ZFSのストレージプールをバックアップおよびリストアする際に必要となる、前処理および後処理の手順を説明します。
注意
システム領域のバックアップ/リストアはオフライン運用だけ可能です。
システム領域のバックアップ/リストア
システム領域(ルートプール)のバックアップをします。
バックアップ手順は、以下のとおりです。
バックアップ対象のサーバを停止します。
サーバの停止方法は、OSのマニュアルを参照してください。
また、サーバの停止後、サーバの電源が停止していることを確認してください。
AdvancedCopy Managerで対象ストレージプール配下のデバイスをバックアップします。
バックアップサーバからtbobackup(テープバックアップ実行コマンド)を実行して、バックアップします。
システム領域のバックアップは、バックアップ対象としてシステム領域を含むディスク全体(c2t1d1s2)を指定してください。
[実行例]
# /opt/FJSVswstm/bin/tbobackup -h SV-1 -b DAY /dev/dsk/c2t1d1s2 /dev/dsk/c2t1d1s2 tbobackup completed # |
バックアップ対象サーバを起動します。
テープにバックアップしたシステム領域(ルートプール)を、バックアップボリュームにリストアします。
リストア手順は、以下のとおりです。
リストア対象のサーバを停止します。
サーバの停止方法は、OSのマニュアルを参照してください。
また、サーバの停止後、サーバの電源が停止していることを確認してください。
AdvancedCopy Managerで対象ストレージプール配下のデバイスをリストアします。
バックアップサーバからtborestore(テープリストア実行コマンド)を実行して、リストアします。
システム領域のリストアは、リストア対象としてシステム領域を含むディスク全体(c2t1d1s2)を指定してください。
[実行例]
# /opt/FJSVswstm/bin/tborestore -h SV-1 -t "2012/01/01 01:00:00" /dev/dsk/c2t1d1s2 /dev/dsk/c2t1d1s2 tborestore completed # |
リストア対象サーバを起動します。
データ領域のバックアップ/リストア
データ領域のバックアップをします。
オフラインバックアップの手順は、以下のとおりです。
バックアップ対象のストレージプールにある、すべてのZFSファイルシステムをアンマウントします。
業務サーバ(バックアップ元サーバ)でZFSファイルシステムをアンマウントします。ZFSファイルシステムをアンマウントする方法は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zfs mount STP2/data1 /mnt/data1 STP2/data2 /mnt/data2 # # zfs umount /mnt/data1 # zfs umount /mnt/data2 # |
対象のストレージプールをexportします。
業務サーバ(バックアップ元サーバ)でZFSストレージプールをexportします。詳細は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zpool export STP2 # |
AdvancedCopy Managerで対象のストレージプール配下のデバイスをバックアップします。
業務サーバからacmbackup(バックアップ実行コマンド)を使用して、ストレージ配下のすべてのデバイスをテープにバックアップします。
[実行例]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup -m TAPE /dev/dsk/c2t1d2 /dev/dsk/c2t1d2 acmbackup completed # /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup -m TAPE /dev/dsk/c2t1d3 /dev/dsk/c2t1d3 acmbackup completed |
対象のストレージプールをimportします。
業務サーバ(バックアップ元サーバ)でZFSストレージプールをimportします。詳細は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zpool import STP2 # |
ここまでの手順でバックアップ対象のストレージプールにある、すべてのZFSファイルシステムが自動マウントされなかった場合は、手動でZFSファイルシステムをマウントします。
業務サーバ(バックアップ元サーバ)でZFSファイルシステムをマウントします。
ZFSファイルシステムをマウントする方法は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zfs mount STP2/data1 # zfs mount STP2/data2 # |
オンラインバックアップでは、バックアップ用ストレージプールをテープにバックアップします。
オンラインバックアップの手順は、以下のとおりです。
バックアップ用ストレージプールを削除し、再作成します。
業務用ストレージプールのスナップショットを削除します。
業務用ストレージプールのスナップショットを作成します。
業務用ストレージプールのスナップショットをバックアップします。
バックアップ用ストレージプールをexportします。
テープバックアップ機能を用いて、バックアップ用ストレージプール配下のデバイスをテープにバックアップします。
バックアップ用ストレージプールをimportします。
手順1~4は、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド(Solaris版)』の「オンラインバックアップ」にある「運用」-「フルバックアップ」を参考に実施してください。
手順5~7は、「オフラインバックアップ」を参考に実施してください。
テープにバックアップしたデータ領域を、コピー元(業務サーバのストレージプール)にリストアします。
リストア手順は、以下のとおりです。
リストア対象のストレージプールにある、すべてのZFSファイルシステムをアンマウントします。
業務サーバ(バックアップ元サーバ)でZFSファイルシステムをアンマウントします。ZFSファイルシステムをアンマウントする方法は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zfs mount STP2/data1 /mnt/data1 STP2/data2 /mnt/data2 # # zfs umount /mnt/data1 # zfs umount /mnt/data2 # |
対象のストレージプールを削除します。
業務サーバ(バックアップ元サーバ)でZFSストレージプールを削除(destroy)します。ZFSストレージプールを削除する方法は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zpool destroy STP2 # |
テープから対象ストレージプール配下のデバイスにリストアします。
業務サーバからacmrestore(リストア実行コマンド)を実行し、テープから業務サーバの対象ストレージプール配下デバイスにリストアします。
[実行例]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmrestore -m TAPE /dev/dsk/c2t1d2 /dev/dsk/c2t1d2 acmrestore completed # /opt/FJSVswstc/bin/acmrestore -m TAPE /dev/dsk/c2t1d3 /dev/dsk/c2t1d3 acmrestore completed # |
対象ストレージプールをimportします。
業務サーバ(バックアップ元サーバ)でZFSストレージプールをimportします。詳細は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zpool import STP2 # |
ここまでの手順で対象ZFSファイルシステムが自動マウントされなかった場合は、手動でZFSファイルシステムをマウントします。
業務サーバ(バックアップ元サーバ)でZFSファイルシステムをマウントします。
ZFSファイルシステムをマウントする方法は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zfs mount STP2/data1 # zfs mount STP2/data2 # |
オンラインバックアップ運用時は、テープにバックアップしたデータをバックアップ用ストレージプールに戻してから、レプケーション管理またはAdvancedCopy Manager CCMを利用して、業務ストレージプールにリストアします。
オンラインバックアップ運用時のリストアの手順は、以下のとおりです。
バックアップ用ストレージプールを削除します。
テープバックアップ機能を用いて、テープからバックアップ用ストレージプール配下のデバイスにリストアします。
バックアップ用ストレージプールをimportします。
リストア対象の業務用ストレージプールにある、すべてのZFSファイルシステムをアンマウントします。
リストア対象の業務用ストレージプールを削除します。
バックアップ用ストレージプールをexportします。
AdvancedCopy Managerで、バックアップ用ストレージプール配下のデバイスから業務用ストレージプール配下のデバイスにリストアします。
プール名を変更して、リストアしたデバイスをimportします。
リストア対象のスナップショットにロールバックします。
対象のZFSファイルシステムをマウントします。
手順1~3は、「オフラインバックアップ運用時」を参考に実施してください。
手順4~10は、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド(Solaris版)』の「オンラインバックアップ」にある「運用」-「最新世代からのリストア」を参考に実施してください。