DHCP環境のクライアントについて、稼働状態の監視、および、MIB監視を行うことができます。これにより、通常ノードと同様にDHCP環境のクライアントに対する監視ができます。また、DHCP環境のクライアントの変更を定期的に監視し、新たなノードの検出、IPアドレスの変更、ノードの削除および、許可されていないノードがネットワークに接続したことを監視し、イベントで通知することができます。
DHCP環境のクライアントを監視する
DHCP運用を行うセグメントに対し、定期的にノード検出を行い、ノードの変更を監視します。ノードの変更は、イベントによって監視することができます。監視する事象、メッセージ内容、および発生先ノードは以下のとおりです。
イベントを通知する条件 | 通知するイベント | [DHCPクライアント監視]ポリシー画面で設定する条件 | ||
---|---|---|---|---|
種別 | メッセージ文 | 発生先ノード | ||
DHCPクライアントが追加された場合 | 警告 | 新しいノードが接続しました。(XXX.XXX.XXX.XXX) | 追加されたノード | [新規ノードを検出] |
既存のDHCPクライアントのIPアドレスが変更された場合 | 警告 | 監視ノードが移動しました。(XXX.XXX.XXX.XXX->YYY.YYY.YYY.YYY) | 変更されたノード | [IPアドレスの変更を検出] |
DHCPクライアントが削除された場合 | 警告 | 監視ノードを対象から除外しました。(XXX.XXX.XXX.XXX) | 運用管理サーバ | [ノードの削除を検出] |
未登録のDHCPクライアントが追加された場合 | エラー | 未登録のノードが接続しました。(XXX.XXX.XXX.XXX) | 追加されたノード | [未登録ノードを検出] |
未登録のDHCPクライアントが追加された場合(MACアドレスが取得できなくなった場合) | 警告 | ノードのSNMPエージェントからの応答がありません。(XXX.XXX.XXX.XXX) | 対象ノード | [未登録ノードを検出] |
※ XXX.XXX.XXX.XXX、YYY.YYY.YYY.YYY:IPアドレス
イベントが通知される条件
「新しいノードが接続しました」のイベントが通知される条件
新規に追加されたDHCPクライアントのMACアドレスが、DHCPクライアントのポリシーで管理対象として登録されている場合
新規に追加されたDHCPクライアントのMACアドレスが、DHCPクライアントのポリシーで管理対象として登録されていない状態でノード検出され、その後の[ノードプロパティ]変更によって、DHCPクライアントのポリシーで登録済みのMACアドレスに設定された場合
新規に追加されたDHCPクライアントのMACアドレスが、DHCPクライアントのポリシーで管理対象として登録されていない状態でノード検出され、その後、DHCPクライアントのポリシーの変更、または、DHCPクライアント自身のMACアドレス変更によって登録済みとなった場合
DHCPノードの範囲指定を変更したことにより、一般ノードがDHCPノードとなり、そのノードのMACアドレスがDHCPクライアントのポリシーにて登録されている場合
「監視ノードが移動しました」のイベントが通知される条件
※「新しいノードが接続しました」または「監視ノードが移動しました」のイベントが通知済みのMACアドレスであることが前提となります。
新規に追加されたノードのMACアドレスが、すでに検知済みのノードのMACアドレスと一致し、かつ、IPアドレスが異なる場合
検出済みのDHCPクライアントがすでに存在し、その後、DHCPクライアントのポリシーで管理対象として登録されているMACアドレスが設定された場合
「監視ノードを対象から除外しました」のイベントが通知される条件
MACアドレスが、DHCPクライアントのポリシーで管理対象として登録済みの既知ノードが削除された場合
MACアドレスが、DHCPクライアントのポリシーで管理対象として登録済みの既知ノードが、DHCPノードの範囲指定を変更したことにより、DHCP範囲対象外となった場合
「未登録のノードが接続しました」のイベントが通知される条件
新規に追加されたDHCPクライアントのMACアドレスが、DHCPクライアントのポリシーで管理対象として登録されていない場合
新規に追加されたDHCPクライアントのMACアドレスが取得できなかった場合
