投票ルールの定義について説明します。
前提条件は以下です。
プロセス定義にVoting Activityノードを追加している。
Voting Activityノードに外向き矢印がある。
Voting Activityノードは、ユーザー同士が連携して1つのアクティビティを処理できるようにするノードです。すべてのユーザーがそれぞれの選択(投票)を行うことができます。すべてのユーザーの投票が行われます。投票ルールに従って選出された投票は、外向きの矢印で表されます。
以下の図は、あるプロジェクトの変更に関する要求があった場合に、管理者が投票を行う例を示しています。
図6.39 変更要求への投票
すべての外向き矢印について投票ルールを定義します。投票ルールには以下のタイプがあります。
過半数ルール
矢印にこのルールが割り当てられている場合は、その矢印への投票が過半数を得るとその矢印が選ばれます。
たとえば、“可決”という名前の矢印にこのルールが割り当てられた場合は、“可決”矢印への投票が過半数を得たときに、その矢印が選ばれます。プロセスインスタンスは“可決”矢印に従って次のアクティビティに進みます。
パーセントルール
矢印にこのルールが割り当てられている場合は、その矢印への投票が指定した割合に達するとその矢印が選ばれます。
たとえば、“可決”という名前の矢印に50%のルールが割り当てられた場合は、“可決”矢印への投票が全投票数の50%に達したときに、その矢印が選ばれます。
投票数ルール
矢印にこのルールが割り当てられている場合は、その矢印への投票が指定した投票数に達するとその矢印が選ばれます。
たとえば、“否決”という名前の矢印に“1”が割り当てられている場合は、“否決”矢印への投票が1つでもあるとその矢印が選ばれます。
投票ルールを定義するときには、デフォルトのルールも選択します。どのルールにも当てはまらない場合は、デフォルトのルールが選択されます。
投票ルールを定義する方法について説明します。
Voting Activityノードを選択します。
[プロパティ]ビューで[投票ルール]タブを選択します。
[すべての投票ルール]領域に、Voting Activity ノードのすべての外向き矢印が表示されます。
すべての矢印について、投票ルールを定義します。
以下のどちらかの操作を行います。
投票ルールに一致したらすぐにアクティビティを完了させる場合は、[各投票について投票ルールを評価]を選択します。
必ず全員が投票できるようにする場合は、[すべての票が投じられたら投票ルールを評価]を選択します。
デフォルトの矢印を定義する場合は、その矢印を選択し、[デフォルト]ボタンをクリックします。
投票ルールの評価順序を変更するには、ルールを選択し、[上へ]または[下へ]をクリックします。
すべての外向き矢印は、このタブに表示された順序で確認され、最初に一致したルールが選択されます。有効なルールが見つからない場合は、ルールに当てはまらなくても、デフォルト値として定義した矢印が選択されます。
例
以下の図は、パーセントルールの例を示しています。マネージャーの少なくとも75%が投票した場合に、決定が承認されます。[すべての票が投じられたら投票ルールを評価]が設定されているため、すべてのマネージャーが必ず投票します。
図6.40 パーセントルール
次の例は、過半数ルールの例を示しています。ユーザーの過半数が賛成投票または反対投票を行った場合に、決定が承認または却下されます。賛成投票と反対投票が同数の場合は、デフォルトの投票ルールが使用されます。この場合は、既定のルールに従って決定が却下されます。
図6.41 過半数ルール
以下の例では、すべてのユーザーが賛成投票を行った場合にだけ、決定が承認されます。ユーザーが1人でも反対投票を行うとすぐに決定が却下され、プロセスは次のアクティビティに進みます。
図6.42 “投票数”ルール