インストール後の作業について以下に説明します。
■環境変数の設定
アプリケーションサーバの運用に必要な環境変数を設定します。
本製品では、環境変数の設定を行う支援ツールとして、以下のシェルスクリプトを提供しています。
/opt/FJSVisas/bin/setISASEnv.sh
/opt/FJSVisas/bin/setISASEnv.csh
支援ツールを使用して環境変数の設定を行う方法を以下に示します。
ボーンシェルまたはbashの場合
運用を行う各マシンにおいて、ドットコマンドを使用してsetISASEnv.shを実行します。
. /opt/FJSVisas/bin/setISASEnv.sh |
Cシェルの場合
運用を行う各マシンにおいて、sourceコマンドを使用してsetISASEnv.cshを実行します。
source /opt/FJSVisas/bin/setISASEnv.csh |
各支援ツールの詳細については、“Interstage Application Server リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“環境変数設定ツールについて”を参照してください。
■Oracle Database 10gを使用する場合の設定
アプリケーション連携実行基盤においてOracle Database 10gを使用する場合は、インストールメディアに含まれるモジュールで実行環境のモジュールを入れ替える必要があります。
コピー元
[インストールメディアがマウントされたディレクトリ]/compat/libapfwdbalib.so [インストールメディアがマウントされたディレクトリ]/compat/libapfwdbalib_nt.so |
コピー先
/opt/FJSVibs/lib/libapfwdbalib.so /opt/FJSVibs/lib/libapfwdbalib_nt.so |
モジュールをコピーした後に、以下のコマンドを実行して適切な所有者、権限に変更してください。
chown root:sys /opt/FJSVibs/lib/libapfwdbalib.so chown root:sys /opt/FJSVibs/lib/libapfwdbalib_nt.so chmod 555 /opt/FJSVibs/lib/libapfwdbalib.so chmod 555 /opt/FJSVibs/lib/libapfwdbalib_nt.so |
/opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcoracle.shの環境変数APFWRC_ORACLEを編集してください。
■syslogの環境設定
実行基盤が動作する過程において発生する問題は、syslogへエラー情報の出力を行います。
実行基盤が出力するエラー情報を出力するために、以下の対応を行ってください。
なお、ログ制御ファイルの設定により、syslogへの出力方法をUDP、またはsyslog関数に切り替えることも可能です。出力方法をsyslog関数とする場合は、以下の設定は不要となります。出力先の変更についての詳細は“Interstage Business Application Server セットアップガイド”の“ログ制御ファイルの設定”を参照してください。
Java APIでログを出力する場合、初期化パラメタにより出力方法をUDP、またはsyslog関数に切り替えることも可能です。初期化パラメタについては“Interstage Business Application Server アプリケーション開発ガイド”の“非同期アプリケーション連携実行基盤を利用する場合(Java)”の“初期化パラメタ”を参照してください。
以下のように、LOG_FROM_REMOTEの変更を行ってください。
LOG_FROM_REMOTE=YES |
以下のように、syslogの再起動を行ってください。
/usr/sbin/svcadm restart svc:/system/system-log:default |
注意
上記の設定は、ログ・サーバへの出力設定です。
ログ・サーバは、UDPポートの「514」番を利用しログを受付けます。
ログ・サーバの設置場所によっては、DoS攻撃の被害にあう可能性があります。
そのため、Interstage Business Application Serverを運用するサーバは、業務サーバセグメントが敷設された領域内の物理的に保護された領域での運用を実施してください。
syslogdがIPv6に対応していない場合、IPv6アドレスを使用してsyslogを出力するとログが出力されません。
IPv4で運用するか、syslog関数で出力してください。
■J2EEの環境設定
以下の場合には、インストール後にJ2EEのJava環境の設定をしてください。
Javaを追加インストールした場合
使用するJavaのバージョンを変更した場合
環境設定については、“Interstage Application Server J2EE ユーザーズガイド(旧版互換)”の“動作環境のカスタマイズと確認”を参照してください。
■Web Package機能のインストール時にServletサービスに関するエラーメッセージが出力された場合の対処
Web Package機能のインストール時に、Servletサービスに関する以下のメッセージが出力された場合の対処について説明します。
Could not make the Servlet Service environment default settings.
