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Systemwalker Operation Manager  導入手引書
Systemwalker

2.14.1 プロセス監視機能の定義

Systemwalker Operation Managerのプロセス監視機能についての概要、定義情報の内容およびカスタマイズの方法について説明します。

2.14.1.1 Systemwalkerのプロセス監視

Systemwalker Operation Managerのプロセス監視機能は、Systemwalker自身のプロセスの稼働状態を監視する機能です。プロセス監視機能は、Systemwalkerのサービスまたはデーモン起動のプロセスが正常に稼働しているかを一定間隔で監視し、正常に稼働していなかった場合に、異常を知らせるアプリケーションログ(UNIX版の場合はシステムログ)を出力し、管理者に異常を通知します。

参考

Systemwalker Centric Managerと共存する場合

Systemwalker Centric Managerと共存している場合、プロセス監視機能からの通知は、Systemwalker Centric Managerのシステム監視エージェント機能によって、自動的に上位の通知先サーバに通知されます。Systemwalker Centric Managerと共存する場合のプロセス監視機能については、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”を参照してください。

プロセス監視機能の使用方法

プロセス監視機能は、システムの起動時に自動的に起動されるため、利用者が意識する必要はありません。動作中は、Systemwalker自身のプロセスの監視が一定間隔で行われます。

プロセスの異常が検出された場合、利用者は異常が検出されたマシンにおけるSystemwalker Operation Managerの稼働状態を確認して、原因を調べてください。プロセス異常時の対処方法については、“Systemwalker Operation Manager トラブルシューティングガイド”を参照してください。

監視対象プロセス一覧

プロセス監視機能の監視対象プロセスおよび対応するサービス名/機能名は、以下のとおりです。

【Windows版】

機能
区分
略称

機能区分
説明

機能名

サービス名

サービス表示名

監視対象
プロセス名

BASE

認証

セキュリティ

Fujitsu MpWalker ACL Manager

Systemwalker ACL Manager

f3crssvr.exe

通信基盤

Systemwalker Network Communication(注1)

Systemwalker Network Communication(注1)

SW_communication(注1)

OMGR

Operation
Manager

カレンダ

Fujitsu MpWalker MpJmCal

Systemwalker MpJmCal

f3crhcs1.exe
f3crhcs2.exe

自動運用支援(アクション実行)

MpAosfX

Systemwalker MpAosfX

f3crhxs2.exe
f3crhxs2_64.exe(注2)
f3crhxs2_x64.exe(注3)

電源制御(電源制御、サービス・アプリケーション起動)

MpAosfP

Systemwalker MpAosfP

f3crhsv2.exe

自動運用支援(イベント監視、アクション管理)

MpAosfB

Systemwalker MpAosfB

f3crhesv.exe
f3crhdsv.exe
f3crhxsw.exe
f3crhesv_64.exe(注2)
f3crhdsv_64.exe(注2)
f3crhxsw_64.exe(注2)
f3crhesv_x64.exe(注3)
f3crhdsv_x64.exe(注3)
f3crhxsw_x64.exe(注3)

Systemwalker Operation Manager基盤

Fujitsu MpWalker MpJmSrv

Systemwalker MpJmSrv

mpjmsrv.exe
jmnetsv.exe

業務連携

MpNjsosv

Systemwalker MpNjsosv

CNSSVENG.exe

ジョブ実行制御

Fujitsu MpWalker MpMjes

Systemwalker MpMjes

mjssvc.exe
mjsoba.exe

ジョブスケジューラ

Fujitsu MpWalker MpJobsch

Systemwalker MpJobsch

tskmnsrv.exe

注1)

通信基盤のサービスや監視対象プロセス名は、実際のサービス、プロセス名ではなく、通信基盤を示す総称で表記しています。

2)

Windows for Itaninum版の場合のプロセス名です。

3)

Windows x64版の場合のプロセス名です。

【UNIX版】

機能区分略称

機能区分説明

機能名

パッケージ名

起動コマンド

監視対象
プロセス名

BASE

認証

セキュリティ

FJSVfwseo

rc.mpfwsec

MpFwsec

通信基盤

FJSVswnc

swncctrl

SW communication(注1)

