ここでは、IJServerとMicrosoft(R) Internet Information Services 6.0を連携させるための環境設定方法について説明します。
Microsoft(R) Internet Information Services のWebサーバコネクタはISAPI APIを使用した組み込みISAPIフィルタとISAPIエクステンションとしてWebサーバ上で動作するため、Webサーバの起動と停止に連動します。
IJServerとWebサーバをそれぞれ別のマシンに分離して運用する場合には、Webサーバコネクタの環境設定を行う必要があります。詳細は、“3.6.5 IJServerとWebサーバを分離して運用する場合の手順”を参照してください。
ポイント
Microsoft(R) Internet Information ServicesのWebサーバコネクタでは、Webサーバ名が“FJapache”のInterstage HTTP ServerのWebサーバコネクタの設定を参照することで同様の動作を実施しているため、Microsoft(R) Internet Information ServicesのWebサーバコネクタを使用する場合でもWebサーバ名が“FJapache”のInterstage HTTP Serverを使用する際と同様に、Interstage HTTP Server とWebサーバコネクタの設定をInterstage管理コンソールから行う必要があります。
注意
同一マシン上において、Interstage HTTP ServerとMicrosoft(R) Internet Information Servicesは、それぞれのWebサーバに異なるポート番号を設定することにより、共存することは可能ですが、Webサーバ名が“FJapache”のInterstage HTTP ServerのWebサーバコネクタを同時に利用することはできません。
また、同一マシン上において、Microsoft(R) Internet Information ServicesでWebサーバコネクタとJK2コネクタを同時に利用することはできません。
InterstageとMicrosoft(R) Internet Information Servicesの連携は、以下の手順で行います。
1.Microsoft(R) Internet Information ServicesとInterstageのインストール
サーバマシンに、Microsoft(R) Internet Information ServicesとInterstageをインストールします。
ポイント
Microsoft(R) Internet Information Servicesを使用する場合は、Interstage HTTP Serverを必ずインストールしてください。Interstage HTTP Serverをインストールしないと、Microsoft(R) Internet Information ServicesとInterstageを連携させることができません。
また、Interstage HTTP Serverをインストール後、Webサーバ名が“FJapache”のInterstage HTTP Serverを削除した場合、Microsoft(R) Internet Information Servicesを連携させることができません。この場合、“FJapache”の名前でInterstage HTTP Serverを作成し直す必要があります。
2.Interstage HTTP Serverの自動起動の抑止
Interstage HTTP Serverの自動起動を抑止するための設定を行います。
Interstage HTTP Serverの停止
Interstage管理コンソールの[サービス] > [Webサーバ] > [FJapache] > [状態]タブで、[停止]ボタンを押下してInterstage HTTP Serverを停止します。
Interstage HTTP Serverの自動起動の抑止
Interstage HTTP Serverの自動起動を抑止します。詳細は、“Interstage HTTP Server運用ガイド”の“運用・保守”の“自動起動の設定”を参照してください。
注意
Interstage HTTP ServerとMicrosoft(R) Internet Information Servicesを共存させる場合、Interstageの再起動を行った際には、Webサーバ名が“FJapache”のInterstage HTTP Server以外のWebサーバを個別に起動してください。
3.IIS Admin Serviceサービス、またはサーバマシンの再起動
Microsoft(R) Internet Information Services6.0でIIS 5.0 プロセス分離モードを使用している場合、IIS Admin Serviceサービス、またはサーバマシンを再起動します。
Microsoft(R) Internet Information Services6.0でIIS 5.0 プロセス分離モードを使用している場合
IIS Admin Serviceサービスを再起動します。再起動は、Administrator権限でログインし、「コントロールパネル」の「サービス」または「コントロールパネル」-「管理ツール」-「サービス」を起動後、“IIS Admin Service”を選択し、[操作]から[再起動]を選択します。
4.Microsoft(R) Internet Information Servicesの環境設定
Microsoft(R) Internet Information ServicesのWebサーバコネクタをISAPIフィルタとISAPIエクステンションとして動作させるために設定を以下のように更新します。更新はMicrosoft(R) Internet Information Servicesのインターネットサービスマネージャを用いて行います。
WebサーバコネクタをISAPIフィルタとISAPIエクステンションとして動作できるように登録します。
