アプレットを開発、運用する場合の留意事項について以下に説明します。
Webブラウザの選択
Webブラウザによって、アプレットが画面で表示されるサイズなどに若干の違いがあります。また、Webブラウザのオプション設定によって、アプレットの動作を変更できるものもあります。ブラウザのJavaScriptやHTMLのサポートレベルにも注意する必要があります。
Javaプラグイン
Javaプラグインとは、Webブラウザの提供するJavaVM(実行環境)を利用しないで、外付けのJavaVM(たとえば、JDKのJavaVM)を利用して、アプレットを実行する仕組みです。Javaプラグインを利用する場合、クライアントマシンにプラグインをインストールする必要があります。
サーバアクセスの制限
悪意をもつアプレットによる被害を防ぐために、アプレットからはローカルファイルやほかのサーバへのアクセスが禁止されています。
アプレットから、データベースのサーバと通信をする機能を使う場合には、アプレットが存在するWebサーバにデータベースのサーバ環境を作成する必要があります。
Webサーバの負荷を軽減するためには、Webサーバ上にサーブレットやEnterprise JavaBeans(以降では、EJBと略します)などのサーバアプリケーションを置き、アプレットはサーバアプリケーションと通信し、サーバアプリケーションから別のサーバ(データベースサーバなど)にアクセスするようにします。
EJBの利用
アプレットからは、Webサーバ上のEJBを利用することができます。
アプレットの開発時には、Enterprise Beanのスタブをプロジェクトに追加し、プロジェクトのJARファイルに結合します。また運用時には、EJBで使用するライブラリをサーバにインストールする必要があります。
データベースの利用
アプレットからサーバ上のデータベースを利用する場合は、クライアントマシンにデータベースに合ったJDBCドライバをインストールする必要があります。
Bean固有の留意事項について、以下に説明します。
分割ペイン(JSplitPane)
分割ペインには、分割部分にパネルを貼る必要があります。そのため、分割ペインを貼ったときに自動でパネルが貼られます。このパネルは削除することはできません。
スクロール(JScrollPane)
Swingのリストボックス(JList)などは、その内容がBeanの表示領域を超えてもスクロールバーが自動的に付きません。スクロールバーを付けるためには、まずスクロールペイン(JScrollPane)を貼って、その上にSwingのリストボックス(JList)などを貼ります。これで、スクロールバーが必要なときに表示されるようになります。なお、スクロールペイン(JScrollPane)には、Beanを1つしか貼ることができません。
AWTのBeanは、スクロールペイン(JScrollPane)に貼ってもこのスクロール動作はできません。AWTのBeanは、それ自身がスクロール機能をもつので、スクロールペインを利用する必要はありません。
重量コンポーネントとパネル
重量コンポーネントを何かに貼る場合は、その貼り付け先も重量コンポーネントにすることを推奨します。たとえば、AWTボタンやAWTテキストフィールドをパネルに貼る場合、そのパネルもAWTパネルを利用します。
重量コンポーネントと軽量コンポーネント
重量コンポーネントのBeanと軽量コンポーネントのBeanを重ねると、必ず重量コンポーネントのBeanが上に表示されます。
不可視Bean
GUIをもたない不可視Beanの新規貼り付けでは、可視Beanと同様にコンテナやJavaフォーム上で貼り付け操作を行いますが、貼り付けたあとはJavaフォーム上に表示されず、コンポーネントツリー上にグレー表示されます。プロパティの操作は、コンポーネントツリー上でBeanを選択して行います。
タブ(JTabbedPane)
タブは、複数のページで構成されています。以下にページの追加、削除およびページタイトルの指定の操作について説明します。
ページの追加
タブに直接貼り付けたBeanが、タブ上で1つのページになります。一般には、1つのページは複数のBeanで構成します。そのため、各ページには、最初にパネル(JPanel)を貼り(パネルは内部に複数のBeanを貼ることができる)、その上に必要な複数のBeanを貼ります。このとき、パネルのレイアウトマネージャは必要に応じて選択します。なお、タブを新規に貼ったときに、このパネルを貼ったページが複数自動生成されます。
ページを実際に追加するには、パネルをオブジェクトパレットから選択し、タブストリップ(ページ切替え時にクリックするページのタイトルが表示されている箇所)の位置からドラッグを開始します。Beanの貼り付けのドラッグをタブストリップの位置から開始した場合が、ページの追加操作になります。タブストリップの位置がタブの下や横にある場合も同様に、その下や横に付いたタブストリップの位置からドラッグを開始するとページが追加されます。なお、ページが一切ない場合は、どの位置からドラッグしてもページ追加となります。
ページの削除
タブのページを削除するには、ページに貼ってあるパネルを選択して、Beanの削除操作をします。
ページタイトルの指定
ページタイトルを指定するには、指定するページのパネルを選択し、パネルの標準プロパティ「配置条件」にタイトル文字列を指定します。
ページ順序の変更
ページの並びを変更するには、変更するページのパネルを選択し、親コンテナへの追加順を指定します。
JDKのバージョン変更に伴うBeanのデザイン差異
JDKのバージョンを変更すると、Beanのデザインに差異が生じることがあります。
Javaフォーム機能の留意事項について、以下に説明します。
変更禁止ソースをパッケージエクスプローラ、アウトライン、ソースメニューなどから編集しないでください。
注)変更禁止ソースとは、ソース先頭の"// Graphical Editor Form"と"//@@Form Design Information start"、"//@@Form Design Information end"で囲まれた部分のソースです。
変更禁止ソースの背景色は変更することができません。
Javaフォーム定義はプロジェクトごとに起動されます。
Javaフォーム、アプレット、JavaBeansのソースはリファクタリングできません。
ナビゲータビューなどからファイルの名前を変更しないでください。Javaフォームソースを別名保存するときは、必ずJavaフォーム定義から行ってください。変更した場合には、元の名前に戻してから開き直してください。
Javaフォームのクラス宣言などが破壊されて解析できない場合には、解析できない部分のソースを復元します。復元前のソースはコメントアウトされずにそのまま残ります。
グラフィカルエディタは、リンクファイルまたはリンクフォルダに存在するファイルを開くことができません。
Javaフォーム、アプレット、JavaBeansのファイルをグラフィカルエディタ以外のエディタで編集した場合、ローカルヒストリ機能などを利用して、編集前の状態に戻してからグラフィカルエディタで開き直してください。
Beanリストビューの"リファレンス"メニューは標準ワークベンチでは表示されません。APIリファレンスは各マニュアルを参照してください。
プロパティウィンドウのヘルプ表示機能について。マニュアルが存在しない項目を選択してもヘルプボタンが無効になりません。また、固有プロパティのJBKに関する項目は表示されないことがあります。これらは制限となります。
対応文字コードはShift_JIS(MS932)となります。
画面制御パネル編集の留意事項について、以下に説明します。
画面制御パネルのファイルをリファクタリングで名前変更する場合、ファイルが編集中であっても、その時点のファイルの内容でリファクタリング処理が行われます。リファクタリングの結果は編集中のソースには反映されません。また、編集中のソースを保存すると、リファクタリングで名前変更する前のファイル名で保存されます。
共通留意事項