DHCPノードの範囲指定を変更したことに伴い、DHCPの範囲内となったノードのMACアドレスが、DHCPクライアントのポリシーにて管理対象として登録されていない場合
DHCPクライアントの監視をすでに行っている環境において、「未登録のノードが接続しました」のイベントが通知済みのDHCPクライアントが存在する状態で、以下の操作を実行した場合
DHCPクライアント監視のポリシーを更新・再配付する
ネットワーク管理のポリシー一括配付コマンド(mpnmpref)を実行する
ネットワーク管理のデーモンを再起動する
「ノードのSNMPエージェントからの応答がありません」のイベントが通知される条件
※「新しいノードが接続しました」または「監視ノードが移動しました」のイベントが通知済みのMACアドレスであることが前提となります。
ノードの状態がSNMPエージェント動作中、または一部インタフェースが停止から、SNMPエージェントが未起動に遷移した場合
ノードの状態がSNMPエージェント動作中、または一部インタフェースが停止から、未起動に遷移した後(この時点ではイベントは通知されません)、SNMPエージェントが未起動に遷移した場合
ノードの変更を監視するための設定
ノードの変更を監視するためには、以下の設定が必要です。
ポリシーの設定
監視する対象の設定
ポリシーの設定/監視する対象の設定
[Systemwalkerコンソール]から対象のノード、またはフォルダを選択しポリシーを設定します
設定するポリシー | Systemwalkerコンソールのメニュー |
---|---|
[ノード検出] | [ポリシー]-[ポリシーの定義]-[ノードの監視]-[ノードの検出] |
[稼働状態の監視] | [ポリシー]-[ポリシーの定義]-[ノードの監視]-[稼働状態の監視] |
ポリシー設定を行ったノードまたはフォルダを削除した場合、同時にポリシーも削除されます。
ノード検出については、“ノードを検出する”を参照し、各サーバ台数の推奨値を参考にして設定してください。また、[検出モード]については、[カスタム]を選択し、[ARPテーブルを参照する]と[ノードに接続し検索する]にチェックします。
稼働状態の監視については、“ノードの稼働状態を監視する”を参照してください。
[Systemwalkerコンソール[編集]]で、DHCP運用を行っているセグメントのプロパティを表示します。
[ネットワーク]タブからDHCPの範囲を設定します。
DHCP運用を行っているセグメントに対して、[ノード検出]ポリシーを設定します。
DHCP運用を行っているセグメントに対して、[稼働状態の監視を]ポリシーを設定します。
[ポリシー]-[ポリシーの定義]-[ノードの監視]-[DHCPクライアントの監視]を選択します。
→[DHCPクライアント監視]画面が表示されます。
[基本]タブで通知を行いたいイベントの[条件]を設定します。
→初期値ではDHCPクライアント監視のイベントの通知は行いません。
[対象]タブで[DHCPクライアント監視]で管理対象とするMACアドレスを指定します。
→指定されないMACアドレスについては、[未登録ノードを検出]のイベントが通知されます。
[ノード管理]ツリーまたは[業務管理]ツリーで監視する場合
「ノードが削除された場合」のイベントを[ノード管理]ツリーまたは[業務管理]ツリーで監視する場合は、イベントの発生元が運用管理サーバとなるため、監視するツリーに運用管理サーバを追加してください。
注意
DHCPクライアント監視の条件
DHCPクライアント監視をするには、以下の条件を満たす必要があります。
セグメントのプロパティにDHCP設定が行われていること。
DHCP運用を行っているセグメントに、[ノード検出]ポリシーが設定されていること。
DHCP運用を行っているセグメントに、[稼働状態の監視を]ポリシーが設定されていること。
「DHCPクライアント監視を行うことができません」のイベントが通知された場合
DHCPクライアント監視を行い、[ノード一覧]画面で同一のMACアドレスが複数存在する環境にて、以下の操作を行った場合、「MACアドレスが重複しています(XXX.XXX.XXX.XXX).DHCPクライアント監視を行うことができません.」のイベントが通知される場合があります。このイベントが通知された場合は、[Systemwalkerコンソール]上でMACアドレスが重複しているノードすべてを削除してください。
DHCPクライアント監視のポリシーを変更・配付する
ネットワーク管理ポリシー反映コマンドを実行する
Systemwalker Centric Manager を再起動する