バックアップ/リストアを実施する場合の注意事項について説明します。
バックアップのタイミングについての注意事項
プロセス制御およびCMDBともに使用している場合は、プロセス制御およびCMDBのバックアップの同期を取りながら実施してください。
バックアップ/リストアを行う環境の注意事項
バックアップ/リストアを実施する対象は、資源および定義情報があります。
資源のバックアップ/リストアを行う場合
資源のバックアップおよびリストアを実施する場合は、バックアップする環境とリストアする環境は同じ条件である必要があります。
したがって、以下の条件でのバックアップ/リストアは実施できません。
バックアップ元とリストア先でOSが異なる場合
⇒ただし、同一ベンダOSのバージョン違いは実施可能です。
コード系が異なる環境
Symfowareインストール時に指定した文字コードが異なる環境
バックアップ元とリストア先でSymfowareの文字コードが異なる場合、リストアコマンドが異常終了します。
以下の設定内容、および環境が異なる場合、リストア直後の運用はできません。以下の手順に従い、運用環境の設定を更新してから運用を開始してください。
なお、リストア後は、バックアップ環境の設定内容で上書きされています。
バックアップ元とリストア先でホスト名が異なる場合
以下の設定ファイルを編集します。
アプリケーション環境設定ファイル(myoconfig.ini)
【Windows】
[Systemwalker IT Change Managerインストールディレクトリ]\itpm\base\config\myoconfig.ini |
【Solaris/Linux】
/opt/FJSVswpm/base/config/myoconfig.ini |
編集内容は以下のとおりです。
セクション名 | キー名 | 設定値 |
---|---|---|
SWPM_ENV | HOST_NAME | [Systemwalker IT Change Managerインストールディレクトリ]\itpmを指します。 |
MAIL_URL | すべてのキー | アドレス文字列内に含まれるホスト名にリストア先のホスト名を設定します。 |
ワークフロー環境設定ファイル(crconfig.ini)
【Windows】
[Systemwalker IT Change Managerインストールディレクトリ]\itpm\crapi\config\crconfig.ini |
【Solaris/Linux】
/opt/FJSVswpm/crapi/config/crconfig.ini |
編集内容は以下のとおりです。
セクション名 | キー名 | 設定値 |
---|---|---|
CR_SERVER | CR_SERVER_HOST_CRF0 | リストア先のホスト名を設定します。 |
ワークフローツール環境設定ファイル(myotoolconfig.ini)
【Windows】
[Systemwalker IT Change Managerインストールディレクトリ]\itpm\tool\config\myotoolconfig.ini |
【Solaris/Linux】
/opt/FJSVswpm/tool/config/myotoolconfig.ini |
編集内容は以下のとおりです。
セクション名 | キー名 | 設定値 |
---|---|---|
CR_SERVER | CR_SERVER_HOST | リストア先のホスト名を設定します。 |
バックアップ元とリストア先でLDAP環境が異なる場合
以下の設定ファイルを編集します。
【Windows】
[Systemwalker IT Change Managerインストールディレクトリ]\itpm\base\config\myoconfig.ini |
【Solaris/Linux】
/opt/FJSVswpm/base/config/myoconfig.ini |
編集内容は以下のとおりです。
セクション名 | キー名 | 設定値 |
---|---|---|
LDAP | DIRECTORY_SERVER | リストア先の認証方法を設定します。 |
LDAP_HOST_NAME | リストア先のLDAPサーバのホスト名、ポート番号を設定します。 | |
LDAP_ADMIN_USER | リストア先のSystemwalker IT Change Manager管理者ユーザーのアカウント名を設定します。 | |
LDAP_ADMIN_PASSWORD | リストア先のSystemwalker IT Change Manager管理者ユーザーのパスワードを設定します。 | |
LDAP_USERID_ATTRIBUTE | リストア先のLDAPアカウントの属性を設定します。 | |
LDAP_SEARCH_BASENAME | リストア先のLDAPでユーザー検索する際の場所を設定します。 |
参照
設定内容の詳細については、"Systemwalker IT Change Manager リファレンスガイド"の"ファイルリファレンス"を参照してください。
バックアップ元とリストア先で履歴情報格納ディレクトリが異なる場合
以下の設定ファイルを編集します。
【Windows】
[Systemwalker IT Change Managerインストールディレクトリ]\itpm\base\config\myoconfig.ini |
【Solaris/Linux】
/opt/FJSVswpm/base/config/myoconfig.ini |
編集内容は以下のとおりです。
セクション名 | キー名 | 設定値 |
---|---|---|
FILE_SAVE_DIR | FILE_SAVE_DIR | リストア先の履歴情報格納ディレクトリを設定します。 |
バックアップ元とリストア先でメール環境設定が異なる場合
以下の設定ファイルを編集します。
【Windows】
[Systemwalker IT Change Managerインストールディレクトリ]\itpm\base\config\myoconfig.ini |
【Solaris/Linux】
/opt/FJSVswpm/base/config/myoconfig.ini |
編集内容は以下のとおりです。
セクション名 | キー名 | 設定値 |
---|---|---|
SEND_MAIL | SEND_MAIL | リストア環境でのメール使用有無を設定します。 |
MAIL_HOST | MAIL_HOST | リストア環境で使用するメールサーバ名を設定します。 |
MAIL_SYSTEM | MAIL_SYSTEM_FROM_NAME | リストア環境でのメール送信者名を設定します。 |