上記の場合、IJServerとWebサーバをそれぞれ別のサーバマシンに分離して運用するための初期設定ができませんでした。
必要に応じて、IJServer用とWebサーバ用のサーバマシン上で、それぞれのInterstage管理コンソールから、[システム] > [環境設定]タブ > [Servletサービス詳細設定] > [Webサーバとワークユニットを同一のマシンで運用する]で[運用しない]を選択してください。
■Java EE 5機能のインストール時にエラーメッセージが出力された場合の対処
Java EE 5機能のインストール時に、以下のメッセージが出力された場合の対処について説明します。
ijinit: ERROR: ISJEE_IJINITで始まるメッセージ
ijinit failed.
インストール中に上記のメッセージのどちらか、または両方が出力された場合は、インストールの終了後にijinitコマンドを実行してJava EE運用環境の初期化を行ってください。ijinitコマンドの詳細については、“Interstage Application Server リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
また、ijinitコマンド実行後に、issetsecuritymodeコマンドを実行してセキュリティ権限の設定を行ってください。セキュリティモードはインストール時と同じモードを選択してください。issetsecuritymodeコマンドの詳細については、“Interstage Application Server リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
■Solaris 11でインストール時に警告メッセージが出力された場合の対処
Solaris 11のFJSVisasのインストール時に、以下のメッセージが出力された場合の対処について説明します。
WARNING: setting mode of</usr/lib/locale/ja> to default mode (755)
WARNING: setting mode of</usr/lib/locale/ja/LC_MESSAGES> to default mode (755)
Solaris 11のインストール時に日本語(japanese)を選択した場合の文字コードが、EUCからUTF-8(ja_JP.UTF-8)に変更なり、Solaris 10までの省略形式のロケール(ja)が廃止となったことで、FJSVisasのインストール時に“/usr/lib/locale/ja”と“/usr/lib/locale/ja/LC_MESSAGES”のディレクトリが自動生成されますが、動作には影響はありません。
■EJBサービスのシステムパラメタのチューニング
EJBサービスを使用する際には、以下のシステムパラメタのチューニングを行ってください。
項番 | チューニングが必要なシステムパラメタの種類 | EJBサービスの動作に必要な値 |
---|---|---|
1 | msginfo_msgmni | 2以上の値を、既存のmsginfo_msgmniの値に加算してください。msginfo_msgmniが未定義の場合には、デフォルト値に加算した値を設定してください。 |
2 | msginfo_msgmax | 既存の値が2048よりも小さい場合には、2048以上の値を設定してください。msginfo_msgmax値が未定義の場合には、4096以上の値を設定してください。 |
3 | msginfo_msgmnb | 既存の値が4096よりも小さい場合には、4096以上の値を設定してください。msginfo_msgmnb値が未定義の場合には、4096以上の値を設定してください。 |
4 | msginfo_msgtql | 512以上の値を既存のmsginfo_msgtqlの値に加算してください。msginfo_msgmniが未定義の場合には、デフォルト値に加算した値を設定してください。 |
■Webサーバのポート番号の設定
Interstage HTTP ServerとApache HTTP Server(基本ソフトウェアにバンドルされるApache HTTP Server)では、ポート番号の初期値が同じ値(ポート番号:80)で設定されているため、ポート番号を変更してください。それにより、Webサーバを共存させることができます。
Webサーバの使用条件に応じて、以下の対応を行ってください。
Interstage HTTP Serverを通常使用するWebサーバ(ポート番号:80)として利用する場合は、Apache HTTP Serverの以下のファイルを編集します。ファイル内のListenディレクティブの設定値を80以外のポート番号に変更してください。1~65535が指定可能です。
/etc/httpd/conf/httpd.conf
Apache HTTP Serverを通常使用するWebサーバ(ポート番号:80)として利用する場合は、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)を編集します。Interstage HTTP Serverのポート番号の設定方法については、“Interstage HTTP Server 運用ガイド”の“環境定義ファイル”-“ポート番号とIPアドレスの設定”を参照してください。
