EJBの概要については、"3.1.1 EJBとは"を参照してください。
Java EE 6に含まれるEJB仕様はEJB 3.1です。EJB 3.1は開発の更なる簡易化に向けて以下のような仕様が改善されています。
EJB-JARファイルの作成が不要
従来、EJBを利用するためには、EJB-JARファイルを作成する必要がありましたが、EJB 3.1では作成する必要がなくなりました。
アノテーションによりコンポーネント定義されているクラスは、WEB-INF/classesディレクトリ内に、あるいはWEB-INF/libディレクトリ内のjarファイルとしてパッケージされる事でEJBコンポーネントになります。
ローカルビジネスインタフェースの省略
従来、ローカルからEnterprise Beanを利用するためには、ローカルビジネスインタフェースを定義する必要がありましたが、EJB 3.1ではローカルビジネスインタフェースの定義を省略することができるようになりました。
使用例 (従来の定義)
ローカルビジネスインタフェースの定義: public interface Calc { public int add(int param1, int param2); } EJBクラスの定義: @Stateless public class CalcBean implements Calc { public int add(int param1, int param2) { return param1 + param2; } } クライアントからの使用: @EJB Calc a; a.add(1,1); |
使用例 (EJB 3.1での定義)
EJBクラスの定義: @Stateless public class CalcBean { public int add(int param1, int param2) { return param1 + param2; } } クライアントからの使用: @EJB CalcBean a; a.add(1,1); |
ポイント
EJB 3.1の詳細情報については、以下の規約を参照してください。
JSR 318: Enterprise JavaBeans(TM) 3.1
EJBの開発の流れや開発手順については、"3.2.2 開発の流れ"および "3.2.3 開発手順"を参照してください。なお、アプリケーションを作成するための準備については、"9.6.1 アプリケーション作成のための準備"を参照してください。
注意
標準のワークベンチとJava EE 6ワークベンチでは、ウィザードの名前が異なる場合があります。
例:[Session Bean]ウィザードが、[Session Bean (EJB 3.x)]ウィザードに変更されています。