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Interstage Application Server/Interstage Web Server Express リファレンスマニュアル(コマンド編)
Interstage

16.4 irepadmin

名前

irepadmin  -  リポジトリの高度な設定

形式

(1) リポジトリとRDBとの依存関係の設定(注1)
    irepadmin -R repository -setsvc name

(2) リポジトリとRDBとの依存関係の解除(注1)
    irepadmin -R repository -unsetsvc name

(3) リポジトリのスタートアップの設定
    irepadmin -R repository -startup type

(4) リポジトリの自動起動時にRDBの起動を待ち合わせるかどうかの設定(注1)
    irepadmin -R repository -rdbwait mode

(5) リポジトリからRDBへの最大コネクション数の設定(注1)
    irepadmin -R repository -maxconn 最大コネクション数

(6) スレーブサーバの環境設定(注1)
    irepadmin -R repository -readonly mode

(7) パスワード暗号化方式を暗号化しない設定に変更
    irepadmin -R repository -plaintext

(8) Symfoware Server サーバ用の動作環境ファイルの設定(注2)
    irepadmin -R repository -setsymenv file

(9) Symfoware Server サーバ用の動作環境ファイルの解除(注2)
    irepadmin -R repository -unsetsymenv

(10) リポジトリの設定内容の表示(注1)
    irepadmin -R repository -status

注1)リポジトリのデータベースとしてSymfoware/RDB、またはOracleデータベースを使用するときだけに有効です。
注2)リポジトリのデータベースとしてSymfoware/RDBを使用するときだけに有効です。

機能説明

リポジトリの高度な設定を行います。以下の機能があります。

パスワード暗号化方式の変更とレプリケーション用のスレーブサーバの環境設定は、Interstage管理コンソールでリポジトリを作成後、最初にリポジトリを起動するまでの間だけ実施できます。いったんリポジトリを起動すると、パスワード暗号化方式の設定とレプリケーション用のスレーブサーバの環境設定を変更することはできません。

以下に、irepadminコマンドの引数を説明します。

-R repository

情報を設定するリポジトリ名を指定します。
大文字、小文字は区別しません。半角英大文字を指定した場合も半角英小文字とみなします。

-setsvc name

システム起動時にリポジトリを起動する場合に、リポジトリのサービスの起動前にRDBのサービスが起動するように依存関係を設定します。リポジトリのデータベースとしてRDBを使用し、Interstage ディレクトリサービスとRDBを同じマシンで運用する場合だけに有効です。nameには以下を指定してください。

Symfoware Serverの場合

RDBシステム名を指定します。

使用例)

irepadmin -R rep001 -setsvc DSDBSYS

Oracleデータベースの場合

2回に分けて、以下の2つのサービスと依存関係を設定します。

  1. リスナーのサービス名

    • デフォルトのリスナーを使用する場合

      Oracle<Oracleホーム名>TNSListener

    • デフォルトではないリスナーを使用する場合

      Oracle<Oracleホーム名>TNSListener<リスナー名>

  2. Oracleデータベースのサービス名

    OracleService<Oracleインスタンス識別名(Oracle SID)>

    使用例)

    irepadmin -R rep001 -setsvc OracleOra10homeTNSListener
    irepadmin -R rep001 -setsvc OracleServiceOraDSDB

-unsetsvc name

-setsvcで依存関係を設定した内容を解除するときに使用します。nameには、-setsvcオプションのnameパラメタで指定した名前を指定してください。詳細については、-setsvcオプションを参照してください。
リポジトリのデータベースとしてRDBを使用しているときにだけ指定できます。

使用例)

Symfoware Serverの場合

irepadmin -R rep001 -unsetsvc DSDBSYS

Oracleデータベースの場合

irepadmin -R rep001 -unsetsvc OracleOra10homeTNSListener
irepadmin -R rep001 -unsetsvc OracleServiceOraDSDB

-startup type

システム起動時にリポジトリを自動起動するかどうかを、以下のどちらかのパラメタでtypeに指定します。大文字小文字は区別しません。初期値は「Auto」です。

  • Auto:システム起動時にリポジトリを自動起動します。

  • Manual:システム起動時にリポジトリを自動起動しません。手動でリポジトリを起動する必要があります。

リポジトリのデータベースにRDBを使用する場合、RDBシステムの自動起動が設定されていることを確認してください。RDBシステムの自動起動については、“ディレクトリサービス運用ガイド”の“リポジトリの運用・保守”-“リポジトリの起動”を参照してください。

-rdbwait mode

システム起動時にリポジトリを自動起動するように設定した場合(-startupオプションに「Auto」を指定)、RDBのサービスの起動を待ち合わせるかどうかを設定します。以下のどちらかのパラメタをmodeに指定します。大文字小文字は区別しません。初期値は「no」です。