OMGR

Operation
Manager

カレンダ

FJSVjmcal

S99JMCAL

f3crhcs2

Systemwalker Operation Manager基盤

FJSVJMCMN(注3)

start_jmcmn

mpjmsrv
jmnetsv

ジョブ実行制御

FJSVMJS
(注3)

S99MJS

mjsdaemon (注2)
mjsnetsv (注2)

ジョブスケジューラ

FJSVJOBSC(注3)

start_jobs

tskmnsrv (注2)

注1)

通信基盤のサービスや監視対象プロセス名は、実際のサービス、プロセス名ではなく、通信基盤を示す総称で表記しています。

2)

サブシステム運用をしている場合は、サブシステムごとにプロセスが存在します。

3)

Solaris版およびLinux版のパッケージ名です。HP-UX版およびAIX版のパッケージ名は以下となります。

[HP-UX版の場合]

Systemwalker Operation基盤:FHPJMCMN
ジョブ実行制御:FHPMJS
ジョブスケジューラ:FHPJOBSCH

[AIX版の場合]

Systemwalker Operation基盤:FAIXJMCMN
ジョブ実行制御:FAIXMJS
ジョブスケジューラ:FAIXJOBSC

プロセス監視機能の停止方法

プロセス監視機能は、poperationmgrコマンドによるSystemwalker Operation Managerの停止時およびシステムの停止時に自動的に停止されます。

Systemwalker Operation Manager運用中にプロセス監視機能を停止させる場合は、Systemwalker Operation Managerサーバ上で以下の設定を行ってください。

【Windows版】

[スタート]-[コントロールパネル]の[管理ツール]-[サービス]を開いて、以下のサービスを停止させます。

Systemwalker MpPmonO

【UNIX版】

以下のコマンドを実行し、プロセス監視機能のデーモンを停止させます。

/opt/FJSVftlo/pmon/bin/stpmppmon

プロセス監視機能の起動抑止方法

プロセス監視機能は、Systemwalker Operation Managerの起動時に自動的に起動されます。プロセス監視機能の自動起動を抑止する場合は、以下の設定を行ってください。なお、設定内容は次回起動時から有効となります。

【Windows版】

[スタート]-[コントロールパネル]の[管理ツール]-[サービス]を開いて、以下のサービスを“手動”にします。

Systemwalker MpPmonO

【UNIX版】

定義手順

  1. Systemwalker Operation Managerサーバ上で、以下のデーモン一括起動・停止コマンドの定義ファイルをエディタ等で開きます。

    /etc/opt/FJSVftlo/daemon/custom/rc3.ini

  2. 定義ファイルを編集します。

    プロセス監視機能のデーモン起動コマンドが記述されている行の先頭に、“#”を挿入します。対象行はコメントとして扱われます。


    DAEMONnn="/opt/FJSVftlo/pmon/bin/strmppmon"


    #DAEMONnn="/opt/FJSVftlo/pmon/bin/strmppmon"

2.14.1.2 プロセス監視対象を変更する

プロセス監視機能で監視対象とするプロセスは、必要に応じて選択することができます。監視対象プロセスの定義ファイルの内容および変更の仕方について説明します。

監視対象の変更手順

プロセス監視対象の変更は、以下の手順で行います。

  1. 定義ファイルの変更

    監視対象プロセスの定義ファイルを変更します。定義ファイルの内容および変更方法については、後述しています。

  2. プロセス監視機能の再起動

    変更したプロセス監視対象を有効にするには、プロセス監視機能の再起動が必要です。以下の方法で再起動してください。

    【Windows版】

    • [スタート]-[コントロールパネル]の[管理ツール]-[サービス]を開いて、以下のサービスを再起動させます。

      Systemwalker MpPmonO

    【UNIX版】

    1. プロセス監視機能の停止

      以下のコマンドを実行します。

      /opt/FJSVftlo/pmon/bin/stpmppmon.sh

    2. プロセス監視機能の起動

      以下のコマンドを実行します。

      /opt/FJSVftlo/pmon/bin/strmppmon.sh

定義ファイル

監視対象プロセスの定義ファイルは以下のとおりです。

【Windows版】

Systemwalker Operation Managerインストールディレクトリ\mpwalker.jm\mpcmtool\pmon\etc\mppmon.usr

