機能説明
MQDのシステム環境を移入するコマンドです。移出した資源を使用してMQDのシステム環境を移入します。拡張機能の環境を移入することもできます。ただしメッセージは移入されません。
本コマンドで移入しようとしたMQDシステムと同一名のMQDシステムが存在した場合、エラーとなります。また、MQDのシステム環境の削除は他製品、他コンポーネントの移入処理よりも先に実施する必要があります。
入力形式
mqdimport [ {-s sysname|-a} ]-d directory[ {-b|-r} ][-j]
パラメタ
移入するMQDシステムを指定します。このパラメタを省略した場合、MQDシステム名は“MQD001”となります。
-s sysname: 指定されたMQDのシステム環境を移入する
-a: 移出した全てのMQDシステムを移入する
移入をおこなうMQDのシステム環境の格納ディレクトリ名を絶対パスで指定します。指定したディレクトリが存在しない場合、もしくはディレクトリでない場合は、エラーとなります。
指定できるディレクトリの最大長は200バイト(絶対パス)になります。
移入方法を指定します。本オプションが指定されなかった場合は、拡張機能を含む環境を移入します。
-b: 基本機能だけを移入
-r: 移入するデータ内の各種定義ファイルで拡張機能を再作成
-rを指定してイベントチャネル連携サービスを移入した場合、イベントチャネル連携サービスの定義が登録されただけで、定義が反映されていない状態になっており、このまま運用はできません。定義を反映してからイベントチャネル連携サービスを起動してください。
定義の反映はMQDシステムを起動した上で、mqdstrsvcコマンドを -nオプション付きで実行してください。定義の反映前にMQDシステムとイベントチャネル連携サービスを連動起動すると、MQDシステムの起動には成功しますが、以下のメッセージを出力し、イベントチャネル連携サービスの起動に失敗します。
エラー:MQD6313:サービス定義が登録されていません
コマンド実行の問合せを回避する場合に指定します。問合せを回避した場合、指定されたMQDのシステム環境を移入します。
注意事項
本コマンドは、スーパユーザだけが実行できます。
移入するMQDシステム名と同じMQDシステムが存在する場合は、他の製品やコンポーネントの移入を行う前に必ずMQDのシステム環境の削除を実施してください。
本コマンド実行中は、他のMQDのコマンドは実行しないでください。
本コマンド実行中は、移入をおこなうMQDのシステム環境の格納ディレクトリ内のファイルを開かないでください。
移入が失敗するとエラーメッセージMQD4022が出力されます。移入がエラーとなった場合、MQDのシステム環境は移入前の状態に戻ります。
-aオプションを指定して実行し、途中でエラーが発生した場合、それ以降の移入処理は行わず、エラーが発生したMQDのシステム環境は移入前の状態に戻ります。ただし、エラー発生時までに正常に移入されたMQDシステムは移入前の状態には戻りません。
移入するMQDのシステム環境の格納ディレクトリに特殊ファイル(ローデバイスファイル、FIFOファイル、socketファイルなど)は指定できません。また、移入するMQDのシステム環境の格納ディレクトリにローカルディスクを指定してください。
MQDは非同期通信においてメッセージを保障しているため、メッセージは移出・移入の対象ではありません。
データベースを使用しているMQDのシステム環境の移出・移入はできません。
イベントチャネル連携サービスを使用したMQDのシステム環境を移入する場合、事前にInterstageのリストアを実施してください。
SMTP連携サービスを使用したMQDのシステム環境を移入する場合、事前にsendmail環境を移出時と同じ状態に構築してください。
エクスポート機能ではMQDのシステムファイルも移出しています。これらシステムファイルに何らかの操作を行って本コマンドを実行した場合、本コマンドが異常終了する場合があります。また、移入が正しく行われた場合でも、正しく運用ができない場合があります。
移入をおこなうMQDのシステム環境の格納ディレクトリ名にInterstageのインストールディレクトリを指定することはできません。
クラスタ環境で構築したMQDシステムの移出・移入はできません。
本コマンドの実行開始後、コマンド内部の処理によりシステムログにエラーメッセージMQD4088およびMQD4109が出力されることがあります。本コマンドが正しく終了したことを示すメッセージMQD4258が出力されている場合は、上記エラーメッセージは無視してください。
使用例
MQDシステム名 MQD001 のシステム環境を“C:\exportdir”から移入します。基本機能だけ移入します。
mqdimport -b -d C:\exportdir
MQDシステム名 MQD001 のシステム環境を“/exportdir”から移入します。基本機能だけ移入します。
mqdexport -b -d /exportdir
すべてのMQDのシステム環境を“C:\exportdir”から移入します。拡張機能についても移入します。
mqdexport -a -d C:\exportdir
すべてのMQDのシステム環境を“/exportdir”から移入します。拡張機能についても移入します。
mqdimport -a -d /exportdir