全体監視の運用形態と、各運用形態で使用できる機能の概要について説明します。
運用形態
全体監視機能を利用した運用には、以下の2種類があります。
シングルサイト型
同一サイト内(インターネットでない環境)で全体監視を行う運用形態です。
マルチサイト型
複数のサイト間(インターネット環境)で全体監視を行う運用形態です。
マルチサイト型の全体監視で使用するプロトコルには以下の2つがあり、それぞれ使用できる機能が異なります。使用する機能に合わせて、サイトごとにどちらのプロトコルを使用するかを決めてください。各プロトコルで使用できる機能については、“使用できる機能”を参照してください。
Systemwalkerプロトコル
インターネット標準プロトコル(HTTPS/SMTP)
なお、Systemwalkerプロトコルを使用する場合、被監視運用管理サーバとその配下の被監視サーバのホスト名は、他の被監視運用管理サーバや被監視サーバと重複していても運用することが可能です。
使用できる機能
全体監視環境の各運用形態で使用できる機能について説明します。
[Systemwalkerコンソール]
[Systemwalkerコンソール]から使用できる機能の一覧を以下に示します。
機能分類 | 機能 | シングルサイト型 | マルチサイト型 | 説明 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
Systemwalkerプロトコル | Systemwalkerプロトコル | インターネット標準プロトコル | ||||
構 | ネットワークの構成情報の管理 | ノード検出 | △ | △ | △ | 自動検出はできません。 |
システムの構成情報の管理 | インベントリ管理 | △ | △ | △ | 被管理側で収集したインベントリ情報は管理できません。 | |
アプリケーションの構成情報の管理 | アプリケーション検出 | × | × | × | ||
コ | クライアントのコンソール | [Systemwalkerコンソール] | ○ | ○ | ○ | |
Webコンソール | [Systemwalker Webコンソール] | ○ | ○ | ○ | ||
サーバ間連携(対処連携) | ○ | ○ | × | 全体監視サーバ・被管理サーバの一方で監視イベントの状態を[対処済]または[保留]に変更した場合、他方のサーバでも監視イベントの状態が自動的に同期して変更されます。 | ||
ポリシー配付 | △ | △ | △ | イベント監視の条件定義のポリシーだけを配付できます。 | ||
資 | 資源配付・状況検索 | ○ | × | ○ | インターネット型の場合、HTTPS通信で配付します。 | |
配付結果通知 | ○ | × | ○ | |||
インベントリ通知 | ○ | ○ | × | |||
ネ | 稼働監視 | 稼働状態の監視 | × | × | × | 被管理側で収集した異常メッセージ、およびしきい値超えなどのイベントを管理側へ通知し、監視することができます。 |
障害監視 | SNMPトラップの監視 | ○ | ○ | ○ | ||
MIBしきい値監視 | × | × | × | |||
システムのイベント監視 | ○ | ○ | ○ | |||
性能監視 | システム性能監視 | × | × | × | ||
ネットワーク性能監視 | × | × | × | |||
性能情報の表示 | × | × | × | |||
ア | 稼働監視 | アプリケーションの稼働状態の表示 | × | × | × | 被管理側で発生した稼働違反、およびしきい値超えなどのイベントを管理側へ通知し、監視することができます。 |
アプリケーションの稼働状態の監視 | × | × | × | |||
障害監視 | アプリケーションのイベント監視 | ○ | ○ | ○ | ||
性能監視 | アプリケーションしきい値監視 | × | × | × | ||
アプリケーション性能表示 | × | × | × | |||
業 | 業務監視 | 業務構成の管理 | ○ | ○ | ○ | |
リソースの関係管理 | ○ | ○ | ○ | |||
ノードの変更監視 | 未登録固定IPノードの接続検知 | × | × | × | 全体監視サーバでは監視ができません。 | |
固定IPノードの削除/追加/アドレス変更の検知 | × | × | × | |||
セ | 操作制御 | サーバアクセス制御 | ○ | ○ | ○ | |
障 | リモートからの操作 | リモート操作 | ○ | ○ | × | 被管理側のPC(Windows版)から操作できます。 |
リモートコマンド | ○ | △(注1) | × | 自動アクションは、サーバごとに実行してください。 | ||
リモートからの電源投入・切断 | サーバの電源投入・切断 | ○ | ○ | × | ||
障害対処の自動化 | 自動アクション | ○ | ○ | ○ | ||
サ | ネットワーク性能評価 | 性能情報グラフ表示 | × | × | × | |
システムの評価 | レポーティング | ○ | ○ | ○ | 評価レポート機能はマネージャ側の機能です。 | |
Systemwalker | イベントトレース | イベントトレース | ○ | ○ | ○ | |
プロセス監視 | Systemwalkerのプロセス監視 | ○ | ○ | ○ | ||
ダウン監視 | Systemwalkerセルフチェック | ○ | × | × | ||
スローダウン監視 | イベントのスローダウン監視 | ○ | ○ | ○ | ||
IPC資源の一元管理 | ○ | ○ | ○ | |||
インテリジェントサービス | ○ | ○ | ○ | |||
ソフトウェア修正管理 | △ | △ | △ | 被管理側で収集した修正の情報は管理できません。 | ||
監査ログ管理 | ○ | ○ | × | 全体監視サーバからの監査ログ管理のポリシー設定(収集定義登録・配付)はできません。 | ||
監査ログ分析 | ○ | ○ | × | 各運用管理サーバから全体監視サーバに監査ログを収集した場合、運用管理サーバ上でログ分析を行うときと同様に、全体監視サーバ上でログ分析を行うことができます。 | ||
監視抑止 | × | × | × | 全体監視サーバで、監視抑止の設定を行うことはできません。 | ||
ト | 調査資料の採取 | 保守情報収集ツール | ○ | ○ | ○ |
○:使用可能
△:一部使用可能
×:使用不可能
注) Systemwalker Centric Managerを導入しないシステムのイベント監視やインベントリ管理も、Systemwalker Centric Managerを導入したシステムと同様に監視や管理ができます。
注意
VM運用について
管理OSに異常が発生した場合、同一物理サーバ内のゲストOSにも影響があるため、高信頼な環境を実現することができません。このため、同一物理サーバ内の2台の運用管理サーバで全体監視環境(全体監視サーバ-被監視運用管理サーバ)を作成しないでください。
VM運用で使用できる機能の詳細については、“Systemwalker Centric Manager PRIMERGY/PRIMEQUEST運用管理ガイド”の、“機能概要”を参照してください。