ネットワーク機器の故障などのために、ネットワーク機器の交換を行う場合の作業手順について説明します。
図7.1 ネットワーク機器の交換イメージ
現用・待機構成の冗長構成のネットワーク機器で運用を継続しながら交換を行う場合、以下の手順で行います。
特に記述がない場合、以下の作業はインフラ管理者が行います。
保守作業を行うことをアナウンスします。
交換対象のネットワーク機器が現用状態なのか待機状態なのかを、ネットワーク機器に直接ログインして確認します。
交換対象のネットワーク機器が現用状態の場合、冗長構成を組んでいる待機状態のネットワーク機器との間で状態の切替えを行い、交換対象のネットワーク機器の状態を現用状態から待機状態に変更します。
交換対象のネットワーク機器を"保守モード"に変更します。
"保守モード"に切り替わったネットワーク機器から現状の環境(定義など)をバックアップします。
ネットワーク機器を交換します。(ハードウェアの保守担当者)
手順4.でバックアップした環境を交換後のネットワーク機器にリストアします。
現用状態のネットワーク機器から現状の定義をバックアップします。
手順4.でバックアップした環境の定義と手順7.でバックアップした環境で冗長構成を構成するうえで、問題になる定義の差分がないか確認します。
問題になる差分があった場合、交換後のネットワーク機器に直接ログインし、差分を解消してください。
交換後のネットワーク機器の問題がなくなった時点で、ネットワーク機器の"保守モード"を解除します。
保守作業が終了したことをアナウンスします。
参照
保守モードの設定と解除については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「14.1 保守モードの切替え」を参照してください。
注意
ネットワーク機器の交換は同一機種での交換が前提です。
以下について、事前にネットワーク機器のマニュアルで確認してください。
冗長構成時の交換手順
ネットワーク機器への操作(状態の切替え、バックアップ方法、リストア方法)
冗長構成を構成するうえで問題になる環境の差分
冗長構成を組むネットワーク機器の場合、以下の順番で交換を行ってください。
待機状態のネットワーク機器の交換
交換前の現用状態のネットワーク機器を待機状態にしてから交換
複数の冗長構成を組むネットワーク機器を同時に交換する場合、冗長構成を組む単位に交換作業を行ってください。
交換するネットワーク機器が故障していた場合、手順4.はできません。通常の運用の中で、ネットワーク機器の故障に備えて定期的に環境のバックアップを行っておくことをお勧めします。
定期的に環境のバックアップを行っておくことで、最新のバックアップ環境をリストア用の環境として利用して、ネットワーク機器の交換後の復旧作業量を軽減できます。