ページの先頭行へ戻る
ETERNUS SF Express 15.2/ Storage Cruiser 15.2/ AdvancedCopy Manager 15.2 バージョンアップガイド
ETERNUS

8.1.2 クラスタ運用の場合のバージョンアップインストール

クラスタ運用をしている場合のバージョンアップインストール手順について説明します。

ここでは、以下の値を使用して説明します。

説明

$INS_DIR

ETERNUS SF Managerのインストール時の「プログラムディレクトリ」

$ETC_DIR

ETERNUS SF Managerのインストール時の「環境設定ディレクトリ」

8.1.2.1 バージョンアップインストール前の作業

クラスタ運用時にWindows版AdvancedCopy Managerマネージャーのバージョンアップインストールを実施する前に、行っておくべき作業について説明します。

  1. Symfowareの確認をします。

    本バージョンレベルのETERNUS SF Managerには、Symfowareが同梱されています。バージョンアップインストールを行うサーバにSymfowareを導入済みの場合は、Symfowareに関する確認が必要です。

    参照

    作業の詳細は、本バージョンレベルの『ETERNUS SF 導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerのインストール」-「インストール前の作業」を参照してください。

    Symfowareを導入していない場合は、作業不要です。

  2. セカンダリノードで、ETERNUS SF Managerサービスが停止していることを確認します。

    サービスが停止していない場合は、セカンダリノードで、フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、ETERNUS SF Managerが属する業務を停止します。

  3. プライマリノードでETERNUS SF Managerのサービスを停止します。

    フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、ETERNUS SF Managerが属する業務を停止します。
    ただし、ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクはオンラインにします。

  4. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、以下の手順を実施します。

    1. 対象業務のセカンダリノードで、管理対象サーバ業務が停止していることを確認します。

      管理対象サーバ業務が停止していない場合は、セカンダリノードで、フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、管理対象サーバ業務を停止します。
      管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のセカンダリノードで本手順を実施します。

    2. 対象業務のプライマリノードで、管理対象サーバ業務を停止します。

      フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、管理対象サーバ業務を停止します。
      ただし、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクはオンラインにします。
      管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで本手順を実施します。

  5. すべてのノードのローカル業務サービスを停止します。

    以下の手順を実施します。

    1. [コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス]を選択し、サービス画面を表示します。

    2. 「AdvancedCopy Manager COM Service」を選択し、[停止]ボタンをクリックします。

  6. 環境およびデータをバックアップします。

    • プライマリノードとセカンダリノードで、Windowsシステムをバックアップします。

    • プライマリノードで、ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクをバックアップします。

    • クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、それぞれの対象業務のプライマリノードで、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクをバックアップします。

    ポイント

    バージョンアップインストール中に異常が発生すると、インストール前の状態に戻すこと(ロールバック)ができません。

    このため、バージョンアップインストールの前には以下をバックアップしてください。

    • Windowsシステム

    • ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスク

    • 管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク

    バージョンアップインストール中に異常が発生した場合は、バックアップからシステムを復元(リストア)してください。

  7. プライマリノードで、SymfoWARE RDB RDBSWSTFサービスが起動していることを確認します。
    SymfoWARE RDB RDBSWSTFサービスが起動していない場合は、本バージョンレベルの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド(Windows版)』の「サービスの起動と停止」にある「サービスの起動」を参照して、SymfoWARE RDB RDBSWSTFサービスを起動します。

注意

システムをバックアップできない場合は、以降で説明する手順でバージョンアップインストールができません。システムをバックアップできない場合は、以下の手順で実施してください。

  1. 旧バージョンレベルの製品をアンインストールします。

  2. ETERNUS SF Managerに同梱されているSymfoware Serverを使用している場合は、以下を実施します。

    • ETERNUS SF Managerに同梱されているSymfoware Serverを、他の製品も使用している場合
      手順aを実施します。

    • ETERNUS SF Managerに同梱されているSymfoware Serverを、他の製品で使用していない場合
      手順aまたは手順bを実施します。

    1. Symfoware Server Clientのインストール

      以下の手順で、Symfoware Server Clientをインストールします。

      1. 本バージョンレベルのDVD-ROM「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック(Windows 32bit版) マネージャープログラム (1/2)」を、DVD-ROMドライブに挿入します。

      2. <DVD-ROMドライブ>:\Manager_windows\ACM\symfo\cl0911\setup.exeを実行し、インストーラを起動します。

    2. Symfowareのアンインストール

      [プログラムの追加と削除]画面または[プログラムと機能]画面で、Symfowareをアンインストールします。
      Symfoware ServerとSymfoware Server Clientを両方インストールしている場合は、先にSymfoware Server Clientをアンインストールしてください。

  3. 本バージョンレベルの製品をインストールします。

8.1.2.2 バージョンアップインストール手順(プライマリノード)

プライマリノードのバージョンアップインストール手順は、以下のとおりです。

  1. 作業を行うサーバに、Administrator権限を持つユーザーでログオンします。

  2. AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル(sys.properties)を退避します。

    AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル : $INS_DIR\CCM\sys\sys.properties