【UNIX版】

/etc/opt/FJSVftlo/pmon/mppmon.usr

定義ファイルの内容

定義ファイルの内容を以下に示します。後述の“定義ファイルの設定値”を参照し、必要に応じて設定値を変更してください。

【Windows版】

[BASE]
Fujitsu MpWalker ACL Manager=1
[OMGR]
Fujitsu MpWalker MpJmCal=1
MpAosfB=1
MpAosfX=1
MpAosfP=1
Fujitsu MpWalker MpJobsch=1
Fujitsu MpWalker MpMjes=1
MpNjsosv=1
Fujitsu MpWalker MpJmSrv=1

【UNIX版】

[BASE]
rc.mpfwsec=1
[OMGR]
S99JMCAL=1
start_jmcmn=1
start_jobs=1
S99MJS=1

定義ファイルの設定値

定義ファイルの設定値について説明します。

[機能区分]
機能=監視動作

機能区分:

機能区分略称

機能:

機能の略称

監視動作:

0または1

0:監視しない。

1:監視を行い、異常時には通知を行う。

なお、機能区分と機能、機能に属するプロセスについては、監視対象プロセス一覧を参照してください。

定義ファイルの変更方法

定義を変更する場合、機能区分と機能については変更せず、監視動作の値のみを変更してください。

【変更例】

Windows版でカレンダ機能を監視対象からはずす場合の例を以下に示します。


[OMGR]
Fujitsu MpWalker MpJmCal=1


[OMGR]
Fujitsu MpWalker MpJmCal=0

注意

以下の機能に対しては、監視を行う設定(監視動作“1”)にしても、監視は行われません。

  • インストールされていない機能

  • サービスの“スタートアップの種類”で “手動”や“無効”に設定している機能【Windows版】

  • 以下のデーモン一括起動カスタマイズ用ファイルで、デーモンの自動起動の設定を解除している機能【UNIX版】

    /etc/opt/FJSVftlo/daemon/custom/rc3.ini

2.14.1.3 プロセス監視機能の定義情報を変更する

プロセス監視機能は、定義ファイルの内容に従って動作します。定義ファイルの内容は必要に応じて変更することができます。定義ファイルの内容および変更の仕方について説明します。

定義情報の変更手順

プロセス監視機能の定義情報の変更は、以下の手順で行います。

  1. 定義ファイルの変更

    プロセス監視機能の定義ファイルを変更します。定義ファイルの内容および変更方法については、後述しています。

  2. プロセス監視機能の再起動

    変更した定義情報を有効にするには、プロセス監視機能の再起動が必要です。以下の方法で再起動してください。

    【Windows版】

    • [スタート]-[コントロールパネル]の[管理ツール]-[サービス]を開いて、以下のサービスを再起動させます。

      Systemwalker MpPmonO

    【UNIX版】

    1. プロセス監視機能の停止

      以下のコマンドを実行します。

      /opt/FJSVftlo/pmon/bin/stpmppmon.sh

    2. プロセス監視機能の起動

      以下のコマンドを実行します。

      /opt/FJSVftlo/pmon/bin/strmppmon.sh

定義ファイル

プロセス監視機能の定義ファイルは、以下のとおりです。

【Windows版】

Systemwalker Operation Managerインストールディレクトリ\mpwalker.jm\mpcmtool\pmon\etc\mppmon.ini

【UNIX版】

/etc/opt/FJSVftlo/pmon/mppmon.ini

定義ファイルの内容

定義ファイルの内容を以下に示します。後述の定義項目一覧を参照し、必要に応じて設定値を変更してください。

# Process Monitoring Definition File
#    Systemwalker Operation Manager

[Common]
StartWait=60              # Interval to Start Monitoring
                          # 60-3600 secs is available

CheckWait=60              # Interval of Each Monitoring
                          # (If, Monitor Result is Normal)
                          # 60-3600 secs is available

RetryWait=60              # Interval of Retry Monitoring
                          # (If, Monitor Result is Abnormal)
                          # 60-3600 secs is available

RetryCount=3              # Time to Retry
                          # 3-255 times is available

[Notification]
Destination=
                          # Destination Nodes to Notify
                          # You can direct until 4 nodes, as
                          # "Destination=node1,node2,node3,node4"
                          # If you don't direct any node, we use
                          # System Monitor default notification node
                          # (If System Monitor is running).