他のWebサーバを通常使用するWebサーバ(ポート番号:80)として利用する場合は、上記の“Interstage HTTP Serverを通常使用するWebサーバ(ポート番号:80)として利用する場合”および“Apache HTTP Serverを通常使用するWebサーバ(ポート番号:80)として利用する場合”の両方の対応を行ってください。
■Interstage Java EE管理コンソールのSSL暗号化通信用の証明書のフィンガープリントの確認
インストール時に、Interstage Java EE管理コンソールのSSL暗号化通信で利用する証明書が自動生成されます。WebブラウザからInterstage Java EE管理コンソールに正しく接続しているかを確認するときのために、生成されている証明書のフィンガープリントを確認します。
SSL暗号化通信を使用しない設定にした場合は、本操作を実施する必要はありません。
証明書のフィンガープリントの確認方法を以下に示します。
cd [Java EE共通ディレクトリ]/domains/interstage/config |
証明書のフィンガープリントは以下のように表示されます。
… |
表示されたフィンガープリントは記録しておいてください。
なお、この証明書は、Interstage Java EE管理コンソールとWebブラウザ間のSSL暗号化通信において、インストール直後から簡単にSSL暗号化通信が利用できるようにすることを目的に、本製品が自動生成したものです。セキュリティを強化したい場合は、認証局から取得した証明書を利用する運用に切り替えてください。運用を切り替える方法については、“Interstage Application Server Java EE運用ガイド”の“Java EE機能のセキュリティ”-“Java EEアプリケーションのセキュリティ機能”-“SSL”を参照してください。
■Interstage管理コンソールのSSL暗号化通信用の証明書のフィンガープリントの確認
インストール時に、運用形態としてSSL暗号化通信(SSL暗号化コミュニケーション)を使用する設定にした場合は、Interstage管理コンソールのSSL暗号化通信で利用する証明書が生成されています。WebブラウザからInterstage管理コンソールに正しく接続しているかを確認するときのために、ここでは生成されている証明書のフィンガープリントを確認しておきます。
SSL暗号化通信を使用しない設定にした場合は、証明書は生成されていないため、本操作を実施する必要はありません。
証明書のフィンガープリントの確認方法を以下に示します。
cmdspcert -ed /etc/opt/FJSVisgui/cert -nn SSLCERT | grep FINGERPRINT |
証明書のフィンガープリントは以下のように表示されます。
FINGERPRINT(MD5): 40 79 98 2F 37 12 31 7C AE E7 B4 AB 78 C8 A2 28 |
表示されたフィンガープリントは記録しておいてください。
なお、この証明書は、Interstage管理コンソールとWebブラウザ間のSSL暗号化通信において、インストール直後から簡単にSSL暗号化通信が利用できるようにすることを目的に、本製品が自動生成したものです。セキュリティを強化したい場合は、認証局から取得した証明書を利用する運用に切り替えることができます。運用を切り替える方法については、“Interstage Application Server 運用ガイド(基本編)”の“Interstage管理コンソール環境のカスタマイズ”を参照してください。
■Interstage Java EE 6運用環境のセットアップ
Interstage Java EE 6 DASサービスの運用には、Interstage Java EE 6運用環境のセットアップを実施する必要があります。
“Interstage Application Server Java EE運用ガイド(Java EE 6編)”の“Java EE 6運用環境のセットアップ”を参照し、Interstage Java EE 6運用環境のセットアップを行ってください。
■電子フォームアプリケーションフレームワークの設定
電子フォームアプリケーションフレームワークを使用するには、以下の設定を行ってください。
Formcoordinatorログデーモンの起動
電子フォームアプリケーションのフレームワークをインストールすると、Formcoordinatorログデーモンがインストール時、およびシステムの起動時に自動的に起動されます。ただし、何らかの理由で停止した場合は次のコマンドを実行して、Formcoordinatorログデーモンを起動します。
# /etc/rc3.d/S79FJSVfcdn start |
なお、Formcoordinatorログデーモンを停止するには、以下のコマンドを実行します。
# /etc/rc0.d/K21FJSVfcdn stop |
環境設定
“Formcoordinatorユーザーズガイド”の“システムの構築”を参照し、電子フォームアプリケーションフレームワークの環境設定を行ってください。