    AdvancedCopy Manager CCMのインストール先ディレクトリ以外の、任意のディレクトリにコピーしてください。
    退避したファイルは、バージョンアップインストール後の作業で使用します。

  3. AdvancedCopy Manager CCMのオリジナルの環境設定ファイル(sys.properties)を復元します。

    オリジナルの環境設定ファイルをコピー先ファイルに上書きします。

    オリジナルの環境設定ファイル

    コピー先ファイル

    $INS_DIR\CCM\noncluster\sys\sys.properties

    $INS_DIR\CCM\sys\sys.properties

  4. AdvancedCopy Manager CCM用汎用スクリプトを退避します。

    該当する旧バージョンレベルの『ETERNUS SF クラスタ適用ガイド』の各OSおよびノードに対応した「AdvancedCopy Manager CCM用汎用スクリプトの準備」で、汎用スクリプトをAdvancedCopy Manager CCMのプログラムディレクトリのbinディレクトリ配下に格納した場合は、AdvancedCopy Manager CCMのインストール先ディレクトリ以外の、任意のディレクトリにコピーしてください。
    退避したファイルは、バージョンアップインストール後の作業で使用します。

  5. 本バージョンレベルのDVD-ROM「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (Windows 32bit版) マネージャープログラム (1/2)」を、DVD-ROMドライブに挿入します。

    DVD-ROMの構成および格納物は、本バージョンレベルの『ETERNUS SF 導入ガイド』の「DVD-ROMの構成」を参照してください。

  6. 以下の初期画面が表示されます。[Manager インストール]をクリックします。
    バージョンアップインストールを中断する場合は、[終了]ボタンをクリックします。

  7. 「使用許諾契約」画面で、使用許諾の契約を行います。
    表示されている内容を確認して、問題がない場合は、[使用許諾契約の全条項に同意します]を選択し、[次へ]ボタンをクリックします。

  8. 以下の画面が表示されます。[はい]をクリックします。
    バージョンアップインストールを中断する場合は、[いいえ]ボタンをクリックします。

  9. システム構成が更新されます。システム構成の更新が完了するまで待ちます。

  10. 以下の画面が表示されます。バージョンアップインストールの処理を終了するため、[完了]ボタンをクリックします。

  11. バージョンアップインストールに使用したDVD-ROMを装置から取り出します。

8.1.2.3 バージョンアップインストール後の作業(プライマリノード)

プライマリノードのバージョンアップインストール後に、以下の作業を行います。

  1. SymfoWARE RDB RDBSWSTFサービスが停止していることを確認します。
    SymfoWARE RDB RDBSWSTFサービスが停止していない場合は、本バージョンレベルの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド(Windows版)』の「サービスの停止」を参照して、SymfoWARE RDB RDBSWSTFサービスを停止します。

  2. AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル(sys.properties)を復元します。

    8.1.2.2 バージョンアップインストール手順(プライマリノード)」の手順2で退避した環境設定ファイル(sys. properties)を、バージョンアップインストール後の以下のファイルに上書きします。

    AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル : $INS_DIR\CCM\sys\sys.properties
  3. AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル(.install.sys)を編集します。

    AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル : $INS_DIR\CCM\micc\sys\.install.sys

    ファイル内のstxs_etcdir情報を、置換後の文字列に変更します。

    置換前のstxs_etcdir情報

    置換後のstxs_etcdir情報

    stxs_etcdir=バージョンアップ前ディレクトリ

    stxs_etcdir=バージョンアップ後のディレクトリ(注)

    : 「バージョンアップ後のディレクトリ」には、以下のファイルに設定されたstxs_etcdirの値を指定します。

    $INS_DIR\CCM\noncluster\micc\sys\.install.sys

    注意

    • $INS_DIR\CCM\micc\sys\.install.sysファイルのstxs_etcdir行以外は、変更しないでください。

    • $INS_DIR\CCM\noncluster\micc\sys\.install.sysファイルは、参照だけ行い、編集はしないでください。

  4. AdvancedCopy Manager CCM用汎用スクリプトを復元します。

    8.1.2.2 バージョンアップインストール手順(プライマリノード)」の手順4で汎用スクリプトを退避した場合は、退避した汎用スクリプトを、該当する旧バージョンレベルの『ETERNUS SF クラスタ適用ガイド』の各OSおよびノードに対応した「AdvancedCopy Manager CCM用汎用スクリプトの準備」で汎用スクリプトを格納したディレクトリにコピーしてください。

  5. ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスク上の、AdvancedCopy Managerの環境設定ファイルを編集します。

    以下のファイルを編集します。

    • <ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクのドライブレター>:\etc\opt\swstorage\clsetup.ini

    • <ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクのドライブレター>:\etc\opt\swstorage\etc\swstg.ini