Webアプリケーションにアクセス制限を設定する場合は、セキュリティの環境を定義します。
詳細な登録手順については、Microsoft(R) Internet Information Servicesのマニュアルを参照してください。
注意
Microsoft(R) Internet Information Servicesの環境設定は、バックアップリストアおよび移出移入の対象となりません。
Microsoft(R) Internet Information Servicesが起動されている場合は、停止してください。停止は、Administrator権限でログインし、「コントロールパネル」の「サービス」または「コントロールパネル」-「管理ツール」-「サービス」を起動後、“World Wide Web Publishing Service”を選択し、[操作]を選択後、一覧から[停止]を選択します。
コンソールツリーの[Webサイト]配下に作成されているWebサイトの“ISAPIフィルタ”にWebサーバコネクタを設定します。
フィルタの実行ファイルには、以下のWebサーバコネクタのファイル名を設定します。
C:\Interstage\F3FMjs5\gateway\isapi\isapi_redirector2.dll |
コンソールツリーの[Webサイト]配下に作成されているWebサイトに“仮想ディレクトリ”を作成します。
設定する値は以下のとおりです。
ローカルパス | C:\Interstage\F3FMjs5\gateway\isapi |
名前(エイリアス) | F3FMjs5 |
仮想ディレクトリのアクセス許可においてISAPIアプリケーションの実行を許可してください。
ISAPIフィルタへの登録で設定したWebサーバコネクタのファイルをWeb サービス拡張に追加して、状態を“許可”に設定します。
最大ワーカー プロセス数に1を、ワーカー プロセスのリサイクルを無効にします。
ワーカー プロセスのリサイクルを無効にするには、ISAPIエクステンションへの登録で作成した仮想ディレクトリに設定されているアプリケーションプールの「プロパティ」-「リサイクル」タブですべての項目の選択を解除してください。
Webアプリケーションにアクセス制限を設定する場合は、Webサーバコネクタに対してアクセス制限を設定します。
“仮想ディレクトリ”の“ディレクトリセキュリティ”で設定してください。
Microsoft(R) Internet Information Servicesの起動は、Administrator権限でログインし、「コントロールパネル」の「サービス」または「コントロールパネル」-「管理ツール」-「サービス」を起動後、“World Wide Web Publishing Service”を選択し、[操作]を選択後、一覧から[起動]を選択します。
注意
Windows Server(R) x64 Editions(32ビット互換)でInterstage Application Serverを運用する場合は、32ビットモードを有効にして動作させてください。32ビットモードを有効にするには、コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行します。
cscript %SystemDrive%\inetpub\AdminScripts\adsutil.vbs set w3svc/AppPools/Enable32bitAppOnWin64 1 |
5.Interstageの環境設定
Interstageの環境設定(ワークユニットの作成、Webアプリケーションの配備など)は、Interstage管理コンソールで、Interstage HTTP Serverを使用する場合と同様の操作で行います。
ただし、Interstage HTTP Serverを使用する場合と、Microsoft(R) Internet Information Servicesを使用する場合とでは、以下の差異があります。
Microsoft(R) Internet Information Servicesを使用する場合は、同一マシン上では、複数のWebサイトに対して、Webサーバコネクタを設定して使用することはできません。また、Interstage管理コンソールで、Interstage HTTP Serverの設定でWebサーバのバーチャルホストを設定して使用することはできません。
Webサーバの設定は、Microsoft(R) Internet Information Servicesが提供するインターネットサービスマネージャで行います。
注意
WebサーバコネクタとServletコンテナ間でSSL通信を行う場合には、Microsoft(R) Internet Information Servicesを実行するユーザがInterstage証明書環境へのアクセスを許可する、Administrators権限を所有している必要があります。一般権限のユーザでSSL機能を使用する場合、エクスプローラでInterstage証明書環境のディレクトリを選択し、「プロパティ」メニューの「セキュリティ」タブの画面で、ユーザまたはグループを追加することでアクセス権限を追加できます。追加したユーザまたはグループについては「フルコントロール」を設定するようにしてください。
Interstage証明書環境へのアクセス権限の詳細については、“セキュリティシステム運用ガイド”の“Interstage証明書環境の構築と利用”の“Interstage証明書環境のアクセス権限の設定”を参照してください。
Webサーバコネクタのログ出力ディレクトリ、およびWebサーバコネクタのログファイルに対して、一般ユーザ権限でフルコントロール可能なアクセス許可を付与してください。
ワークユニットの作成時、Webサーバは必ず“FJapache”を選択してください。Webサーバに“FJapache”を選択しない、またはワークユニットの環境設定で、Webサーバを“FJapache”から変更した場合は、Microsoft(R) Internet Information ServicesのWebサーバコネクタを使用することはできません。