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WSMGR for Web V7.2 使用手引書L20

23.4.1 WsmgrDspemuオブジェクト

エミュレータ操作をスクリプトで行うための基底オブジェクトです。

オブジェクト名

機能

JavaScript

VB/C#

session

Session

エミュレータセッションの操作、およびセッションの状態を取得するためのオブジェクトです。

screen

Screen

エミュレータの画面よりfieldオブジェクトやカーソル位置などの情報を取得するためのオブジェクトです。

macro

Macro

エミュレータの操作を行うためのオブジェクトです。

field

Field

エミュレータ画面上のフィールド情報を参照・操作するためのオブジェクトです。本オブジェクトはscreenオブジェクトのFindFieldメソッドによる取得が必要です。

fields

-

.NETのコレクションとして扱います。

fieldオブジェクトをリスト形式にしたオブジェクトです。本オブジェクトはscreenオブジェクトのgetFieldsメソッドによる取得が必要です。

document

Document

エミュレータ画面を示すドキュメントオブジェクトです。

view

-

screenオブジェクトのメソッドの補助など、エミュレータ画面をカスタマイズするためのオブジェクトです。

table

-

viewオブジェクトのテーブルデータを操作するためのオブジェクトです。

keypad

-

エミュレータのキーパッドをカスタマイズするためのオブジェクトです。

db

-

WSMGR for Webサーバに登録したリソースファイルの定義から、データを取得するためのオブジェクトです。

event

-

エミュレータからのイベントを定義するためのオブジェクトです。イベントに登録するコールバック関数は、エミュレータと同一ウィンドウから登録してください。

メソッド名

機能

JavaScript

VB/C#

addr

Addr

行、桁位置のエミュレータ画面アドレスへの変換

bind

-

エミュレータ画面のイベントを登録

col

Col

エミュレータ画面アドレスの桁位置への変換

getError

GetError

エラー番号の取得

getIconName

GetIconName

接続アイコン名を取得

getUserName

GetUserName

認証中のユーザ名を取得

getUserString

GetUserString

登録文字列の取得

row

Row

エミュレータ画面アドレスの行位置への変換


■addr/Addr

行、桁位置のエミュレータ画面アドレスへの変換

パラメータで指定した行、桁位置をエミュレータ画面上のアドレス位置に変換します。


●呼び出し形式

addr(row, col)

●パラメータ

パラメータ

説明

省略時の初期値

row

行位置(1~24)

省略できません

col

桁位置(1~80)

省略できません


●リターン値

関数の呼び出しに成功するとエミュレータ画面上のアドレス位置を、0~1919の範囲で返します。パラメータの指定に誤りがあった場合は-1を返します。


●JavaScriptを用いて記述した例

var dspemu = new WsmgrDspemu();  // インスタンスの作成

var dspaddr = dspemu.addr(24, 80);  // 24行、80桁を画面アドレスに変換

■bind

エミュレータ画面のイベント登録

エミュレータ画面で指定したイベントが発生した際に、呼び出されるコールバック関数を登録します。


●呼び出し形式

bind(type, func)

●パラメータ

パラメータ

説明

省略時の初期値

type

コールバック関数を登録するイベント名を示す文字列
"load":エミュレータ画面のロード完了
"unload":エミュレータ画面のアンロード
"keydown":キー入力

省略できません

func

コールバック関数を指定
typeで指定したイベントに登録された関数を解除する場合は null を指定

null


●リターン値

関数の呼び出しに成功するとtrueを返します。エラーが発生した場合は、falseを返します。エラーの詳細は、getError/GetErrorメソッドにより取得できます。


●JavaScriptを用いて記述した例

var dspemu = new WsmgrDspemu();  // インスタンスの作成

dspemu.bind("load", onLoad);  // コールバック関数の登録

■col/Col

エミュレータ画面アドレスの桁位置への変換

パラメータで指定したエミュレータ画面上のアドレス位置を桁位置に変換します。


●呼び出し形式

col(address)

●パラメータ

パラメータ

説明

省略時の初期値

address

エミュレータ画面上のアドレス(0~1919)

省略できません


●リターン値

関数の呼び出しに成功すると桁位置を、1~80の範囲で返します。パラメータの指定に誤りがあった場合は-1を返します。


●JavaScriptを用いて記述した例

var dspemu = new WsmgrDspemu();  // インスタンスの作成

var dspcol = dspemu.col(1919);  // 画面アドレス(1919)を桁位置に変換

■getError/GetError

エラー番号の取得

関数がエラー終了した時の最新のエラー番号を取得します。エラーが発生していない場合は、0を返します。


●呼び出し形式

getError()

●パラメータ

ありません


●リターン値

エラーが発生していない場合は0を、エラーが発生している場合はそのエラー番号を返します。

エラーの詳細を求める前に別のメソッドが実行されると、直前に失敗したメソッドが設定したエラー番号に上書きされます。
このため、各メソッドの復帰値が失敗した値で返ってきた場合は、すぐにgetError/GetErrorメソッドを用いてエラーの詳細を求めてください。