MAIL_SYSTEM_FROM_ADDRESS | リストア環境での送信元メールアドレスを設定します。 | |
MAIL_SYSTEM_REPLYTO_NAME | リストア環境でのメール送信者名を設定します。 | |
MAIL_SYSTEM_REPLYTO_ADDRESS | リストア環境での送信元メールアドレスを設定します。 | |
MAIL_CHARSET | MAIL_CHARSET_ja | リストア環境での送信メール文字コードセットを設定します。 |
MAIL_CHARSET_en | リストア環境での送信メール文字コードセットを設定します。 | |
MAIL_TEMPLATE | MAIL_TEMPLATE_CHARSET_ja | リストア環境でのメールテンプレートの文字コードセットを設定します。 |
MAIL_TEMPLATE_CHARSET_en | リストア環境でのメールテンプレートの文字コードセットを設定します。 | |
MAIL_TEMPLATEPATH | すべてのキー | リストア環境でのメールテンプレートファイルのパスを設定します。 |
MAIL_TEMPLATEFILE | すべてのキー | リストア環境でのメールテンプレートファイル名を設定します。 |
また、リストア時にはリストアする環境の資源を削除してからバックアップ資源を復元します。リストアする環境の資源を保存しておきたい場合は、リストアする環境を一旦バックアップしてから、リストアを実行してください。
定義情報のバックアップ/リストアを行う場合
定義情報のバックアップ/リストアを行う場合、バックアップコマンドおよびリストアコマンドに-defオプションを指定します。
定義情報のバックアップ/リストアを行う場合、バックアップする環境およびリストアする環境が同じである必要はありません。詳細は、"swpm_backup(バックアップコマンド)"および"swpm_restore(リストアコマンド)"を参照してください。
バックアップ/リストアを行う時間帯についての注意事項
バックアップおよびリストアを実施すると、Systemwalker IT Change Managerを停止および再起動します。そのため、バックアップおよびリストアは、運用フロー使用者がSystemwalker IT Change Managerを使用しない時間帯に実施してください。
バックアップ資源の扱い
リストア先へバックアップ資源を移動するときは、バックアップ先に指定したディレクトリとその配下のディレクトリとファイルをすべて移動してください。
退避先に指定したディレクトリ配下のバックアップ資源は、リストアが完了するまで削除しないでください。
バックアップコマンドを利用して以下の媒体へのデータ退避はできません。
CD-RAM、DVD-RAM、BD-RAMなど、ディスクメディアへの退避
⇒ユーザー資産をディスクメディアに退避する場合は、一度ローカルディスク上に退避し、その後専用ライタ等でメディアへの書込みを行ってください。
ネットワークパスへの退避【Windows】
空白を含むディレクトリへの退避【Windows】
退避先ディレクトリに指定できる最大パス長は、以下のとおりです。
【Windows】
128バイト |
【Solaris/Linux】
512バイト |
指定されたディレクトリが存在しない場合、バックアップコマンドはディレクトリを作成します。
バックアップ/リストア中の操作について
バックアップおよびリストア中は、以下のミドルウェアの操作を行わないでください。
Interstage Business Application Server(WUMyoの操作)
Interstage Business Process Manager
Symfoware(FLOWDB、BASEDBの操作)
Systemwalker IT Change Manager
リストア先の環境について
リストア時には、リストアする環境の資源を削除してから、バックアップ資源を復元します。そのため、リストアする環境の資源を保存しておきたい場合は、リストアする環境を一旦バックアップしてから、リストアを実行してください。
リストア資源の扱い
リストアコマンドを利用して以下の媒体からのデータは復元できません。
空白を含むディレクトリからの復元
定義情報のバックアップ/リストアについて
定義情報のバックアップ/リストアを実行する際、本番環境に不要な情報は削除しておいてください。
テスト環境でバックアップしたデータは、手作業で本番環境にコピーしてください。
定義情報のバックアップ/リストアを実行すると、それ以前のデータに上書きされます。そのため、定義情報のバックアップ/リストア以前の情報を事前にバックアップしておくことを推奨します。
以下の情報は定義バックアップデータに置き換えられます。そのため、テスト環境から本番環境への移行期間中(※注)は、本番環境の以下の管理者メニューを利用して、定義情報の「登録」、「更新」、および「削除」を行わないでください。
移行期間とは、テスト環境で定義情報を作成し、本番環境への移行が完了するまでの期間を指します。
メニュー種別 | 無効になる変更 |
---|---|
「グループ登録」メニュー | 本番環境の「グループ情報」すべて |
「名称定義管理」メニュー | 本番環境の「名称定義情報」すべて |
「メニュー定義管理」メニュー | 本番環境の「メニュー定義情報」すべて |
「一覧定義管理」メニュー | 本番環境の「一覧定義情報」すべて |
「業務定義管理」メニュー | 本番環境の「業務定義情報」すべて |
「回覧ルート定義管理」メニュー | 本番環境の「回覧ルート定義情報」すべて |
「伝票定義管理」メニュー | 本番環境の「伝票定義情報」すべて |
「部門定義管理」メニュー | 本番環境の「部門定義情報」すべて |
「権限定義管理」メニュー | 本番環境の「権限定義情報」すべて |
また、上記の定義情報は、テスト環境で定義、およびテストを実施した後、定義のバックアップ/リストア機能を利用して本番環境に移行することを推奨します。
以下の情報は「移行データ」と「本番環境」のマージを行います。
マージ対象:
ユーザー定義
ユーザー情報定義
マージ方法:
「移行データ」および「本番環境」両方に存在するユーザーの情報は変更しません。
「移行データ」に存在し、「本番環境」に存在しないユーザーの情報は追加します。
「移行データ」に存在せず、「本番環境」に存在するユーザーの情報は変更しません。
そのため、移行期間中に一般ユーザーが行った個人情報の変更が無効となることはありません。また、テスト環境で新規に追加したユーザーの情報は本番環境に移行されます。