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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.0.0 導入ガイド

E.2.7 オーバーコミット

ここでは、L-Serverのオーバーコミットについて説明します。


オーバーコミット

本製品では、VMwareのCPUやメモリのオーバーコミットを利用できます。

VMwareのCPUやメモリのオーバーコミットとは、サーバに実装されているCPUやメモリのリソース量よりも、多くのリソースをゲストOSに対して仮想的に割り当てられる機能のことです。

本製品では、L-Serverを作成する際に、VMwareのCPUやメモリのオーバーコミットを利用するため以下の機能を提供します。

L-Serverについては、「1.2.3 L-Server」、「E.2.5 セットアップ」の「L-Server作成」、または「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第10章 L-Serverの作成」を参照してください。
リソースプールについては、「1.2.2 リソースプール」または「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第12章 リソースプールの操作」を参照してください。
空き容量の表示またはL-Server換算表示については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「12.4 表示」を参照してください。


前提条件

管理サーバ

本製品、VMwareおよびCPUとメモリのオーバーコミットとの連携機能を利用する場合、管理サーバのOSは、Windowsだけサポートします。


導入手順

以下の手順で、オーバーコミットを導入します。

  1. オーバーコミット用のVMプールの作成

    VMプールの作成方法については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「12.2 リソースプールの操作」を参照してください。

    注意

    オーバーコミットのVMプールには、オーバーコミットをサポートしているVMホスト(VMware、Hyper-V、RHEL-KVM)だけを登録してください。VMware、Hyper-V、RHEL-KVM以外のVMホストが登録されている場合、そのVMホストを、ほかのVMプールへ移動してください。
    オーバーコミットのVMプールに登録されているVMware、Hyper-V、RHEL-KVM以外のVMホストに対して、以下の操作はできません。

    • L-Serverの作成

    • 構築済み仮想マシンのL-Serverへの関連付け

  2. VMプールに対するオーバーコミット設定ファイルの作成

    手順1.で作成したVMプールに、オーバーコミットの設定、およびオーバーコミットで使用するVMプールに対する空き容量を計算し、予約値または上限値を指定します。

    VMプールに対するオーバーコミット設定ファイルを作成します。
    定義ファイルについては、「E.1.1 定義ファイル」を参照してください。

    ポイント

    オーバーコミットを使用するL-Serverと使用しないL-Serverを作成する場合、オーバーコミットを使用するVMプールと使用しないVMプールの両方を作成する必要があります。

  3. VM固有情報定義ファイルの作成

    VM固有情報定義ファイルを作成します。VM固有情報定義ファイルは、L-Serverテンプレートにオーバーコミットの値を設定せず、ユーザーグループごとに異なる設定を行う場合に作成してください。
    VM固有情報定義ファイルの作成については、「E.1.1 定義ファイル」を参照してください。

  4. L-Serverテンプレートのエクスポート

    L-Serverテンプレートのエクスポートについては、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「8.2.1 エクスポート」を参照してください。

  5. L-Serverテンプレートの編集

    L-Serverテンプレートにオーバーコミットを設定します。
    L-ServerテンプレートのXML定義については、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「2.2.2 仮想L-Serverテンプレート」に従って編集してください。

    なお、VM固有情報定義ファイルを使用してオーバーコミットの各値を設定する場合、"オーバーコミットの有効/無効"以外の以下の要素を設定しないでください。L-Serverテンプレートでオーバーコミットに関する値を設定した場合、その値が優先されます。

    • CPU予約性能

    • CPUシェア

    • メモリ予約容量

    • メモリシェア

    参考

    L-Serverテンプレート名を編集しないでインポートすると、既存のL-Serverテンプレートの内容が上書きされます。エクスポートした際のL-Serverテンプレートと異なる名前に変更してインポートすると、L-Serverテンプレートが追加されます。

  6. L-Serverテンプレートのインポート

    L-Serverテンプレートのインポートについては、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「8.2.3 インポート」を参照してください。

  7. L-Serverの作成

    手順5.で作成したL-Serverテンプレートを利用してL-Serverを作成します。
    詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「10.1 L-Serverテンプレートを利用したL-Serverの作成」を参照してください。

    L-Serverテンプレートを利用しない場合、コマンドを利用してL-Serverを作成します。「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第10章 L-Serverの作成」に従ってL-ServerのXMLを編集したあと、rcxadm lserver createコマンドを実行します。
    rcxadm lserverコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.3.1 rcxadm lserver」を参照してください。

  8. L-Serverに対するオーバーコミットの設定確認

    L-Serverに対するオーバーコミットの設定を確認するには、rcxadm lserver showコマンドを実行します。

    コマンドの出力結果に、"OverCommit: true"の行が含まれているか確認してください。

    rcxadm lserverコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.3.1 rcxadm lserver」を参照してください。

    注意

    L-Serverの起動に失敗した場合、L-Serverの設定により方法が異なります。
    以下を実行してください。

    • L-Serverの設定で、"運用位置"が"起動毎に変更"の場合

      L-Serverの起動を再実行してください。リソースに空き領域があるVMホストがあれば、何回か起動を行うと空き領域のあるVMホストで起動できます。

    • L-Serverの設定で、"運用位置"が"固定"の場合

      VMホストを自動選択しないため、L-Serverの運用位置を変更して起動するか、同じVMホスト上のほかのL-Serverを移動または停止させたあとに起動してください。

      運用位置の変更については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「10.3 個々のパラメーターを指定した仮想L-Serverの作成」を参照してください。
      運用位置の移動については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「11.7 VMホスト間の移動(マイグレーション)」を参照してください。


L-Serverの仕様変更

ここでは、L-Serverの仕様変更について説明します。

L-Serverの仕様変更は、rcxadm lserver modifyコマンドを実行します。
rcxadm lserverコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.3.1 rcxadm lserver」を参照してください。

注意

L-Serverの仕様を変更する場合、VMホストの稼動している物理サーバのリソース(CPU数、CPU周波数、メモリ容量)がCPU予約性能、メモリ予約容量よりも小さい場合、L-Serverの仕様変更は失敗します。

また、CPU性能やメモリ容量が、CPU予約性能やメモリ予約容量の値よりも小さくなる場合も、L-Serverの仕様変更は失敗します。

リソースを割り当てたL-Serverの仕様変更を行う際は、L-Serverに設定済みの値が優先されるため、VM固有情報定義ファイルの情報は反映されません。そのようなL-Serverの仕様変更を行う際は、XMLに変更する値を記載し、コマンドを使用して変更してください。