タグVLANインタフェースを使用した伝送路の冗長化について説明します。
注意
GS連携方式ではタグVLANをサポートしません。
参照
タグVLAN使用時のネットワークの設定は、“3.2.2 ネットワークの設定”を参照してください。
高速切替方式でタグVLANインタフェースを束ねる場合、物理インタフェースの代わりにタグVLANインタフェースを指定します。図3.2 タグVLANインタフェースを使用した高速切替方式に、タグVLANインタフェースを束ねた場合の構成を示します。
注意
タグVLANインタフェースと通常(タグ無し)のインタフェースを混在させて束ねることはできません。タグVLANインタフェースを束ねる場合は、束ねるインタフェースすべてをタグVLANインタフェースとする必要があります。
参照
高速切替方式が束ねるインタフェースの設定方法については、“7.1 hanetconfigコマンド”を参照してください。
図3.2 タグVLANインタフェースを使用した高速切替方式に、高速切替方式でタグVLANインタフェースを使用する場合の構成例を示します。
図3.2 タグVLANインタフェースを使用した高速切替方式
NIC切替方式でタグVLANインタフェースを束ねる場合、物理インタフェースの代わりにタグVLANインタフェースを指定します。
なお、同一物理回線上のタグVLANインタフェースを複数の仮想インタフェースで束ねる場合は、監視先情報の設定により「同期切替え」と「非同期切替え」の2種類の切替え動作を設定することができます。以下に、「同期切替え」と「非同期切替え」のそれぞれの動作について説明します。
二重化方式 | 切替え動作 | ||
---|---|---|---|
同期切替え | 非同期切替え | ||
NIC切替方式(論理IP引継ぎ) | IPv4 | ○ | ○ |
IPv6 | ○ | ○ | |
Dual | ○ | ○ | |
NIC切替方式(物理IP引継ぎ) | IPv4 | × | ○ |
[記号の説明]○:使用可能、×:使用不可
参照
監視先の設定方法については、“7.7 hanetpollコマンド”を参照してください。
同期切替え
タグVLANインタフェースを束ねる複数の仮想インタフェースについて、監視先情報に同一の監視先IPアドレスを設定することにより、伝送路異常発生時に、すべての仮想インタフェースを同期して切替えることができます。仮想インタフェースの同期切替えは、監視先となるスイッチ/HUBにIPアドレスが1つしか設定できない場合に選択します。
図3.3 タグVLANインタフェースを使用したNIC切替方式(同期切替え)に、仮想インタフェースの同期切替えを行う場合の構成を示します。
図3.3 タグVLANインタフェースを使用したNIC切替方式(同期切替え)
図3.3 タグVLANインタフェースを使用したNIC切替方式(同期切替え)の例では、仮想インタフェースのsha0とsha1が同じ監視先のIPアドレスを設定しているため、sha0で伝送路異常を検出して仮想インタフェースの切替えを行う際、同時にsha1の仮想インタフェースも切替えを行います。
非同期切替え
タグVLANインタフェースを束ねる複数の仮想インタフェースを非同期に切替えることができます。この場合、監視先情報には仮想インタフェース毎に異なる監視先IPアドレスを設定します。仮想インタフェースの非同期切替えは、監視先となるスイッチ/HUBに、IPアドレスが複数設定可能な場合、および、待機NICを有効に使用したい場合に選択します。
図3.4 タグVLANインタフェースを使用したNIC切替方式(非同期切替え)に、仮想インタフェースの非同期切替えを行う場合の構成を示します。
図3.4 タグVLANインタフェースを使用したNIC切替方式(非同期切替え)
図3.4 タグVLANインタフェースを使用したNIC切替方式(非同期切替え)の例では、仮想インタフェースのsha0とsha1が異なる監視先のIPアドレスを設定しているため、sha0で伝送路異常を検出して仮想インタフェースの切替えを行う場合でも、sha1の仮想インタフェースは切替えが行われません。また、sha1で伝送路異常を検出して仮想インタフェースの切替えを行う場合でも、sha0の仮想インタフェースは切替えが行われません。
注意
NIC切替方式において、同一物理インタフェースのタグVLANインタフェースを共有する場合は、待機パトロールは1つの仮想インタフェースにのみ設定してください。例えば、sha0の仮想インタフェースが“eth0.1”と“eth1.1”を使用し、sha1の仮想インタフェースが“eth1.2”と“eth0.2”を使用する場合、どちらか1つの仮想インタフェースにのみ待機パトロールを設定します。
タグVLANインタフェースをNIC切替方式で二重化する場合、二重化する物理インタフェースのうち、どちらか1つだけをNIC共有させる構成はできません。例えば、ある仮想インタフェースが“eth0.1”と“eth1.1”を使用する場合、もう1つの仮想インタフェースが“eth1.2”と“eth2.2”を使用する構成は、物理インタフェースのeth1のみをNIC共有させることになるため、設定することはできません。
タグVLANインタフェースの同期切替えを行う際に監視先アドレスを2つ設定する場合は、同一ネットワーク上のアドレスを2つ指定してください。監視に使用する仮想インタフェースは1つだけ選択されるため、異なるネットワークのアドレスが設定された場合は監視が正常に動作しない場合があります。
仮想インタフェースの同期切替えは、論理IPアドレス引継ぎの場合のみ可能です。物理IPアドレス引継ぎの場合、仮想インタフェースの同期切替えは行えません。
物理インタフェースを束ねた仮想インタフェースとタグVLANインタフェースを束ねた仮想インタフェース間で物理回線を共有する場合、非同期切替方式を使用することはできません。同期切替方式を使用してください。
物理インタフェースを束ねた仮想インタフェースとタグVLANインタフェースを束ねた仮想インタフェース間で物理回線を共有する場合は、それぞれの仮想インタフェースに対して待機パトロールを設定してください。例えば、以下のようにsha0の仮想インタフェースが“eth0”と“eth1”を使用し、sha1の仮想インタフェースが“eth1.2”と“eth0.2”を使用する場合、両方の仮想インタフェースに対して待機パトロール(sha2、sha3)を設定します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print [IPv4,Patrol / Virtual NIC] Name Hostname Mode Physical ipaddr Interface List +-----------+---------------+----+-----------------+---------------------------+ sha0 192.168.10.110 d 192.168.10.10 eth0,eth1 sha1 192.168.12.110 d 192.168.12.10 eth0.2,eth1.2 sha2 - p - sha0 sha3 - p - sha1 |
仮想NIC方式では仮想インタフェース上にタグVLANインタフェースを生成し、通信を行うことができます。また、タグなし通信とタグあり通信を混在させることも可能です。
以下に、図3.5 タグVLANインタフェースを使用した仮想NIC方式を示します。
図3.5 タグVLANインタフェースを使用した仮想NIC方式
注意
仮想NIC方式では、タグVLANインタフェース(ethX.Y、VLANX等)を束ねることはできません。