ここでは、負荷分散のために業務サーバを追加する方法について説明します。
ロードバランサを用いて業務サーバの負荷分散を行う場合、すでに設置済の業務サーバと同一環境の業務サーバを作成する必要があります。
以下に、ssobackupコマンドを用いて、すでに業務サーバが構築されている移出マシンから業務サーバの環境を移出し、ssorestoreコマンドを用いて、業務サーバを追加する移入マシンに業務サーバの環境を移入する手順を説明します。
ssobackup、およびssorestoreの詳細については“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“バックアップコマンド”を参照してください。
ssobackupコマンドでは、Webブラウザに表示するメッセージの移出も行います。このため、業務サーバの移出を行う前に、メッセージのカスタマイズも行うようにしてください。Webブラウザに表示するメッセージのカスタマイズの詳細については、“5.1 Webブラウザに表示するメッセージのカスタマイズ”を参照してください。
負荷分散を行うための事前準備
運用中の業務システムに、新たにロードバランサを追加する際は、以下の点に注意してください。
設置済の業務サーバのホスト名をロードバランサに設定し、業務システムの公開URLを変更しないようにしてください。業務システムの公開URLについては、“1.7.2 業務システムの公開URLについて”を参照してください。
移入マシンの準備
移出するマシンと同じディスク構成のマシンを用意します。
SSO管理者から通知された業務システム構築ファイルに誤りがある場合、負荷分散のために追加する業務サーバは、すべて作り直しとなります。このため、業務サーバの環境情報の取り出しを行う前に、移出マシンでクライアントからのアクセスが正しく認証・認可されることを確認してください。
移出マシンの資源の取り出し
移出マシンでssobackupコマンドを-azオプションで実行し、業務サーバ資源を資源格納ファイルに取り出します。(注1)
Interstage証明書環境資源を移出します。(注1)
業務システムで使用しているWebサーバの資源を移出します。(注2)
Javaアプリケーションを開発している場合は、IJServerの資源を移出します。(注1)
手順1から4で取り出した資源を、移入マシンに転送します。
転送する場合には、第三者に盗聴などされないように注意してください。なお、転送の際、手順1で取り出した資源格納ファイルの権限は変更しないでください。
移入マシンの環境の構築
移出マシンから取り出したInterstage証明書環境を移入します。(注1)
移出マシンとWebシステムやWebサービスの環境が同一になるように、Webサーバの資源を移入します。(注2)
移入マシンで、ssorestoreコマンドを実行し、業務サーバ資源を移入します。(注1)
Javaアプリケーションを開発している場合は、移出マシンから取り出したIJServerの資源を移入します。(注1)
移出マシンから取り出した資源格納ファイルを削除します。
注1)資源の移出、および移入については、“運用ガイド(基本編)”の“メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)”-“他サーバへの資源移行”を参照してください。
注2)WebサーバにInterstage HTTP Serverを使用している場合は、運用ガイド(基本編)”の“メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)”-“他サーバへの資源移行”を参照し、資源の移出、および移入を行ってください。
業務サーバの負荷分散を行う場合、複数の業務サーバのInterstage シングル・サインオンは、同一のバージョン、エディション、インストールディレクトリである必要があります。また、プラットフォームも同一のものである必要があります。
同じクライアントからのリクエストは、同じ業務サーバにリクエストが転送されるようにロードバランサを設定してください。
ロードバランサにIPCOMを使用する場合、以下のように設定してください。
動作モード:ブリッジ
負荷分散の方法と接続の一意性:ノード単位の分散
業務サーバから取り出した資源格納ファイルはセキュリティ上重要なファイルです。業務サーバの構築後は必ず削除してください。