  • yes:待ち合わせる。

  • no:待ち合わせないでエラーとする。

「yes」を指定した場合は、無制限に待ち合わせます。リポジトリがデータベースの起動を待ち合わせている状態で、クライアントからリポジトリへアクセスした場合、LDAP_UNAVAILABLE、またはLDAP_CONNECT_ERRORが復帰します。

リポジトリのデータベースとしてRDBを使用しているときにだけ指定できます。

-maxconn 最大コネクション数

リポジトリからRDBへの最大コネクション数を、4~1024の範囲で指定します。初期値は「16」です。データベースを配置するサーバのCPUコア数×4の値を設定することを推奨します。
リポジトリのデータベースとしてRDBを使用しているときにだけ指定できます。

-readonly mode

リポジトリをレプリケーション運用時のスレーブとして利用する場合に、リポジトリを更新できないように設定します。以下のどちらかのパラメタでmodeに指定します。大文字小文字は区別しません。初期値は「off」です。

  • on:参照専用としてスレーブ用に設定します。(参照動作モード)

  • off:参照専用を解除する場合に使用します。(更新/参照動作モード)

リポジトリのデータベースとしてRDBを使用しているときにだけ指定できます。

-plaintext

リポジトリに登録したパスワード(userPassword属性)を、元の暗号化されていないテキスト形式のパスワードで取り出す場合に指定します。

クライアントとリポジトリ間の通信データは、元の暗号化されていないテキスト形式で送信されます。そのため、パスワードが、第三者に解読される可能性があり、セキュリティ上の脅威となります。クライアントとリポジトリ間の通信データは、SSL通信で暗号化してください。

-setsymenv file

Symfowareの動作環境をチューニングする場合に、チューニング情報を記述したサーバ用の動作環境ファイルを設定します。fileにはSymfoware Serverを運用するマシン上に用意したサーバ用の動作環境ファイルを絶対パスで指定してください。サーバ用の動作環境ファイルの絶対パスは255文字以内で指定してください。また、以下の文字は使用することができませんので、以下の文字を使用しないファイルの絶対パスを指定してください。

  • セミコロン(;)

  • カンマ(,)

  • 小括弧(())

  • ダブル引用符(")

  • イコール(=)

  • マルチバイト文字


Symfoware ServerをWindows上で運用する場合、セパレータであるバックスラッシュをエスケープする必要があります。

例) サーバ用の動作環境ファイルが「C:\symenv\fssqlenv」の場合、fileには以下のように指定します。

"C:\\symenv\\fssqlenv"

サーバ用の動作環境ファイルの作成については、Symfoware Serverのマニュアル“アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL編)”を参照してください。リポジトリのデータベースとしてSymfoware/RDBを使用しているときにだけ指定できます。

使用例)

irepadmin -R rep001 -setsymenv /symenv/fssqlenv

-unsetsymenv

-setsymenvで指定したサーバ用の動作環境ファイルの設定を解除します。解除するとSymfowareの動作環境のチューニングは行われません。リポジトリのデータベースとしてSymfoware/RDBを使用しているときにだけ指定できます。

使用例)

irepadmin -R rep001 -unsetsymenv

-status

リポジトリの設定内容を標準出力に出力します。

出力例)

startup : Auto
readonly : on
max-connection : 16
rdbwait : yes
symenv : /symenv/fssqlenv (dbhost)

  

startupの出力結果には、以下の3つがあります。

  • Auto : 自動起動します。

  • Manual : 手動で起動します(自動起動しません)。

  • Unknown : 状態取得に失敗しました。

readonlyの出力結果には、以下の2つがあります。

  • on : スレーブサーバとして運用します。

  • off : マスタサーバとして運用します。

rdbwaitの出力結果には、以下の2つがあります。

  • yes : 待ち合わせを行う。

  • no : 待ち合わせを行わないでエラーとする。

symenvの出力結果には、-setsymenvで設定したサーバ用の動作環境ファイルとSymfoware Serverのホスト名が括弧付きで出力されます。サーバ用の動作環境ファイルを設定していないときはファイル名の部分に「none」が出力されます。symenvはリポジトリのデータベースとしてSymfoware/RDBを使用した場合だけに出力されます。

表示結果は使用しているOS、および使用するデータベースにより異なります。

OSとデータベース

startup

readonly

maxconn

rdbwait

symenv

備考


標準データベース

-

-

-

-

-

使用できません。


RDB

-

-

(*)

  


標準データベース

-

-

-

-

  


RDB

(*)

  

○: 設定内容を表示します。
(*) Symfoware/RDBを使用した場合だけです。

注意事項