復帰値

復帰値の意味

0

エラーはありません。

1

パラメータが不正です。

2

メモリ不足が発生しました。

4

Typeメソッドで無効なキーが指定されました。

12

セッションが異常終了しました。

13

タイムアウトが発生しました。

18

ホストと接続されていません。

22

文字列が見つかりませんでした。

23

キー入力禁止でした。

24

未サポート関数が呼び出されました。

25

Startメソッドでセッションが起動できませんでした。

26

Stopメソッドでセッションが終了できませんでした。

27

セッションが未起動です。

50

スクリプト実行中につき実行できません。

51

プロパティの変更に失敗しました。

52

プロファイルの変更に失敗しました。

100

致命的エラー(内部エラー、 複写失敗)です。


●JavaScriptを用いて記述した例

var dspemu = new WsmgrDspemu();  // インスタンスの作成

var errcode = dspemu.getError();
dspemu.macro.MsgBox("エラー番号:" + errcode + " が発生しました");

■getIconName/GetIconName

接続アイコン名の取得

現在起動しているエミュレータの接続アイコン名を取得します。


●呼び出し形式

getIconName()


●パラメータ

ありません


●リターン値

関数の呼び出しに成功すると接続アイコン名を返します。エミュレータが起動していない場合はnullを返します。


●JavaScriptを用いて記述した例

var dspemu = new WsmgrDspemu();  // インスタンスの作成

var icon = dspemu.getIconName(); // アイコン名の取得

■getUserName/GetUserName

ユーザ名の取得

エミュレータを起動しているユーザ名を取得します。


●呼び出し形式

getUserName()


●パラメータ

ありません


●リターン値

関数の呼び出しに成功するとユーザ名を返します。エミュレータが起動していない場合はnullを返します。


●JavaScriptを用いて記述した例

var dspemu = new WsmgrDspemu(); // インスタンスの作成

var user = dspemu.getUserName(); // ユーザ名の取得


■getUserString/GetUserString

登録文字列の取得

あらかじめ登録したリソースファイルの内容から、指定したキーに設定済みの文字列を取得します。リソースファイルに任意の文字列を登録しておくことで、スクリプトでその文字列を動的に取得して使用することができます。


●呼び出し形式

getUserString(key)

●パラメータ

パラメータ

説明

省略時の初期値

key

リソースファイルより取得する文字列を設定したキー名の文字列

省略できません


●リソースファイル

本メソッドにより参照するリソースファイルはCSV形式の固定名のファイルです。ファイルごとに用途と登録場所が異なります。

ファイル名

用途

ファイルの登録場所

WsmgrUserData.csv

WSMGR for Webのユーザが利用できる定数を登録します

<WSMGR for Webインストールフォルダ>\config\users

WsmgrGroupData.csv

WSMGR for Webのグループが利用できる定数を登録します

<WSMGR for Webインストールフォルダ>\config\group\<グループ名>

WsmgrSystemData.csv

WSMGR for Webのシステムで共通に利用できる定数を登録します

<WSMGR for Webインストールフォルダ>\config\common

注意

「WsmgrGroupData.csv」はグループごとのフォルダに登録してください。

各リソースファイルはWSMGR for Webへの認証情報を基に次のリソース検索ルールに従って順番に参照され、最初に見つかった指定キーの値を返します。

設定値

説明

ユーザ(グループ)のみ

ユーザに定義された接続アイコンで起動されたエミュレータはユーザのリソースのみ使用します。グループに定義された接続アイコンで起動されたエミュレータはグループのリソースのみ使用します。

ユーザ>グループ>共通の順番に検索

ユーザ、グループ、共通の順番にリソースを検索します。同名のリソースがある場合はユーザ、グループの順に優先されます。

共通>グループ>ユーザの順番に検索

共通、グループ、ユーザの順番にリソースを検索します。同名のリソースがある場合は共通、グループの順に優先されます。

参考

リソース検索ルールの設定は、管理ツールより[ユーザ・グループ設定]の[共通プロパティの設定]にて行います。詳細は「8.2.5 ユーザ制限とプロファイル、リソースの検索ルールの設定 ■プロファイル、リソースの検索ルール」を参照

リソースファイルの各項目はカンマで区切ってください。キー名と値の文字列は自由に指定できます。
フォーマットは次のとおりです。

●リターン値

関数の呼び出しに成功すると指定したキーに設定した文字列を返します。文字列が取得できなかった場合やエラーが発生した場合はnullを返します。エラーの詳細は、getError/GetErrorメソッドにより取得できます。


●JavaScriptを用いて記述した例

var dspemu = new WsmgrDspemu();  // インスタンスの作成

var LogonID = dspemu.getUserString("ログオンID");

■row/Row

エミュレータ画面アドレスの行位置への変換

パラメータで指定したエミュレータ画面上のアドレス位置を行位置に変換します。


●呼び出し形式

row(address)

●パラメータ

パラメータ

説明

省略時の初期値

address

エミュレータ画面上のアドレス(0~1919)

省略できません


●リターン値

関数の呼び出しに成功すると行位置を、1~24の範囲で返します。パラメータの指定に誤りがあった場合は-1を返します。


●JavaScriptを用いて記述した例

var dspemu = new WsmgrDspemu();  // インスタンスの作成

var dsprow = dspemu.row(1919);  // 画面アドレス(1919)を行位置に変換