業務LANには、管理対象機器(サーバ機器とネットワーク機器)が接続されます。
iSCSI LANには、管理対象機器(サーバ機器とストレージ機器)が接続されます。
なお、iSCSI LANについては、iSCSIに対応したストレージ機器と物理L-Serverの配備対象になるサーバ機器を接続する場合に設計が必要です。
業務LANを設計するために必要な情報
業務LANを設計するために、事前に明確にしておく情報を以下に示します。
必要な機器(サーバ機器とネットワーク機器)の台数を見積もります。
仮想システムの設計結果で必要な機器を決定します。
必要な台数は、以下から見積もります。
仮想システムの設計で想定される性能要件
管理LANの設計で予定しているテナント数
利用予定の機器の仕様
機器に必要な仕様(提供機能を含む)を見積もります。
業務LANで使用するVLAN IDの数を決定します。
各機器によってVLAN IDの最大数が異なるため、管理LANと業務LANの両方に接続する機器については、最大数を超えないように決定します。
業務LANで使用するVLAN IDの範囲を決定します。
各機器によってVLAN IDの使用可能範囲が異なるため、管理LANと業務LANの両方に接続する機器については、使用範囲が重複しないように決定します。
業務LANのIPアドレスの範囲を決定します。
通信経路の冗長構成の有無を決定します。
仮想システムの設計結果で通信経路の冗長構成の有無は決定します。
使用するLANポートまたはNICを決定します。
以下のどれかを利用するように決定します。
ネットワーク機器の場合、管理LANに割り当てたLANポート以外
サーバ機器の場合、管理LANに割り当てたNIC以外
ラックマウント型サーバまたはタワー型サーバを物理L-Serverとして使用する場合、以下の情報を決定します。
ラックマウント型サーバまたはタワー型サーバのNIC番号
ラックマウント型サーバまたはタワー型サーバの背面に並んでいるNICの並びや枚数を確認し、物理L-Server作成時に指定するNICの番号(1,2,...(1から始まる連番))を決定します。
なお、管理LANでは、番号が小さいNICを利用(管理LANが非冗長構成の場合は"1"、管理LANが冗長構成の場合は"1~2")するため、それ以降のNICを利用してください。
参考
管理対象サーバがブレードサーバの場合、同じシャーシ内で搭載されているLANスイッチブレードのモデルによっては、使用できないNICがあります。
このとき、管理対象サーバにLANスイッチブレードと拡張NICを追加して追加したNICを使用するか、管理LANのNICを業務と共有して使用します。
管理LANのNICを共有する場合、管理対象サーバの業務LANは、すべてタグVLANを設定します。
なお、使用できないNICは、搭載されるLANスイッチブレードとブレードサーバの組合せに依存します。詳細は、LANスイッチブレードとブレードサーバのマニュアルを参照してください。
iSCSI LANを設計するために必要な情報
iSCSI LANを設計するために、事前に明確にしておく情報を以下に示します。
iSCSI LANに利用するサーバ側のNICを決定します。
シングルパス構成とマルチパス構成のどちらも利用できます。
それぞれのテナントのiSCSI LANで使用するVLAN IDとネットワークアドレスを決定します。
ETERNUSストレージまたはNetAppストレージと、LANスイッチブレードの間に、外部スイッチを接続するかを決定します。
ETERNUSストレージまたはNetAppストレージでマルチテナント機能の利用有無を決定します。
サーバ側のNICで利用するIQNを決定します。
ストレージのポートで利用するネットワークアドレスを決定します。
ストレージに設定するIQNを決定します。(サーバ側のNICで利用するIQNを使用します。)
iSCSI通信での認証の有無、認証を行う場合は認証情報を決定します。
設計した仮想システムの要件を実現するために、業務LANとiSCSI LANで必要な機器を明確にすることで、物理ネットワーク構成が確定します。
以下に仮想システムと物理ネットワーク構成の対応イメージの例を示します。
図9.7 仮想システムと物理ネットワーク構成の対応イメージ例
仮想システムをテナント単位に何個用意し、テナントを何個用意するのか決定することで、必要な機器の台数が決定し、全体構成も明確になります。
以下に物理システムの全体構成例を示します。
図9.8 物理ネットワークの全体構成例