSに対応する、本バージョンレベルの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)」を参照してください。