MyIPaddr=
                          # IP address of this host.
                          # If you don't direct, we try to find
                          # the one of this host, and use the one
                          # which we find at first.

MpTrap=OFF                # If you want to use Systemwalker Trap,
                          # edit as "MpTrap=ON",
                          # otherwise edit as "MpTrap=OFF"

MpConsole=OFF            # If you want to notify to Systemwalker Console,
                          # edit as "MpConsole=ON",
                          # otherwise edit as "MpConsole=OFF"

MpEvlog=ON                # If you want to output Eventlog,
                          # edit as "MpEvlog=ON",
                          # otherwise edit as "MpEvlog=OFF"

UserOriginal=OFF          # If you want to use your original command,
                          # edit as "UserOriginal=ON",
                          # otherwise edit as "UserOriginal=OFF"

### End of Definition File ###

定義項目一覧

プロセス監視機能の定義ファイルの項目一覧を以下に示します。

[Common]セクション

設定値名

説明

初期値

設定可能値

StartWait

起動時にプロセス監視が開始されるまでの待ち時間(秒)を指定します。

60

60~3600

CheckWait

プロセス状態をチェックする時間間隔(秒)を指定します。

60

60~3600

RetryWait

プロセス異常を検出したときに、再確認を行うまでの時間間隔(秒)を指定します。

60

60~3600

RetryCount

プロセスの異常を最初に検出してから通知するまでに再確認を行う回数を指定します。

3

3~255

[Notification]セクション

設定値名

説明

初期値

設定可能値

Destination
(注1)

プロセス状態の異常を通知する通知先ノード名を指定します。4ノードまで指定可能です。値が未設定の場合、Centric Managerのシステム監視の通知先が使用されます。
この通知先設定は、トラップ通知機能/カスタマイズ通知コマンドにおいて有効です。
[指定例]
Destination=node1,node2,node3

なし

コンマ区切り4ノードまで

MyIPaddr
(注1)

プロセス状態の異常を通知する場合の検出元(自ノード)のIPアドレスを指定します。
複数のIPアドレスを持つノードで、検出元IPを固定したい場合に設定します。
未指定の場合は、初めに見つかる自ノードのIPアドレスが使用されます。

なし

xxx.xxx.xxx.xxx 形式

MpTrap
(注1)

異常通知をトラップ通知機能で行います。
通知先にSystemwalker CentricMGRのV10.1/V10L20が動作している場合に有効です。
ON: 有効 / OFF: 無効

OFF

ON / OFF

MpConsole
(注2)

異常通知を、Centric ManagerのSystemwalkerコンソールが起動している画面に、ダイアログで表示します。
ON: 有効 / OFF: 無効

OFF

ON / OFF

MpEvlog

異常検出時に、検出元のアプリケーションログ/システムログに情報を出力します。
ON: 有効 / OFF: 無効

ON

ON / OFF

UserOriginal

異常検出時にカスタマイズ通知コマンドを実行します。
ON: 使用する / OFF: 使用しない

OFF

ON / OFF

注1)

Systemwalker Centric Managerと混在している場合のみ有効です。

注2)

Systemwalker Centric Manager運用管理サーバと混在している場合のみ有効です。

異常検出時に特定の処理を実行させる

プロセス監視機能でプロセスの異常を検出した場合に、利用者側で定義した特定の処理を実行させることができます。

異常時に特定の処理を実行させるためには、あらかじめ“カスタマイズ通知コマンド”(バッチファイル/シェルスクリプト)に処理を記述し、“mppmon.ini”(プロセス監視定義ファイル)ファイル内の[Notification]セクションの“UserOriginal”パラメタを“ON”にしておきます。

カスタマイズ通知コマンド

【Windows版】

Systemwalker Operation Managerインストールディレクトリ\mpwalker.jm\mpcmtool\pmon\bin\mppmonsnd.bat

【UNIX版】

/opt/FJSVftlo/pmon/bin/mppmonsnd.sh

コマンド内容

デフォルトでは何も実行しません。必要に応じて処理を記述してください。

【Windows版】

【UNIX版】