    それぞれのファイル内のVersion情報を、置換後の文字列に変更します。

    15.0Bから15.2にバージョンアップする場合

    置換前のVersion情報

    置換後のVersion情報

    Version=V15.0

    Version=V15.2

    15.1から15.2にバージョンアップする場合

    置換前のVersion情報

    置換後のVersion情報

    Version=V15.1

    Version=V15.2

    注意

    Version行以外は、変更しないでください。

  6. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク上の、AdvancedCopy Managerの環境設定ファイルを編集します。

    対象業務のプライマリノードで以下のファイルを編集します。

    • <管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクのドライブレター>:\etc\opt\swstorage\clsetup.ini

    • <管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクのドライブレター>:\etc\opt\swstorage\etc\swstg.ini

    それぞれのファイル内のVersion情報を、置換後の文字列に変更します。

    15.0Bから15.2にバージョンアップする場合

    置換前のVersion情報

    置換後のVersion情報

    Version=V15.0

    Version=V15.2

    15.1から15.2にバージョンアップする場合

    置換前のVersion情報

    置換後のVersion情報

    Version=V15.1

    Version=V15.2

    注意

    Version行以外は、変更しないでください。

8.1.2.4 バージョンアップインストール手順(セカンダリノード)

セカンダリノードでバージョンアップインストールをします。

バージョンアップの手順はプライマリノードと同じです。「8.1.2.2 バージョンアップインストール手順(プライマリノード)」を参照してください。

8.1.2.5 バージョンアップインストール後の作業(セカンダリノード)

セカンダリノードのバージョンアップインストール後に、以下の作業を行います。

  1. AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル(sys.properties)を復元します。

    8.1.2.2 バージョンアップインストール手順(プライマリノード)」の手順2で退避した環境設定ファイル(sys. properties)を、バージョンアップインストール後の以下のファイルに上書きします。

    AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル : $INS_DIR\CCM\sys\sys.properties
  2. AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル(.install.sys)を編集します。

    AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル : $INS_DIR\CCM\micc\sys\.install.sys

    ファイル内のstxs_etcdir情報を、置換後の文字列に変更します。

    置換前のstxs_etcdir情報

    置換後のstxs_etcdir情報

    stxs_etcdir=バージョンアップ前ディレクトリ

    stxs_etcdir=バージョンアップ後のディレクトリ(注)

    : 「バージョンアップ後のディレクトリ」には、以下のファイルに設定されたstxs_etcdirの値を指定します。

    $INS_DIR\CCM\noncluster\micc\sys\.install.sys

    注意

    • $INS_DIR\CCM\micc\sys\.install.sysファイルのstxs_etcdir行以外は、変更しないでください。

    • $INS_DIR\CCM\noncluster\micc\sys\.install.sysファイルは、参照だけ行い、編集はしないでください。

8.1.2.6 ETERNUS SF Managerの起動

8.1.2.3 バージョンアップインストール後の作業(プライマリノード)」「8.1.2.5 バージョンアップインストール後の作業(セカンダリノード)」の後に、以下の作業を行います。

  1. プライマリノードで、ETERNUS SF Managerサービスを起動します。

    フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、ETERNUS SF Managerが属する業務を起動します。

  2. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、対象業務のプライマリノードで、管理対象サーバ業務を開始します。

    フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、管理対象サーバ業務を開始します。
    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務に対して本手順を実施します。

  3. すべてのノードのローカル業務サービスを起動します。

    以下の手順を実施します。

    1. [コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス]を選択し、サービス画面を表示します。

    2. 「AdvancedCopy Manager COM Service」を選択し、[起動]ボタンをクリックします。

  4. プライマリノードで、リポジトリ用データベースアクセスユーザーのパスワードを再設定します。

    stguserset(リポジトリアクセスユーザー変更コマンド)を使用して、リポジトリアクセスユーザーのパスワードを再設定してください。

    ポイント

    パスワードを変更していない場合でも、必ず実施してください。

    参照

    パスワードの設定手順は、本バージョンレベルの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド (Windows版)』の「リポジトリアクセスユーザーに指定したユーザーの削除/パスワードの変更」を参照してください。

  5. プライマリノードで、サーバ情報を変更します。

    データの整合性を確保するために、stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)を使用してサーバ情報を変更します。
    -nオプションに運用管理サーバ名を指定して、stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)を実行します。

    注意

    サーバ情報の変更は、コマンド実行用に新しく画面を起動し、その画面で実施してください。

    参照

    コマンドの詳細は、本バージョンレベルの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド (Windows版)』の「stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)」を参照してください。

  6. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、管理対象サーバ業務のサーバ情報を変更します。

    データの整合性を確保するために、stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)を使用してサーバ情報を変更します。
    -nオプションに管理対象サーバ名を指定して、stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)を実行します。

    本操作は、運用管理サーバ業務のプライマリノードで実行してください。
    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務に対して本手順を実施します。

    注意

    サーバ情報の変更は、コマンド実行用に新しく画面を起動し、その画面で実施してください。

    参照

    コマンドの詳細は、運用管理サーバのOSに対応する、本バージョンレベルの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)」を参照してください。

注意

バージョンアップ前と同じWebブラウザを使用して、Webコンソールを操作する場合は、Webブラウザのキャッシュを削除してから操作してください。