ここでは、マネージャー本体と関連サービスで利用するポート番号の変更方法について説明します。
本製品では、以下のサービスが起動されている必要があります。サービスの起動にあたり、ほかのアプリケーションやほかのサービスが使用するポート番号と競合しないように、ポート番号を変更してください。
【Windowsマネージャー】
マネージャー本体
Resource Coordinator Manager
Resource Coordinator Task Manager
Resource Coordinator Web Server(Apache)
Resource Coordinator Sub Web Server(Mongrel)
Resource Coordinator Sub Web Server(Mongrel2)
Resource Coordinator DB Server(PostgreSQL)
関連サービス
Deployment Service
TFTP Service
PXE Services
DHCP Server (注)
【Linuxマネージャー】
マネージャー本体
rcxmanager
rcxtaskmgr
rcxmongrel1
rcxmongrel2
rcxhttpd
rcxdb
関連サービス
scwdepsvd
scwpxesvd
scwtftpd
dhcpd (注)
注) 管理サーバと異なるサブネットに属する管理対象サーバが存在する場合に必要です。
使用するポート番号が、ほかのアプリケーションまたはサービスと競合する可能性がある場合、ポート番号を変更してください。
また、Windowsでephemeralポート番号の範囲を変更している場合、ephemeralポートと使用するポートが競合する可能性があります。この場合も、ポート番号を変更し、ephemeralポートの範囲に含まれない値にしてください。
詳細は、「導入ガイド VE」の「2.1.1.4 使用ポートの確認」を参照してください。
ServerView Operations Managerのポート番号の変更方法については、ServerView Operations Managerのマニュアルを参照してください。SNMPとサーバ起動制御については、標準プロトコルであり、ハードウェア側で固定されているため、変更できません。
本製品が使用するポートについては、「設計ガイド VE」の「付録A ポート一覧」を参照してください。
OSのファイアーウォール設定が有効になっているシステムや、ネットワーク上にファイアーウォールを設置している環境では、変更したポートでの通信が問題なく行われるように、ファイアーウォールの設定を変更してください。
マネージャー本体
以下の手順で、マネージャー本体で利用する管理サーバのポート番号を変更します。
マネージャーを停止します。
「運用ガイド VE」の「2.1 マネージャーの起動と停止」を参照し、マネージャーを停止してください。
ポート番号を変更します。
変更するポート名と変更後のポート番号を指定してrcxadm mgrctl modifyコマンドを実行してください。
【Windowsマネージャー】
>"インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm" mgrctl modify -port name=number <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm mgrctl modify -port name=number <RETURN> |
マネージャーをクラスタで運用している場合、マネージャーの共有ディスクとIPアドレス以外のクラスタリソースはすべてオフラインにし、クラスタリソースをプライマリーノードとセカンダリノードに切り替えてから、クラスタリソースを保持するそれぞれのノード上でrcxadm mgrctl modifyコマンドを実行してください。
マネージャーを再起動します。
「運用ガイド VE」の「2.1 マネージャーの起動と停止」を参照し、マネージャーを起動してください。
注意
"rcxweb"のポート番号を変更した場合、以下のポート番号も同じ値に変更してください。
管理クライアント
Webブラウザに指定するURLのポート番号を"rcxweb"のポート番号に変更します。
URLをWebブラウザの"お気に入り"などに保存している場合、それらのURLについてもポート番号を変更します。
HBA address rename設定サービス
HBA address rename設定サービスを起動している場合、「9.2.2 管理サーバと通信するためのポート番号の変更」を参照し、管理サーバと通信するためのポート番号を"rcxweb"のポート番号に変更してください。
【Windowsマネージャー】
マネージャーのRORコンソール起動用ショートカット
管理サーバ上で以下のフォルダーを開きます。
インストールフォルダー\SVROR\Manager
"ROR Console"アイコンを右クリックし、表示されたメニューで[プロパティ(R)]を選択します。
[Web ドキュメント]タブの"URL(U)"の欄に表示される以下のURLのポート番号を変更してください。
URL: https://localhost:23461/ |
<OK>ボタンをクリックしてください。
"nfagent"のポート番号を変更した場合、管理対象サーバでもポート番号を変更してください。
「9.1.6 ポート番号の変更」を参照し、同じポート番号に変更してください。
変更前にバックアップされたシステムイメージ、および採取されたクローニングイメージは使用できないため、削除してください。
必要に応じて、再度、システムイメージのバックアップ、またはクローニングイメージの採取を行ってください。
関連サービス
以下の手順で、関連サービスで使用するポート番号を変更します。ただし、DHCP Server、および、dhcpdのポート番号は変更できません。
【Windowsマネージャー】
ポート番号を変更します。
レジストリ エディタを使用してレジストリーを開き、以下のサブキーを検索します。
32ビットバージョンのWindowsの場合
キー名: HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Fujitsu\SystemcastWizard\CLONE
64ビットバージョンのWindowsの場合
キー名: HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Fujitsu\SystemcastWizard\CLONE
サブキーに含まれるレジストリーエントリーから、PortBaseを選択します。
メニューから、[編集(E)]-[修正(M)]を選択します。
[DWORD 値の編集]ダイアログが表示されます。
表記の[10 進(D)]を選択したあと、<OK>ボタンをクリックします。
イメージファイルの採取と配付で使用するポート番号の先頭値を設定します。
ただし、関連サービスで使用するポート番号は最大16個分必要なため、PortBaseからPortBase + 15までの連続したポート番号すべてが、ほかと競合しないよう注意してください。また、設定したポート番号の最大値であるPortBase + 15が、有効なポート番号の最大値65534を超えないように、PortBaseは65519以下の値にしてください。
マネージャーをクラスタで運用している場合、プライマリーノードとセカンダリノードの両方を変更してください。
ポート番号を変更したサーバを再起動します。
【Linuxマネージャー】
ポート番号を変更します。
/etc/opt/FJSVscw-common/scwconf.reg ファイルのセクション
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Fujitsu\SystemcastWizard\CLONEにあるPortBaseの値に、イメージファイルの作成と配付で使用するポート番号の先頭値を16進数で設定します。PortBase には、ephemeralポートとの競合を避けるため、net.ipv4.ip_local_port_rangeで指定した下限値よりも小さいポート番号、または上限値よりも大きいポート番号を指定します。
ただし、イメージファイルの作成と配付で使用するポート番号は最大16個分必要なため、PortBaseからPortBase + 15までの連続したポート番号領域が、ephemeralポートやwell-knownポートと競合しないよう注意してください。
これにより、net.ipv4.ip_local_port_rangeで指定した範囲外のポートを用いて、バックアップ・リストアが実行されます。
また、設定したポート番号の最大値であるPortBase + 15が、有効なポート番号の最大値65534を超えないように、PortBaseは65519以下の値にしてください。
マネージャーをクラスタで運用している場合、プライマリーノードとセカンダリノードの両方を変更してください。
ポート番号を変更したサーバを再起動します。
参考
関連サービスは、バックアップ・リストアとクローニングを行う際に、管理対象サーバを管理サーバのモジュールでネットワークブートします。
ここで変更したポート番号は、この状態の通信で使われるため、管理サーバの設定だけを変更すれば、管理対象サーバの設定を変更する必要はありません。